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─ 自宅兼作業場 ─
[修繕の作業は、さほど手間取らずに終わった。
差し替えるための数ページの写しを終えた後、慎重に本を解体して、入れ替えてゆく。
それと同時に、見落とした傷みがないかどうかを確認して、必要そうな所はまた差し替えて。
ちゃんとそろえた書を、新しい綴じ紐でしっかりと、綴じる]
よし……仕上げ、と。
[小さく呟き、最後に同じ色の新しいカバーをかけて、は、と息を吐いた]
……お前は、これから。
どれだけの刻を、廻ってくんだろうな。
[修繕の終わった本の表紙を撫でて、小さく呟き。
それから、ふる、と首を横に振って、立ち上がる]
って、感傷に浸るのはあと、あと。
時間有限、届けに行くか!
[ふっと沈みそうになる気持ちを持ち上げるようにこう言って、修繕の終わった本を鞄に入れる。
扉にはいつものように札を掛けて、外に出た]
近い方、だったら……サリィ、の、
……、
[言葉は不自然に途切れる。
それから沈黙する事、数刻]
ごめん、あの……
テレーズのとこ、寄ってもいい?
……ちょっと、気になることが、あって。
[再び振り向いた時、何処か思いつめたような顔で口にしたのは、先程コレットが出したものと同じ名前だった**]
─ 都市の通り ─
[鞄を肩に、歩く足はやや急ぎ足。
早く届けて、次を写して、と。
そんな風に、思考は急く]
……あー、わりぃ。
今、ちょっと数抱えてるから、追加は受けられねぇんだ。
[途中、呼び止められて仕事を頼まれると、申し訳なさそうにこう言って首を横に振る。
どれだけ依頼を抱えていても、待てるなら、という条件つきで拒む事のなかった青年らしからぬ物言いは、周りを戸惑わせるけれど。
それに対する説明は、曖昧にぼかしていた]
[修繕の終わった本を、持ち主に届けて。
お茶を、と誘われたけれど、次が支えてるから、と苦笑しながら断りを入れた。
珍しいわね、なんて笑われながら、それなら、と渡された菓子は鞄に入れて]
……説明すんの、簡単なよーで、難しいからなあ。
[依頼主の所を辞した後、人通りの少ない場所で立ち止まっては、と息を吐く。
視線が落ちるのは、右の手首。
目立つ大輪花は、一先ずリストバンドをつけてその下に隠しておいた]
― 回想 ―
それはよかった。
[サリィの笑みに釣られるように緩む表情。
料理に対する反応にはさすが料理屋の娘だけあると思えた。
眩しげに彼女を見詰め、ゆるやかに頷く。]
ん、親父さんにも宜しく。
期待してるって伝えといて。
[そんな事を伝えずとも期待以上の料理が出てくるのだろうが
軽口じみた調子でそんな事を言った。]
話せて楽しかったよ。
[またねと手を振る彼女に返したのだが――]
――……。
[不意に向けられたサリィの言葉に動きが止まる。
一拍、二拍、数えるほどの間の後、瞬きを繰り返した。]
そんな風に言ってもらえるとは思わなかった。
[すとんと零れたのは思いそのままの言葉。]
ありがと。
お陰で此処に刺さってた棘がとれた気がする。
[心のあるとされている箇所を軽く叩いて
柔らかな笑みの彼女に照れくさそうな笑みを浮かべ見送った。]
[道具屋に一人きりになれば
込み上げるものを堪えようとするように唇を結ぶ。]
守れてるのかな。
[テレーズと、この道具屋と。
思い浮かべ、悩ましげに眉根を寄せた。*]
─ 道中 ─
あの娘の髪に 花を挿してあげようか
赤の花きっと あの娘に似合うだろう
銀の髪そっと 花と共に揺れるだろう
[手の中の彼岸花をくるくる、回しながら、
ゆっくりゆっくりと歩く。
枯れた声に、昔の張りはないけれど、その調子はどこかしあわせそうだ]
御機嫌よう。
今日は調子がいいので、お散歩ですよ。
でも、早く帰らなきゃね。
子供たちにクッキーの作り方を教えるのよ。
[住人とすれ違えば、丁寧に挨拶をして、またゆっくりゆっくりと家へ戻るのだ]
─ 自宅兼工房 ─
────………ん
…あぁいや、これだとデザイン丸っきり変わっちゃう。
……でもなぁ、これはこれで作っちゃおうかな。
[取っ手のデザインを考えてる途中で別のデザインのカップを思いついてしまい、一度は却下しかけたが、折角だしと作ってみることにする]
ひっくり返すと全貌が分かる、ってのも面白いよね。
[粘土を捏ね、先ずは基本のカップの形を作り。
その周囲に肉付けするように形作った粘土を貼り付けていく。
取っ手の部分は肉付けした部分よりも盛り上がる形になるが、持つ部分は広く、男性でも扱いやすいデザインとなっていた]
えーっと、こっちのは……こうかな。
細長くした部分を横に広げて…と。
飲み口と水平に伸ばすのも手だね。
[取っ手の広さを確保するために、少し角ばらせるように形作って、作ってあった器に貼り付けてみる。
両手でカップを持ち上げて、全体のバランスを見ながら微調整を繰り返していった]
うーん、男女兼用、って感じにはならないな…。
あっちが女性用、こっちが男性用、って感じになりそ。
とりあえずこれはこれで見てもらうことにして、と。
兼用だとやっぱりこっちになるかなぁ。
[手に取るのはスタンダードな形の取っ手。
丸みを帯びたシンプルな形状はどんなカップにも合うものの、その分個性が無くなるという欠点がある]
……あ、そうだ。
内側はいつものままで、外側だけ形状変えれば良いかも。
[手にした取っ手の外側に凹凸をつけて、外観をほんの少しだけ変えてみる。
作ってみていけそうな気がしたため、出来た取っ手をもう一つ用意していた器に貼り付けてみた]
よっし、今度はこっちを乾燥、と。
向こうはそろそろ焼きに入れるかな。
[乾燥小屋に入って状態を確認し、十分と判ずるとそれらを窯へと移動させた。
入れ替わるように今作ったカップの試作品とボウルを乾燥小屋へと並べる]
良い色に焼けろよー?
