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はいはい。
[ まるで保護者のような云い様に二度、余り気の無い返事をするも、幾らか調子を取り戻したのに気付けば、零れる吐息は安堵を孕んでいたろうか。]
解ってる、って……、
[ 言葉の途中、額に当てていた手を外し傍の壁に突いて己の躰を支えれば、瞳は僅かに見開かれ床に落とした視線は定まらずに幾らか揺らめく。]
[ 嗚呼、如何して、選りに選って今に。
――斯うも喉が渇くのだろうか。
赤い果実で潤した筈だというのに。否。だからこそだろうか。
彼れでは足りない。彼の味では充たされない。
彼れは人の肉には到底及ばない。]
[ 声と成って零れ落ちかけるのを何とか聲に留め、扉に伸ばし掛けた手はもう片方の手で無理矢理に抑えて、室内の少女に悟られはしなかったかと息を呑む。
一体何に抗っているというのだろう、己は。肉を欲すならば喰らえば好いではないか。獣としての本能が、心の奥底の深き闇が囁く。違う。今此処で喰らっては疑われるのは自分だと解っているからだ。
彼は人狼で、彼女は人間。其処に何の情も有りはしない、有る筈がない――。]
……其れじゃ、お休み。
[ 数瞬の後に体勢を元に戻して然う返した声は些か擦れるも、其れは今のメイには気付かれる範囲では無かったろう。一言、就寝の挨拶を残せば扉の前から立ち去り、薄暗い廊下を歩んで自らに宛がわれた客室へと戻っていく。
部屋に入れば寝台に寝転がり天井を見上げた儘、*眠れぬ夜を過ごすだろう。*]
[少年の泊まる客室]
[少年の示した寝台に][半ば倒れ込む様に]
[身を横たえ]
[ぎゅ][顔が歪む]
[嘔吐を堪える、][そんな様に口元と胸を押さえ]
[何くれと無く世話を焼いてくれる][少年には]
[苦痛を湛えた眸][でありながらも]
[感謝を示したいとでも言う様に]
[幾らか和らいだ][視線を送る]
[ばたり][扉が閉まる音]
[少年が部屋を出て行った後]
[其れでも彼の前では耐えていたのだ、と言うかの様に]
[確りと眼を閉じ][シーツの間でのた打ち回る。]
[長い苦悶、]
[其の果てに]
[疲労に吸い込まれて]
[やがて]
[少年が水と食料を抱えて][戻って来た頃には]
[力尽きた儘][眠りの中に堕ちて居た]
―深夜・自室―
[衣服の首元を緩めただけで、寝台へ身を預ける。
窓から差し込む月明かり。]
…全く。
[自分の性分に呆れかえる声]
[抑えきれず漏れる囁きに笑う。]
欲しいならば、その手で摘み取れば良い…。
[月はかわらず、冷たく部屋を見おろして。]
[夜の白む頃]
[暗闇の中で][目醒める。]
[光のまだ][届かない室内]
[気怠る気に身体を起こす]
[寝台から下りようと][眼を遣ると]
[凭れ掛かり][眠る][少年の姿]
[すまなさそうな視線]
[けれども][あどけない寝顔に]
[ふと][口元が綻び]
[ベッドを降り]
[少年に手を伸ばす]
[一時逡巡し][が、克己の色]
[恐々と][触れ]
[何とか抱え上げると、]
[最前迄自分が寝ていたベッドの上に]
[寝かせる]
[そっと][上掛けを其の上に]
[周囲を][ぼんやりと見回す]
[サイドテーブルに置かれたパンと水]
[それを眼にした途端]
[ごくり、と][喉が鳴る。]
[腹を押さえ][暫し考え込む素振り]
[空腹なのを確かめる様に]
[躊躇いが浮かびつつも]
[パンを手に取り]
[口を付ける]
[一口]
[ゆっくりと噛み締め]
[呑み込んだ]
[そして、]
[水を一啜り。]
[暫し]
[間を置き]
