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― 大広間→二階客室 ―
あ。ううん、なんでもない……です。
[アレクセイ>>96に首を傾げられてしまった時は、はっと首を横に振った。
「無理は禁物」と彼が言うのには、リディヤが声を掛けた先の男をまた一瞥したりもしたが。
自分に対しても直接告げられた言葉に、はたと瞬き、それから笑みを作って返してみせた。]
その……お気遣い、ありがとうございます。
無理はしないようにしてます、から。
[リディヤ>>99から返ってきた笑みにも、緩く笑みを作って会釈を一つ。
やがて彼女の後から、大広間を出た。
メーフィエの足は階段を伝い、二階へ、宛がわれた客室へと。]
あー……うん、後で暖かい茶でも頼むさ。
ま、ちょっと大人しくしときゃぁ大丈夫さ。
[余計な心配をかけたくないという年長者の無駄な意地から、左目の不調に気づかれないように注意を払い、リディヤやアレクセイ達を見送って、座ったまま顎に手をやる。
オリガのそばにはサーシャがついている。物腰柔らかい彼なら任せておいて大丈夫だろう、と。
視線はベルナルトと外国人らしき人へと。
ベルナルトの問いかけに答える人の声>>101。]
……よばれた、ね。
[嫌でも思い返すのは、森で聞いたあのコエ。]
気に入らねぇな。
[得体のしれないモノに動かされているような、そんな気がして吐き捨てる。
左目の焦点は、まだ*合わないまま。*]
― 客室→二階廊下 ―
[少しひんやりとした客室。
一度ベッドで身を休めていたものだったから、その上に置かれていた毛布もくしゃりと丸められてしまっていた。
ほんの少しだけ躊躇いが胸の内に過ったが、それでも湿っていたりなどはしていなかったから、オリガのもとに届けるには問題ない、と思うことにした。]
とりあえずは、この一枚があれば大丈夫かな。
[ハンガーに掛けた毛皮のコートは、幾らか雨水も乾いてきているようだったから、自分の分の毛布替わりはこれで良いだろうと思う。
少しだけ重量のある毛布を抱えて、部屋を出て。
真っ直ぐに、大広間へと戻る道を行く。]
――…。
何だかまるで、人が変わったみたいだった。あの人。
こんなゲームで、人が変わったりも……しちゃうのかな。
[ふっと零したのは、先程アレクセイに、どうかしたのかと問われたことに対して。
それは丁度、たどたどしい言葉遣いだった筈の男に言い掛けた言葉でもあった。**]
[視界の片隅に過る白い靄。
きっとそれは熱が見せるまぼろしなのだろうと思う。
だから、誰にも言わず己の心の深き場所に沈めた。
優しいの言葉がサーシャ>>102から返ると
驚いたような表情が浮かび]
――…そんな風に言われると
何だか照れてしまいます。
[頬に手を宛てがい目を伏せてぽつと呟いた。
笑みの形は辛うじて見えたけれど視線重ねるのは
何となく恥ずかしく感じられる。
サーシャの考える事は知れないけれど
オリガ自身が今弱っているからか親切にしてもらっているのは感じて]
ん。
……何かお返し出来るといいんですけど。
[傍に付き添うサーシャと案じて動いてくれた者を思い呟く]
[やがて、ゲームの参加者達の姿が、大広間から減っていくと、プラーミヤも、ひっそりとその姿を消す]
愉しみだね。早く…始めたい。
[抑えられない熱を吐息にまぎらせるような囁きは、闇の中**]
……さぁて。
色々と、理不尽な状況なわけだが。
生き残るために、どう動く、か。
……とりあえず、理不尽の発端になったご主人さんに『ご挨拶』するのはアリかなー、って思ってんだけど。
[『ご挨拶』が何を意味するのかは、言葉にしない。
言葉にせずとも、伝わるような気がするから。
『宴の始まりに饗されるもの』と自らを称した女主人。
それが何を意味しているのかは、事実《ルール》と共に刻まれた。