[窯に火を入れて本焼きの開始。
火の加減を見なければいけないが、続けていた集中が途切れたしと、休息を兼ねることにした。
煙草を出してきて火をつけ、煙を天井へと立ち上らせる]
―道中―
[たぶん。
首が傾ぐ。それから、しばらくの空白を置いて、こくりと頷いた。
これ以上、それについて聞くつもりはなくて。
それから、沈黙。考えるような彼女の間は、ミケルにとっては悪くない。
その間にたくさん、色々、考えていられるのだ。
そして出された結論に、また一つ、頷き。]
テレーズちゃんのところ、行こう。
一緒、行く。
[荷物を運ぶのもあるし。他にも取りにいかなければいけないし。
多少の寄り道なら、問題ないだろう。
それになんだか、ミレイユの様子がいつもと違うのが、気になった。
ミレイユが急くようなら、ミケルもちょっと頑張って、いつもよりも足を動かす速度がちょっと速くなるのだ**]
― 自宅 ―
[それからしばらくして。
青年の前のテーブルには、数個のカップが並んでいた。
試作品として、長期保存に適した香草を数種、配合を変えてブレンドしてみたのだが]
ううん……。
何か足りない、ような……。
[どれも決して悪い味ではないが、自信を持って出せる味とは言い難い。
時間がないと言っても、ここで妥協はしたくなかった]
ここにある香草だけでは駄目なのでしょうか。
[香草の中には危険な場所を好んで生えるものもある。
稀少なそれらは、時折採集を生業とする者から分けて貰ったりはするものの、常に取り揃えておくことは難しかった]
今から頼んでも、待っているだけの時間があるかどうか。
[ゆるく息を吐き出し。
それから何かを決心したように、写本の栞を動かすと、身支度を始めた。
来客があればそちらを優先するだろうが、ひとまずは外出するつもりだった]
─ テレーズの家 ─
[どれ程その場に立ち尽くしていたか。
戸惑いは消えることはなく増すばかりだが、いつまでもそうしてはいられない。
気配はあっても、テレーズ本人の姿が見当たらないのだから]
…エっくんに、聞いてこようかしら。
[テレーズのいとこである彼なら、彼女の行き先に心当たりがあるかもしれない。
さっきの今で店に戻れば不審に思われるかもしれないけれど、テレーズを探して姿を確認しないことにはどうにも安心できそうになくて。
それが叶わないこととは、まだ知らない故に]
─ テレーズの家 ─
…と。
これ、どうしようかしらね。
[踵をかえそうとして、テーブルの上に此処に来た目的のバスケットを見つけ。
頬に手を当て、困ったように眉を寄せた。
いつもならテレーズに断ってから、回収して行くのだが]
…うん。
ひとまず置いておくのが良いわよね。
レーちゃん戻ってきた時に、改めて取りにくればいいもの。
[目が見えない彼女にとって、自分が置いたものの位置が動いていることはきっと怖いことだから、と。
バスケットには手を触れず、そのままにしておいて]
あら……。
[微笑みはバツの悪そうな苦笑に変わった]
忘れていたわけではないわよ。
見間違えちゃっただけ。
クレイグちゃんね。「本屋」の。
覚えていますよ。目と耳が悪くなっても、記憶はしっかりしてるんですからね。
貴方がヤンチャをしては手当てに来ていたことだって、ちゃーんと覚えています。
[こんなちいちゃかったのにね、と笑いながら曲がった背で青年を見上げる]
そうなの。
お出かけしてきたところよ。
……ああ、これ?
偽物よ。
[ヒカリゴケの下でも、赤くて細い鮮やかな
はな]
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