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─ 翌日 ─
[ときおり咳き込みながら寝台で震えていたが、断続的には眠っていたようだ。
朝、騒ぎになっている声>>0:175、>>0:179、>>1はなんとなく聞こえていた。
寒気と寝不足と咳でぼんやりする頭では、それが何を意味するかまで考えられず。
休んでいれば少しは回復するだろうとの淡い期待から、そのまま寝具を被って横になっていた。
うとうとしていたのは、数十分か数時間か。
ふと気が付くと、鎧戸とカーテンを閉めたままの窓は暗いままで。
廊下の足音を聞きつけたビルケが、短く鳴いて知らせたのはノック>>21とほぼ同時。]
あ……、朝…だよね…。
[ユリアンはのろのろと起き上がり、馬布のコートを寝間着の上に羽織って扉を開ける。]
[イヴァンと顔を合わせれば、]
風邪を、引いた、みたいで……。
[掠れた声でそう伝えた。
エーファに薬をもらっても、その日は客室にこもって安静にしておくだろう。
誰かが様子を見に来れば、扉を開けて少し対応するかもしれない。]**
─ 橋が壊れた日の夜更け ─
[心配事など何一つないはずなのに、イヴァンはその日の夜、寝付けずにベッドの上で寝返りを続けていた]
……ぅ……
[借りた客室の中だけで零れる声。
魘されているかに思えるそれは、けれどイヴァンの意識はきちんとそこにあって。
やがてゆらりと上半身を起こし、右手で額を押さえた]
…なん、だ……?
[身体や心がざわざわと落ち着かない。
冬だというのに汗が噴き出て、部屋が随分と暑く感じた。
ベッドを下りると、空気を入れ替えるために窓へと近付き、カーテンを開け片方の窓だけを開く。
ひんやりとした空気が通るのを感じ、一つ息を吐いたところでそれは起きた]
ぐっ…!?
[ぐるん、と視界が回転するような感覚を受け、身体がミシミシと変化して行くのを感じる。
何が起きているのか、と思うよりも早く、変化の起きたイヴァンの身体は窓縁を蹴り、外へと飛び出していた]
[空には真っ赤な月。
湖に作られた白い堤が月明かりで赤く染まっている。
紅い光が降り注ぐ中、真白の雪に降り立ったのは漆黒の獣だった。
その中で、金色の目だけが爛々と輝いている]
[獣の行動は迅速だった。
小島の一角から控えめな演奏が聞こえる。
食欲をそそる匂いがしている。
獣は本能のままに駆け、そのままの勢いで見つけた旅の歌い手に飛び掛っていた]
ぐるるる……
[飛び掛りの一撃は歌い手が腕を掲げたお陰で致命傷にはなり得なかった。
獣は歌い手に向き直り、身を低くして狙いを定める。
逃げようと後退る歌い手を追い詰めるようにじりじりと距離を詰め、獣は一息に飛び掛った。
仰向けに押し倒すように爪を立て、歌い手の喉に牙を突き刺す。
恐怖で声も出なかったらしい歌い手は、その一撃で美しい声を永遠に失った。
引き千切るように獣が顔を動かすと、喉の傷は広がり紅が大量に零れだす。
獣は動きの減った歌い手を一瞥すると、血塗れた牙を腹部にあて、一思いに食い千切り、中の臓物、そして心臓に喰らいつき、歌い手の中を空にしてしまった]
[満足した獣が口の周りを舐め上げ、歌い手の上から退くと再び部屋の窓側へと戻り、窓から部屋の中へと戻って行く。
ベッドの上には安眠するイヴァンの姿。
自分が今何をしたのか、今のところは夢現*]
― 翌朝 ―
[修道院の朝は早い。
場所が変われど体に染みついた習慣は消えはしなかった。
早朝、寝台から起き出し身なりを整えて祈祷を行う。
そうしていれば館の主も起き出す頃合いになろう。
一泊の礼と挨拶をしてから発とうと思っていた。
朝の静寂は思いのほか早く破られる。
上がる声>>0:175は驚きゆえのものか。
聞き覚えのある声音に伏せていた視線があがる。]
この声……、
[何かあったか、と、立ち上がる。
部屋を出ようとドアノブに手を掛けたところで違和に気付いた。]
[利き手である右の甲、手首に近いその位置。
うっすらと色が変わり痣のようになっている。]
――…ん。
何処かで打ったか?
[思い返してみるがそのような覚えはない。
首を傾げながらその痣を怪訝な表情で見据える。
何か見覚えのある形に思えなくもないが
その輪郭はまだぼんやりとしていた。
普通にしていれば袖口で隠れる位置。
痛みもないことからさして気にせず、
そのままにして部屋を出る。]
[泊まるつもりはなかったから荷物は殆どない。
声が外から聞こえた、とまでは分からず
防寒着は部屋においたまま。
階段を下りて辺りを見回す。
少しばかり出遅れたせいで、
そのころにはすでに橋の有様を見た者も
帰ってこようとするところかもしれない。
厨房ではすでにエーファが竈に火をいれていた>>19。
視線を落とせば黒猫が静かにそれを見守っている。]
おはよう、エーファ、モリオン。
少し前に、声がきこえたんだけど、何かあった?
