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ああ…!
[やっと。と思うと歓喜に朱の瞳が輝いた。
ことりと窓をあけ、紅い月明かりをいっぱいに受ける。
気持ち良く夜風を吸い込んでから、飛び出した。
常ならぬ脚力が、軽々と窓から庭へと越える]
今、いく。
[返す言葉はごく短い。
軽やかに走る向こうに見えてくるのは、黒銀のしなやかな狼と]
───ロラン。
[狼に跨る同胞の姿]
[キリルの姿を、広場見える茂みに見着ける。
口を耳元まで引っ張るようにして、笑みを浮かべた。
視線で、茂みに向かうマクシームを示す。
時間は無い。音立てればミハイルに見つかってしまう。
月灯りの下に遠く響く狼の遠吠えは小さく、
雑音としてはあまりに頼り無い]
…浚って、しまオうか。
[用を足すのだろう、その完全に油断した一瞬を狙って]
口を覆って、奥ニ…?
…齧って生かスのは、無理かモ。
[理性吹っ飛んだ今、目の前の血詰まる肉に興奮しか無い。
冷静に見下ろす自分が苦笑を形作っていたけれど、
気にする事すら出来なかった]
[ニイ。と笑み浮かべる姿に、同じく笑み返した。
ひどく愉しい気分だ。こんなに浮き立つことはない]
浚ってしまおう。
ミハイルの銃は、面倒くさい。
…ならばやっぱり、仕留めてしまう?
騒がれたら邪魔だから。
[齧って生かせないという同胞に、事も無げに口の端を上げてみせる。
茂みに向かったマクシームが足を止めた。
それへと朱に染まる目を細める]
…いいよ、ロラン。
”これ”はあげる。ロランのものだよ。
[未だ熱い血潮滴る獲物にありついてない同胞へと囁いた。
獲物の柔らかな喉に牙つき立てる時の愉悦。
その悦びを思えば、喉が鳴る]
そう?
俺は遠慮しナいよ?
[言葉の侭に。
狼はロランの意の侭に、マクシームへと踊りかかった。
だがその爪も牙もかの男に掛けられる事は無く、
ただ押し倒すだけにとどまる。
人の身が草に倒れる大きな音がした。
ミハイルが気付くかもしれない、そう、思う事は既に無く。
狼の背から身を投げるように彼の口へと爪添えた手を突っ込み
もう片方の手は肩へと掛けて――大きく、口を、開いた]
[めり、と歯から骨を伝わる音がする。
めり込んだ牙の隙間から、暖かい血が勢い良く咥内を潤す。
マクシームは声ひとつ、上げられなかった]
[その場に居続ければ、ミハイルが来るかもしれない。
それを考える事も出来ず、夢中で暖かい赤を啜る。
ごくり、ごくりと喉が何度も鳴る。
口を離すと零れてしまうから、それが勿体無くて嚥下し続ける。
マクシームの口に突っ込んだ手は、喉奥の柔らかい肉を破り
奥へと更に押しこまれ、内を抉る。
糸引く手を引きぬいて、爪の間に挟まる桃色を口に運ぶ。
恍惚とした表情で、その柔らかい肉を何度も食んだ]
―篝火―
おせぇ…。
[本を読み耽っていて、どれだけの時間が流れたかは把握していなかった。
けれどあまりにも遅いので、マクシームが消えた方向へと足を運べば。]
お、………い…ッ
[まだ辛うじて体温を残していた彼の姿を見つけたか。
茂みから引きずり出すと、しばしの間、…篝火の前で放心する。
我に返ったなら、一人住まいで歳の近い男、ユーリーの家へ報せに走っただろう。**]
──いいよ。減っているんでしょう?
