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[溜め込んでたせいばかりではなくユリアンが聞き上手だったんだと、後になって思った。
祖母と触れあい損ねた分も優しくしてもらえたのが嬉しくて。布団の中でにやけてしまったのは乙女の秘密にしておこう]
うん、そうさせてもらうかも。
[みんなも>>20と言われたときに浮かんだのは曖昧な表情。
祖母は身内なだけに逆に言いにくく。夫を亡くして消沈しているノーラにも、会話を得意とはしていないゲルダにも、この状況は説明しにくさがあり。
だからと言って何度もユリアンに甘えるのは申し訳ない、なんても思ってしまったから]
シスター・ナターリエも優しそうな人だったしね。
[そう言ったところで、こんな状況のままでは出来ないだろう思い至り。認識からの連鎖で笑顔は陰った]
―宿泊施設・広間―
あ。…おはよ?
[ゲルダに名を呼ばれて>>101首だけで振り返り、肩越しに手をあげた]
あたしの分もある? 嬉しいな。
うん。みんなここに集まるだろうって思って。
このくらいなら一人でもできるし。
[ノーラ>>105にも小さく微笑んで答える。
ここまで来ても挨拶ができ笑みが浮かぶのは、頭に心が追い付いていない証拠で]
ぐぅ爺ちゃんまでやられちゃうなんて。
…話し合わなきゃ。ね。
[再び暖炉に向き直って薪の位置を調整する。
団長を慣れていた愛称で呼んだのも、動揺の表れ。
しかしまだ自分が殺されるかもしれないということへの危機感は薄く。物語を読んでいるときのような感覚のまま、にわか知識からの言葉が溢れた**]
─ 渡り廊下 ─
[今の状況ではどんな小さなことも可能性として頭の中に残る。
アーベルが示した可能性>>95も、今は思いつかずとも頭の片隅に残り続けて、『人狼』を探すための一助へと。
油断大敵、と口にするユリアン>>93の言葉には、同意するように頷いて。
掃除道具を出して欲しいと言うアーベル>>96にも、肯定の頷きを返した]
はい……このまま、というのは、流石に。
分かりました、用意しておきますね。
[そう言って白猫を抱えたまま、いろの付いた箇所を避けるようにしながら移動して、宿泊施設の方へ。
アーベル達が団長を運んでいる間に道具を用意し、水を汲み、渡り廊下へせっせと運んだ。
作業の間は白猫を床に下ろして好きにさせる。
最初はナターリエの後をついて来ていたが、やがて暖かいと知る広間へ白猫は移動するのだった*]
あ、…おはよう。
[>>109おはよう、とゲルダに言うリディに反射のように返しながら、未だ朝である事を思い出した。
ギュンターの死を知ってからもう数日は経ったような気がする。
短い間に起こった変化に麻痺しているのだろう。]
勿論。
そう、そっちには全然気が回らなかったよ。
広間で凍えるところだった。
[彼女にも紅茶を入れて差し出す。
挨拶をし、小さな微笑みを浮かべる彼女はありふれた日常のもの。
月のいとし子を探さなければならない現状とはかけ離れていて。
それは、まだこの事態に気持ちの追い付いていない所為か。
或いは、健気に振舞っているのか。
――それとも、]
…そうだね。
[女は小さく頷いてみせる。
粗を探すように見てしまう自分に嫌気がした。
紅茶で喉を潤した女は、暖炉に向かうリディに声をかける。]
どんな事を話し合ったらいいと思ってる?
2人殺されてしまって、明日にはまた誰か死んでしまってるかもしれない。
――リディは、誰が月のいとし子か分かったら、…殺せる?
[管理人の死に様を聞いて硬直していたのを思い出す。
あんなに怖がっていた子に、己は何て事を聞いているのか。
頭痛がする。
けれど発した言葉は元には戻らない。]
[彼女の言葉からは切迫感は感じられない。
それは何故か。
主犯だから?
遺体を見ていないから?
