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[彼女の問いに目をしばしば。きょとん]
「鍵」って「鍵の書」のこと?
そんなの僕が持ってるわけないじゃないか。
びっくりした。アマンダさんがそんなことを言い出すなんて.。いきなり呼ばれたから、愛の告白でもされるのかと思っていたよ。
[笑いながらそう答える彼はどこにでもいる普通の少年の姿]
[昼間よりずっと強い癒しの力が、流れ込む。]
…せめて、血が止まれば。
[無理かもしれないけれど、と思いはしたが、何かしたかった。]
調べ物。
[その言葉を繰り返して、こくんと肯きました。]
昨日も遺跡に行っていたものね。
……遺跡とはどんなところなのだろう。
暗くて、迷路みたいで、複雑なのかな。
[その場所を想像しながら、訊ねるのでした。]
ベアトリーチェはお散歩しながら探してみたけれど、
見つかりはしなかったよ。
[店の前に着地すれば、咎めるような声が聞こえた。
ほんの少しだが、力を使ったのを察知されたらしい]
……はは、まあそう硬い事を言わず。
息抜きですよ、軽い息抜き。
[店から出てきて呆れたようにこちらを見る碧の瞳に、悪戯っぽい笑みで返して。
その姿が再び店内に消えると、遅れてやって来た相棒と共にぐるり周囲を見回す]
さて……どこへ行きますか。
「……考えておらなんだか」
まあな。
[さくっと肯定]
見付からなかったか。
…遺跡は暗くは無い。
もしかしたら、何処かに迷路のようなものが存在することもあるだろうが、私はそれを見たことがない。
お前はこの街へ住んでいるのだろう。
遺跡へ行ったことは無いのか。自警団の話によると、時折子供が遊びに来ている事もあるそうだったが。
[触れる手に、きょときょとと緑の眼をまたたかせます。強い癒しの力もベアトリーチェのからだは不思議と受け附けないようでしたが、血だけはぴたりと止まったのでした。]
……ありがとう、イレーネ。
[にっこりと微笑って、ぺこりと頭を下げました。]
でも、ベアトリーチェは人より怪我の治りが早いんだ。
だから、心配せずとも、大丈夫だよ。
[ユリアンの答えに、アマンダと千花は、同じ顔をした。
意外すぎて理解不能というか毒気を抜かれたというか…つまり唖然]
…いや、その。
だったら、どうした…じゃなく、うん、そっか…
[ペースを乱されて、言葉が続かない]
[顔を上げると、ミハエルに向き直ります。]
ベアトリーチェは、
町の外に出たらいけないのだって。
そう云われているんだ。
私は、平気。
…でも、まだ加減が分からない。
ずっと、つかってなかった力だから。
[ふと、アマンダにも同じ言葉を言った事を思い出した。]
―現在/Kirschbaum2F 東の部屋―
[窓の桟で眠っていたらしい苗床は、吹き抜けた風に目を覚ます。
困ったような顔をして、外を見る。
あおの瞳が捕らえたは、開いた窓の向こう側。
翼と、ふわり、舞い落つる細い――髪。]
「使って、いなかった?」
[癒しの力、それは生命の属性に最も強きもの。
意外に思って、つい、問いを重ねてしまった]
―桜の木の下―
アマンダさんでもそんな顔をするんだ。意外。
[..は彼女と千花の顔を見てにこり。
しかしすぐに真剣な顔つきをして]
アマンダさんこそ、鍵を持ってないよね…?
[同じ問いを彼女に返す]
[ベアトリーチェもやはり首をかしげました。]
よく、わからない。
でも、駄目なのだと云っていたよ。
お父さんもお母さんも、 も。
[ユリアンの笑みに見惚れていたわけではない、とアマンダは思う]
「ジッ、アンアン!」
あ、うん。そうだね…
[それでも千花の励まし?に、気力を建て直す。
真剣な顔で返される質問に、大きく頷く]
そう、私は持たない。だから、探している。
…君は、欲しいと。そう、言ってた。
君の本質は、自由。束縛を、嫌うもの。安定との、対比。
さっきの風、もう、判るだろ?
【疾風】
[その言葉と共に、ユリアンの足元の土が、否、岩の結晶――鉱石が、絡め固定するべく這い上がろうとする]
生命の力は…キライだったから。
欲しくなんか、なかったから。
…でも、望まれるならば、使う。
暫くはうまく使えないと思うけれど…
望まれる事を、望んだのは私。
─Kirschbaum・前─
さて、取りあえず……。
[言いつつ、ふと空を見上げて、気づく。
自分の部屋の、下の部屋。そこの窓が開いている事に]
おや。これは、『聞かれた』かな?