事実《ルール》にただ従う事に思うところはあれど、闇雲に抗う意思もなく。
そして、生き延びるために他者を害するを当然、とできる生き方をしてきた青年に、それを行う事への躊躇いはなく。
提案する口調は、ごく軽いものだった。*]
ま、とりあえず、エスコートは十分間に合ってるっぽいし。
俺はもうちょっと、探検続けてきましょうかねぇ。
[間を置いて、上げた声はごく軽いもの]
ご主人さんに、もう一回アタックしてみるのも、アリだと思うし。
[女主人から有効な話が引き出せるとは思い難いが、念のため、と思うのは。
不確かな要素を一つでも減らす事で生き延びる確率を上げてきた、これまでの経験則によるもの]
んじゃ、お先に失礼っと。
[軽い口調で言って、大広間を後にする。
同行を望む者がいるならば、厭う事はなく。
一先ず足を向けるのはエントランス方面。*]
……あの女が何かしゃべるとは思わんが……
ここにいたところで埒があかねぇか。
[サーシャとオリガをちらとみやり。]
俺もちぃと行ってくるわ。
[注意深く立ち上がり、ベルナルトのあとを付いていく。左目は相変わらずだが、普通に歩く分には支障は*なさそうだ。*]
― エントランス ―
[階段を上がるより前に、立ち寄るエントランス。
念のため、と扉を調べれば、鍵はきっちりと締められているようだ。
試しに取っ手を握り、ガチャガチャと前後させたけど、僅かに音を立てるのみ。]
けっ、ご丁寧なこった。
ここが開くのはゲームとやらが終わったとき、ってか?
[苛立ち込めて扉を蹴飛ばせば、ガン、と無機質な音がエントランスに*響いた*。]
重要……やっぱり、そうなんだね。
[冗談っぽくも聞こえたそれ>>*16は、けれど何処か、本当に「命かけてる」事態を経験していると示す言葉にも捉えられるものだった。故に零すコエは真面目な色に。
それから、彼が告げた提案>>*17に意識は向いた。]
そういえば『宴の最初に餐されるもの』なんて、あの人は言っていたね。
[その語がここで零れたのは、『ご挨拶』なんて言い回しに含められた意味を、漠然と理解することができたから。
そう、理解することができた。
そう、なのだけれども。]
こちらからはちゃんとした挨拶、しそびれちゃってたし。
『ご挨拶』を忘れてどんなことがあるかも解らないし、ね。
その時はあたしも、行くだけ……行ってみる、よ。
[提案されたことを止めようという心算は無かったが、語尾は下がり調子になっていた。
相手の軽い口調とは異なり、乗り気でないとも取れる声色。
『他者を殺さなければ、生き延びられぬ』。その事実《ルール》は確かに刻み付けられていて。
そんなゲームに非ずとも、そんな世界が、理不尽な世界があるということも、自分自身、知っていた心算だったが――。**]
[空耳であって欲しいと願うようなオリガの声。
それに返る周囲の声は、願いに反して是を含んでいる。
僕自身、否定を返すことは出来なかった]
……僕も、多分、聞いたと思う。
あの時は気のせいかと思ったんだけど。
[他も聞いたらしいという奇妙な一致。
胸の奥で、もやもやと何かすっきりしない感覚が渦巻き始めた]
……『ゲーム』って、なんなんだろ……。
[呼ばれたとしたら、そのためな気がしてきて。
遠く昔から続くと言われた『ゲーム』についてが気になり始める。
僕もオリガの近くのソファーに身を沈め、理解の追いつかない状況に頭を悩ませ*始めた*]
─ 大広間 ─
[メーフィエへの問いかけには、頭を振って返される>>104。
はっとした様子は少し気にかかったが、なんでもないと言われればこの場では追及はせず]
それなら良いのですが。
無理をしているのに気付かないという事もありますから。
[笑みを作る彼女に、こちらも柔らかな微笑で返す。
含んだ意味はジラント>>105にも向けたものではあるが、目上の男性から大丈夫といわれて更に言葉を続ける程非礼ではない。