それでもギュンターを呼び名れた愛称で呼ぶ程には彼女も動揺しているのだと、冷静でない女には思い至れない。*]
─ 渡り廊下 ─
[道具を手に戻った頃にはもう、団長の骸はなかった。
残されたのは団長の身体から流れ出た紅いいろ。
布巾を濡らし、固く絞って、端の方から擦ってみたが、なかなかいろは落ちてくれなかった]
こんなに落ちないものなのですね…。
[血を落とす機会などそう多くはないため、擦り落とすのも一苦労で。
アーベルが戻ってくる頃になっても、ほとんど進みはしなかった。
床に染み込む前の余分な量は何とか拭き取れたはずだ]
すみません、アーベルさん。
後はお願いします。
[管理人の時も掃除をしたアーベルなら綺麗に出来るだろう、と。
申し訳無さそうにしながら交代を願った]
…アーベルさん。
昨日お話した時、私は貴方が『人狼』なのではと疑っていました。
怪我をしてこの村に辿り着いていたのも、今回みたいなことがあって、命辛々逃げ延びてきたのでは、と。
けれど、違いました。
貴方は『ひと』です。
『人狼』ではありません。
私には、それが分かるようです。
[微笑むものの、そこに苦いいろも混ざり込む。
暴かなければいけない苦痛、見つけなければいけない使命感。
頭では分かっていても、ついていけない感情。
伝える対象を失った自分のことを、『ひと』であると分かった者に打ち明けることで己を保とうとした*]
─ 宿泊施設・広間 ─
[するりと広間へ入り込んだ白猫は、かけられる声>>114に金の瞳を向けた。
返事をするように、にゃー、と鳴き、伸びてくる手に身を委ねる。
一頻り撫でられた後は、暖かい暖炉の前へ移動し、ごろんと横になるのがいつものコースだった*]
─ 渡り廊下 ─
そうなんだよねぇ……こういう時って、『まさか』がホントにあるから。
ま、なんにしても、殺されるわけには、ってのは、同意。
[ユリアンの内心に過った面影は知らず。笑いながらの言葉>>98には心底から同意して]
それなんだよねぇ、おっちゃんにもわざわざ毛布かけてたし。
……端的に隠したかったのか、他に理由があるのか……。
[ユリアンの零した疑問>>99は、自身も腑に落ちぬ事のひとつ]
あ、頭の方持つから、足お願い。
んじゃ、シスターさんは、道具、よろしくお願いします。
[用意しておく、というシスター>>110にこう言って、毛布に包んだ亡骸を運んでいく]
……団長さん、がっちり鍛えてたのね……。
[運ぶ途中、ふと零れたのはそんな呟き]
─ 宿泊施設・物置 ─
[物置には、昨日の内に管理人の亡骸を移しておいた。
さすがに廊下に置いておきたくはなかったから]
……んー、それね、ホントわかんないわ。
人狼の伝承……『幻燈歌』じゃ、『聖花』を持つ者は人を導くのが務め、とか出てた気がするけど。
責任感のカタマリみたいなヒトだったからねぇ……自分がやる、って、思い込んじゃったのかもね。
[ユリアンの言葉>>100に、口にするのは自身の推測。
ともあれ、亡骸にしばし黙祷を捧げた所で一つ息を吐き]
んじゃ、俺は廊下掃除してくるから。
広間で休んでていーよ。
[軽い口調でこう告げて、自身は渡り廊下へと戻っていく。*]
―― 宿泊施設・物置 ――
[ギュンターの遺体を安置して、包まれた毛布の上から朱花があっただろうその場所に触れる。
探せ、と、殺せと何かが騒ぐ気がして息を吐いて立ち上がる。
殺したくないと言う気持ちは本当のはずなのに
殺さなければいけないという思いもまた確かなもので
相反するそれはゆらりゆらりと、どちらに傾くか知れぬまま。]
これでいいかな……終わるまで、少し待っててね、二人とも。
[必ず、見つけると言う決意は口には出さず。だけど瞳には強い色。
これ以上犠牲を増やしてはいけない。
次にここに運ばれるのは人狼でなくてはと
それは自分の本心なのか、蒼花の定めに引き摺られているのか知らぬまま。]
[一通りその場を整えたなら、アーベルは渡り廊下に戻るのだろうか。
手伝う事も考えるけれど、それよりもノーラたちのほうが気になったから
自分は一度広間に向かうと、そう告げて]
……アーベルさんは、誰が「そう」だと思います?
[伺うような視線と共に、問い掛けを一つ。
彼がそうではないと言い切れないから、僅かな変化でも見逃さないようにと。*]
─ 宿泊施設・物置 ─
[それじゃあ行こうか、という所に投げかけられた問い、一つ。>>121
蒼がす、と細められる]
……難しいところだね。
さっきの話から、君が違うって言うのは読めたけど。
[花がある、という言葉と、どこか団長のそれと被る言動は、彼が『朱蒼聖花』の一方であるのは察しがついていたからこう言って]
……あの、さ。
俺ね、ここに来た時の怪我の切欠とか、忘れてたでしょ?
んで……おっちゃんの、傷見てさ……思い出したのよ。
俺、前にも人狼に出くわして、殺されかけて何とか逃げ出してきたんだよねー。
[は、と息吐いて告げるのは、自身の過去]
……で、その時と、今と。
ちょっと、状況似通ってんの。
それまでなんにもなかった所に、外から人がやって来たら、人狼が現れた……ってね。
[言いながら、目を伏せる。
過ったのは、ここに来る前に居合わせた場所での出来事]
まー、状況は似てても、同じとは言い切れないから、あれなんだけど。
……しばらく離れてて、戻って来た、っていうのは、ちょっと警戒しちゃうんだよねぇ。
[遠回しの物言いが誰を示すかは伝わるか。
これで答えになる? と言いながら、こてりと首を傾げて。
問いが重ねられぬならば、そのまま渡り廊下へ向かう。*]
……はい?
それは、つまり…………。
[『ひと』、であり、『人狼』ではない、と。
そう、断じる言葉に惚けた声が上がった]
……それ、つまり。
シスターさんが、『見出すもの』ってコト?
