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えぇ、わかりました。
気を付けておきましょう。
[オティーリエの頼みに頷いて、仔竜を視界の端に留めながらエルザの送られた時の様子を若焔に尋ねる]
ですが、ちょうどいいとも言えます。
あの結界内で暴れる事が何を引き起こすか、剣にも想像がついているでしょうから。
[剣の力で中から切り裂けたとしても、危うく稀な均衡を保つ結界は衝撃に弾け飛ぶだろう。それこそ竜都崩壊の危機だ]
後ほど、ゆっくりとお伺いしますよ。
……どうもせぬ。
出来ぬ、というが正しいか。
此の器に、我の震える力は無きが故に。
陽光の仔竜が囚われし今となっては尚更にな。
[ 素直な肯定に、胸に手を当てつ吐息を零す。
細い滴が肌を伝い、纏う布を濡らしてゆく。]
好きなようにするがよかろ。
お前も、あれも。
願いの在るならば。
―東殿・廊下―
うむ、ごきげんよう。…って言うと偉そうだな俺。
[へらり、笑みを返すも、続いた言葉には眉を顰める。]
…引き込まれ、ってまたか。
どっちだったとしても厄介だな…とにかく行ってみるか?
[外は雨だが、そうも言ってられないだろうかと。
それでも一応尋ねてみる。]
[心底嬉しそうな感情があらわになる。
それから結界の方へと目をやった。]
なるほど。
それでしたら剣も力を出せずに――簡単に奪えるかもしれませんね。
ですが、老君もお持ちとか。
もしも剣の形状をご存知なら、ばれぬようにせねばなりませんね。
―東殿・廊下―
あら、なんだか似合ってたけれど。
[へらりとした笑みを見ると、少しだけ笑みが零れたが]
……虚竜の王が機嫌。
結界の中に引き込まれたユディとかでも、治せないのかしらね。
[ほぅと息を零したところで、命竜の問いかけに頷く]
……雨が気になるなら、私の周りだけ雪や雹に変えられるけれど?
[こてんと首を微かに傾げ、尋ねる。
濡れるのと冷たいの、どちらがマシ?とでも聞くように]
―東殿/食堂―
[若焔の言葉に静かに耳を傾けて、青年は若焔へと歩み寄った。
握り締められた鱗立つ手に、袖から少しだけ覗く指先を添える]
虚竜王の不機嫌ならば恐らく誰も止められません。
あまり気を落とされぬように。
……エルザ殿に心配されますよ。
[少しだけ痛みを消して、指先を離す。
そして仲の良い様子の機鋼の仔に声を投げて下がった]
エーリッヒ殿、よろしければ若焔殿の側に。
[ダメかと再度訊ね来る様子には、重ねるようにして制止の言葉を紡ぐ]
なりませぬ。
お行儀が悪いですよ?
[告げてから、耳元へ顔を近付けてくる様子に己が耳をそちらへと向ける。その先で紡がれた言葉には少し、動きが止まりかけた]
……剣、じゃと?
[強い剣、幼子はそう繰り返す。常で剣をその身に帯びることはほとんど無い。今帯びていると言えば──]
…いや、儂は持っては居らぬよ。
剣を扱うは苦手でのぅ。
[ややあって紡いだ言葉は否定を含むもの]
―戻る前、結界内でのこと―
まぁな。切欠どうであれ口火切った事に変わりねぇし。
はい俺だけ無関係ー!ってのはな。
…あいつらの胸中は、分からんでもないし。
[張り詰めた空気にも肩を竦めるに留めるのみ。
刻印を傷つけた、には軽く眉をよせ一歩近づき頭に手を当て、そこから癒しを注ぎ込んだ。
全てを知られようとも、対応は何ら変わりない。]
まぁ無茶すんな?
って。
だあああああああ!?
[飛んできたでっかいテントウに思わず叫ぶ。あんまり驚いたので心話にも少し漏れたかもしれない。]
―戻る前、結界内でのこと―
[哀れ潰されかけた所で――エルザに突き飛ばされた。
虚をつかれ、壁に当たるがこちらは大事無く。]
!?エルザ!!
