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だからー……どこだか分かんないって。
……え?
ずっと呼んでたって?
……ていうか、よく聞こえなかったし。それで?
えー、どこでもイイんだったらはやくそう……い?
[各エリアと外周区画を結ぶ通路の床に、リディの大きさの分だけの穴が開いた。リディが落下したあと、直ぐに通路はもとのようになった]
[猫が飛び立った所で、麒麟にもたれる従魔を抱え上げる]
……相当、ショック受けちまったかな……。
[小さく呟きつつ、そ、と金色の髪を撫でてやり]
ありがとう……助かった。
[麒麟に向ける言葉は短いけれど、表情を見ればその安堵は伝わるだろうか]
さて、俺はセレスを寝かせるとしますか……。
それじゃ、お休み。そちらも、ちゃんと休んで。
[白猫と麒麟と、双方に告げると自分は従魔を抱え、白梟と共に*二階の部屋へと*]
[こちらを振り向いたアーベルに驚きを隠しきれず]
……どういう、こと?
[それは、アーベルに向けられたものか。それとも目の前に横たわる機鋼竜に向けたものか。]
痛いー、落とすこと無いじゃん……
[もそもそと起き上がった]
なにこれ、此処がファクトリーエリア?
っていうか……何してんの。
[視線の先にアーベルと眼鏡の少女(ミリィ)、その向こうに黒い、拘束された竜体]
巻き込まれた、か…。
…まぁ、なんとかなるんじゃないか?
[あっけら、と笑いながら言う。
どかりと椅子に座ったまま冷たくなったコーヒーをまた一口。]
[心配を、という言葉にはフルリと頭を横に振って]
本当にね。
オトフリートさんの力まで弾かれちゃうなんて。
[漏れた溜息の理由は分からず。軽く首を傾げて]
私も明日は探しにいってみようと思うの。
どこかに手掛かりあるかもしれないし。
[本当はこのまま探しに行きたい気がしているのだけれど。
打った膝がまた痛くなってきていたので]
でも、今日はお休みするの。
イレーネも本当に無理はしちゃだめだよ?
また、明日ね。
[そういって小さく笑うと屋敷の方へ*戻ってゆく*]
何とかなる、か。
なると良いんだがなぁ。
ま、現状何を出来るでも無いしな。
状況の変化が見えるまで、待つしか無いかも。
機鋼界の連中だって、ただぼーっとしてるわけじゃ無いだろうし。
[話をしている間に冷め切った珈琲は底をついただろうか]
そんじゃそろそろ寝るかね。
精霊界に来ても睡眠サイクルは変わらんらしい。
[けら、と笑ってから立ち上がって。部屋に残る者に「お休みー」と声をかけると二階にある借り受けた*一室へと*]
そう、ですね。探しに行ってみた方が良いかも。
…でも、あたしも一先ず休む事にします。
[ノイの回復まで、時間が欲しいし。少女の言葉に、一つ頷いて。
おやすみなさい。と屋敷へ向かう少女にひらりと手を振る。
無理をするなという言葉には、苦笑を返して]
――さて、困りました、ね。
[あの人が、動いてくれれば良いのですが。
少女の背中を見送りながら、一人溜息を*零した*]
「……揃ったみたいだね」
[突如各人の頭に響く声。その聞こえ方はおそらく各人によって異なるのだろう]
……どういうこと。私以外にも2人も呼び込んで
…………アイツのこと、教えてくれるんじゃなかったの?
[低い唸りとも]
[幼子の声とも]
[機械の音とも]
[如何様にも聴こえるコトバで]
[ この世界から出たい ]
[――単純で、困難なる、願いを。]
だなぁ。
…俺も、寝るかね。
[動揺をしないのは大地ならではだろうか、本人は気がつかないかもしれないが。
戻ってきたブリジットにも挨拶をしただろうか、浴衣のすそをはためかせながら昨日寝た部屋へと*上がって行った*]
[ だから、ここから出して ]
[ それがボクの、願い ]
……なるほど。ギブアンドテイクとでも言いたいわけか
…………ふざけるな
[そう呟くと、いつの間にか拘束を解いていた右手に握られていた魔銃を横たわる機鋼竜に向ける]
[表情一つ変えずに聞いていたが]
[微かな灯りに閃く銃へと視線を移す]
……何。
[翠樹の少女の前へと歩み出る]
[半ば機鋼の竜を庇うような形で]
[銃を構える腕がぱきりと乾いた音を立てる]
…………どいて。でないと、アーベルもろとも撃つ
[銃の照準はずらすことなく、目の前に立ち塞がるアーベルに短く言い放つ]
[向けられた銃口]
[片側の青は揺らぎもしない]
退かない。
[返答は極々短い。]
[しかし、彼にしては強い意志]
[無造作に立ち尽くす]
[向かい合う二人を他所に]
[機鋼竜は話を続ける]
[この界が封鎖されている事]
[力無くば出られぬ事]
[それに]
[ボクを壊したら、君は一生真実には辿り着けない]
[これは予言。だって……(くすくす)]
[それは彼女にだけ聞こえるように囁かれた言葉
その言葉に、キッとひときわ強く機鋼竜を睨み付けるが]
…………わかった。今は信用してやるよ、クソッタレ
[忌々しそうにそう呟くと、魔銃を仕舞い、ベルトを巻き直す]
……それで。どうして欲しいんだ?
