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外、か…
[窓の向こうを見る。もちろん見えることはないが]
ダーヴィッド?
[どこか不自然な彼の言葉を拾って]
……誰がそれかわからないのに?
クロエがそうなら簡単には死なないだろうし、ゼルギウスがそうなら…そんな殺し方はしないだろう。
[ゲルダの言葉に、自分が考えたことを伝えて]
始まってしまったら。
もう、止まらないんでしょうか。
[抑揚薄く、口にする。
嘆くカルメンに視線をやるも、声はかけられなかった。
戻した視線はダーヴィッドへ。
何を言おうとしたか勘付いたか、咎めるような眼差しになった]
ん、まぁ、俺としてはゲルダちゃんまで巻き込まれるよりはマシかな、とか思うし。
謝る必要は無い、と思う。
ん…、そっか、外か。
教えてくれてありがとな。
[柔らかな声を紡ぎ、手を上げかけるも]
な、撫でようにも撫でられないな、これは。
[首の座らない赤子を抱えては、どうしようもない]
そういうものなんですか。
人狼って。
[簡単には死なない。
初めて知ったと、小さく漏らした。
それ以上の追求の言葉は紡がなかったが、疑いを解いた素振りも見せない。
そんな様子を、ロミルダがどう見ていたか――或いは見ていなかったか、どちらにしても、わかりはしないけれど]
撫でなくて、良いです。
こう見えても、もうすぐ20なんですから。
[赤子を抱えたダーヴィッド。
近くでじっくりと見るのは初めてだった]
……預かりましょうか。
代わりに、と言ってはなんですが、外、お願いできますか。
ノイマンさんには申し訳ないですが……あまり、見たく、なくて。
[ちら、と眼差しを落とすのは、ロミに向けて。
知る力を持つのなら、なお一層、責任を感じているだろうか、と]
…うん?
[名前を呼ぶハインリヒと、咎める眼差しのゲルダ。
ただ曖昧に笑って]
ゲルダちゃんは、止まってほしいの?
止まれるの?
――…エーリッヒのこと、諦められるの?
[いっそ柔らかさすら覚える声で問い掛ける]
……なんならオレが預かろうか?
[赤ん坊を抱いて何か言ってるダーヴィッドに、冗談めかして言う]
[実際には受け取る気はないけれど、壊しそうだから]
……ただでは死なない、って意味さ。
[ポツリと。
それをゲルダがどう受け取るかまでは知らないが]
[ぽんぽん、となだめるように背を叩いてやる。
その内に、聞こえた呟きに、一つ、瞬く]
……クロエは、人狼じゃ、ない……?
それって……って、あ。
[問うより先に、カルメンは意識を失い。
腕に、重みが預けられる]
……ま、仕方ない、か。
俺、カルメン部屋で休ませるよ。
そうだね。
そうだと、良い。
[人であって、人ではないもの。
紡ぐ言葉は本当であって、嘘でもある。
ちらりと、入り口の傍に佇む、少女を見た]
それは――…
止まって、欲しいですよ。
諦められる、って。
[エーリッヒ。
その名が紡がれると、自然と、眉が寄ってしまう。
ターコイズグリーンの眼が伏せられて、微かに揺れた]
なんですか、いきなり。
なんの、関係が。
……男性は子供の世話をするより力仕事をして下さい。
[申し出るハインリヒに、そんなことを言いやる。
彼自身に視線を向けはしなかったが、呟くような言葉は届いた]
それは、怖いですね。
[返す言葉は、短い。
どう捉えているかわからない言い様]
……クロエは、って…
[僅かに耳に届いたそれを問う間もなく、力を失くしたカルメンを見て。
部屋に運ぶというユリアンに頷いた]
あぁ、そうしてやってくれ。
頼むな?
[そうして、ゲルダに問いかけるダーヴィッドを訝しげに見つめて]
[何も言わず、ただ見つめるだけ]
子供扱いしてるつもりは無いんだがねぇ。
[ただそんな時にも、微笑んでしまうから。
揶揄うようにも聞こえるかもしれず]
この子、今、ローザちゃんから預かったばかりでね。
すぐに渡すと信頼に関わりそうだし。
寧ろ、ハインリヒのにーさん。
クロエさんをよろしく。
……赤ん坊と、新鮮な餌と。
どっちが、危険かなぁ。
[ぼんやり、究極の二択だ、などと思った]
深い夜じゃないだけ、マシだけれど。
[周囲のやり取りは聞こえていたけれど。
何となく、口を挟む気にはなれなかった。
意外に余裕のない自分に、やれやれ、とため息をつきながら。
所謂、お姫様抱っこの容量でカルメンを抱えつつ、立ち上がる。
床に落ちていた星は、鸚鵡が拾い上げた]
ん……。
んじゃ、クロエの方、頼むね。
[小さく呟いて、広間を後に。
二階まで上がると、小さく息を吐いて]
……っとに。
なに、やってんだ、よ。
[掠れた呟きは、果たしてどこに向いたのか]
あぁ、止まってほしいんだ。
それは意外、だね。
[空いたソファーに腰掛け、眼差しはゲルダを見上げる]
――…ならば、問いましょうか。
ゲルダ=グリム。
この状態を留める、と言うのは。
彼を殺した相手をそのまま野放しにすると言うことに繋がるのではありませんか?
