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……兄貴 …っ
あにき、マクシームが、マクシームのにいさんが、
[家の中に、兄を呼ぶ。
身体が一気に冷える心地がして、カタカタと震えた]
…ううん、ううん。
だって獣なんでしょう?そうでしょう?
やだ…ボクも確かめる。だって……、カチューシャが、
カチューシャの、代わりにも、
[行かなくては。と、止められても言い張った。
広場へと赴く。───白い敷布を染める、夥しい赤を見た]
…っ……!
[その光景に、思わず口を覆う。咽るような濃い血の匂い。
がくがくと震える身体を、自ら抱くように強く掴んだ。
それでも震えは止まらずに、地面が揺れているような心地すらする]
こんな…、本当に……?
[独り言のように呟く、それへ返る声はあっただろうか。
あるにせよ、縫い止められたように広がる血の赤から目が離せない]
ああ……
[血の匂いが誘うように甘く香った。
もう冷えてしまったそれ。
昨夜は暖かく、なんて甘美だったことだろう。
あの肉体の血を啜り上げ、柔らかな肉を喰らった。
それなのにまだ、あれほどの血を彼は残していたのだ。
勿体無いと思った。
身体が震える。
押さえ付けないと、また再び喉が鳴りそうだった]
[随分と長い間俯いていたから、空が瑠璃色に白み始めていたの気づかなかった。
人の気配に顔を向ける。取り乱す事は無い。
噛み締めたくちびるだけが、心情を語るよう]
…出来る事、ある…?
[ユーリーが死体を動かすと言うのには、小さく告げるが。
自分ができることなんて無いだろう事は知っていた]
[幼馴染の存在に気付けたのは、車椅子が高く鳴ったから。
キイと高く鳴いた車椅子の音に、
漸く赤く染まった敷布から視線を引き剥がす]
……ロラン、
[名を呼ぶだけが精一杯。
傍らへ寄り、支えを求めて車椅子へと震える手を伸ばす。
堪えきれずに顔を伏せた。髪が顔を隠してくれる。
視界が遮られるのが、ありがたかった]
―― 広場 ――
[キリルの呟きに男は一度目を伏せる]
残念ながら――…
[本当、という言葉への返し。
ロランの尋ねには少しだけ表情を緩めた]
ありがとう、ロラン。
キリルの傍に……
[言い掛けて、チラとイヴァンを見遣る。
暫し考えるような間をおいて]
嗚呼、カチューシャの見舞いをお願い出来るかな。
後でくるとは言っていたけど――…
キミやキリルが一緒の方が安心できるだろう。
……っ、ロラン…
[ひくりと喉が鳴った。
啜り上げるようにした声は、涙声のようになる。
堪えようと、ボクはぎゅっと唇を噛み締めた。
幼馴染の手が、優しく髪に添えられる。
昨日イライダが飾ってくれた白い小花のピンは、
今朝は髪に咲いていない]
…辛い、ね。
[頷く。
白い花、という言葉にも。
むせる程の血匂は、恍惚とした笑み浮かべてしまいそうで
それを堪えるのもまた、辛い。]
辛い、ね。
[キリルの髪をそっと撫でるのは、数度だけ。
ユーリーの言葉に視線を向け、小さく、頷いた]
…ん。
キリルも、行く?