[飢餓は無論、裡にあれども、恐らくは彼の方が強い。
そう思うのは既に先日、旅人を喰らったからこそ。
狼たちが、乱れぬ動きでしなやかに獲物へと飛び掛る。
それを制して、ロランがその牙をマクシームにつき立てる。
鮮やかな狩りの光景に、笑みが零れた。
その匂いに惹かれるように、身軽な動作で獲物へと寄る]
…分けて。
[紅い瞳に笑みかけて、獲物の腕を取る。
がり。と、腕のやわらかい内側へ牙を突きたてた]
[ ぐちゃり ][ ずる ][ ぴちゃり ]
[獲物を咀嚼する音が響く。
浚うと言いながら、血の匂いに抗えなかった。
ぴちゃりと飛んだ血を、舌でぺろりと舐め拭う。
甘かった。うっとりと味わって、もう一度口に含む]
……は、
[満足の息が零れる。
狼たちに目をやれば、頃合を見て足に喰らいつくようだった]
[結果的に、ロランがミハイルに本を渡したのが功を奏したのは、
皮肉な事だったのかもしれない。
指で抉った目玉を口にしたまま、キリルの言葉にやっと顔をあげる。
顔や口、胸元までべっとりと赤が付着し、
草木にも落ちる赤い月の光は妖しくうつしていた]
…ん。
おいし、……
[赤く柔らかい固まりを引き千切り、手から啜る。
満たされる。
ぺたりと床に座ったまま、キリルが食事をするのも眺め。
腹が満ちれば、狼達にも食べさせてやるだけの質量を、
マクシームの体は持っていた]
…御馳走様でした。
[こんなに満ち足りたときは無い。
満面の笑みを浮かべ、手を合わせて頭を下げた。
見上げると、赤い月は未だ真天。
狼達の食事の間、そっと広場の方を伺った]
…血の痕残さないように、帰らないとね。
[傍らの黒銀の毛を撫でつけると、赤がべとりと着く。
勿体無いな、と、舌で舐め取ると毛が口に入り。
少しだけ眉を顰めて、ぺ、と舌を出したのだった]
[声立てぬ獲物を、影たちが喰らう。
夢中になって暖かな血を啜り、肉を食んだ。
もう既に手にも顔にも、とろりと赤い色に塗れている。
戯れに指で肉を引き千切って、自らの指についた血を舐めた。
行儀悪くぺろりとやって、満足の息をつく]
…美味しかった。
[未だ狼たちは、ガツガツと獲物の身体を揺らしている。
手をあわせる仕草がおかしくて、少し笑った。
真似して同じく、ごちそうさまの手を合わせておく]
…ああ。身体、朝までに洗わなくちゃ。
[勿体無いけど。と、もう一度ぺろりと唇を舐める。
狼の毛を舐める仕草に、もいちど小さく笑みを零した。
その様子を眺めながら、もう一方の手も舐める]
試し損ねちゃった。
[軽く残念と言う獲物の姿は、もう酷く無残な有様になっていた]
…無理、だった。
[とてもそれどころじゃなかった。
くすり、笑みは愉しげに刻まれる。
狼から少し身を離し、キリルへと身を寄せ。
彼女の赤い指先を、一度、ペロと舐めてみた]
――急いで帰ロう。
長居してミハイルに気づかれると厄介だ。
[彼を今見て銃を向けられて。
飛びかからない自信がとてもないから。
黒銀の毛並みを撫で、また、その背に掴まる]
キリルは、戻ルのだいじょうぶ?
レイスに見つかったりしない?
[心配げに見上げて、首を傾けた]
…仕方がないね、
[美味しかったから。そう付け加えて笑う。
うっとりと舐める血の指先を、同胞の舌が舐める。
それへ、悪戯っぽく朱い目を細めて笑み返した]
───ん。お前たちも、もういい?
[狼たちが身を起こすのを見て取り、ロランへ頷く]
大丈夫。……ボクはもう、これで二度目。
[ごく愉しげに朱の瞳が笑った。
心配げな表情に頷き返す。
そう、大丈夫。兄はきっと、まだ寝ているだろう]
だからロラン、皆も気をつけて。
…また、ね?
