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[大きな身体にしては、殆ど音を立てず静かに露台に下りてきた男に]
そうか。出来上がりが楽しみだな。
……狩りの最中か?
[ならば、あまり引き止めるのも悪いかと思いながら]
スティーヴは、あちこち飛び回っているけれど、クローディアの話の後……何事もないか?私は結界樹の方には行っていないけれど、あちらにも、変わりはないかな。
あ、カルロス君、もう大丈夫なの? ごめんね! なんかエリリンとの仲を邪魔しちゃって!
[激しい誤解である]
と、そういえば、ジョエルんが最後に言ってたのってどういう意味だろ? ラスさんわかる?
[ジョエルに手を振りながら、小首を傾げ、更にラスに聞いてみた]
[ 簡単に探してみたが、探し人は見当たらず。]
……聖殿で待つほうが早いことに気がつきました。
[ 闇雲に探しても疲れるだけだと気がついた。
そう言って聖殿へとまた降り立つ。
先程からやっぱり空気は変わっていないように感じる。]
………さて、困りましたね。
[ そう言って首を捻る。]
そうそう。
……特に、アンタみたいにまだまだ先のある子供は、おかしく焦っちゃいけないよ。
[小さく頷く少年に、諭すような言葉をかける。
表情の変化には気づいてはいたけれど、何も言わずに笑みを返した]
ふふ、ありがとねぇ。
綺麗な色が出るかどうかは、染める草の質で決まるから、大事なんだ、これは。
せた……いぬ……し?
[エリカの言葉に、アヤメを見ながら首を傾げる]
一緒に、住んでるってこと?
[アヤメの答えを思い返しながら、瞳に好奇の色を浮かべ]
村、いろんな人……いるんだ。
……ちょっと、行ってみたい……かな。
[二方向から向けられる視線に、ラウルはくぅ? と首傾げ]
ああ、なるほどね。
土地勘もないだろうに迷子にならないのか、そこは心配だったんだが。
案内してくれる子がいたなら、納得さね。
[相棒は相棒で、疑問の答えに呑気に納得していたりする]
[平気そうな、カルロスにはほうと息をついて。
リディアの言葉には、ジョエルの言葉を思い出して反芻し、ふるふると頭を振った。]
…俺、泣かしてないよな?
[片手で額を隠すようにしながら、困った顔をする。]
[小柄な子供のような影に見えたが、未だ距離が遠く、その姿形は判別できない。子供が結界樹で遊ぶといったことは無いでもなかったから―過去には自分もやったことだ―不審と言い切れはしなかったが、時が時だけに気に懸かった]
ん、リディちゃんも心配ありがとね。
リディちゃんこそ、さっきは悲鳴を上げてたみたいだけど、平気だった?
ラスにでも襲われたかとびっくりしたよー。
[からからと、冗談めかして笑い、]
そうそ、せっかくの逢瀬の時は気をつけてもらわないと。
[誤解を更に広めるような発言を]
[湖の方へと足を向けようとした時、上空から呼ぶ声が届く]
どうした?
[慌てた様子で降りてきた護衛の一員である親族の様子に眉を顰める]
−治療院−
……いや、今日は狩りには出ていない。
届け物をして、色々見て回っていた。
[眉を顰めて、カレンの問いに淡々と答える。]
………何事かあったと言えるほどではないが、幾つか。
結界樹は変わりない。
……カレンの方は、何かあったか?
[たった今、実がもがれたり頂上に登られたりしているとは知らず。
治療院に気になる患者が現れはしなかったかと問う。]
……さっき、ラスさんに頭撫でられそうになって、泣かされたのに、隠すんだ? ふ〜ん!
[と、ニヤニヤ顔で、誰にこの事を言おうか画策中。の、ところにカルロスからの冗談発言を重要発言と取り違え――]
え”!?
うそ!?
ほんとう!?
早く誰かに言いふらさないと……
[少し混乱気味]
[ しばらくぼんやりと待ってみるも、誰も来ず。]
後は…結界樹の方でしょうか…。
…面倒くさい…とは言ってられませんか。
[ そう言って結界樹の方へともう一度羽根を広げる。]
……うん?
[まだまだ先がある、と言われれば、そうなの?と目をぱちくり。礼の言葉と共に向けられた笑みには、笑顔を作って]
えっと……アヤメさん
どんな草……欲しいの?
綺麗な草だったら、結界樹の近くまで行く方がいいの、かな……
そう、
見ず知らずの私を住まわせてくれている、気の好いひと。
機織というと、村では名も知れているらしい。
後は、歌が上手い。
[当人の前にも関わらず、
案内人の子へと世帯主についての事を話す]
うん、
森の道だけでなく、
植物や動物にも聡い子だから、
草の事を訊くのは良いと思う。
[ついで、世帯主に返す台詞も似たようなもの。
首を傾げる鳥には、首を左右に振った]
[状況を説明しようとする相手の言葉を最後まで聞くのももどかしく、ばさりと萌黄の翼を広げ、数歩の助走をつけただけで飛び上がる。途中、幾度か高く聳えた樹の幹を蹴って上空への足掛かりとした]
ありがとうございます。
[ 労いの言葉には素直に謝礼を述べる。]
まぁ、利害が一致している以上は。
急いで壊す必要もありませんよね。
[長く背から伸びる翼は、樹木の枝に叩かれて羽毛を撒き散らしたが、それには構わず限界まで羽ばたいて上空へと身を運び、次いで一気に聖殿の方角へと滑空する]
まあ、うん。ラスはしないだろうね。
分かってて言ってるし。
[あっさりと頷く]
て…へぇ、でも、ラスが泣かせたのは本当なんだー。へええええ。
[リディアに便乗してニヤニヤ。
すぐに、くるりとリディアに振り向くと]
いや、それ嘘。
誤解招くし、言い触らすなよ?
