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< 黒猫のあったかさと、なきごえ。
白の猫は、黒猫が不安におもっちゃだめよって、思って、身をふたたびおこしてすりよります。
ぽかぽか。ぬくぬく。あったか。
こうしていると、不安もぜんぶ、どこかいってしまいそうなんですもの。 >
[立ち上がり、叫ぶだけ叫んで。
フッと目の前の状況も入ってくる。
そう、見えてはいたのだ、その消失の瞬間もまた]
や…だ…。
[思い出すのは、あの時の事。
やはり隣で一人消え、遠くにいた対が…]
や…。
[もう悲鳴にすらならない。
まだ上に少し残っていた皿も取り落とし、膝を突いた]
[膝を突いて、半身を起こした形]
[かかる重みからは免れた筈だが]
[雷撃の精と][精神の竜と]
[両者からかかる声]
ん、……大丈夫。
[ふるり、][頭を振って答えた。]
[ハインリヒの問いに、従魔はふる、と震えつつそちらを見やるが。
すぐさま、怯えたように顔を伏せ]
……セレスは……機竜の従魔。
機竜王とも、深い関わりを持つ存在。
機鋼竜が、何か事を起こせば、察知する事も叶わなくはない……。
[震える従魔に代わり、静かに言葉を綴る。
説明の言葉を選んだのは、多少の警戒を込めての事だろうか]
[イレーネがどちらの手を差し出していたにしろ、左手でその腕を掴んで、引き起こされる。]
いつつ……。あっ、アーベル大丈夫?
いきなりバランス崩したりして、ビックリしたよ。
おち、ついて?
< 四つの、いつもより重くて。
それでも、猫は、彼女……影輝の精霊にちかよりました。
ついた膝のそばに、そっと身をよせて。
にゃあ。 >
……皆、吃驚したり怖がったり警戒したりしてるみたいだから。あんまりゆっくりやってると、いよいよ難しくなるかもねえ。
[広間の様子をいい加減に伝えて、通信を切る。
そろそろ使い方を覚えてきたようだ]
あ…。
[白の猫が膝の傍へとやってくる。
震える手を伸ばし、そっと触れる。
変化を司る流水の波動。
そこを基点の一つとして、揺れてしまう感情を抑えようと]
……というか。本当に突然どうしたの?
もしかして、下に誰か……って多分、ダーヴィッドさんか。を送った影響とか?
ふーむ、まだシステムに詰めないといけない所があるのかな
[ブツブツとそんなこと呟いていたり]
……。本当に?
[アーベルの言葉に、僅かに眉を寄せる。
でもさっき、歩くの少しゆっくりだったし(それでも追いつけないけど)
ご飯食べたがってた気がするし。…でも上げたら、オレが困る。すこしだけ、困った。
と、差し出した手に、ミリィの左手が触れて。]
――…、
[その手を、握ったまま。無言。
一度、蒼を瞬いた。]
[そういえば、この間は触れた途端に倒れたのだったと思い出して、少し警戒したが、今回は大丈夫そうだと安堵]
ん?足りてないって?
[聞きながら、取られた手を引く]
ちょっとね。
……いや……まぁ、隠してもいずればれるから言う。
───月が落ちた。
[曖昧で、けれど酷く端的な一言。
けれどそれ以上の言葉以外での表しようがなく。
そしてやはり微笑だけ浮かべ]
…いこうか。
たぶん落ちたのは、月だけじゃないとおもう。
[ブリジットの様子に、微か、異眸は陰りを帯びる。
彼女が何を思っているのかは、容易に察する事ができて。
……できたからこそ、苛立ちは強く、募り。
それでも、自身の精神の乱れを思えば、声をかけるのは躊躇われたから。
白猫が近づく様子には、ほっと安堵の息を漏らして]
……。
後で。
向こう、行って。
調べてみる。
[短い言葉]
[生命の魔の伝達は聞こえていたか]
[通信は其処で一度、途切れる。]
< 猫にはあまりよくわかりませんけれど。
そうやっているだけで、不安がやわらぐんだよって、名前をつけてくれた人が言っていました。
だから、本当はちょっと、まだ、全身が重くても、触れてくるブリジットの腕を舐めました。ざらりとしたけれど、あたたかい舌。人よりも高い体温。
おちついて、と思って。
そう思ったことが、ちょっと魔法を、使ってしまいそうで、猫には怖かったですけれど、手じゃないから、だいじょうぶだったようでした。 >
[広間の雰囲気が酷く緊迫していたので、空気を壊さぬようにそーっと広間に入り、オトフリートやブリジット、猫などを交互にみた。恐る恐る発言した]
ええと……どうしたの、かな?
[黒猫鳴いた。にゃんと鳴いた。
でこぱちいなくて、だから鳴いた。
白猫がちび影のそばにいっちゃったから、だから黒猫もついていった。
三対の一対欠けて怯える一対、本当の一対にはなれないけれど。
けれど陽だまりの力があるから、もしかしたら猫はちび影の力になれるのかしら?]