[次の狩りを示して首を傾ける。
ちらと窺った篝火の方、本を読みふける男の姿があった]
見つからないうちに、帰ろう。
気を着ケて。
[目を細めて笑みを向け。
掴まった狼の足は、広場を大きく迂回してから、
ロランの家の裏手へと戻る。
来たのと同じ窓から飛び込むと、大きな作業台の上。
ここならば狼の毛が残っていたところで怪しまれる事は無い]
また、…かな。
――また、ダね。
[喉奥に未だ残る味と匂いに、うっとりと口綻ぶ]
朝になっタら、しらばっくれて…
あの死体をみて、驚かなクちゃ…
[くすくすと笑いながら、狼が窓から帰って行くのを見送る。
服や髪についた赤は作業場から続くシャワーを浴びて落とさないと、と思う前に、甘い香りに酔ったまま。
窓を閉めてカーテンをひいてから。
作業台の上に丸くなって眠ると、
本当に獣になった心地が、した*]
…ん。ロランも。
[綺麗な赤に染まった同胞に、深く笑みを返す。
しなやかな動作で身を翻した。
直接は部屋に戻らずに、家の裏手の井戸へと向かう。
音を立てぬよう、ついた血を洗い流すのだ]
服も置いておけば良かったかな…。
[ぱしゃり。短い髪から水を跳ね飛ばして呟く。
洗濯は自分がしているから、服の血を咎められることはない]
────…ん、…?
[髪にやった手が、ふと止まる。
僅かに眉を顰めて、くしゃりと髪を指が探った。
あるはずの白い小花のピンが、髪に見当たらない]
落とした…?部屋かな。
[ふるりと首を振って水を払い、空けた窓から部屋に戻る。
ふと、再び未だ天にある紅い月を見上げた。
それは禍々しいものではなく、祝福を与えるかのようにも目に*映った*]
―― 自宅 ――
[どれだけの時間眠っていたか。
騒がしさに男の意識が浮上する。
聞こえるのは扉を叩く音とミハイルの呼ぶ声か。
朧な意識を覚醒させようと頭を振れば飴色が目の前で揺れた]
ン……、ぁ。
……は、分かった、今、行く。
[応えてはみるが寝起きの男の声はさほど響かない。
のろのろと起き上がり玄関へとゆく。
鍵の開く音が小さく鳴り、扉は開かれる。
其処に居たのはミハイルで――]
――…、如何かしたのかい?
顔色が優れぬようだけど。
[案じるように声を掛けた]
[ミハイルの口から幼馴染の訃報を聞けば
男は目を瞠り言葉を失う。
喉骨が上下して、は、と息を吐き出し]
ま、さか。
そんな……、…シーマ、が ?
[柳眉を寄せ信じられぬと言った風情]
冗談、だろう ?
[そうあってほしいという願いから
ミハイルへと縋るような眼差しを向けるが
その事実が覆ることはなく]
―――…ッ
[悔恨と悲哀が心を満たしてゆくようだった。
やりきれなさに男の拳がダンッ、と扉に打ち付けられる]
………案内を、頼めるかな。
[ミハイルにそう願いマクシームのもとへと足を運んだ。
茂みから引きずり出された幼馴染は篝火近くに横たわっている。
マクシームの傍らで膝を折りその首筋へと手を宛がえば
微かなぬくもりが伝い淡い期待が過ぎった。
けれど、鼓動は感じられない]
シーマ、……。
[幼馴染を愛称で呼びかける。
待てど返事はなく沈黙が過ぎった]
如何して、こんな事に……
[遣り切れない思いが薄いくちびるから零れる。
帰るように強く言えばよかった。
俯いて影になる男の顔は何かを堪えるように歪んでいた]
[赤く染まる幼馴染の身体。
柳眉を寄せながら、じ、と観察すると
胸には抉られたような深い傷痕がある。
所々失われた肉片が何処にあるかは知れない]
――…人に襲われたんじゃ、ない、よな。
けど、獣に襲われたにしては……
[考え込むように一瞬間が空いて]
マクシームの近くに居たんだよね。
声は、聞こえなかった?
獣が襲ったなら口を塞げない。
悲鳴くらいは、聞こえると思うんだけど。
[ミハイルへと問い掛ける。
人か、獣か、もしくは人狼の仕業なのか。
幼馴染の命を奪った犯人を知るために]
――…他の、みんなにも、知らせよう。
[マクシームに近しい者――
カチューシャとイヴァンの顔が脳裏に過ぎる]
それから……、
シーマを弔って……
[哀しみの淵に沈みそうになる意識を
何とかもたせようとなすべき事を考え、口にしていた]
ミハイル……、手伝ってくれるかな。
[知らせてくれたミハイルに願う言葉を向ける]
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