[困ったような呟き。聞かれた、と称したのは、姿を見せずに用いたあるもののの音]
誰が……
[三人の名前が挙げられたようだが聞きとれず、益々不思議そうに、少し困って眉を顰め]
そうか。
自警団の者も、本当は子供は遺跡へ来てはいけないと言っていた、本当は親から禁止されているのだろう。ゆきたいと思うのならば、往けば良いだろうにお前は父母の教えをよく護るのだな。
「……そう。」
[静かに生命の竜の声を聞く。
母が子の語る言葉を耳にするように]
「貴女がそう望むのならば、
私も貴女を望みましょう。
貴女の力を、貴女の存在を。」
[優しくも何処か哀しげに]
―Kirschbaum2F/東部屋―
[それは一瞬の見間違えだったのか。一度瓶から手を離し、そっとそっと、窓に近づく。
窓に足をかけ、迷うようにしながらも。
ふわり、その身を躍らせる。
その背からしなやかな蔦が伸び、苗床の落ちるのを止め、
そっと地面におろした]
こんばんは。
やあ、こんばんは。
[降りてきたティルに、返すのはいつもと変わらぬ挨拶]
……驚かしたなら、申し訳ない。
[それから、悪戯っぽく笑ってこう付け加え]
とうぜんのことだよ。
だって、ベアトリーチェを生んで呉れたのだもの。
そうして、ベアトリーチェを生かして呉れたのだもの。
[なんの迷いもなく、微笑って云うのです。金の髪は月の雫にきらきらと輝いていました。]
ミハエルは、違うのだろうか。
別に僕は驚いていないよ、時の竜。
[ざわ、と蔦が同意するように脈打つ。
その額にはいまだ三ツ花は咲かず。]
君のそれは僕のつたたちとは違い、特別なものだろう?
あまり使うと怒られるのではない?
驚かれなかったのなら、よかった。
[くす、と笑んで。
続いた言葉には、軽く、肩をすくめる]
まあ……確かに。
本来の在り方の力を、多少用いているので、色々と。
[軽く答える、その右の瞳はいつの間にか紫に。
うっすらと、銀の紋章も浮かんで見えるだろうか]
僕は確かに欲しいといった。
でも、そこまで渇望しているわけじゃない。
――身の丈にあわない巨大な力は、逆に鎖となって縛り身を滅ぼす、……ってえええええ!何だ!これ!
アマンダさんも、「人ならざるモノ」なのか!
[アマンダの声、そして足元に絡みつく鉱石。何よりも束縛しようとする力に鳥肌が立つ]
一瞬、見えた気がしてしまったけれどね。
君の翼はきっと立派なのだろう。
[つた、戻って。
その言の葉に、蔦は従い、しゅるっと身のうちへと潜む。
わずかばかり顔はゆがむも、そのようなものは慣れているというように、
見間違いかと疑うだろうほどに苗床は微笑む。]
ああ、君の姿が綺麗、と言い換えて置いた方がいいかな。
竜族とはほとんど会うことはないのだけれど、ここで三人にも会えて嬉しいものだよ。
ながく生きているというのに、情けのないことだね。
─森─
…これは……。
[異様な光景に、唖然と立ち尽くす。
新緑の色を保ったまま、カサカサに萎びて立ち枯れた巨木。
こんな事が自然に*起きるはずがない。*]
―Kirschbaum2F・西の部屋―
んー。
[寝台の上でのびをする。
それからしばらく動きを止めて]
よし、大丈夫。
[さほど疲労が残っていないことを確認した。
立ち上がった所で窓の外で気配が動いた。
少し経ってから追いかけるようにまた一つ]
なにやってるんだろう?
[首を傾げながら窓に近づいた]
………。
[口元に手を当て少し悩む。
イレーネとナターリエを見て]
構わないか。
私には特に父母という概念が無い。敬う相手は居るが、それは一般に言う父母を慕うような気持ちとはまた別物である筈だ。
つまり、私には分からない。
[ゆるく、首を左右に振った]
[アマンダは、無事に拘束できた事に、安堵の息を吐く。
すぐ傍に固定された彼に両手を伸ばして、探ろうとしつつ答える]
そう、強大すぎる力は、身を滅ぼす理。
けれど、人の子は、君の気性は。
それすらも、踏み越える…かも、しれない。
[抵抗されなければ、仮面のように照れもせずボディーチェック]
[ミハエルの言葉に、少し息を呑む。無表情なその顔の、目が少し見開かれた。]
…父母がいない。
それは…辛い、こと。
[そっと、ミハエルの頭を撫でようと、手を伸ばした。]
私も、父はいないけれど。
母ももう、いないけれど。
「居た」という思い出が…私には大事。
[きゅ、と両手を胸の前で握り締めた。]
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