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―自宅―
[もうずっと…一人きりで暮らしてきた家。
いつも以上に静かなものだった。
開かれたローズウッドの扉。]
そういや、…一昨日の晩はロランを泊めたんだったな。
[母親が使っていたベッドへとキリルを寝かせた。
胸元に赤黒く咲いた花に視線を落とす。]
イヴァンには…会えたか?
[返事など返ってくるはずもなく…。
ベッドに背を預けるようにして、腰を下ろした。
傍らには、猟銃を置いて――。]
[呼べど返事はない。
聞こえていないか。
それとも会いたくないか。
分からぬまま、飴色を掻く]
――…みつかれば殺される、と思ってる、か。
[ぽつ、と呟いて花色を閉ざす]
…ごめん。
[何に対して謝ったのか。
ロランの表情は少し虚ろで、疲弊を見せていた。
ゆるゆると頭を横に振り]
――キリルの体、どこにあるか、知らない?
[できるだけ低く淡々とした声で紡いだ。
黒銀の狼の首を撫ぜると、唸り声は止まる]
[ロランの虚ろな表情に、痛みをこらえるように眉を寄せた。
低い問いかけには小さく首を振って]
ミハイルさんが、連れて行ったから……
あたしはしらない……
[ロランが撫でて、唸りがとまる狼を見る。
それからロランへと視線を戻し]
――もう、戻れない……?
今からでも、やめられない、の……?
[幼馴染を失いたくはない。
そんな気持ちが表情に滲んで、じっとロランを見つめた]
[小さく首を振るのに、そっか、と呟いて。
すぐに踵を返そうとしたけれど。
カチューシャの視線に視線を絡められ、動きを止める]
…キリルの事は殺すつもりだったんでしょ?
じゃあ、俺の事だって殺すってちゃんと思わなきゃ。
[カチューシャの表情が必死に見えて。
思わず、少し眉を困った風に寄せて、声を返してしまった]
ユーリーを…信じるんでしょ。
っ、……それ、は……
キリルのことも、止めてくれるなら……ユーリーさんを説得しようとはおもって、いたよ。
――嫌だよ……おにいちゃんも、キリルもいなくなったのに。
ロランまで、居なくなるの……?
[当たり前に大切な人たちが傍にいた時間は遠い。
ぎゅ、と皮の水筒を抱きしめ]
ユーリーさんを信じていても、
生きていてほしい、って思うんだもの……っ!
[叫ぶような、悲鳴のような、そんな訴えがこぼれた]
[幼馴染の叫びが、突き刺さる。
胸元をぎゅと握って少し前によろけかけた。
目を閉じる。ぐ、と、強く唇を噛締めて、顔を背け
ぐい、と目元を拭った]
――カチューシャ、…ごめん。
俺、…有難う……そう言って貰えるのが、
とても…嬉しい。
[震える声で告げてから、ゆると顔を向ける。
真っ赤な目は、少しだけ笑っていた]
けど…
[続ける言葉。眉を下ろし、困った声。
ふるふると頭を横に振る]
…やらなきゃいけないことがあるんだ。
キリルを探しに…ミハイルのとこ、行ってくる。
[遠くから、名を呼ぶ声が聞こえた気がする。
人の耳では聞く事叶わぬ程微かなそれが届くのは、
人でない事を自覚させる、一端で。
ガサリと音をたてて身を翻した。
行き先を告げてしまったのが何故だったのだろう。
――――考えるだけの余裕は、とても無かった。]
ロラン……
[泣きそうなまま、ロランを見つめて。
嬉しいというロランの笑みに、安心しかけたけれど。
続く言葉に瞳をみひらき]
やらなきゃいけないことって……
――待って、ロラン……っ!
[問いかける前に、彼は行ってしまった。
すばやい動きで茂みにまぎれて離れたロランを追いかけたけれど。
森に入る前にその姿を見失って]
……ミハイルさんのところに行くって言ってた……
ミハイルさんに、会わなきゃ……
[呆然としかけたけれど、ふるふると首を振って気を取り直した。
まだ、まだ時間は、あるはず――]
[ミハイルの家の裏側へと回る。
それは、イライダを襲う時にそっと抜け出した、
泊めてもらった部屋の窓を覗きこもうとして、身を離した。
中に人の気配を感じる。ミハイルだろうと思う。
もしかしたら、ユーリーかもしれないとも思う。
うろうろと周りを巡る様子に少し警戒が薄いのは、
先程カチューシャに会ってしまったからなのだろう]
――。
[何か、感じた。
旅人を弔った日に感じた、森の中の違和感に似ている。
獲物を狙う側から、狙われる側になったようなそれ。]
来た、か…?
…約束を、違える訳にはいかないから。
これだけはしないと、…
[呟いて息を吐く。
意を決して、狼の後ろ足は大きく跳躍をした。
ガシャアン!と高い音を立てて窓ガラスが割れ、
その身はミハイルの家、ローズウッドの扉の部屋へと踊りこむ]
[それでも、ミハイルがどこにいるのかは知らなかったし。
駆け出す気持ちに寝不足の体はついていかなくて。
早足程度の動きで森から離れようとしたとき、川の方から音が聞こえた気がして振り返る。
視界に入ったのは、狼か、それともユーリーだったろうか]
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