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―集会場・個室―
[主が出ていってから暫くすると、小さな音が流れ聞こえててくる。それを暫く聴きながら、物言わぬ死体を見ていた。]
…もう謝らないから。
[暫くして出た声はそんなもの。唇から零れる声は、常より薄い。
その後に続いた言葉は、掠れて誰にも届かない。
同僚は死にたがるような人ではなかった。それなのに死んだ今何を思っているのだろう。
煙草の匂いは、血の匂いにまぎれてもうしない。
生きていたいのは皆同じ。
だから自分も、ここに居る。]
―集会場・個室―
[音が鳴りやんだのはいつ頃が。
主が休んだだろう事を知ると、部屋を出た。
瞳の色が元に戻らなかったので、眼帯はないかと探しに出かけ――――再び部屋に戻り少し休んでいれば、外の騒がしさを聞きつけもう一度外へ出る。]
……どうかしたんですか?
[廊下のあたりで鉢合わせたのは、自分を撃った青年。その腕に抱えられていたのは。]
……パトラッシュ、さん。
[見知ったもふもふに目を何度か瞬かせるも、驚くような素振りは薄い。同僚の死は、まだ重しのように内に残っている。
パトラッシュにつけられた傷は毛布に隠れてよく見えなかったが、はみだした部分から所々焦げたような箇所が見えた。光線銃のような跡だろうか。
サイキッカーにやられたときけば、そうですかと呟き返し。
個室に入る彼らをその場で見送った。]
…生きてるのは6人、か。
[呟きは確認のように聞こえるか。**]
[グレッグの様子に掛ける言葉も見つからない。
現実から目を逸らすように視線を地へと落とし、
暫くはじっと座り込んでいたが。]
……ラッシィ。
[ぽつり、名を呼んで。
膝を抱え込み、其処へ顔を埋めると
小さく震え、きっと次の「定時」まで*動くことは無い*]
―回想・昨夜―
[運ばれてゆく遺体をナターシャの近くで見送った。
手伝おうと申し出るような空気でもなく、ただ見ていただけ。
兄は一度そちらについていっただろうか。
鈍い音に振り返れば、仰向けに倒れている青年>>26に這って近づこうとしている女性の姿>>41があった]
……先輩!
[反応するのに少し間が空いた。
その間に作家は辿り着き、震える手で彼の右腕を押さえている。
見る見る間にその袖も深緋に染まっていった]
これはちゃんと治療しないと。
なあ、アヤメさん!
[必死に止血しようとする女性には聞こえていないようだった。
誰の声が聞こえても反応出来ないほど動転していたのだろうか。
無理に引き剥がす事も出来ず困っていると後ろから兄の声がした]
―回想・昨夜→朝―
ここでするのか?
ああ、そか。頭打ってたら下手に動かすのも…。
[兄の運んできてくれたキットを使って手当てをした。
ナターシャも手伝ってくれただろうか。アヤメも少しは落ち着いただろうか。
止血が終われば体力次第でもあり、このまま毛布などを持ち込んで休ませようということになった。
それぞれの休息の必要性もきっと説かれただろう。離れようとしなければアヤメはそのまま、交代で休むのに個室も使い]
あれ、いない。
[目が覚め、個室にも広間にも兄の姿がない事に首を捻った。
どうしても頼りにはしてしまう。何かあったのかと捜していたら……既に、何かどころでは無くなっていた>>27のだった]
(警官なんて、今は邪魔でしかないの。)
[その死の間際、ふさふさの彼にかけた言葉は届いたろうか。
青年に抱えられてゆく死体を見ながら、その時のことを思い出していた。]
─集会場・自室─
[演奏をいつ止めたのかは、覚えてはいない。
ただ、疲れを感じた所で手を止めて電子の鍵盤を消し、ベッドの上に崩れ落ちたのは辛うじて覚えている]
……ん……。
[戻る意識。
時間の感覚は薄い。
あるのは、異様な喉の渇き]
……水……どこかに、ありましたっけ。
[小さく呟いて、起き上がる]
さ、て。
どうしたもの、ですか、ね。
[立ち上がり、肩の具合を見た後の呟きは、常よりは低いもの。
ともあれ、ここにいても始まらない、と個室を出た]
─回想・昨夜 集会場・広間─
[マイルズ達がジョエルを運んでいく姿がみえなくなる。
そこに聞こえてきたのは、金属の落ちる音と、何かが倒れる音。
みれば、仰向けに倒れているノブの姿と、這いずりながら彼に近付くアヤメの姿があった。]
ノブくん…っ…アヤメさん!