[カチューシャの姿はここには見えず。
お見舞いというからには家だろうと、そちらをチラと見た]
カチューシャ…、
カチューシャも、もう、知っているの。
[ユーリーの声に、顔を上げないまま呟いた。
車椅子を掴む手に、きゅっと力が篭もる。
より深く視線が落ちた]
……カチューシャ…、
[やはり、兄と妹のふたりきょうだい。
彼女は今、一人きりでどうしているのだろう]
…ん。
[ぎゅっと、強く車椅子を掴む。
一度伏せた顔は、再び上げるのが怖い。
やはり。と、返る同意に笑みが浮かびそうになる。
場違いな表情を浮かべてしまいそうだった]
…───、うん。
[顔を伏せたまま、こくりと頷いた。
一度伏せた顔を、再び上げるのが怖い。
顔を上げればきっと、また広がる赤を見てしまうはずだった]
一緒に行きたい。
[震える声で告げる]
[ロランの視線がカチューシャの家へと向くのに気付く]
――…多分、部屋に居ると思う。
調子が悪そうだったから運んだんだ。
[扉の鍵は無論かけられずにいたから
あいているだろうこともポツと告げて]
きょうだい、だからね。
真っ先に、知らせたんだ。
[キリルの呟きに、肯定の言葉を向ける]
― 自宅 ―
[しばらくの間、涙が流れるままに嘆き。
とりあえずというように涙が止まって、ボーっとしている。
それからのろのろとした動きで泣き濡れた顔を顔を洗い。
夜着からベージュのワンピースに着替えた。
クローゼットの中には、黒い服もある。
でも、まだそれには手を通す気にはならなくて。
せめて兄の死を見てからにしようと思った]
…ん。
ありがと…
[キリルの言葉に小さく頷き、ユーリーに礼を置く。
車椅子を動かしたいと車輪に手を掛けて幼馴染を見遣り、
体重退けられればカチューシャの―マクシームのでもある家へ体を向け。
ふと、その前にユーリーの脇に一度近寄った。
そっと伸ばす手は彼の腕に、避けられなければ触れて]
…ありがと。
[小さく、もう一度礼を重ねる]
――…いや。
ミハイルがみつけて、知らせてくれた。
一緒に火の番をしていたらしい。
[その光景はみていないから伝聞の形になった。
男はマクシームの方を見ながらキリルに答える]
[腕に触れるは人のぬくもり。
視線を下げればロランの姿が見える]
――…いや。
二人のこと、宜しく頼む。
[感謝の言葉に目許を和ませて
頼りにしているという言葉の代わり
小さく、そう告げた]
そ、なんだ……
……うん。
[広場で彼らが、火の番をしてくれていたことは知っている。
ユーリーの言葉にこくと頷いて、幼馴染の視線にも頷いた。
支えを失って堪えきれず、自らの腕を掴む。
車椅子が動きに従い、キイと高い音を立てた]
……っ、
[唇を噛み締める。
顔を上げないまま、マクシームの遺骸に頭を下げた。
黙祷での祈りを捧げて、ロランの車椅子へと目を向ける]
―― ちょっと前 現場/朝 ――
[呼びに来てもらったユーリーとロランの姿。
目に入らないように旧友の死を悼んで泣いた]
ごめん、シーマ
……ごめん
[謝り続ける。ユーリーから謝罪の意味を問われて]
シーマ
俺が………俺は
[確かに自分が下手人ではない。
だが、どうしたって責任は感じてしまう。
あの遺体を白日のもとにさらさなければ。いや、狼対策を真面目にやっていた友人と歩調を合わせていれば。人狼に効くかは知らないが、獣避けの香料などは持っていた。だが効果なものだ、獣害が本格的になる冬場に向けて無駄遣いはしたくなかったから出さなかった。篝火の設営にも必要最低限しか協力しなかった]
[けれどそれを言ったところで何になるだろう。
友人をもっと苦しめるだけだから、そこで言葉を止めた。周囲からどう聞こえるか、どう見えるか、それにかかずらってはいられない]
…ん。
[ユーリーの言葉に、少し和らげた目元は赤い。
濡れた睫毛が瞬いて、小さく、判ったとの意を告げる。
キリルの言葉に、ゆるく振りむいて、また、頷き]
――お願い、できると嬉しい。
[車輪から手を離した]
―― 少し前 ――
[イヴァンから謝る理由は聞けなかった。
幼馴染の潔白を知る男は困ったような表情を浮かべる]
シーマの死はお前だけのせいじゃない。
僕だって、あいつについててやらなかった。
[男もまた後悔していた。
吐息まじりの言葉を吐き出し、
薄いくちびるを噛み締めて口を噤んだ]
…ありがと。
[幼馴染に小さく、礼を言う。
車椅子の押し手に震える手を添えた。
掴まるものが何かある、それだけでもまるで違う。
一度鼻を啜ってから、車椅子を押す。
がたりと押せば、車輪がまた高く軋んだ]
[台所のテーブルの上には、濡れふきんをかぶせておいたサンドイッチがそのまま残っている。
兄の部屋も昨日のまま。
―― 一人きりでいる家は、がらんとしている]
……っ
[ぎゅ、と手を握り締めて感情を抑えた]
[ユーリーの腕から離れる手は名残惜しげに空を泳ぐ。
車椅子を押してもらい、カチューシャの家へと向かう。
背後に歩く幼馴染の手が震えて居る気がして、
そっと、自身の肩の上から伸ばした手を、彼女の手に重ねようとした]
…カチューシャ、いる…?
