情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
〔紫黒の眼は大きく開かれて、
揺らげば今にも零れ落ちそうに。
されど廻る川の溢れぬやうに、
そこより滴の流るることもない。
戸を叩く音に我に返りて袋を拾ひ、
気配のする方へゆうらり歩みゆく。〕
きれいな音はきれいな人なんよ
ぜったいじゃも
[感じのかわった笑みにも笑い]
[招かれかけよりその隣]
うん
たしかめよ
[戸をたたくねえさまとは逆に]
[こそり]
[隙間から中を覗こうか]
あやめねえさま!
[覗き見はだめと怒られた]
[そんな戸が開いたその中に]
[姿をみとめてうれしそう]
鈴がきれいじゃったん
ねえさまが鳴らしとってん?
[童が言い切れば、もはや返す言葉もなく。
隣にくるを見てから戸を叩く。覗いているとは気付きもせぬ。]
……あやめ殿。
[戸を開けて笑む黒と紫に、琥珀はやや見開かれて。
問われる言葉にも、返すは何も浮かばず。]
…そなたの言う通りじゃったな。
[ぽつりと紡がれた言葉は、ねいろの「美しい人」へと。]
おやまあ、何の話かな。
[開け放ちつつ言の葉を返して]
……そうだね、
此方の鳴らしていたものだよ。
それほど遠くまで聞こえたかい。
きれいな鈴のおとじゃったから
きれいなひとが鳴らしとるっていうことじゃ!
あやめねえさまじゃもん
鈴もきれいになるけ
[素直にそう答えて]
うん、よう聞こえたよ
きれいじゃったん
森がすんでおるからかのぉ?
[ねいろの勢いに、気圧されるよに頷いて。
開け放たれた戸の内へと。
白き外から中に入れば、目が慣れるのにしばしかかる。]
[何の話かは言うに言えずに、ねいろへ視線合わせよう。]
おやおや、それは光栄だね。
褒めても生憎、何も出やしないけれど。
よぅく聞こえたのはね、
きっと、鈴が誰そを呼んでいたからだろう。
さみしい、こいしいと、ないていたのだろうよ。
鈴もさみしいん?
[えいかねえさまににこっと笑って]
[一歩踏み出す薄闇の中]
[なんどもぱたぱた瞬いて]
天狗さまも鈴もさみしいんかなぁ?
みんな、みいんな、さみしいんかなぁ
…水面が。
[ゆうるり、瞼に残る、深紫の残像]
ひとりはさみし…ふたりはこいし…
鈴がさみしいと鳴くのなら、
呼ばれる人もさみしかろか。
……呼ぶ人もさみしかろか。
[みんなさみしという童の頭を、白い袖の中の手がぽんと叩く。
*促すように、頷くように、宥めるように*]
さぁて。
誰その代わりになくやも知れぬ。
[使われておらぬ囲炉裏の傍に腰下ろす]
さみしいのは、誰だろうね。
此方も其方も、何方もか。
[そのままじっとその場に座して、五色の玉が行き来する様を見ていたが、気付けば夕餉の時刻かな]
ああ、もうこの様な時間か―
[えいかねえさまとあやめねえさま]
[ふたりのねえさまを追って囲炉裏のそばへ]
ねえさまがたも、さみしいん?
おらぁ、ねえさまがたと一緒おれるけん、さびしうなかよ
みんな、みんな
さみしいんがなくなればよか
[頭をなでられば*うれしげか*]
そうだね――
共にあれば、さみしくはなかろう。
こいしくなるやも知れぬけれど。
やれさて、ひとのこころは難しいか、
それとも、そう思うているだけか。
〔深紫の女に、臙脂の子、笑みつつ語り、
ふたりの話を白の君は聞いていよう。
火のない囲炉裏に爆ぜる音はなく、
今は鈴も音を奏でるを止めてゐる。
代わりに人の声の満ちれば、
刻の止まりし家は息衝きて、
在りし日の姿へかえりしやう。
けれど其も僅かに一時に過ぎず、
白き夜の訪れに語らいも止みて、
帳のやうにしじまが下りる。 ]
[眠りの淵より立ち返り、ふと見やれば、部屋の隅には見慣れた衣。
藍白を滑り落として白花色に袖通し。
ふと、こぼれるのは小さな息]
……どちらでも、ないのだよね。
[小さな呟き。
それごと白花色に覆い尽くして瑠璃紺で括り。
鞠を抱えてゆうらりと、館の外へと彷徨い出る]
[野で仔うさぎに草食ませ。
水車の傍ら、その音聞きつ。
てん、てん、と鞠をつく。
唄はなく、紅緋は茫、と華を見て。
否、見やるは華か、それを託せしとおき者か。
それは何者も知る由無く]
おらぁ、むずかしかと思うんよ
[闇色のねえさまに]
[したりがお]
じゃけん、おらぁ、好きじゃよぉ。
みんな、みんな好きなんじゃ。
あやめねえさまも、えいかねえさまもじゃよ。
それがこいしい、言うことかのぅ?
[古い家はどこか嬉しげか]
[囲炉裏のそばで]
[にこにこ笑って]
[館に戻り、座敷へ向かえば、目に入るのは色とりどりの紙風船。
その色彩、視界の隅に止めつ、縁側に座り、傍らには仔うさぎを。
庭に投げ出す足を揺らしつ、茫、と思うは目覚めの記憶か]
……揺藍のにいさま、どうしておられるかな……。
[小さく呟き、そう、と小さき獣を撫でて]
[時がたち]
[やがて静かに]
んー、あやめねえさまはもどらんの?
[首を傾げてそう尋ね]
[戻るというなら、嬉しげに一緒に戻るか]
[戻らぬというなら、白のねえさまを見上げて]
[困った顔をしただろうか]
[駆けられし声に、ゆる、と顔上げそちらを見やる]
気になる……のだろか。
よく、わからないの。
ただ、揺藍のにいさまは、少しだけ舞弥のにいさまに似てらしたから。
だから、お元気でおられるといいなあ、て、思って。
……それに……。
[小さく呟き、わずか、紅緋を伏せ]
そうか―
[それ以上の言葉は出て来ない、何故なら―
『にいさま』に似ている―
その思いが痛い程分かる―分かってしまうが故に―]
―それに?
[ただ続きを促す事しか出来ぬ―]
子供は好く食べて好く寝て好く遊ばぬと、
背も伸びぬようになってしまうよ。
[後の問いには敢えてはぐらかすように]
さぁて、どうだろうね。
[続きを促され、ひとつ、まばたく。
それは、困ったようにも見えようか]
うん……うまくね、言えぬのだけれど。
揺藍のにいさまは、いつか、お見かけした神巫様のよな強き力はお持ちでないよう……だったから。
……慣れぬ場所においでになって、辛くなければよいのだけれど……て。
[途切れがちに言いつつ、くるり、手の中で鞠を回す]
……背は伸びんのいやじゃぁ
[真剣な顔]
[まるで一大事だというように]
[だがそれよりも]
[闇のねえさまの答えにむぅっと]
[頬をふくらませ]
あやめねえさま、おなかすいとったらあかんのよ。
おなかすいとると、かなしうなるんじゃよ!
[―ふっと柔らかな笑みを浮かべ縁側に腰を下ろせばくしゃりと頭を撫でよるか]
―きっと大丈夫さ、仲間にしようと言うのならそういう事にも気を使ってるだろう。
ねえさまはね、
そうそう腹が減らんのよ。
[くすくす笑いつつ、ぽんと頭を撫でる]
けれども、かなしゅうなるのは好くないね。
はてさて、困った、どうしようかな。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新