[その姿に、慌てて立ち上がろうとするが急に視界がぐらりと歪むような感覚に襲われて倒れ伏しそうになる。
それをなんとか堪えて彼らの元へと向かい、パトラッシュやレッグと共にノブの治療とアヤメの介抱をしただろう。
急を要することを済ませれば、ようやく気力が切れてそのまま壁に寄りかかるようにして座り込み。
言葉すくなに、此処で休むと告げ、意識を闇に落とした。]
─回想・了─
……取りあえず。広間に、行きますか。
どうせ、定時が来れば、行かなくてはならないんですし。
[しばしの思案の後、小さく呟いて歩き出す。
足取りは重い。
左の肩も、いつもより重いように思えた]
─ →集会場・広間─
─朝 集会場・広間─
………、此処、は…
ぁ…そう、か…そう、だったわね…
[目が覚めるも、まだ覚醒しきれぬ態で見慣れぬ景色に数度瞬きし。
ようやく、現状を思い出して一人、表情を曇らせるも、意識を失う直前の事を思い出してノブたちの姿を探す。
そこに彼らの姿があれば、身体の具合を聞いて。
いなければ、まだ覚束ない足取りでその姿を探しに歩き回る。
そして。]
レッグ、くん…っ…パト…ラッシュ…さ、ん…?
[兄の亡骸を抱いて入ってきた、レッグを見て、言葉を詰まらせた。]
─朝 集会場・広間─
……そう…なの。
[淡々と兄が殺されたと告げる姿に、何もできず。
決して誰の手も借りようとせず、一人で兄を運ぶ彼にかける言葉は見つからないが、それでも独りにさせたくなくて。
彼が兄を運び入れた部屋に入ることはせず、ただ外で彼が出てくるのを待った。]
…どうして、パトラッシュさんを…
どうして、私じゃないのかしら…
[人を守る警察官だった人と、人の命を奪った自分。
どちらが生きているべきなのかなんて、考えなくてもわかることなのに。
そう呟いて、*目を伏せた。*]
─集会場・広間─
[広間へ向かう途中、個室の一つの前に佇むナターシャの姿を見かける。
思う所がない、と言えばそれは偽りか。
だから特に声をかけるでなく、軽く、会釈をして通り過ぎた]
……まあ、静かになった、とは思っていましたが。
更に、静かになったような気がしますね。
[広間に入り、漏らすのはこんな呟き。
昨夜、立ち去った後にここであった事は知る由もなく。
静かな空間を見回し、ひとつ、息を吐いた]
─集会場・廊下→医療室─
何人…ですか。
[レッグに言われればそれだけ呟き後は黙ったまま、彼らを見送る。
ナターシャとすれ違うようであれば、目を伏せるだけで会釈は出来なかった。
その後、一度医務室に戻り今度こそ眼帯を探し出すと、まだ赤い右の目を覆った。
隠せば視界に影響はでるが、あまり見せたくないし見たくなかった。]
[数を知らない者からすれば、恐怖でしかないのだろう。]
こっちは二人…だけど。
[二人だが、共闘する事はおそらくない。]
―集会場・個室―
…分かってる。
こんなことしてても何も変わらないってんだろ。
分かってはいるんだよ。
[大きな溜息を吐く]
兄さんは俺を庇ったわけじゃない。
わけじゃないのに何だか同じように感じちまってさ。
代わりに死んじまった、みたいな。
[狙われた基準は、狙った本人にしか分からない]
