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─ 孤立の翌朝・客室 ─
[朝の目覚めは、前日よりも早かった。
それは就寝の早さと夢見の悪さ、だけでなく]
…、さむ…
[窓越しからも伝わる外気の冷たさのせいだろう。
まだ起きるには早い時間にも思えるが、目も覚めたことだし朝食の準備を手伝おうかと身体を起こし。
身支度を整えながら、エーファに着替えの場所を聞かなくちゃ、などとも思っていた所に>>65外から声が聞こえてきた]
─ 孤立の翌朝・客室 ─
え…今のって。
……オトフリート?
[切迫したその声が昨日氷に遮られた橋を前にしても落ち着いていた彼らしくないと思い。
一体何が起きたのだろうかと不安に思いながら、おそるおそる部屋の外へと出ていった]
─ 孤立の翌朝・廊下 ─
[部屋を出たものの、やはり声がどこから聞こえてきたかは見当がついていない。
窓の外から聞こえてきたようではあったから、と階下に向かっていくとエーファ>>81とライヒアルト>>74を見つけて]
あ…
お二人も、さっきの声で出てみえたの?
あの、何かあったか、わかる?
[まだ起きて動くには早い時間だけに、自然と顔を合わせたとは考え辛く。
何が起きたか知っているかと、不安に曇らせた表情で二人に問いかけた*]
─ 孤立の翌朝・廊下 ─
ちゃんと聞いたのは、俺じゃなくて、モリオン、なんですけど。
[示された答え>>84に、抱えた黒猫へ視線を落とす]
……窓、開けて、庭、見たら。
雪……全然、違ういろに染まってて。
それで、とにかく、行ってみよっかな、って、思って。
[出てきた理由をどうにか告げた後。
向けられたまなざしに、小さく息を吐いた]
……じっちゃんも行ってるなら、そんなにぞろぞろ行かない方がいい、かな。
……外で何かあったみたいだし、広間あっためたりしといた方がいい、かも。
[何が起きたか気にはなる。
けれど、行くのが躊躇われた。
立場上、怪我や人の生死に近く接する事は多いけれど。
なんの心構えもなく目にした色が与えた衝撃は大きかったから。
言葉にならない心境のまま、見に行く事は忌避していた。**]
[エーファ達に問いかけて、答えを待つ。
>>*19彼のコエが届いたのは、ちょうどこの時]
─── え?
[あれ、とはいったい何のことだろう。
そう思うも、イヴァンから伝わる戸惑いに、どうしたのかと案じる思いの方が強く。
大丈夫か、と問う前に>>*20更に惑うコエが届いた]
…………人、狼。
イヴァン、が?
[繰り返し、コエに出すと同時、ざわりと身の内のナニかが騒めいた。
今朝目覚めた時にはいつもの手だったから、夢だったと思い込んだ昨夜の情景が、蘇る]
…………もしかして。
イヴァンも昨夜、身体、変わってた?
[>>*21襲ってしまったという聲を聞いて、真っ先に浮かんだ問を投げた後]
…私たち、こうして話せるのって。
人狼だったから、なのかしら。
[内緒話と言っていた時には嬉しくすらあったこのコエが、人に忌避されるものであったのか、と。
呆然とした声音を落とした**]
― 廊下 ―
[エーファの口から黒猫の名が出れば>>89、
その姿を思い出し、ああ、と一つ頷く。
人間よりも動物の方が音に対して敏感と聞くから、
モリオンの方が彼よりもそれをよく拾ったのかもしれない。
違ういろ、と聞くと、瞬きをして]
…………ん。
[事態は思ったより深刻なものかもしれない、と
思いめぐらすうちに、表情は思案げなものとなる。]
外の寒さは堪えるからね。
きっとあたたかなものが欲しくなる。
お茶をいれて待っていてくれるかな。
[躊躇い>>90を感じて、広間に行くを後押しする。]
[カルメンの声>>88に気付けば、
そちらへと顔を向けて、頷き]
ん、外で何かあったみたいだけど詳しいことはまだ。
ギュンターさんも見に行ったみたいだから、
[そんな話をしていれば、続きを言う前に、
屋敷の中へと戻ってくるギュンターの姿>>76が遠目にみえる。]
[元自衛団長である館の主が、中へと戻ってきたなら、
これから外に出ても出来る事はないかもしれない。
外で起こったらしき何かについても彼から聞けよう。]
――…、
[それでも、]
気になるから、みてくる。
[誰かを呼ぶ声の響き。
違ういろ。
エーファの躊躇い。
それらが示すを確かめるため、
ギュンターを追うでなく、外へと足を進める。]
─ 孤立の翌朝・廊下 ─
[ライヒアルトとエーファも詳しい事は知らぬ様。
ただ、エーファが常よりも重い表情をしていることで察する所もあり。
>>92ライヒアルトからギュンターが向かったとも聞けば、自分が出ていっても邪魔になるだけかと思い]
…私も、外に出るのは控えるわ。
小父様達がこちらに戻ってきた時、温かいものがあった方が良いでしょう。
[外で何が起きたかはともかく、雪で冷えた身体を温めるお茶やスープなどを用意しておくに越したことは無い。
エーファ一人で広間の準備をするのも大変だろうしと言って、厨房へと向かいかけて]
─ 孤立の翌朝・廊下 ─
え…
ライヒアルトさん?