[潰された彼女の傍へ駆け寄る。]
[ちらりと心竜を見上げる顔は、きっととてつもなく情けないもの。]
…けど。
アイツが…アイツの卵見つけたときからさ、絶対守ってやるって思ってたのに。
[口惜しさは、どうすることもできず。]
手伝ってはあなたの望みが叶ったとも言いがたいのでしょうか?
もしも必要でしたら、どうぞおっしゃってください。
[さすがに僅かな沈黙の後、申し出だけはした。]
―― 食堂 ――
[精神竜に声をかけられて、立ち上がる。すたすたとダーヴの傍に歩み寄ると、生身の右手で、いきなりスッパーン!と頭をはたいた]
落ち込んでる場合じゃないだろ!?
早くエルザさんを出してあげたいなら、結界をどうにか出来る相手をとっとと見つけないと!
…?
[地竜の耳元から身体を離した仔は、漸くにして心竜殿に気付いたようであった。
視線を向けられていると判ればその意図は知らねど、幼子は何処か楽しげに小袋を握った左腕を心竜殿に向かって小さく振る。
しかし僅かに首が傾いだのは、その向こうに様子の可笑しい機鋼竜殿と焔竜殿が見えた為か。
その間に漸く仔の足元へと辿り着けば、
私は仔の足を伝って小さな身体へと身を巻きつけた。]
[オティーリエの嬉しげな心に、翠樹の仔竜との仲の良さを感じて口元に微かに笑みが戻る]
[クレメンスから漏れ聞こえた悲鳴のような何かは、命の別状の無いレベルなので何も言わなかった]
―東殿・廊下―
うはは、おいさん偉いわけじゃないからなぁ?
んー、どうだろうなぁ…中で王らと繋がってれば期待できるんだが。
[繋がってない事を知りながら言う。
そしてブリジットの、ある意味究極の選択に通じるモノには、ちょっと本気で悩んだ。
結局。]
………濡れないよりはマシか?
えーと、そいじゃオネガイシマス。
[冷たいほうを選ぶ事に。
雨避けコートを取りにいけばいいわけだが。
部屋にはなかったし、借りてくるには時間がかかる為。]
冗談だ。
[ 表情は変えずに言う。]
あれの願いもお前と似たよなものだろ。
叶う事態になれば唯では済まぬが。
それも一つの結末よな。
―東殿/食堂―
[視界の端に若焔の情け無い顔が見えたが、青年は常より淡い笑みを浮かべていた。胸の内を全て吐き出せばいいと許すように独白に口を挟む事もない。
そして機鋼の仔竜の一撃が入れば、もう大丈夫だろうとばかりに静かに足を進めた。ニ竜から離れ、視線を向ける仔竜に指先を一、二度振り返す]
…ってぇ………
ぁにすんだよっ!!!
[まともに肩打ったらしく、さすりつつ飛び起きた。]
んなもん、言われなくてもわぁってるっての!!
[幾つもの焔を展開。潮の香りの煙が上がると同時に、灯火は深い青へと染まる。]
あなたは――叶うも叶わぬも、関係ない。
そういう、ことなのでしょうか?
[ノーラに問いかける。]
――でも先の願いは、本気だと思いました**
…そっか。
[再度制止を掛けられては、仔も渋々ながら納得せざるを得ぬ。
僅かながら名残惜しそうには見えども、幼子は了承の意か小さく頷く。
それでも尚真似たいと言い出せば如何すべきかと悩む事になったに相違ない。
重ね重ね、地竜殿には感謝すべきであった。]
…? もってない、の?
[一寸の沈黙の後、告げられた言葉に仔は囁き声も忘れ瞬いた。
不思議と言わんばかりに仔の視線は腰へと巻きついた私へと注がれる。
それから仔の表情には僅かに翳りが差したのは、幼心に大きな期待を抱いていたに違いなかろう。]
おじいちゃんが、もってるって。きいたの。
…でも、ととさま、だしてあげられない?
