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(……神父様は、この書状を見て。
どう、なさる心算だったのか……)
[誰に対しても平等に優しさと厳しさ、慈しみを持って接していた老神父。
この村の平穏を常に祈っていた彼の人にとって、この内容は酷く辛く、受け入れ難いものであったはず。
今となっては推測するしかできぬその心の内を思い、ため息をついていると、団長から声をかけられた]
……何か。
この、書簡の内容について?
いえ……俺は、何も。
[投げかけられたのは、この書簡に記された件について、老神父から聞いてはいなかったか、という問い]
そも、聞いていたなら。
……相応、落ち着いた態度でいられたとは思いますが、ね。
[素っ気なく言い放つ天鵞絨には険しいいろ。
団長はそれを真っ向から見返した後、傍らを離れて行った]
……ったく。
[離れて行った団長を睨むように見送った後、ひとつ、息を吐いて。
広間の中を巡らせた視線は、物思う態の姉>>50の所で止まる]
……姉さん。
大丈夫……?
[しばし言葉を探した後、そっと呼びかける。
肩からとんっ、と降りた茶猫がその傍らまで駆け寄り、案ずるようになぁう、と鳴いた]
― 集会場・広間→浴場 ―
大丈夫そう、かな。
じゃあ、ユーちゃん。ボクお風呂いくから、誰も来ないように見といてね。
[特に誰も風呂を使う様子がなかったので、ユーディットにそう頼んで浴場へ向かう]
しっかし、人狼…ねえ。
やっぱり実在はするんだろうけど、ここにはいるのかなぁ。
[途中、そんな呟きをこぼしたのは他の誰かに聞こえたろうか。
他の大概の面々と違い、その存在自体をお伽噺とは言わない。
だがここに集められた中にいるとは信じていないようだ]
─ 集会場 広間 ─
…………。
[返された答え>>56に、ほんの少し眉が下がった]
ここで、『大丈夫』って言われたら、怒る所だった。
[小さなため息と共に吐き出したのは、こんな言葉。
茶猫がなぁ、と鳴いて、尻尾を振る]
心配するのは、当然だろ。
……姉さんは、すぐに無茶するんだから。
[無茶の引き合いに出すのは、大抵は子供の頃のこと。
他の子供たちと騒ぎを起こした時、大抵は力負けしていて。
そんな時に決まって飛び込んできた姉のお陰で、ハリネズミの如き少年は、その棘を下ろす事を覚えた、とも言える。
主に、無茶を見たくない、させたくない、というのが理由……かも知れない]
……必要なら、タオ、連れて行っていいから。
休めそうな時に、ちゃんと、休んで……少しでも、ゆっくりして。
[向けられた笑みは平静を装おうとしているようだが、無理をしていないはずがない。
が、直接言葉でそれと問いただしはせず、静かな口調で、こう告げる。
それに同意するように、茶猫がなぁう、とまた鳴いた]
― 浴室 ―
[部屋から着替えを持ってきて、脱衣場で服を脱ぐ。
17歳の女子としては比較的高めの身長と、発育不良気味の胸は、男として振る舞うには適しているのだが、女心としては複雑なものがある。
服を脱ぎ、鏡の前に立てば、いつものようにため息がこぼれるが。
今回のため息は、いつものように体格的なコンプレックスによるものだけではなかった]
………まさか、ねえ。
[鏡に映る自分の姿。
その右胸に、生まれた時からある青い痣のようなものを、まじまじと見つめた]
あー…、やっぱり?
[我慢して『大丈夫だ』と答えた場合は、弟の怒りが待っていた、と言うのを聞いて苦笑する。
鳴いて尻尾を振る茶猫へは、手を伸ばして撫でようと。]
あれは無茶のうちに入らないよぉ。
[と、からりと笑った。
ちゃんと木の棒を持って乱入し、どうしても駄目なら急所を狙うことをしていた。
が、端から見れば無茶には変わりなく。
父からのお説教はローザもされていたのは、丸っきり余談である。]
……うん。
ちょっとタオ、借りて…着いて来て貰ってもいい?
[弟の申し出と、本猫からの主張(?)>>58に頷くと、
広間に置きっぱなしだった荷物を取って二階へと行こうとして。]
……あ、一応火から降ろしてあるけど、台所にオニオンスープあるから。
みんなで食べて?
