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―宿屋 食堂―
[未だ心配そうにしながらも、椅子に座りなおした。
ブリジットの言葉もあったが、捜索に出た者が戻って来るまで食事に手をつけるつもりはない。
代わりに]
ユリアンさん。
見せて貰ってもいいかしら。
[彼の呟きは聞こえていたのか否か、いずれにせよそれには触れずに、頼んでおいた品について尋ねた]
[結局青年はその場に留まったのだが
ミハエルを追いかけていった面々を思うと
何故かとても心配になってくる。
それは先ほど自衛団に引率していった時の事が
あるからかも知れず柳眉を顰めて思案げだった]
……自衛団も本気って訳だ。
加減できねぇようなもんを見た、か。
団長殿の結社としての知識がそうさせるか。
[ユリアンの言葉>>115に小さく呟きを返す]
―→湖畔―
[足の速さはそこそこだったが、クロエのことを気遣いながらなのでゲルダよりやや遅れることに。
湖畔についたのはちょうど前方でゲルダが転ぶ姿が見えて]
ゲルルン、大丈夫か?
[そう声をかけながら、ブリジットも自分たちに遅れて出ていたことは知らず、
彼女が見当違いのところを探していたことを知るのはもっと後のこと。
ゲルダに駆け寄って助け起こそうと、ミハエルの姿に気づくのはその後だろうか]
ん。グラォが、そしてリヒトがその方が無事で在れるなら。
[心配で仕方ないといった風は隠さないまま
リヒトの言葉に是と告げ]
私は、私は……―――
占い師、騙れるように、努力してみる。
[考えていたことを、ポツリと零した。]
─湖畔─
…Дальше с глаз - ближе к сердцу.
───逢いたいよ、Мама…。
[母を想い口にするは、生前に教えてもらった母の母国の言葉。
もう逢えないために想いは強く、翡翠から零れる滴は数を増して行く]
──っ…!?
[そんな中、不意に聞こえた音と驚くような声。
思わず翡翠がそちらへと向いた。
視線の先には女性が転んでいる。
更にその後ろには別の女性達の姿が見えた。
先程まで宿屋に居た、見覚えのある姿]
なんっ、で……。
[思わず追いかけてはきたものの、自分はライヒアルトやゼルギウス達ほどミハエルと親しくはない為に追いかけて良かったものか悩みながら。
それでも一人にするのは心配でもあり、結局足を止めることは出来なかった。
孤独というものは、目の事を隠していた自分が恐れていたものでもあったから。]
[アーベルの取り出した二つの瑠璃に瞬きして
彼の手の動きを知らず眼で追う]
へぇ、綺麗なもんだな。
っと、通り側のど真ん中か。
ま、悪くねぇんじゃないか。
……一番小さな部屋ってオチはねぇだろうな?
[コトと首を傾げ問う仕草]
─ →湖畔─
はぁ、はっ…
・・・ゲルダ!?
大丈夫、怪我してない!?
[ゲルダ、ベッティに遅れて湖畔に辿り着いたものの。
驚いた顔のミハエルと、その手前で盛大に転んでいるゲルダが見えてこちらも驚いた。
心配して彼女に声をかけ、無理そうなら手を差し伸べ。
そしてミハエルにも顔を向けて。]
ミハエル君も。大丈夫?
ありがとよ。
[ヴァイスルヴが否と言うなら無理に連れてゆく気などなかった。
応じる聲に礼を述べるのはグラォシルヴが居れば
狩りの精度が高くなると理解してのこと。
占い師、と言われれば瞬きして]
其れは、助かるが……
無理はするなよ。
[案じる聲を彼に向けた]
[夫の許可を同胞が得れば、
自らも狩りに向けて少し意識を向けたが。]
ヴァイス。
[占い師をと語る夫に、不安気そうにコエをかける。
夫が上手くやれるかというのを心配しているというわけではなく、
万一本物の占い師がいれば、その存在を疑問視されやしないかと、
疑われはしないかと、その辺りが心配だった。]
―宿屋―
平等……は、きっと難しいことだね。
[佳く判らないと云ったままライヒアルトに首を傾げ
彼が助けを求める己の妻を見る。]
うん。
だけど、あんな風になる子が狼な訳ない……―――。
それに、君も狼じゃないのは、私は識ってるもの。
[慰めるような言葉をくれる妻に語る言の葉。
それは遠まわしに、
ユリアンの疑問に答えるようで答えていないもの。
紅はまた、ユラユラと揺れはじめ……―――。]
― 湖畔 ―
[転んだときにスカートが捲れあがったのか娘の白い右腿が露になった。其処には自衛団長と同じく銀の刻印が成されていて。
人としての証明ともなる其れは少年の視界にだけ収まっただろう。
ベッティ達からは見えず娘は起き上がろうと上体を起こしたところでスカートの裾は戻り]
―――…。
[ママ、と口にする少年の声に尋ねて好いものか悩む表情。]
あいたた…あ、ベッティ、御免ね、有り難うなのだよ
[助け起こされると起き上がり、ミハエルの姿に安心して。]
ン―――…好かった、見つけられた
[スカートについた汚れを払うとミハエルの翡翠を覗く。]
君があんまり悲しい事を云うからさ
思わず追いかけてきてしまったのだよ
無理は、できるだけしないようにする。
2人も、しないでね。
[リヒトの言葉にコクリと頷き]