解ってるって。
[ゲルダの言葉に短く返して、その後の言葉には答えずにダーヴィッドを見る]
オレって、そんなに信用できないかぁ?
まぁ、オレが預かるよりゲルダに任せた方がいいわな。
て、そういう事言うわけ?
[さりげなく仕事を押し付けられて、そう返して]
しているようにしか見えません。
[ローザの名が出ると、眼差しは一時、外へと向いた。
程なく戻されて、見上げてくる眼差しを受け止める。
向けられた問いかけに、息を呑んだ]
――…それは。
見つけたら、……許せないと思います。
でも。
これ以上…… は。
ったく、しょうがねぇなぁ…
[ゲルダと話を始めるのを見て、ぶつぶつ言いながらも席を立つ]
んじゃ、行ってくるわ。
[そう言って、外の様子を伺いに*向かった*]
[カルメンを個室につれて行き、ベッドに寝かせてやる。
泣き疲れの顔を、部屋に備えてある水瓶ので濡らしたハンカチで軽く拭いてやり、サイドテーブルに銀の星を置いた]
……『――僕は僕でいられるように。』だっけ。
願い……叶えられたのかよ。
[以前、この部屋で聞いた言葉を小さく繰り返して。
それから、葦笛を取り出し、音色を奏で始める。
少しでも、穏やかな眠りを導ければと*思いつつ*]
[これ以上。
そう紡ぐ言葉は、裏を知っていれば薄っぺらく聞こえそうで]
そんなことしたら、それこそ、見つかって終わりだよ。
変人さん、外にいるんだから。
武器も持っているみたいだしね。
[外に出てクロエの遺体の側に行く]
[まだ新しい血の匂いに手を伸ばしかけるけれど]
[それでも、何とか衝動を抑えて片付けを*始めた*]
はは…っ、見つけたなら、許さない、ですか?
許さないなら、じゃあ、どうするんです?
――…ねェ、もしも。
俺がそうなら?
[赤子を抱きながらの、悪趣味な問い掛け]
逃げているだけならば、何も変わりませんよ。
[それなのにまるで説法のような言葉をも、紡ぐ]
[ハインリヒが出て行った後。
引き結んでいた唇を開く]
殺してやる。
[短く、鋭い言葉。
視線を戻して、確かに言った。
けれど緑の双眸は、彼を映しながらも、彼を見ていない]
……なんて。
小さな子の居る前で、教育に悪いですよ。
[表情を崩した]
あは。
こういった女の子の方が、受けが良いかと思って。
……そうですね、逃げません。
なぁんて。
[ふ、と、軽やかな息を吐く]
俺はさ、これ、止められないと思う。
どうせなら、自分にできることをやって、一刻も早く終わらせるのが良いと思うけど。
どーなんだろうね?
[くすくすと笑う声はいつものもの。
その横を擦り抜けるように階段の方へと*向かう*]
どうなん、でしょうね。
先の事は――… わかりません。
[移動するダーヴィッドを追いかけることはなく]
ただ、わかるのは。
起こったことは、変わらないってことくらい。
失われたものは、還らないってこと。
先生は、死んじゃったってこと。
[ようやっと認めたように口にする。
床を見つめて。
泣くことは特技だけれど。
今、しずくが眼から零れることはない**]
―広間―
[カルメンが小さく呟いた言葉は聞こえたのかどうか]
クロさん…
[ロミルダだって悲しくないわけじゃないけれど、やっぱり涙は出ない。
自ら確認した者が生きていたことへの安堵が、根底にあったのかも知れない]
[泣き疲れたカルメンを連れて行くユリアンと入れ違いのように、部屋の中に入る。
ハインリヒが出て行く背中をじっと見て。
残った2人の間で交わされる言葉を離れた場所で聞く]
…ぅ。
[ゲルダの鋭い言葉には、やはりびくりとして視線を揺らし]
…
できることをやって、…終わらせる。
[ダーヴィッドの言葉を、どこかぼんやりと繰り返した]
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