開放の放送がない以上、またやらなきゃなんだよな。
消せなかったらこんなんが繰り返されるのかな。
―集会場・広間―
[暖かいものが被さっているのを朧気に感じつつ、深い眠りから徐々に浅いところまで来て]
いっ……
[身体を動かそうとすると痛みが生まれ、それで意識が覚醒した。
目を開けて、首だけを気配のあるほうへ動かす]
―集会場・個室―
…覚悟はしたつもりでもキッツイな、これ。
それとも続けてれば慣れるかな。
[愚痴るのは兄だからか。死者だからこそ愚痴れたか。
どれだけそうしていたのか、自分の顔をピシャリと叩いて立ち上がった]
行って来る。
俺はまだやんなきゃいけないもんな。
[宣言するように言い、後は振り返らずに個室を出た]
─集会場・広間─
[静かな広間に佇み、ぼんやりとモニターを眺めていた所に聞こえた、微かな声。
何事か、と視線を向けたなら、ちょうど視線は交差するか]
……ああ。
[目が、僅かに細まる]
起きたんですか。
というか、そこで寝ていたんですか。
[続いて口をついたのは、こんな言葉]
―集会場・廊下―
ナターシャさん?
何だよ、ずっとここに居たのか。
[部屋を出たらまずその姿が見えた。
どこか泣きそうな顔に、苦笑のようなものを浮かべる。
見方によっては皮肉っぽくも見えたかもしれない]
広間行こうぜ。
聞きたいことあるならそっちで纏めて話す。
どうせ他の人らもまた集まってくるだろし。
先輩も目を覚ましたかね。
[思った以上に時間が経ってもいたようだ。
司書の背中を軽く叩いて促し、広間へと向かった]
─集会場・医療室→広間─
[血の付いたままの服はそのままにしておいた。何せ予備がない。
家へ戻ればあるが、焼け残っているか疑問だった。
一応ケープ代わりにでもと、薄いタオルケットのような物を隠すように肩にかけた。
そしてそのまま広間へと向かう。
今日は何に悩む事もなかった。
銃口を向ける相手は決まっている。
主と自分以外。
自分を狙う人でもなく。
自分が撃ち、同僚を殺した人でもない。]
…貴方は、危険だから。
[一人微かに呟いて、広間へと入った。]
─集会場・広間─
……ん。
集合開始、ですか。
[ふ、と、視線が広間の出入り口に移ろう。
一人、二人、と集まる者たちの姿が目に入った。
エリカの眼帯姿にはひとつ、瞬くものの。
昨夜の事を思い出したなら、すぐに合点は行った]
―集会場・広間―
……んー?
[何度か瞬く]
ねてたのかな、おぼえてないけど。
……なんかひさしぶり。
[掛かる声への返事なのか、焦点はいまいち合わない。
撃たれていない方の左腕を支えにしながら、上半身を起こした]
─集会場・広間─
[主の姿を見止めれば、微かに頭をさげて傍に近づき控える。
主の表情には逆にこちらが瞬いたが、視線がやや右に寄っているのに気づけば何を見ていたのか理解できた。]
…あまり見目のよいものではありませんでしたから。
[そう主に苦笑するように告げて。
ノブやレッグらにも気づけば、少しだけ頭を下げた。]
─集会場・広間─
……皆様お揃い?
[入ってきたレッグの言葉。
違和感を感じて、軽く、首を傾げる。
朝の出来事を知らぬ身には、人数が足りない、と思えたから]
パトラッシュさん……は?