[ここで彼女が偽りを言う必要はない。
だから、間違いなくそう、なのだろう。
それはわかるのだが、しかし]
……ちなみにそれ、他の誰かに話しました?
[こてり、と首を傾いで問う。
声音が低く小さくなったのは、色々な意味で已む無しか。*]
─ 渡り廊下 ─
[疑っているのは隠せていなかったから、気付かれても仕方がなく。
それを示す言葉>>125に苦笑を浮かべる]
そう、いうことに、なるのでしょうね。
[『見出す者』>>126と確認する言葉には、戸惑った様子で頷きを返した。
続く問いには緩く首を横に振る]
いいえ。
最初は、団長さんに伝えようと思っていたので、まだ誰にも。
[ここで足止めを食らったために、他に言う機会もなかったというのは推測も出来ようか]
あと4人から、探さなければいけないのですよね…。
[ユリアンが『聖花』を持っているとは知らないため、選択肢は未だ広いまま*]
―― 少し前・渡り廊下 ――
理由があるなら聞いてみたいけど、そんな余裕はないだろうな、きっと。
[ぽつりと落とした疑問は、アーベルも思うことのようで>>118
もしかしたらそれも手がかりの一つかもと胸のうちに留めておく。
人狼が姿を見せるのは多分……花を奪いにくるときだろうから。
指示通り足のほうを持って運ぶ間に聞こえた声に笑って同意して
そのギュンターを仕留めた人狼を思い表情を固くする。
はたから見れば、それはとても不自然なものだったに違いない。]
―― 宿泊施設・物置 ――
[そうして、遺体を運び込んで零した言葉も、また疑問の一つ>>119]
『幻燈歌』は俺も図書室で見てきた。
「力なき者を導く使命を帯びし、神の御子。」だって。
確かに、一人で背負い込んじゃったのかもね……双花なのに。
[双花と言っても、自分が知ったのは事が起きてからで、花を持つ事をギュンターは知らなかったけれど。
そうして、廊下の掃除に行くという間際に投げた問いに
それまでの表情から思案するように蒼が細められ>>123]
あ、さっきの聞こえてたんだ、やっぱり。
不用意だったよね、あれ。
[と、察しているだろう事を肯定する。]
[アーベルが続けたのは、ここに来た時の怪我の、その理由。
厨房で僅かに聞こえた話はこの事かと、彼の表情を見返して]
人狼に殺されかけた……だから、俺たちより状況把握するの早かったのか……
[どこか、何かを知っているように感じた理由を聞いて、ほんの少しだけ安心していた。
もしかしたら、と言う気持ちは確かにあったから。]
状況が似てる?
外から人が、って……あ
[続いた言葉>>124
しばらく離れてて、戻って来た。それに当てはまる人物が確かにここにいる。
それは、ほんの少し前、自分が思い浮かべた姿と重なる。]
アーベルさん「も」、リディの事を疑ってるんですか?
[その言い回しは、こちらも同じ事を思っていると伝えるもの。]
わかりました、ありがとう……俺、広間の方に行ってますね。
[アーベルを完全に信用するわけじゃない、けれど
それよりも疑わしい人物がそこにいるのなら、まずは聞いてみるべきだろうと
廊下に向かうアーベルと別れ、みんながいるだろう広間へと。*]
― 宿泊施設・広間 ―
あたしから誰かに聞くなら。
やっぱりアーベルさんかな。記憶ないとか都合良さそうだし。
ナターリエさんはシスターだから。
[自分が居た頃には村人ではなかった二人を疑うのは、自然であり傲慢な流れ。信心深さがフィルターとなってしまう辺りに人生経験の不足も露呈する]
─ 渡り廊下 ─
[アーベルが何を考えているか>>135など知る由もなく。
ナターリエはただ、『ひと』であると分かったが故に、今まで通りに頼りにする心算でいた]
分かりました、こちらはお願いします。
[片付けると言い、広間へと勧めるアーベル>>136に頷いて、頭を下げてから渡り廊下の先へ。
途中、注意を向けられれば]
…はい、気をつけます。
[アーベルに感謝するように穏やかに微笑んでから、皆のいる広間へと歩み出した*]
[――此処に逃げ場はない。
雪が溶けても橋が復旧するまではこの状態は続くのだろう。
溶ければ少しは状況の好転も望めるが、まだ雪の季節だ。
その間に月のいとし子を残して安穏としていられる保証は出来ない。
平和的解決の方法も見つからなかった。
故に、‘生き残りたいのならば、殺さねばならない’。
もしもこれを仕組んだ者がいるならば、
それはきっと悪魔だろうと女は思う。
知り合い同士を疑い、殺し合わせる。
そんなやり口は悪魔にしか出来ないと。]
─ 宿泊施設・広間 ─
[暖炉の前に寝そべっていた白猫は、震える手>>134が撫でてくるのに、首だけを擡げて少女を見上げた。
なぁー、と言う声は案ずるものにも、抗議をするものにも聞こえる。
それでもその場から動く心算はないらしく、再び頭を床に落として寝る体勢*]
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