ベルナルトとまだ名を知らぬ方の会話はまだ続いている様で気にはなったが、今は優先すべきことがあるから、と。
リディヤに続いて廊下に出る直前、一瞥だけ向けた]
─ →二階 ─
─ 二階 ─
[階段を上がり、メーフィエが客室に入っていく。
何か済ませたい用でもあるのかと首を傾げていたのだが、出てきた彼女が毛布を抱えている>>106のを見て合点がいった。
自分の分をオリガに渡すつもりでいたのだと知れば、苦笑が浮かんで]
メーフィエさん、あなたも雨に濡れてきたのでしょうに。
優しいのは結構ですが、自分にも優しくなさらないと。
…とはいえ、今は早く毛布を届けられた方が良いでしょうね。
私の部屋からも毛布を持っていきましょう。
オリガさんが暫くあそこで休まれるなら、傍についている方の分もあった方がいい。
[恐らくはサーシャが引き続きオリガの傍に付くだろうとは、先程の様子からも容易に予想がつく。
この屋敷に来る前からの知己ではないようだがと考えた所で、無粋な想像は失礼だなと軽く頭を振って自分の部屋から寝台に畳まれたままの毛布を抱えてきて。
彼女と共に階下の大広間へと戻る道すがら、零された言葉に軽い瞬きの後、沈黙を落として]
…どうでしょうね。
[開いた唇から零れたのは、自分でも酷く曖昧な響きのそれ]
一気に不可解なことを言われたので、正直…
私自身どう判断すれば良いのか解りかねています。
今だって、オリガさんを気遣う気持ちは勿論ありますが…
こうして動くことで、何とか平静を保とうとしているんだと思いますし。
[情けないですね、と苦笑を浮かべる。
傍らの女性が抱いている感情が何かは解らないが、少なくとも自分は困惑していることが伝わるように。
会話の最中も足を止めることはなかったから、程なく大広間に戻ることになったろう]
─ →大広間 ─
─ 大広間 ─
[自分達が戻るのと、ベルナルトやジラント達が離れるのとは行き違いになったろうか。
どこかですれ違うなら、軽く声か視線を交わしただろう。
すれ違わずとも、出ていく前より少なくなった人の数に彼らが出ていった事は知れて]
毛布をお持ちしました、サーシャさんもどうぞ使って下さい。
暖炉があるとはいえ、雨のせいで冷えますから。
[メーフィエと共に、オリガとサーシャに毛布をかける。
今はまだ不必要なら傍らに置くだけにして]
メーフィエさん、有難う御座いました。
毛布でも結構嵩張りますからね、一人だと少し大変だと思っていたんです。
[共に行ってくれた彼女に微笑み礼を言って。
広間に残っている中にキリルがいたなら、ここで名乗りを済ませ「彼女」の名も伺った]
─ 大広間 ─
ところで、先程の…
ベルナルトさんと話されていた方は?
[広間に残る面々の中に、その顔はなかった。
耳に届いたのは僅かな会話だが、それでもたどたどしさは伝わってきたから恐らく異国の者だろうとは察せるが。
一体何を話していたのだろうと、気になっていたのだが誰か答えはくれただろうか。
答えが無いなら重ねて問うことはせず。
こちらに何か問われることがあればそれに答え、何も無ければあまり人数がいても落ち着いて休めぬだろうと思い]
それでは、私は失礼します。
少しメイドさんにお願いしたいこともありますので。
つ何か入用なものがあれば、一緒にお願いしてきますよ。
[微笑みながらそういうと、各々の返答を聞いてから広間を後にした**]
─ 大広間 ─
[眉下げるオリガ>>123には、うん、と頷きを返すのみ。
言葉を尽くした所で事実は変わらず、不安を和らげるには足りぬ、と思うから]
そこは、まるっと同意できるけどねぇ。
[強制を厭うジラントの物言い>>116に、零れるのは低い笑い声。
冷静さの指摘には、肩を竦め]
こーゆー時に取り乱すと、ロクな目にあわない、っていうのが、今までの暮らしで身に着いちゃってるのよ、俺。
「おうちかえるー」って泣いても、聞いてくれなさそうでしょ?