[ブリジットの叫び。エルザが連れて行かれた。レベル2。分からぬ単語と僅かに信じがたい事実。彼女が言うことは本当なのだろうか? 判別するには未だ情報が足りないか]
[問いかけた従魔は怯えるようにし。代わりに答えたオフリートに視線をやって]
ああ…そうか。
じゃあ、そいつが反応したってことは、この現象は機鋼竜の仕業であると言う事なのか。
[オトフリートの言葉に少し納得したように言葉を漏らす。受信専用アンテナか?とは自分の中での勝手な解釈]
[大丈夫という端的な答えに、そうと少し心配そうに頷くと]
何か私にできることあったら言ってくれれば考えるよ。
[そこで、イレーネが自分の手を握りっぱなしであることに気づく。]
ん? どうかしました?
ありがと。
ごめんね。
[腕に温かくてざらっとした舌の感触。
まだ笑うことは出来なかったけれど、どうにか言葉にして]
だめだよね、落ち着かなくちゃね。
揺れちゃったらダメなんだもんね…。
[同じように近寄ってきた黒猫にも手を伸ばして。
もう一つの対の気配。今必要な理性の力。
あの時言われたこと。それも思い出す。
キュッと唇を引き結んだ]
[広間にやって来たリディの問いかけに、静かに視線をそちらへ向けて]
若竜と……あと、エルザ殿が。
消えた。
……恐らくは……地下に。
[確かめてみないとわからんが、と。最後にそう、付け加えて]
機鋼竜が直接、手を下したのかどうかはわからんが。
何かしらの関与をしたのは、間違いない。
[ハインリヒには、短く応じる。
彼の解釈を知ったなら、恐らくは否定も肯定もしないだろうけれど]
[ミリィの声に、手に向けたままだった視線を、上げる。
そのまま、不思議そうに。じっと赤の髪を、見つめた。
聞こえてくるとは予想していた、翠樹の「こえ」と。
それに、微かに混じる]
……、 なんでも、ない。
[ぱた、と手を離す。
そのまま、少女から一歩離れて]
揺れても……弱気になっても、いいと思うよ。
< と、猫は本当はいいたかったのでした。
ブリジットを見て、猫はないて。 >
つらいの、悲しいから
< だけれど、その言葉は、決して黒猫にも、ほかのだれにも、意味は通じなかったでしょう。ほんとうに、ちいさかったのです。
ただ今は、ブリジットが、少しでも、かなしいのを、どうにかできるといいなって。 >
――月が…
[返ってきた答えは曖昧で、なれど酷く端的なもの。
その響きには、有無を言わせぬ深き意味が込められて]
…はい…!
[行こうという声に頷いて後を付いてゆく
月だけではないという言葉に、躊躇いよりも不安が勝った]
……はっきりとは、わからんさ。
今は大分、探査の力も落ちてるしね。
[リディの問いには、小さくため息をついて]
今の所は、この場所の事前知識と、推測と……。
[視線は一瞬、自身に縋る従魔へと]
……セレスが感じるもの。それから状況を判断しているに過ぎん。
は?くれる…て?
[意味を取りかねているうちに、右の手が首筋に触れる。触れた瞬間にその意味を理解した]
ちょ……
[逡巡…けれど振り払おうとはせず]
[黒猫は白猫のそば、ちび影の傍らで撫でる手にさからわずににゃん、と鳴く。
ちび影が落ち着くまではしょうがないから撫でさせたげる。
ぽかぽかするでしょ。あったかいでしょ。
…おちついて、おちついて。大丈夫よ。にゃーぁ]
[風を繰る。屋敷の周囲までなら、何とか範囲内。覚えている闇の気配を探る。屋上も、二階の部屋の付近も、庭も。範囲内を全て風が駆け巡る。しかし、この周囲に気配は無い]
………。
[眉間に皺が寄る。ブリジットが言ったことは本当なのか。事実である可能性は上がった。彼の闇が範囲内から外れていれば、その限りでは無いのだが]
直接下さなかったとなれば──『共犯者、か』。
[極小さな呟き。聞こえずともその前の言葉で察することは出来るだろうか。リディが降りて来たことに視線を向けて。少女がオトフリートに対して訊ねた問いを聞いて、またオトフリートに視線を戻す]
じゃあ、セレスさんは何か判るわけ?
[両手を背中の後ろに組んで、身体を傾けた]
ほら、”界の狭間”の事件のときとか、なんか色々調べたり、見付けたり出来るひとが居たって聞いたよ?
…慰めてくれるの。
[もう一度聞こえた小さな小さな、聞き落としそうな鳴き声。
その意味はやはり分からなかったのだけれど。
とても優しく響いた気がして]
ありがとう。
うん…ありがと…。
[二匹の猫を抱き寄せて。顔を伏せた]
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