……伝承のようにただ1人が真とは限らないと
皆が想ってくれればよいのだけれど。
もし、そう、もし……―――
2人が真実を暴かれることがあった時、
惑わすことが出来れば佳いと思ってるんだ。
それまでは、私は出来るだけ嘘はつかないよ。
私は嘘つくの、苦手だもの。
[妻が己を呼ぶ名に、裡を読んだように、
微笑んでそう告げた。]
―湖畔―
[驚く様子のミハエルには、腰に手当て]
なんでもなにもない、心配だから当たり前だろ。
[あまり息切れした様子がないのはクロエにペースをあわせていたから。
ゲルダに続くようにそう言ってから]
まぁ、信用できなくても力あわせる必要はあるしな。
――…そうだな。
難しい事だとは思うよ。
[ゼルギウス>>126にゆると頷く。
平等にあれるかと問われたら頷けはしない。
この集められた中でも差異はあるのだから。
赤い髪の騎士風の男に関してはきっと優しくはなれないだろう]
オチがねぇなら良いさ。
お前の女神様が選んで呉れた部屋で
有り難く休ませて貰うよ。
[アーベル>>130にそう紡ぐが部屋に行くのは
食事が済んでからだろう。
準備の為、離れる幼馴染をひらと手を振り見送った]
知ってる子が、いきなり飛び出しってたら心配するのは当たり前でしょう?
[他の二人と比べて息切れはしているものの、なんとか息を整えて。
なんで、と問うミハエルに微笑み首をかしげた。
ライヒアルトとの話の内容は聞いていなかったから、もしかしたら自分を気味悪がって飛び出していったのかもしれないという思いもありはしたが。]
ミハエル、君…。
…信じたいって思える人も、いないの?
ライ兄や、ゼル兄達や、カルメンさんも…おうちの使用人さんたちも、皆?
[自分よりも年若い少年が、色んな重責を背負っているだろうことは然程親しくはない身でも容易に知れた。
それでも、信じられる者が居ないと言い切るその姿は悲しくて。
自分達が揃ってきたことは却って追い詰めてしまうことになるかもとは思ったが、それでもどうしても聞きたくなったことを問いかけて。]
ああ、ごめんなさいね。
お話遮っちゃったかしら。
[荷物に駆け寄るユリアンに謝罪を述べる。
ゼルギウスやイレーネとの会話の内容はここまでは届いていない。
布の他に糸や細かな金属の装飾品など、一つ一つ取り出される商品を受け取り、自らの目で確かめて]
……はい、確かに。
いつもご苦労かけるわね。
お幾らだったかしら。
[注文したもの全てを確認すれば、労いの言葉を。
値段が提示されればその通り*支払った*]
―宿屋 食堂―
……そうね。
[あんな子が、という夫にはそう答えた。
夫が何を確信しているのかは分らないが、
自分を狼でないと言う夫に、こくりと小さく頷いて返す。
自分は狼では無いと。
……だが、今この場で狼と名乗り出る者は只の一人も居ないだろうが。
揺れる赤い瞳に、始め夫は泣いているのかと思い、]
ゼル?
[下から青は心配そうに、見上げて様子を伺った。]
―宿屋食堂―
[イレーネの言葉>>133を神妙に聞いていれば
最初は期待できたのに例えに自身の名が出た時点で
眉間に皺が寄ってしまった]
イレーネ……。
私は別に妻を娶る予定は無いからな。
あながち間違ってねぇのか……
でもなんか釈然としねぇな。
[幼馴染の例えはまた誤解を招きかねない。
茶化すものが居ない事を青年は祈るのみ]
…そんな事云っちゃダメだよ
[服の袖で目許を擦る少年を娘は諭す。
近い距離、ミハエルを見詰めてゆるりと首を振り。]
御免ね、如何しても来たかったんだ
[子供扱いするわけでもなく、
彼の両肩に手を置いて視線を合わせた。]
…君は人を信じたくはないの?
[投げかける疑問は信じられないと口にする少年に掛けられる。娘は、人を信じてきたから今の自分が或る。でも彼は違うのだろう。生い立ちこそ違えど、自分とは可逆の少年が気になっていた。]
―宿屋食堂―
[肩を竦めるユリアンにふむと呟いて独り言ちる]
後者なら理解がおよばねぇ世界だな。
伝承の類をみても結社という存在がある、とはあっても
その実態を詳しく記している書は見当たらない。
聞いても教えて呉れねぇんだろうな、団長殿は。
[結社の事は人狼を倒す為の組織としか説明されていない。
遺体に関しては普通ではない殺され方で
心臓とその付近が食い荒らされていた、等と言っていたけれど
流石に食事の場でそれを言うのは躊躇われ口を噤んだ]
うん……無理はしない。
私の為じゃない、この子の為に誓うわ。
[夫の願いには、そうはっきりと答えた。
もし自らの命で夫と同胞が救われるというのなら、
ぎりぎりまで抵抗するだろうが、
それでも差し出す事は易いかもしれない。
だが今は、夫よりも同胞よりも、
優先しなければならない存在が内に在る。
すりと、まだ青い果実に手をやれば、
時折感じる鼓動に、目を閉じ語りかけた。]
ちゃんと産んであげるからね。守ってあげるからね。
私は、おかあさんなんだから……。
[我が子は何を犠牲にしても守らなければと、
それは子が居ると知った時から、ずっと想い続けていた事だった。]
―宿屋/食堂―
つまり、ライ君はモテモテって事でいいのかな?