[場を見回し、見えぬ姿を確かめると、浮かんだ疑問をそのまま投げかける]
─集会場・広間─
……寝ていたというか、寝かされていた、という感じですか。
[身体を起こすノブの言葉に、軽く、肩を竦める。
割けたままの上着から、真白が覗いて揺れた。
彼への違和感は、未だ、消えぬままで残っている]
……ああ、確かに。
気になるならば、それがいいでしょうね。
[生まれながら異眸を持つ身には、何となく、思うところは覚れて。
苦笑するエリカに、似たような笑みを返した]
―集会場・広間―
こんな時でもお気楽だな。
[らしいけど、と先輩の言い様に唇の端を上げる]
ラッシュは死んだ。殺された。
サイキッカーの仕業だと、俺は思う。
まだPSI反応もあるらしいしね。
[伶人の問いには少し表情を引き締めて、だが確りと答えた]
─集会場・広間─
……殺された。
[レッグの答えを聞き、しばし、瞑目する。
黙祷か、それとも思考を整理するための遮断かは、外見からは窺えない]
……サイキッカーの仕業……ですか。
彼らも、ただ殺されるのを待つ気はない……と、言う所なんでしょうか、ね。
[やや間を置いて、零れた呟き。
閉じていた目がゆっくりと、開く。
淡々とした口調からは、今口にした事に対しての感情の動きは感じられなかった]
―集会場・広間―
[次の言葉には特に反応を返さない。
視線を地面に落とす。
少し身体を動かして、あれから誰も触れていなかったのか、近くに落ちていた銃を拾った]
ラッシィさん?
[聞こえてきた会話に、その姿を探そうとして]
……そうなんだ。
[後輩の声で死を告げられれば、動きを止め、目は再び手の中の武器に落とされた]
─集会場・広間─
あまり失礼な格好でぼっちゃまの前に立つわけにも参りませんし。
[そう小さく笑み返す。
マイルズの笑みに少しだけ、救われるような思いでいた。
パトラッシュへの問いには、自分が答えるよりはおそらく近しいレッグが話すだろうと黙ったままで。
説明がされれば、少しだけ目を伏せた。
周囲には悼むように見えるか。]
はやく、さがさないとね。
[俯いたままの声は低くて、淡々としている]
……けど、うてるかなぁ。
[続く言葉は更に小さい。
手当てされた右腕を見て、痛むのか眉を寄せる]
―集会場・広間―
じゃないかな。
ラッシュは警官だ。
他よりも銃器の扱いに慣れてるし、判断力もある。
捜されようとしてる方にとっちゃ厄介だろうよ。
[伶人に答えながらふと考える。
兄は誰を狙っていたのだったか。眉が寄った]
まあ、そんなで。
どうにかして排除しないと、こっちが殺されかねない状況、だ。
[小さな声に先輩の方を見る。
いつもと同じようで何か違和感のようなものが感じられた。
こんな時だからか。それともこんな時なのに?]
─集会場・広間─
……非常事態ですし、多少の事には目を瞑りますよ。
[小さく返される笑みに、短い時間、常の笑みが戻る。
死を悼むように見える姿は、そのままに受け止める。
二人が玄関先で親しく言葉を交わす様子は、幾度となく目にしていたから]
……です、ね。
この状況にあって、冷静さを失わなかったあの方は、脅威と言えば脅威でしょう。
[レッグの言葉に、小さく頷く。
続いた言葉には、は、と短く息を吐いた]
文字通りの殺すか、殺されるか、ですか。
……さて、何を基準にどう判断すればいいのやら。
―集会場・広間―
[少しづつ、空気が張り詰めて行く。
武器は広間に落としっぱなしだったので、それを拾いに一度主の傍を離れ、血溜まりの跡の先に放り出されたままのマグナムを拾い、また戻った。
ちらりと見るのは。
主と自分以外。
自分を狙う人でもなく。
自分が撃ち、同僚を殺した人でもない。
―――――――そして主を撃った人でもない。]
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