[声を掛ければ、氷の堤の件は聞けるだろうか。
外に出られぬ事を知ると少し考える素振りをみせてから
広間へと行き、暖炉に火をいれ、悴む指先を温める事にした。**]
─ 演奏会の翌日 ─
[堤で橋が壊れたことをギュンターに伝えると、それならば仕方が無い、と無理に渡らず滞在するよう指示が出た。
この辺りはイヴァンと同じような判断らしい]
俺がここに来てるの知ってるはずだから、橋が壊れたことは多分今日中に伝わると思うよ。
橋の架け直しには堤もどうにかしなきゃならないけど…臨時的な吊り橋みたいなのをまず架けることになるんじゃないかな。
脱出を優先しないとならんだろうし。
氷の上に乗せる形になるかもしれないけど、直接氷の上歩くよりは良いっしょ。
[大工として、村の方で取るだろう対策をギュンターに伝え、ギュンターからも同意を得た。
自分がこちらにいるのだから、道具や材料さえ行き来させることが出来れば作業も早く終わると考えてもいる。
道具等の行き来には恐らくロープを渡してのやり取りになるだろう。
これは岸向こうからロープつきの矢を放ってもらえば比較的に簡単に出来る作業だ]
[ユリアンの部屋を訪れると、具合が悪そうなユリアン>>33が顔を出した]
ありゃ、昨日の演奏会で冷えたか?
エーファに薬無いか聞いておくわ。
飯も運ぶから今日は寝とけよ?
ま、しばらくはここで滞在することになっから、今日に限らずゆっくり休んで完治させた方が良いぜ。
[そう伝えるに至る背景、橋が氷の堤で壊れてしまったことも伝えておく。
ユリアンから掠れた声>>34で確認され、頷きを返した]
多少時間はかかるかもしれねーけど、直に架け直しの作業が始まるさ。
だから出られるようになるまでに治しとけ。
[体調が優れないうちは外にも出せない、と。
念を押してその時は部屋を辞した]
[エーファにもユリアンのことは伝え、薬のことや食事を運んだ方が良い旨を伝えた。
食事は手が離せないようなら運ぶのを手伝ったりもする]
…しっかし、あんまりやることもないよな。
[屋根の雪下ろしでもすっかなー、なんて考えるのは、基本的に力仕事しか出来ないが故。
この後に起こることなど、予感すらも抱いていなかった**]
─ 2階客室 ─
[エーファが様子を見に来てくれれば、熱でうるんだ瞳を向け、ビルケのための食事を頼むだろう。
残り物の野菜くずを柔らかくなるまで煮込んでほしいと。]
面倒をかけてごめんね、でも……。
もう、こんな…おばあちゃんだから…。
[自分のことが話題になっていると気づいて、顔だけを上げる白髪交じりの老犬は、寒さ厳しいこの時期を越せるだろうか。
ユリアンにとっては母とも姉とも思える存在だけに、離れて暮らす家族よりも心配で。
人間の風邪が犬にうつらないと知っていてよかったと心底思う。
そうでなければ、モリオンが嫌がっても、ビルケを暖かな広間で休ませてほしいと頼んでいただろう。]**
─ 厨房 ─
[人の気配に、少年を見守っていた黒猫がぴくり、と身を震わせてそちらを見る。
直後にかけられた声>>38に、刻んだ野菜を鍋に放り込む手が止まる]
あ、おはようございまーす。
[居住まい正して挨拶。合わせるように黒猫も鳴く]
それが……橋の所に、氷の堤ができちゃってて。
橋……壊れちゃったんです。
それ見てびっくりして、その……。
[大声を上げていた、とまでは言えなかったが、決まり悪そうな態度からその辺りは伝わるか]
とりあえず、今無理に通るのは危ないから、村からの救助を待とう、って、イヴァンにーさんが。
……氷って、思ってもない所で割れるから、無理に渡らない方がいいですし。
[ほんの少し声音が強張るのは、過去の経緯故の事。
その様子に、黒猫が案ずるような声を上げて鳴く]
どうするにしても、ちゃんとご飯は食べないと、だから。
できたら、報せますねー。
[殊更に明るい口調でその強張りを飛ばそうとの試みは、上手く行っている……と、自分では思っていたが、実際にはどうだったか。
何やら考えるような素振りにはどうしたのかなー、なんて思いながらも、問いかけるほどの余裕はなく。
ライヒアルトが厨房を離れると、小さく息を吐いて食事の準備を再開した]
[スープを作って卵をゆでて、パンやハムを用意して、と。
そんなばたばたが一段落した頃に、動き回っていたイヴァンからユリアンの体調の事を教えられた。>>41]
ユリさんが?
ありゃ……昨夜、冷えちゃったのかな。
わかった、ちょっと様子見てくるよ。
[風邪をひいたと一言で言っても、症状は様々。
あった薬を合わせなくては効果は薄い]
あ、ご飯できてるしお茶も用意できてるから、先に食べちゃっていいからね。
みんなにも伝えといてー!
[そう言い置いて走り出す。
向かうのは二階のユリアンの部屋。
行く先を察したのか、黒猫はいってらー、と言わんばかりににー、と鳴いた]
─ 二階・ユリアンの部屋 ─
ユリさーん?
風邪ひいたっていうけど、どんな感じ?
[部屋を訪れ、最初に問いかけたのはこんな事。
大丈夫じゃないのはわかっているから余計な事は言わず、顔色を見たり喉を見せてもらったり、とできる範囲の診察をして]
んー……んじゃ、熱さまし煎じてくる。
スープも持ってくるから、食べられるだけ食べてね、食べないと薬の効きも悪いから。
[出した結論に応じて告げると、犬の食事を頼まれた。>>43]
ん、そっちも大事だもんな。
面倒なんて言わないのー、元はと言えばじっちゃんが寒いのに外でー、なんて言い出したのがアレなんだから。
[大本は歌い手なのだが、さらりと責任転嫁して]
ビルケもだよ。
困った時はお互い様なんだから。
……ユリさんの傍で、ゆっくりしてな。
[調子が悪い時は、親しいものの温もりもまた薬となる、とは師の受け売り。
それ故に、こんな言葉をかけてから部屋を出た]
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