[流水のへと向かった焔は、2周回る前にくすぶって燃え尽きる。]
…こっちでも、ないか…。
じゃ、誰が…
[存在として怪しいのはクレメンス辺りだろうかと失礼な事を思いつつも、揺らぐ足取りで歩き出す。]
―戻る前、結界内でのこと―
[潰されたエルザの前に立ったのはユーディットで。
テントウとの戦闘に入ったのをみれば足は止まった。
近づけばこちらも攻撃対象内に入りかねない。
距離を取るが。
ユーディットの右手を見て背に汗をかく。]
おい時空の!腕!
[だが今は近づいて癒す事は叶わない。]
―東殿・廊下―
そう、願っておきたいものだけれど。
陽光帝も、仔と会いたいでしょうからね。
[少しだけ、胸元に手を当てて、そうであるように願いながら呟いて。
片言な言葉での返答には、にこりと笑みを作って]
賢明ね?
[微笑んだ]
―東殿→西殿・結界前―
[東殿を出る際に、軽く息を整える。何か小声で呟いたと思えば、
ブリジットの中心から、とても薄い白紫のオーラが広がっていく。
オーラのような結界に触れた雨は瞬時に、真白い雪となる]
あ、寒かったら、ごめんなさいね。
[言うのが少し遅かった気もした。
オーラは円状に、そう離れていない命竜をも包み込む。
地面のぬかるみも凍て付き、所々には霜柱も生えたりしているだろう]
[真似るとそれ以上言わぬようになると、僅か安堵の息が漏れる。今まで接してきた無茶ばかりする仔達より聞き分けが良いのはありがたい。
己が返した言葉にどこか残念そうな表情になるのを見ると、少し心が痛くなる。しかして今明かしてしまうのは、ましてやこの幼子に告げるのは少々憚られる]
…儂が持っておるとは、誰が言うておったのじゃ?
仮に剣があったとしても、お父上を出すには少々難しいと思うのぅ…。
生半可な剣では、あの結界は破れまいて。
―― 食堂 ――
[水竜に向かい、消え果てる焔を見つめ、揺らぐ足取りで歩き出したダーヴも、黙って見ている]
ばーか。
[案の定くたりと倒れた相手に近付き、右手を振った]
ユル…!
[先刻まで外にいた筈の機械竜が飛んで来て、右腕一本で引き上げた焔竜の身体を反対から持ち上げて支える]
ベッドに叩き込んできます。
[入り口近くにいる精神竜に擦れ違いざま、そう告げて、食堂を出る]
―― 食堂→焔竜の部屋 ――
[部屋に着くと、文字通りベッドに叩き込んだ上、上から羽根布団を10枚程重ねておいた。窒息するかもしれないが、きっとこの焔竜なら復活するだろうとか]
関係はあろう。
我は永きに渡り受け継がれし記憶。
此の界に存在するものである故に。
そなたらの求める力は余りに強大だ。
何が起ころうと不思議ではない。善くも悪くも。
されど。
……願うは自由であろうよ、足掻くもな。
[ 其処で、言葉を切る。後に続くのは雨音であった。
何もかも覆わんとばかりに降り続く雨は、全てを包む闇にも似る。]
―東殿・廊下―
んだな…。
[それは本当にそう思ったので返しながら。
笑みと微笑には、そうなの?と微かな疑問符を浮かべながらも、いつぞとは違い今度は後に続くように外へ。]
―東殿→西殿・結界前―
[外に出る間際、白紫のオーラを結界と、それに触れれば雪となる光景に、おー、と感嘆した。
のはちょっとの間だけ。]
さ、 っぶ!!
[薄着をしていたわけではないが、冬装備ではもちろんないわけで。
気がつけば地面に霜柱まで立つような寒さに思わず両手で腕を抱く。
さすさす腕を擦りながら、それでも一応歩くっちゃ歩くわけだが。
足元から聞こえるさくさく音がすこーし恨めしいとか。
滑って転ばないだけマシだろうか。]
さて。戻るか。
[ 肩に流れる髪も纏う衣服も、しとどに濡れていた。
重たいのは身ばかりではない。
* 踏み締める土は、酷く頼りなく感じられた。*]
―戻る前、結界内でのこと。危険兆候数秒前―
…………。
[とりあえず、ユーディットの声からは嫌な予感しかしない。
一歩二歩、時空流とは距離をとりながら、一応はエルザの方へと近づいていく。]
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