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< オトフリートのことばに、猫はこくりとうなずきました。
でもその手を受けずとも、マテウスの手が、頭に伸びてきます。猫のときのように、それを受けて >
…だいじょうぶなら、いい。でも、
痛いときとか、つらいときは、無理は、だめだよ。
< マテウスのにくらべたら小さい、青い布のついた手を、その腕にのばしました。 >
< やさしいといわれて、猫は困った顔をしました。でもなでられるのは、好きです。
その撫でてくれる手に触れて、げんきになぁれ、と思いました。
傷をいやしたり することはできませんけど、痛みをおさえたり することもできませんけど。
ちょっとでも、つかれてるのとか、具合がわるいのが、落ち着けばいいなぁと思いました。 >
おれより、ナターリェのほうが、やさしいよ。
おれは、いっつも、好きなように、生きてる、だけ。
俺も、好きなように生きてるだけだけどな。仲間、だな。
…ナターリェ?
[困った顔やその奥の元気になれと思ってくれる気持ちが嬉しくて、
ちょっとだけ力を入れてわしゃ、と髪をかき混ぜた。壊さないように気はつけつつ。
間に出てきた名前に、手を止めて聞き返す。どこかで聞いたような、そこの本で見たのだったか、記憶にひっかかり。]
仲間、だね。
人じゃ、ないのも。
< 髪をわしゃっとされて、猫はうれしそうな顔になりました。
それから、こくりとうなずいて、その手の下、ナターリエを(その腕の中の子どもも一緒に)見ました。 >
すごく、やさしいよ。
[私は彼の仔に添いつつ、未だ逢った記憶のない人々へと怯えを含む瞳を向ける。
震えずに在れたのは、腕の中の幼き温もりゆえか]
[赤毛の男(ひと)から漂う、血を好むであらばほの甘い――私にとっては畏怖たる香りに、知らず身体は距離をとるべく動こうか。
同じく、料理の匂いを仄かに纏う茶色の髪の女(ひと)からも、距離をとったやも知れぬ]
< だけれど、なんだか、血のにおいの人は、こわくて。
それが、いわゆる ぞくせい とか、しゅぞく の 違いというやつだと、猫は理解していないのですけれど。
ナターリエのきれいな目に、猫は、安心させるように、笑いました。頭に、マテウスの手をのっけたままで。 >
だいじょうぶだよ。
人じゃない。
< 声には、出さずに。くちをそう、動かしただけでしたけれど。 >
[彼の猫の陽だまりのような金の髪を撫でる大きな手を見、私は幾度も瞬く。
灰色の髪、大きな体躯。何処でか見た事が在らん気がして――]
…嗚呼、もしや……わたくし…を…?
[運んで下さった方かと、問うよに淡い菫色を向ける]
あぁ。
細い青いのが持って来た女(ひと)だな。
あれがナターリェ、か。
んや、そうだが、気にするとか無しな?
[脳の溝が繋がった!となんだかすっきりしつつ、くしゃりと笑う。
改めて、良く壊さずに運べたなぁ俺、とか思ったのは口に出さずに、なんとなくエーリッヒの表情がこわばったような気がして首がぐりぐり動くほど髪の毛をかき混ぜた。]
―中央エリア―
[やって来たそこには、言伝ての通りユリアンの姿があったろうか。
言葉を交わし、情報を交換して。
腕輪から、無限鎖を展開する]
エターナル・ロンド……探査の陣。
[漆黒の光鎖を展開させ、気配をたどる。
探すのは、機鋼竜ではなく――消えた、機精。
鎖が波打ち、そして]
……下?
[それが示したのは、遥か、下方]
……防衛プログラムは、廃棄エリアに隔離するもの、とは言ってたが……。
[自分が隔離されてどーする、と。
零れたのは、呆れを帯びた呟き]
…〜〜っ
< さすがに、猫は身をちぢこませて、おおきな手から逃げようという体勢です。
青いほそいのって、誰のことかしら。ふと思って、あ。思い出した。そういえば、あのとき、二人、抱き上げていましたっけ。
マテウスはちからもちだなぁ、と、やっぱり猫は思いました。
それからびくびくと、血のにおいのする人を見ます。ぱちっと目があったら、慌てて目をそらして。猫、おびえているようです。 >
[向けられた彼の猫の優しい笑みに、怯えは少しづつ鎮まりゆく。
「人じゃない」
口の動きが伝われば、明らかな安堵の色が浮かぼうか]
…えぇ、ありがとうございまする。
[応えは彼の猫の気遣いと、大きな手の人への双方へと。
乱暴なまでに撫でる様子に、私は目元を仄かに和ませた]
ん、つっても屋敷までは青い細いのがつれてきたから、礼は俺よりそっちに、かなぁ。
俺はそこから二階までだし。
ん?どした?