[家の外から紡ぐ声は、小さく。
届くかは判らないけれど、かけずにはいられなかった]
[狭い村のこと、広場からの距離はさしてない。
がたりごとりと車椅子を押し、向かう先はカチューシャの家]
……なんて言おう…。
[途中、ぽつと問う風でもなく呟いた。
さらりと向かい風が吹いて、血の匂いをさらっていく。
ボクは漸く顔を上げて行く手を見た。
カチューシャの家が目に入り、また少し顔が歪んだ]
…カチューシャ、辛いね。
きっと…泣いてる。
[空が白み月の光が陽光に負け始めれば、理性が頭を擡げ。
進めば血の臭いは薄くなり、それもまた作用して
呟く声は、何時ものロランの物となっていた。]
―― 少し前 ――
[ユーリーに首を振る。
確かに後悔しているのは自分だけじゃないだろう]
ありがとう
[それでもしばらく気分は自責から離れそうにない。
どこかに遺体を運ぶと彼が言うのを聞けば]
棺になりそうなものを探してくる。
このまま外には置けないだろう。
木の下でなく、どこか室内がいい。
[そういって、ふらりとその場を離れていく。
それはキリルがやってくる少し前のこと]
…うん。
[血の匂いが薄くなる。
夜は昼に、その座を明け渡してゆく。
それに従って戻ってくる人の性が、ボクの顔を歪ませた。
震える手に添えられた、幼馴染の温もりが暖かい]
───…泣かせて、しまった。
[ぽつりと落とす]
『 そんなにきつく握ったら
手に爪あとが残ってしまう。 』
[優しい声を思い出して、握り締めていた手から力が抜ける。
悲しげな吐息を零して、誰も食べる人が居ないサンドイッチから視線をそらした。
幼馴染二人がむかってきていることは知らなかったけれど。
気持ちを落ち着けるためにお茶をいれようとして]
――?
[名前を呼ばれた気がして首をかしげた。
扉のほうへと視線を向けたときに薬缶が甲高い音を立てて、起きていることを扉の向こうへと知らせた]
[最初に喰らったのは旅人だった。
次に喰らったのは、幼馴染の兄だった。
夜が明け、ボクはその差を思い知る。
最初はやはり、どうあっても外の人間だった。
親しくあっても村の人ではなかった。
けれどマクシームはカチューシャの兄。
幼いときから見知る、村の大切な一員だった。
その重み、その大きさを昼になり知る。
───手が、震えた]
[カチューシャの家の中から、音がしたから眠っているわけではない事が判る。
ドアノブを開けてほしい、と、目だけでキリルへ向けた。
キィ、と高いいつもの音が、誰がを報せてくれるだろう]
…お邪魔、するよ?
[扉を開けてもらえれば、小さく置く言葉]
[彼女の震える手へと重ねる手に、力を籠める。
きゅ、と、少し痛いくらいに]
…飢えると、しんでしまうから。
[彼が死ぬか自分達が死ぬかだったのだと。
言いわけのように告げる言葉は、自身へも向けてのそれ]
俺は、後悔はしてないよ。
[低く添えた]
―― 村はずれ ――
[この村には樵はいない。
ただ、薪炭材用やその他の目的に使うために時折森から木を切り出していたし、先日の旅人を弔うためにいくつか板を用意していた]
……………
[時折手や動きを止めながら、それでも体を動かしていたほうがマシだった。村外れの材木置き場で、友人を弔う支度を淡々と行っていた]
[歯を食いしばり、目元を袖で拭いながら]
……ん。
[きつく、強く手が添えられる。
手の甲が白く、それと微かにしるすほど]
───…ん。
[どこか言い聞かせるかの言葉に、一度目を閉ざして頷く]
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