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おらは、優しくなんてなか……
[小兄の言葉を否定して]
[まるで先のねえさまのよう]
[そんな言葉に見た先で]
[高くたかく、鞠があがる]
ふうれんにいさま……
おら、ほんま、にいさまが好きよ?
おやまあ、童の頃とは。
何かしら思い出しにでもなったのかな。
[差し出されたそれを見遣り手を伸ばす]
せっかくだから、頂くとしようかな。
此方は花の冠を作ったことはあるけれど、
其方の風の車は作ったことはないからね。
やさしいよ?
[ゆる、と首を傾げつ、言って。
再び、ひょう、と鞠を空へ。
回る、まわる、鮮やかなる朱と金の紋。
次がれた言葉は、聞いているや、否や。
紅緋が向くは、ただ、華の紋]
それはお目出度い、
と言うべきなのかしら。
[こてりと首を倒して、くるりと回す風車]
此方は未だに霧の彼方、
深く深く煙る白の向こうに。
多少晴れて来はしたようだけれども。
おらは、ちがうんよ
おら……
おらは、
[投げられた鞠の行方は追えず]
[手のなかにある石をみて]
やさしいんは、ふうれんにいさまじゃぁ
[やがて摘むものもつなぐ言葉も何もなくなり。
ふ、と小さく息を吐けば思い出したように梔子の布を解く。
すっかり編み癖のついてしまった髪を解けばそれこそ波のようにふわりふわりと夜の風にあおられよう。
その髪を一房つまみ上げて蜜色はそれを眺めていたけれど]
…。
[ふい、と髪を後ろへと投げやり同じように頭のてんこで布でまとめた。
そしてゆるりと立ち上がる]
[伸ばした手に、華の紋を受け止める。
紅緋の瞳は、どこか困ったよな光を映そうか]
ねいろの方が、優しいよ?
[くすくすと、笑う。
それは、楽しげにも、哀しげにもとれようか]
心次第か。
確かに、その通り。
何方に向いているかは知らぬけれど。
[紫黒は同じように二つの色へと向けられて]
はてなさてな、
濃色の童はわからぬけれども、
臙脂の童は小ねえさまがどうだとか。
なにゆえ、鈴の音に応えたのだろうかね。
おらは違うんよ
[川のせせらぎ]
[笑い声]
ふうれんにいさま……
お歌、うたってけん?
[それを止めたくてか]
[それともただ聞きたくてか]
[口にして]
……違うの?
[それは、童には意外にも思えてか。
笑いは静まり、不思議そな言葉が転げ出る]
唄?
……よいよ。
[続く音彩の言葉に、ゆる、とまばたいて。
こくり、頷き、てん、と一度鞠をつく]
ひいや ふうや
みいや ようや
いつやの むさし
ななやの やくし
ここのや とおや
[響く唄。
鞠をつく、音。
霞揺らめかす風は運ぶか、幼き声を]
[なにゆえ、との言葉には、けらりと笑い]
さてさて、神隠しに遭うて帰らぬは、現と縁の薄い子でしょうかねえ?
いや、子供だけとは限らぬやも。
[悪戯めいて、女を見やる]
[雅詠の前をまっすぐに抜けていく。
襖をぱたんぱたんと開けてゆけばそれはそのまま反対側の縁側へと続く。
そこまですれば満足だったのか、月の明り煌々と落ちる板間の上で空を見揺れば白く細い手が太刀の柄へとすべり、そして──すらりと抜く。
ひと ふた み よ 。
音律はなく、かといって歌も無く。
ただそれは緩やかに太刀が月の下の空気を切り取っていたから舞とわかるようなものだろう]
違うん
じゃって……おらは、
[しかし、続きは口にのぼらず]
[てーん]
[つく鞠の音に、やさしいこえ]
……みいや ようや
[小さくちいさく、口が動いて]
……ふうれんにいさまの、お声、好きじゃぁ
[途切れた言葉は届くや否や。
紅緋はひょう、と空へ舞った華の紋を追う。
伸ばした手は、それを確りとかき抱き]
舞弥のにいさまの他に言われたのは、初めてだ。
[くすくすと、楽しげに。
ごく何気なく、誰かの名を紡いで]
はてなさてな、
縁が薄いのかも知れぬし、
未練がないかも知れぬね。
[三日月の如くに眼を細めてくすくすと]
けれども、それが好く思い出せぬというから困りもの。
[終わった歌に、今度はようやっと、その姿を見ようか]
[鞠はしっかり腕にある]
にいさま?