[>>93気になるから、と離れていくライヒアルトを目で追い、その先、屋敷に戻ってきた>>76ギュンターの姿を見止めて足を止める。
彼に聞けば、何が起きたかは説明されるだろう。
事実を知りたい気持ちはあるが、今は傍らの少年の方に意識を戻し]
…エーファは大丈夫?
私で良ければ、お茶とかの準備は任せてもらっても良いのよ?
[エーファは気にならないか、という思いもあるがそれよりも血縁であるギュンターを案じているんじゃないか、という気持ちの方が強く。
彼の返答がどちらであっても、カルメンはまず湯を沸かす為に厨房へと向かっていった**]
[カルメンの言葉>>94には同意の頷きを示す。
エーファが忌避する様子から、
違ういろが赤かもしれないと思ったから、
もし、よくないことが起こっているのなら、
エーファやカルメンは中に居た方が良さそうだ、と。
そんな思考を言葉にしないから、
カルメンの、名を紡ぐ声が疑問形に聞こえるのだろう。]
― 外 ―
[其処にはイヴァン>>85とオトフリートの手により
シーツに包まれた歌い手が在る。
雪を染めるいろを認めれば、眉根を寄せた。
雪が被り難い場所へと安置しようとするイヴァンに声を掛け
歌い手の亡骸を安置する手伝いを申し出る。
場所を移し、それから一度シーツをめくり、
歌い手の手へと触れる。
引き裂かれた痕に、眉間の皺が濃くなる。
腕の傷が防御創であるとまではこの時は気づかぬまま、
歌い手の手を胸の上で組むかたちにして、
その目許へと一度、手を翳し、シーツで包みなおす。
本来ならば司祭が、と思えど、此処に彼は居ないから、
祈りを捧げ、静かに目を伏せる。]
[雪と氷が彩る世界は酷く冷たい。
吹き付ける風の冷たさに、痛みさえ覚える。]
――…此処に居ては凍えてしまう。
中に入りましょう。
[イヴァンやオトフリートに声を掛け促し、
館の中、広間の方へと足を向ける。**]
そうとしか考えられない。
でも、何で急に?
今までこんなことなかったのに。
[分からないことだらけで疑問ばかりが出てくる。
けれど、自分達が人狼だと知られたらどうなるか、それだけは漠然と理解しており]
……原因を考えてる場合じゃないな。
どう切り抜けるか、考えないと。
[起きてしまったことは元には戻せない。
自分達と言う人狼が居ることで、孤立したこの場所には危険が存在すると判断されることだろう。
当然、イヴァンは死にたくはなかったし、死なせたくもないと思っていた**]
─ 外 ─
[歌い手の遺体をシーツで包み終えた辺りでライヒアルトが現れ>>97、移動の手伝いを申し出てくれた。
それに礼を良い、それぞれのシーツの端を持ち上げて一時安置する場所へと。
持ち上げたシーツの中身が、いやに軽く感じられた]
あぁ、じっちゃんも広間に集まってくれ、って言ってたしな。
[ライヒアルトが祈りを捧げ終わるのを待ってから、屋敷の中への促し>>98に頷いて屋敷の中へ。
屋敷の中に入ってから思い出したように声を上げて]
あ、先行っててくれ。
ユリアンの様子見てくる。
じっちゃん、全員集めろって言ってたからさ。
暖炉の傍、確保しといてくれるか?
[風邪が治り切っていない可能性を考え、暖かい場所を確保してもらうよう頼む。
そうしてそのまま2階の客間へと階段を上がっていった]
─ ユリアンの部屋 ─
ユリアンー? 起きてるかー?