あ〜あ〜。飽きちゃった〜
[実をもいで、好きに振舞って、そして飽きた。
もう一度空を眺める、地は眺めなかった。わからなかったからだが、当然見られていたことなど気づかなくて]
…登ったら
落ちなきゃね……あは
[陽気に笑みを浮かべると、後ろから倒れこむように、体を宙に投げ出した]
いや、施療院の方はちょっとした風邪やらいつも病気をかかえているお年寄りやらばかりで、落ち着いているくらいだ。後は、先生の頼みで、聖殿に薬の差し入れに行ったくらい。……スティーヴも、持って行くか?
……ああ、変わったことといえば、小さな男の子が、一昨日、クローディアの話を聞いていたときに、具合を悪くしたようだった。昨日見かけたときには、大丈夫なようだったけれど。
[自らも、少年と同じか、それより下に見える容姿をしながら、オーフェンの事は「小さな男の子」と呼ぶ]
[ 飛び上がろうとしたその時、俄かに聖殿の空気が変わった。]
………どうやら、只の留守ではないようですね。
もし、何かあったのですか?
[ 聖殿にいる人物から詳細を聞き出す。]
………誰にも言わず姿を消したと。
心当たりは?
[ 聞き出すも大した情報は得られそうになく。]
さて
[摘んだ実、白い海の下に幾つも種は落ちているが、見えはしない。
面は、今は顔になく、脇へとひっかけておいてあった。]
――行くか。面倒だが。
[まだ一袋、残っている。
自分用にとっておいたがゆえに、カレンの分はあるのだった。
起き上がり、幾度も翼を動かす。そして最後に、力強く空気を打つと、手にした何もない枝を落とし、空へと飛び上がった。]
[ぱちくり、とする様子が子供らしく、それが微笑ましくてついくすくすと笑いつつ]
急いで必要なのは、緑の出るヤツ、かね。
その前に、織り込み用のも採ってこなきゃならないんだけど……。
いいのがあるなら、先にそれを集めるのもいいかねぇ。
[ほんの少し、思案するよに首を傾げ]
ってー、アンタはアンタで、何言ってるか。
歌なら、アタシ以上がころころしてるだろうに。
[エリカの評に、手をひらひらとさせつつ突っ込みを入れ]
[殆ど地面に激突するかと思われるような勢いで聖殿の前に降り立つと、居合わせた世話係に詰め寄る]
何故、巫女から目を離した!?
部屋から出たのも気付かなかったのか?!
−一方−
[“落ちる光景”。
結界樹を覆う湖に浮かぶひかりの鳥は、
当然の如く、それを目にして――
惑った。
明滅を繰り返す]
ん〜……ラスさんより、カルロスさんに撫でられるほうが、身の危険を感じて泣くかなぁ?
[などと冗談交じりに呟きながら、くるりと踵を返すと]
それより、何もないなら今から家きません?
これから夕飯だからご馳走しちゃうけど?
[と、生真面目に頭を下げているラスと、カルロスに微笑んだ。
――浮かび上がった闇は一旦心の中に蓋をして……]
[エリカがアヤメを褒める言葉を聞くと、アヤメを見やり]
アヤメさんの……歌?へえ、聞いて……みたいな。
うん、詳しい。婆様、いろいろ、教えてくれた。
[二人の仲良さそうな様子に目を細め。思案しているアヤメに言われた言葉には、頬に手を当てて考え込む。染料にした時の色合いなど知らず、ただ濃い緑の草を思い浮かべて]
緑が出る草……?
やっぱり、結界樹の近く、かな……
[空がドンドン高くなる錯覚を楽しみながら
翼胞から、翼を出して、風をいっぱいに受け止める。
やはりバランスがとれずに体が傾いて回転。今度はドンドン近くなる地面を見ることになって、更にはばたくよう翼を動かす。
あらぬ方向に飛んで、一昨日は木へと、昨日は茂みへと。そして今日は]
あぶぁぅぅ
[ざぱぁんという音とともに湖へと豪快に突っ込んだ]
[ 何か慌しい者が帰ってきたようで。]
……やはり、想像通りの顔ですわね。
彼も知らないとなると、やはり面倒なことになっている、と。
ジョエル殿、彼女たちを責めるのは門違いですわ。
目を離したのは、貴方も同じでしょう?
[ 何となく無視されそうな気配もするが。
声をかけてみる。
苛立つ彼は、自身には気付いていないようだった。]
[リディアの返答には、謝罪が通用しているのかどうかも分からず、目だけ上げた。
夕飯、との声には、ん、と自分の顎に指を絡ませて考え]
んー…
俺、手持ちが無い。
[大真面目に言った。]
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