ふうれんにいさまも、にいさまがおられたの?
[小さく首を傾げて]
[その姿を見上げ]
本当に、困っておいでなのですかねえ?
[零れる声に、肩を竦めて、しかし咎めるふうもなく]
さて、そろそろ夕餉を頂きに戻るとしますか。
あやめ嬢はどうします?
[問いかけて、軽く首を傾げる]
[投げられた問いに、ゆる、と首を傾げ。
何か、想うように紅緋を伏せる]
……うん。
舞弥のにいさま。
風漣を、お守りしてくれ……た。
[意識の霞、その淵に。
ゆらり揺らめくは面影か。
露草色の髪の、若人の姿が揺らめいて、消えて]
やさしい、にいさまね。
[どこか、思うような小兄の邪魔をせぬようにか]
[声は小さく]
ふうれんにいさまの、にいさま。
まいやにいさま、いうんね。
[にこと、笑って]
[と、視線を送られるのに気付けば]
……あやめねえさま?
なんじゃ?
[首をかしげて]
[小さな声に、うん、と頷く]
そう、舞弥のにいさま。
[名を口にする時、紅緋の瞳はどこか嬉しげか。
それは、思い出せた事への喜びか、それとも]
……あやめのねえさま?
[それから、音彩の言葉にその視線を追い。
こちらを見やる姿に、ひとつ、まばたく]
[なんともなしに黙りこくってどれほどの時が過ぎたか―
揺藍が立ち上がるのを見て、夕餉に向かうのかと腰を上げかけ―襖を開けながら通り過ぎる姿に再び腰を下ろす。
やがて始まりし剣舞にはただ*息を呑むばかり*]
良いにいさま、なんじゃねぇ?
ふうれんにいさま、嬉しそうじゃけ
[ちらと向けていたあやめねえさまのところには、大兄の姿]
からすにいさまも。
おかえりになるんかのぅ?
お守りしてくれたから。
舞弥のにいさまだけは。
[にこり、と笑いつの言葉、それには如何ほどの意があるや。
紅緋の笑みからは、計り知れぬか]
烏のにいさま。
にいさまも、遊んでらした?
[近づいてきた烏の言葉に、ゆる、と首を傾げ]
ゆうげ。
お食事、おらも食べたか!
[にこっと笑って、立ち上がる]
からすにいさまも、お遊びじゃったん?
[それから、同じ言葉を問うた小兄を見て]
おらも、ふうれんにいさま、お守りするけ。
[にこと、笑って]
みんな、いっしょにごはんじゃの?
ほぅら、坊やたち。
烏がなくから戻ろうか。
そうそ、皆で一緒に夕餉の時間さね。
[くるくるり、かざぐるまを回しつつ*わらう*]
[お守り、という音彩の言葉に、掠めしは曖昧なる笑みか。
それには、何も答えはせずに]
そうだね、お食事。
みなで、一緒に。
[みなで、という言葉には、奇妙に力が込められて]
うん、お食事。一緒にしよ!
[嬉しそうに小兄に笑みかけて]
[はっと白の花びらを、思い出すはあやめの顔でか]
[きょろ、きょろとまわりを見て]
[小さく走ってそばに寄る]
あやめねえさま、これ。
おらより、ねえさまのほうが似合うけん
[頭から冠を取ると、背伸びして彼女の頭に乗せようとする]
[しかしやはり、届きはせずに]
ああ、遊んでいたよ。
今日は森の方に行って来た。
仔うさぎが、たくさんいたから、坊達もいつか見に行くといい。
[大人に接するそれとは異なる瞳の色は、昨日までより、更に和らいでもいようか]
[嬉しげな音彩に、笑みつ、頷き返す。
そこには、それまでの陰りめいたものはなく]
森?
いきものが、いるの?
[烏の言葉に、紅緋の瞳を好奇で煌かせつつ、続くように歩き出し]
[ねいろの言葉にけらりと笑い]
いじめないとも。いじめるように見えるかい?
[風漣の問いには頷きひとつ]
ああ、たくさんいるようだよ。みんな大人しい動物ばかりだったから、坊達でも危なくはなかろうさ。
[やがて、館の入り口をくぐれば、童子達が差し招くまま、座敷にあがって縁側の楽無き舞を目にするか]
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