そっかぁ、神の愛って大変だから、修道士さんも大変なんだね。
[妻の説明に、判ったような判ってないような言葉を
なにやらゆらゆらしながら告げる。
と、ユリアンが去り際零す言葉に
揺れる紅を細めて、うっすらと微笑んだ。
けれど、何も告げることはないまま。]
ん。ちょっと、疲れちゃったのかな。
眠くなってきた……―――
[見上げてくる青に、微笑を深めて、片手を伸ばす。
生まれ持った色素故に、あまり頑丈でない身体は傾ぎ]
[ふ、と玄関の方を見る。
外へと駆け出した少年たちは未だ戻らない]
――…直ぐに戻ってくるかと思ったんだが
なかなか戻ってきやしねぇな。
あー…、ついていけば良かった、か。
[待つというのも心配なもの。
自分が追いかけては余計に追い詰めてしまうかもしれないと
考えて残ったのだけれど。
今は其れを少し後悔していた]
メシ、冷めちまうぞ。
[ポツと呟いて吐息を零す。
彼らが戻ってくるまで待っていようと食事には手をつけずにいた]
確かにまだ親しいって言うほどお互いに知ってる仲ではないけどな、
[小さく息をついてから]
まぁ、それでも下手な村連中なんかよりは、よっぽど親密なんじゃないか?
あんまりうれしくない理由でだけどな。
[それは村内の今の状況でのお互いの立場を指してのこと]
まぁ、人のこと心配したり助けたりに難しい理由なんていらねぇだろ。
誰だって心配するよ?
宿に残ってる皆だって、心配してる。
[ミハエルから不思議そうに聞かれれば、こちらも不思議そうに答え。
何も考えず飛び出してはきたけれど、宿に残った面々それぞれある程度の人となりは知っている為そう言い切れた。
ブリジットまで追いかけてきていることは知らなかったが。
ミハエルから信じたい者もいないと答えられれば、哀しげに眉を寄せたが、それでも緩く頭を振って。]
そんなこと、自分で言わないで。
自分から言っちゃったら、本当に誰も信じられなくなるよ。
ねぇ、私は……―――――
[言葉途中でふっと瞼が落ちると、
妻の身を潰さないようにと辛うじて動いた身は
食堂の机、並べられた料理の間に突っ伏すように
*浅い眠りに落ちた*]
ン――――…そっか
…僕はね、今までいろんな人達に助けられてきたんだ
[簡単には信じられないと紡ぐ少年の言葉。
揺らぐ翡翠を見止めながら、娘は自分の事を語りだす。]
人の厚意に縋って生きてきたみたいな物だからさ
…僕は―――人を疑うよりは、信じたいのだよ
今までお世話になった分を、貰ったものを何時か返せるように
若しかしたら裏切られる事もあるかもしれないけど、
でも、そうして拒んで一人ぼっちなってしまうのは、もっと厭だから
[ゆるりと顔を振るい、娘は眸を細めた。]
私も、お父さんだから、ね。
[揺れる意識の中、聴こえる聲にそれだけを返す。]
ねぇ、私は……――――
[その先続く言葉は、表と同様に*途切れた*]
其れを聞いて安心した。
こっちも無理はしねぇよ。
特にグラォシルヴには気を配っておくから。
[少しでも心配を減らそうとヴァイスルヴに聲を紡ぎ]
惑わす事が出来れば上々。
……お前さんの遣りやすいようにで十分だ。
[子に語りかける母の聲が聞こえればゆると目を伏せる]
―――だってそのままじゃ、何時までも寂しいままだよ?
[娘は肩から細い腕を放す。紅い痕残る、手当てされた手は、何時しか少年の手をぎゅっと握り締めて。]
―宿屋 食堂―
[夫の言葉>>147に、とりあえず一定の納得はしたようだと判断して、
そうねと返したが、幼馴染の眉間に眉根は更に寄ったかもしれない。
だがそれに何を返すまえに、眠いと訴える夫の声にそちらを向いて]
ゼル?眠いのなら―――
[声をかけたが、そのまま体が傾いでゆく。
慌てて受け止めようとした手は、夫が自ら避ける>>151ことですり抜けた。]
ゼル!?
[がしゃんと食器が揺れる音に、体がびくりと跳ねる。
急に倒れた夫の背に手を当てて揺り動かし
様子を伺うが、目を開ける事はなく、
どうしようと、やや泣きそうな顔で、幼馴染を見た。]
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