[無我夢中の態で]
[少年の持ってきたパンの][粗方を喰い尽し]
[水差しの水も][殆ど空になった頃]
[手の甲で口を拭い]
[満腹した、と言う様に][大きく][息を吐く]
[……が。]
[ベッドに突いた左手を][腹に当てると]
[ふらり]
[其の侭][ずるずると]
[ベッドに寄り掛かり][背を預け]
[身体を丸めて]
―ニ階・客室―
[ 瞼を下ろし睡りに落ちたのは既に明け方に近い頃で、然し快眠を得られる筈も無く、窓から注ぐ月明りが陽光へと其の役割を手渡し始めても、悪夢に魘されているのか息苦しそうな呼吸が喉の奥から洩れ出て額に汗が浮かび頬を伝う。仰向けから寝返りを打てば、震える手が白い敷布を握る。]
……ッ、
[ 短い吐息が零れるも音とは成らず口唇が震え微かに動いたのみに終わり、自身の喉に当てられようとした手は其処までは到達せず少し距離を置いて止まった。]
……厭だ……ッ、
[ 音と成らなかった言葉は聲と成って落ちるも、其の否定は同族の誘惑にか過去の幻夢にか彼自身にすら解らず、浅い睡りから覚めたか顰めた眉の下、薄く開かれた眸は黒の色彩を保つも僅か潤み揺らぎを持つ。止めた手が喉を押さえ――否、寧ろ、渇くのか飢えるのか掻き毟りそうになるのを堪え、意識を現実に呼び戻す。]
[ もう一度寝返りを打てば俯せとなり、喉に触れようとした手は強く枕を掴み其れに顔を埋める。暫しして漸く呼吸も落ち着いたか何時の間にか黒曜石の瞳は開かれ、敷布と枕とを掴んでいた手を寝台に突いて身を起こす。]
……最悪。
[ 自らの手を見遣れば固く握り締めていた所為か俄か白くなっていて、其の色に微か自嘲めいた笑みを零す。汗に濡れた衣服を脱ぎ捨てようとするも、昨晩は自身の服を受け取り忘れた事に気付いて、嗚呼と顔の側面に手を当てた。]
気持ち悪いが仕方無い……。
[ せめて躰だけでも拭こうかと、緩慢に起き出して部屋を後にする。]
―回想―
[異端審問の話は、きいたことがあった。そう、わたしが傷を受けた時。
あの時もいた。
そして――わたしのママの占いを聞いて、異端だと言った。
人狼を占えば命が縮む。体が壊れる。わたしは言うか言わぬか悩む。
……言わなければと思うけれど。
ナサニエルにいわれるままに、わたしは席をたつ。疲れていると言われても、わたしはそうは思えなかった。
彼が部屋を出たすきに、瓶を開ける。薬を噛み砕く。
すこし苦い味がした。]
何がしたいんだか、な……。
[ 胸元を緩めれば気も緩んだかぼやきが零れる。同族は夢路を辿っているらしく、返る聲が無いのも一つの要素ではあったか。]
[ じとりと汗ばんだ肌。雨は彼れ以降降り出す気配も無く、外の空気は乾いていようが室内は其れ程でもない。余り動く気も起きずに普段よりも緩やかに足を進め、鈍鈍と廊下を歩み階段を降りていく。汗をかいた所為か、喉が酷く渇いていた。]
[わたしは幾度めかの目覚めで、そっとベッドからおりる。
眠るナサニエルの姿を見て、そのとなりに腰を下ろす。]
あなたは人だわ。
絶対に
……あとで、言わなきゃ駄目ね
牧師……ううん、異端審問官のひとに。
[たとえわたしの力が、人のものではないと言われても……わたしはそれの理由をしらない]
―そして今 ナサニエルの部屋―
[今はまだ眠りの中にいる彼に、わたしはタオルをかけて立ち上がる。
アーヴァインは死んだ。]
……わたしは欠陥品なのよ。だから
[彼がわたしを望むなら。
わたしは本当なら逃げなければいけないのかもしれない]
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