[行きかけて思い出したように、スープの事を言い置いてそのまま二階へと向かう。]
そう。これは月に愛されたもんだけが使える秘密の力さ。
まー、迷惑な愛だと思う奴も多かろうが。
[返事は青年が上へと姿を消してから帰ってきた。
遠く離れていても、その声は届くだろう]
―個室→1F廊下―
さーって、やることやったから、散策すっか。
一人でうじうじしてても気ぃめいっちまうわ。
[当たり散らすようなことをしてもどうなるわけでもなく。
そういえば朝から何も食べていないせいか、お腹もすいてきた。二日酔いで頭ガンガンしなければ、こんなものである]
広間にギュンターのじさまがいなきゃいいがねえ。
[ゆるり、部屋を出て、階段を降りる。廊下では、立ちんぼしているユーディットがいただろうか。兎も角も、誰かが浴室を使用していることには気付き]
石鹸持って入ったんだろーか? ここないぜ。
[――かのオリーブの香りはマイ石鹸だった。*]
─ 集会場 広間 ─
当たり前だろ、それは。
[苦笑する姉>>60に、きっぱりと言い切った。
無茶に関する反論には、じとり、という感じで天鵞絨を細めるものの。
姉がそうしてくれた事、それ自体には、感謝しているから、それ以上は言わず]
ああ、構わないよ。
[着いて来て、という申し出に頷きながら茶猫を見る。
撫でられてごろごろと喉を鳴らしていた猫は、了承の意を込めるようになぁ、と鳴いて。
二階へ向かうのにちょこまかとついていく]
ああ、わかった。
……食べられそうになったら、姉さんも、ね。
[オニオンスープについてはこう言って頷いて。
ついでに、釘刺しもしておいた]
─ 回想・団長が来る少し前 ─
あら、ミハエルのお付きで来てるわけじゃないの?
あんまり有難いことでもないけれど…不幸中の幸いってところかしら。
[アリバイが無かったことを有難いと笑顔で言い切るユーディット>>297自身も容疑者だとしると驚きに目を丸くした後、苦笑に変えて。
続いた言葉には、あら、と声を零し。]
言われてみれば確かにそうねぇ。
本当、手当り次第に集めたみたいな…物騒?
[半分くらい女の子という言葉に集まった面々の顔を見てから、またユーディットに戻して頷いた。
ユーディットの性別については知っていただろうか、どちらにしても言及することは無く。
神父様のことについては詳しく説明されなかった為に物騒というのが何を指すか一瞬わからず目を丸くする。
が、重ねて問う前にローザに気付き話しかけに行ったため、ユーディットとエーリッヒの会話を耳にすることはできなかった。]
― 浴室 ―
……あれ。ここ、石鹸ない?
[体格とか胸のなにかとかにため息を溢しつつ、湯を浴びようとしたところで。
浴室に備え付けてあるかと思っていたものが無いことに気づいた。
ユーディットが廊下にいるようなら、持ってきてもらったかもしれないが。彼が廊下にいないなら、軽く濯いで体を温めるだけですませただろう。
もしかしたら、胸から下にタオルを巻いて廊下に顔だけ出している姿を、(ユーディットが廊下にいてもいなくても)誰かに見られたかもしれないが]
─ 個室E ─
[蹴り飛ばした椅子はそのままに、ベッドへと腰掛け紙巻煙草を取り出す。
1本を消費する速度は異様に早く、苛立ちの度合いを象徴するかのようだった。
1本、また1本と、箱に保存された煙草の数が短時間にどんどん減って行く。
最後の1本を吸い始めた頃、ようやくいつもの吸い方へと戻って行った]
………ああくそ、腐った連中ヤんのと訳が違ぇっての。
[口に煙草を銜えた状態で呟く。
右手は左腕の烙印を服の上から擦っていた。
『幻燈歌』をなぞると言うことは、それなりの手段を用いなければならぬと言うこと。
烙印を捺された身としてはその手段が無いわけではないのだが。
集められた面子が面子であるため、躊躇いは大きい]
…まだ完全にこの中に居ると決まったわけじゃねぇ。
逃げた可能性だって十分に残ってるじゃねぇか。
[ここでしばらく過ごして何も無ければ、集められた中には居ないと言えるはずである。
ようやく落ち着いて考えられるようになった時、運悪く最後の1本が口許で果てた]
あー……しゃーねぇ、追加来るまではお預けだな。
[やっちまった、と頭を掻き、燃えカスを片付けるとベッドから立ち上がる。
蹴飛ばした椅子を足で戻すと、階下へ向かうべく部屋を出た]
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