[ノックをして声をかけ、反応があるかを窺う。
扉が開かず寝たままなら仕方無しに立ち去るが、起きていたなら何があったかを伝え、広間に下りて来られるかを問う。
下りると言うなら当然手を貸すし、ビルケも連れて行き暖炉の前へと座らせる心算だ**]
[イヴァンからギュンターの言葉を聞き>>99]
そうでしたか。
[歌い手の身に降りかかった不幸に関して
ギュンターから何か話があるのだろうと納得した。
屋内に入ってから掛かる声に、はたと瞬きし、
ユリアンの姿が見えないことに言われて漸く気付く。]
わかりました。
では先に広間に、
[いきましょう、とオトフリートに声を掛け
其処でイヴァンと別れ、広間に向かい
先に其方に向かったカルメンやエーファにより
暖められているだろう暖炉の傍の席を
イヴァンに言われた通り、確保しておく。**]
─ 廊下を歩きながら ─
[ユリアンの自宅と違い頑丈な建物ではあるが、火の気がなければ寒いのは同じだ。]
寒いね…演奏会も寒かった…。
[病人特有の力のない足取りで歩きながら、誰にともなくつぶやく。]
病人はぼくだけ?
皆に風邪をうつさなきゃいいけど……、
離れて座っておいたほうが、いいよね?
[ぼんやりとした顔つきでイヴァンに問いかけた。]
[ギュンターの説明はすぐに始まっただろうか。
待たされるうちに、またうとうとと眠ってしまったかもしれない。
足元の敷物に伏せていたビルケも、暖かな場所に満足し、いつしか眠っていただろう。]**
─ 廊下 ─
お茶……そ、ですね。
[途切れがちの言葉へ返されたものは、広間へ向かう事を肯定してくれる。>>91
それに安堵を感じつつ、小さく息を吐いた。
そこにもう一つ、違う声>>88がかかると一つ瞬いて。
自分は小さく頷くのみで、説明はライヒアルトに任せた。
彼が外へと向かう際も、何も言わずに見送って]
……あ、えっと……大丈夫、ですけど。
[大丈夫、と問う声。>>95
返して向けた視線は、どこかへにゃりと情けないもの]
でも、お願いして、いいですか。
俺、広間の暖炉に火、入れてきますから。
お茶のセットの場所は、大丈夫です、よね?
あと、甘いものの置き場所とかも。
[昨日、厨房の手伝いを申し出られた時>>80、大体の配置は伝えてある。
正直、自分で何とかという意地と抜けない苦手意識故に微妙なものはあったのだが。
病人もいる状況で無理はできない、と割り切った結果がそれだった]
俺は、大丈夫だから。
お願い、します。
[そう告げて、ぺこりと頭を下げて。
黒猫を抱えて向かうのは広間]
─ 広間 ─
[広間に入ると抱えていた猫を離して暖炉に火を入れる。
揺らめくいろは、先に雪の上に見えたいろとは違うけれど、どこか似ていて。
暖かいはずなのに、身が震えた]
……なんなんだよ。
[ぽつ、と零れ落ちるのは掠れた呟き]
わけ、わかんないよ。
……何が起きてんの。
[あれが何の色か、わからないなんて言わない。
ただ、わかるからわからない。
一つわかっているのは、異変が起きているという事という、あんまり役に立たないもの。
それだけわかっても仕方ないのに、と思いながらふと、庭へと視線を向けて]
……あれ?
[気が付いた小さな違和。
自分と同じ綴りで名を書く薔薇の枝に、この時期にはないはずのものが見えた気がして。
一つ瞬いて窓辺に寄り、目を凝らそうとした所に、ライヒアルトが戻って来た。>>101]
……あ、侍祭さん。
[呼びかけたきり、言葉は途切れる。
いつもなら、何があったかすぐに問うだろうけれど、それも出来なくて。
祖父から話があるらしい事と、ユリアンの席の事を聞かされたなら、わかりました、と頷いた]
あ、薬湯も煎じないと。
[病の具合を診て、薬を煎じる。
そんな当たり前をする事で、なんとか意識を日常に向けていよう、否、向けていたいと。
それが叶わないと知るのは、もう少しだけ先の事だが]
あ、ユリさん。
具合、どう?
[そんな感じで色々と抱えていたから、広間にユリアンが顔を出したなら真っ先に問いかけるのはそれ]
いーの、調子悪い人は細かい事は気にしないの。
世話されるのは病人の仕事で、世話をするのは周りの仕事です。
[謝罪の言葉>>105には、師の受け売りで切り返す。
症状が変わっていないようなら、少し配合を変えるようかな、なんて思いつつ。
一先ず、薬師見習いとして動く事で、落ち着かない何かを抑え込んだ。*]
[遠慮しつつ付け加えた。]
世話をかけてばかりで悪いんだけど、何か食べ物をもらえないかな?