[軽い口調でこう言って、首を傾げた。
向けられる視線に微かな違和を覚えはするが、その理由までは読みきれない。
挙動が危なげない事もあり、共に来る>>117というのを止める事もなく。
気をつけて、というオリガ>>124に、はーい、とわざと明るい声で返してから、エントランスへと向かった]
─ エントランス ─
[上へと上がる前に玄関を調べたかったのは、こちらも同じく。
先に手をかけたジラントの挙動>>118をじっと見守り、彼が扉を蹴飛ばす音に重ねてやれやれ、と息を吐いた]
恐らく、そうなんじゃないの?
まー、用意周到というかなんと言うか、だよねぇ。
[扉が開かない事は、予測できていた。
だから青年は感情を乱す事無く、青は階段の上へと向く]
んじゃ、行ってみましょーか、三階までご挨拶に。
[軽い口調で促し、目指すのは、上。
途中、大広間へと戻るアレクセイたちとすれ違った時>>128は、ご主人さんのとこ行ってくるわー、という軽い説明をしておいた。
タイミングあわず、未だ名乗っていなかったメーフィエにも、ここで名を伝える事になるか]
─ →三階・書斎 ─
[階段上がり、たどり着いた三階。
先に阻まれた方へ向かおうとすると、やっぱりメイドが現れた。
もっとも、奥に進むのを頑なに拒否していた先ほどとは、その対応は変わっていて]
……ご主人さんがいらっしゃるのは、こっちの書斎?
ああ、ありがとね。
[女主人がいるのがどこか、を説明して、また、薄暗闇に消えていく]
……ホントに、どっから出てきてどこに消えてんだか。
[そんな突っ込みを零しながら、教えられた書斎の扉をノックする。
柔らかい声が入室を赦すのが聞こえ、直後に扉が独りでに開いた]
[踏み込んで、最初に目に入るのは天井にまで達する高さの本棚。
それから、一目で高級品とわかる、どっしりとした造りの机。
そんな重々しい雰囲気の中、紅の装いに身を包んだ女主人の姿は、階下の庭園で見た同じ色の薔薇を容易に思い起こさせた]
先ほどは、どうも。
……ところで、幾つかお話を伺いたいんですけど。
[形式的な礼をした後、こう、話を切り出し。
『ゲーム』とはなんなのか、何をさせる心算なのか、と。
そんな問いを投げるものの、帰ってくる反応は曖昧なものばかり。
『ゲーム』はずっと続いてきたもの、《ルール》は既に伝えた。
後は、『始まる』だけ、と。
そう言って、女主人はわらうだけ]
(……ここから引き出せるモンはなさそう、か。
これは案外、主自身も、詳細は知らんのかも)
[そんな思いを過ぎらせつつ、結局、話は適当に切り上げる。
同行してきたジラントが女主人に何か問うのであれば、そちらが済むまで待ってから、書斎を辞して]
……こりゃ、本格的に空間把握しといた方がいいなぁ。
てわけで、次は地下探検だな。
[意識を切り替え、階下を見やって小さく呟いた後]
旦那は、どーする?
[ごく軽い口調でジラントに問う。
同行するというのなら、やはり、厭う事はないのだが。**]
― 大広間 ―
[伏せた眸にサーシャの表情>>119は見えず
空気が緩むような感覚を覚える]
元気になる事がお返しになるなら
今はご厚意に甘える事にします。
[明るい音色に視線持ち上げ微笑みを浮かべた。
キリルの手許にある水とタオルが台に運ばれ
サーシャ>>120の手に渡るをみて、手際の良さを感じる。
差し出されたタオルを両掌を見せるようにして受け取る。
ひんやりとした感触と仄かな柔らかさが心地よく双眸が細められ]
ありがとう。
冷たくて、気持ち良いです。
[ソファーに座ったままそのタオルを額に宛てがい息を零した。
水面には触れぬままの手指は
濡れたタオルからうつる仄かな湿り気を帯びる]
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