[ナターリエの言葉には、太い腕を上げて頭をガリガリ掻きながら親指で二階を指して。
身をちぢ込ませたエーリッヒから手をどけると、その挙動不審さに顔を覗き込んだ。]
―昨夜のこと―
[屋敷への帰還及び空中散歩を断り、夜の森でぶらぶらと樹にびら下がっていた。
ハインリヒ率いる(?)一団がすっかり見えなくなったあと、リディの姿は森から消えた]
−中央塔下部・ファクトリーエリア−
……足りない。
ちから、
集めれば、 手に入る?
[まるで独り言の如く][機鋼の竜へと語りかける]
同じ、
でも、
同じじゃ、ない。
[同じなのは何なのか]
[違うものは何なのか]
" eul#v uQpc, "
" qf#cJyf# bb."
[電子的な音の連なり]
[機械的な文字の羅列]
にしても……?
[微かな、違和感]
何か……動いてる?
[下からは、機精の他にも何やら気配が感じられて。
……微妙に嫌な予感]
……無事ならいいんだが……。
[かなり、難しいかも知れないが、それは知る由もない。
……機精が作動させたガード・システムが誤作動交えて動いてるなんて、さすがに意識の*外も外*]
< ナターリエが安心したようで、猫も あんしん しました。
もちろん、こわくはあったのですけど。
と、様子がおかしいのは、とうぜんながら、気づかれてしまいました。 >
なん、でもない、よ。
< 目がおよぎます。ちらり、向いた視線は、火の竜に。
だけれど、うん、きっとほんのちょっとです。
氷の魔も、ちょっと怖いので、猫はあえてみないようにしている、なんてそんなこといえません。 >
[夜は、廃棄エリアに入れるのかどうかを竜に尋ね、何が起こったのかを確認した――といっても、廃棄エリアへは立ち入らず、それを見ることの出来る場所から眺めただけだが]
[ファクトリーエリアに戻る。
いつの間に来たものか、薄明かりの中にアーベルの姿があり、リディは黙って彼の様子を見ようと思った]
[低い唸り声][否、機械音]
[揺らめく空の睛が異常を捉える]
《 1819017198136: 6200173 18241819412 》
《 20132018011 21413381981413 》
[防衛システムの起動]
[ガードドロイドの暴走]
[機鋼の竜は察知せど止めるは叶わず]
[或いは必要無しと判断したか]
なんでもないなら、いいんだがな。
[ふわりと首の後ろに白い毛が揺れたと思うと、右手の先に大きな爪ともじゃもじゃの毛が生えた。
爪は当たらないように反らしつつ親指の付け根部分に出来た大きな肉球でぽふぽふと、安心させるかのようにエーリヒの頭に伸ばした後、幻だったかのようにそれらは消える。]
[廃棄エリアの件は、些事に過ぎず]
[機鋼の竜は機鋼の魔へと語りかける]
《 pQub fiP 》
" Eli "
《 gehy AoZ 》
[信号の交換][一拍の間、]
《 uiSA# plK'fPcA#dA# ob. 》
無ければ、他者から奪えばいい。
[コトバが、重なった。]
< きんちょう とか、そういうもの、全部がふきとんでいってしまったよう。
猫はうっとりとそれに撫でられて、消えてしまったあと、あらあら。猫の姿に戻ってしまいました。
にゃあ。
マテウスの肩のうえ、目指してジャンプします。 >
[これまで続いていた駆動音に被せて、低い唸り……機械音のはずなのに何故唸りと感じたのだろう。ファクトリーエリアが微かに振動する。
おずおずと歩みだし]
ね、ねえ
アーベル?
廃棄エリア?あれってなんか……危ないんじゃないの?
放っといて平気なの……
[……奪う?]
[ゆるり、][振り向く。]
……ん、
[青の睛に過っていた色は一瞬にして消える]
入ると、多分、危険。
でも。
止められない、らしい。
なんかあったら言ってくれな?
俺に出来る事ならするから。
[肩に乗られた時に尻尾が鼻のあたりを掠め、くすぐったくてくしゃっと笑った。
ナターリエの表情が和らげば、そちらにもくったくのない笑顔を見せながら肩の猫の喉を指で撫でようとする。]
言うよ
< 猫はそういいましたけど、肯定のひびきにしか きっと きこえなかったことでしょう。
指は喉に伸ばされて、猫はいつものようにごろごろしました。猫のすがたになったからか、べたべたになついています。
それでもその指がとまったら、その肩からは、飛んで離れるの*ですけれど* >
ああ、
……同じで、違う。
[幾度目かの、似た台詞]
目的。
存在。
手段。
色々。
[ばらばらに散らばった言葉]
同じだから、協力する。
違うから、此処に居る。
[短く、散逸した言葉を拾い集めようとするのに、うまく組み上がらない]
……なんか足りないよ
それになんか冷たいよ……
……リディ、多分アーベルのこと知ってたし。
変な魔族がいるって聞いてたんだよ。
リディも変な魔族だから、どんなやつなのかなって思ってたけど、こんな冷たいやつだと思わなかったし。
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