[仕舞われる銃]
[機鋼竜へと向き直る]
[彼と竜との間には取引は無いのか]
[彼から何か言葉を発する事は無く]
[竜は語る――力を有する者を欲すると。]
――送り込む?
廃棄エリアに……、
[機鋼竜の言葉を繰り返すと同時、]
[空中に展開される半透明のモニター]
[映し出される簡易地図][二つのエリアを繋ぐ路]
[現在は封鎖されているのか、マークが付いている]
ちょちょちょ、ちょっと待って、
糧にするって、食べるわけ?
ていうか、その、廃棄エリア?に送り込まれたひとはどうなるわけ
[空中に映し出された地図……機鋼界の概略図から竜に目を移して]
[ボクが欲しいのは力だけ]
[命までは取りはしない]
[協力……してくれるかい?]
……選択肢を潰しておいてそんなこと言いやがるか、クソッタレが
……、
[生命の概念の薄い機鋼の竜]
[其の言葉が如何程まで信用出来るのか]
[されど基より、彼にも選択肢は無い――]
[それは彼女とは異なった意味ではあるが]
えええ……?
[低い声(に、リディには聞こえる)は、ミリィにそうした時とは違い、特に隠しもせずに言った]
[そもそも、きみがきみの親御さん……雷撃王だの翠樹王だのが動き出す前にこの機鋼界を出たいと言うのならば
私に協力することが一番の近道だとは思うが。
きみは家出中で、捕まりたくないんだろう?]
えー、よく知ってるのね。
[まあ、上での様子は見聞きしていたからな]
同じ、なんだ。
[相変わらず、足りない言葉]
だから。
[何と同じなのか]
[或いは]
[誰と同じなのか]
[語らねど、青に揺らぎはない]
[アーベルの同意の言葉を聞き、ジッと機鋼竜を睨んでいたが]
…………おーけー。これは契約だ
私はここに力のある奴を送ってやる。その見返りとして、アイツの居場所を絶対に教えろ
[睨んだまま、そう言い放つ]
[それは後払いでいいのかな?]
ああ、それでいい
え、え、えーと
[アーベルとミリィを見比べ]
廃棄エリアに送り込むって事は、勿論『お願いします』っつって行って貰ったりする訳じゃなくて、無理矢理って訳?
しかも、バレたら絶対止めさせられるから、誰がやってるか判らないようにこっそり?
この場合。
「じゃーリディいちぬけ」って訳にいかないんじゃない……?
……ここから出られるんなら、それでイイ……かな?
家出の手伝い……ってことで。
うーん。
うーん判ったよ。
[リディの承諾を聞き届けた機鋼竜は、自由に動く数少ない部位のひとつである、口を開いた。
竜は、小さな機械を三つ吐き出す。ファクトリーエリアへの移動を可能にする、小型の転送装置らしい]
そう。
……抜けるなら、
[どうなるか、は口にするまでも無い]
[彼女が承諾したが故に必要も無かったが]
[吐き出された機械のうちの一つを手に取る]
[服の下に隠れる程のコンパクトサイズの装置]
[彼の場合は腰のベルトに付けられそうだった]
[通信機を手に取り、なんとなく握り締めた。スカートのポケットに入りそうな大きさだ]
ぬ、抜けるならなんなのよ。
[会話を後目に、竜は続ける]
[それには通信機能もあるから、便利に使ってくれ。それから、個人認証機能を搭載しているから、他者を伴ってここへ来ることは出来ない。]
[さて、肝心の廃棄エリアへの送還だが、この界の防衛システム……機鋼王の造ったものだな。それを利用して行って貰う。]
乗りかかった以上、喋られる訳には、ね
[そう言って、いつの間にか左手に銃を持っていたり]
[そうして、機鋼竜から渡された機械を乱暴に受け取る
その機械を懐に仕舞うと]
それで、どうやって廃棄エリアまで送ればいいの?
聞きたい?
[機鋼竜の説明を聞きながら腕を組む]
[翠樹の少女とは異なり傍目に武器は無いが、]
[手首の枷から下がる鎖が微か音を立てる]
……防衛システム。
[再びモニターに映し出される情報に目を移す]
[数字と記号の羅列][まるで][模様にも見える]
[防衛プログラムを暴走させる。]
[言葉にすれば単純だが、実際一聞では理解し難い]
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