お茶でもいいかな…、できれば、温かいのを。
……ビルケのぶんも。
[エーファが応じてくれれば、食べ物かお茶を口にするだろう。
そうしているうち、広間にひとが集まってくるだろうか。
挨拶されれば、会釈するか、短いやりとりを交わすかもしれない。
誰にも話しかけられなければ、待ちくたびれて眠ってしまうかもしれない。]**
─ 広間 ─
[向けられる感謝の言葉>>112に浮かぶのは安堵の笑み。
薬師として役に立てている、というのは、こんな時でも小さな自信となってくれた]
あ、うん。
ユリさんずっと寝てたし……ちょっと待っててね。
[食べるものかお茶を、との言葉にぽむ、と手を打つ。
お茶の準備を任せたカルメンが広間に来ているならそちらは任せて。
多目に作っておいたスープを温め、ビルケの食べるものを用意して広間へと戻り]
後で、薬湯も煎じるから、ちょっと待っててねー。
[薬草の効果の表れには個人差がある。
少しずつ、あわせて調合しないとならないから少し時間がほしい旨を告げて。
その内、祖父が広間に姿を見せたなら、居住まい正してその話を聞く事となる。*]
[牙と爪。
それにより自らつけた傷。
自分で言う度に人ではない自覚が生まれてくる。
原因は分からない。
けれど、己が人狼であると言う事実が徐々に現実味を帯びてきた]
夢……そっか。
ユリアンはずっと予感してたんだな。
[演奏会の時も何も言わなかった彼だ。
恐らく感じていたことも身の内に溜め込んでいたのだろう。
ユリアンが広間へと向かう準備を始め、ビルケも立ち上がった時、ユリアンから頼みを向けられる]
おー、任せとけ。
[ビルケに、ちょっとごめんよ、と声をかけながら敷物を畳み、片手で持ち上げた。
歩けるか?とユリアンとビルケの両方に問いながら、彼らに付き添い広間へと向かう]
─ 廊下 ─
上に羽織るもん用意しときゃ良かったな。
[演奏会も寒かったと呟くユリアン>>104に相槌を打ちつつ、問いを向けられると一つ頷いて]
今んところはな。
もう一人調子悪そうな奴が居た気がすっけど…あれは病人?なのか?
少なくとも風邪では無さそうだったな。
暖炉の傍に席確保してもらってっから、ひとまずそこ座っとけ。
他の人にゃ別のところに座ってもらうからよ。
[病人の話には、素性のよく分からない保護された旅人の話を出し。
座る場所についても確保してもらっている場所を告げておく。
風邪をうつさなきゃいい、と言う話には]
ま、何とかなっだろ。
[基本的に風邪を引かないために楽観的な言葉が返った]
─ 広間 ─
[広間に着くと先ずビルケ用の敷物を暖炉の傍に広げ、確保してもらった席にユリアンを座らせる]
侍祭さん、さんきゅ。
[席の確保を請け負ってくれたライヒアルトに礼を良い、イヴァンもまた適当な席へと座った*]
─ 二階・客室 ─
[歌い手の亡骸が見つかり、他者が忙しなく動き回っている頃]
……あかいいろ。
[旅人は窓から庭を見下ろし、こんな呟きを漏らしていた。
その視線は、歌い手の亡骸が包まれ視界から消えると同時に庭から離れる]
……はい。
[それと前後して、部屋の扉がノックされる。
短い声に応じて扉を開けたのは、屋敷の主。
主は異変が起きた事と、広間でそれについての話をするから来てほしい、と旅人に告げる]
……わかりました。
[有無を言わせぬ口調のためか、他に理由があるのか。
部屋を出たがらない旅人は同意を返し、主について広間に向かった]
─ 広間 ─
[広間に到着したのは一番最後。
特にそれを気にする事もなく、旅人は一礼して広間の隅に立つ。
一方、館の主は広間に集まる険しい面持ちで見回し──ゆっくりと、口を開いた]
…………。
[語られるのは、歌い手の死。
つけられた傷が、人の手ではなし得ぬものである事。
それから告げられるのは、『幻燈歌』に謡われるもの──闇の者と、それに対する者の存在。
合わせて示されるのは、中央教会より届いた、という書簡。
このような事態が起きる可能性が、この村にある、という警告は受けていたのだと、そう告げて]
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