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[ウェンデルのみじかい肯定に、まなざしを伏せつつうなずいて]
ごめんなさい。
…これを見てるのは、ちょっとつらいわ……。
[深呼吸でおちつこうとして、吸った血のかおりに眉をひそめた]
しずかなところで、すこし、心をおちつかせてくるわ。
団員さんにきかれたら、森だって伝えてちょうだい?
[ウェンデルが伝えなくても、さがしはするだろうから、断られてもかまわなかったが。
さすがになにも告げないよりはマシかとも思い。
そうしてから、森へと*向かった*]
まだ、あの宿屋の男の人の方が美味しかった。
[文句らしきには、思い切りの同意]
[そのどちらもほぼ食していないのは、美食ゆえにか]
学校の時は、美味しいの選び放題だったと思うと…。
溜息しか出ないね。
まだ、愉しめたから良いけれど。
[改めての希望を聞かれ、少しばかり考え込む合間]
今日は、良い。
逆に食欲無くした気もするから。
それに順番としては、ヴァイオラの番だからね?
貴方のやりやすい相手で構わない。
[其処については、口を出すつもりはないらしい]
[或いは其の選択すら、愉しみのひとつであるのか]
そうだ、その時にはヒースクリフは見に来るかな?
[どちらでも構わないという風に、コエは語る]
[それはヴァイオラに対しても]
もしも貴方が遣り辛い状態なら、僕が動くけれど。
僕は気紛れだから、気をつけて?
[そう言い残し、男は惨状広がるその場に背を*向けた*]
−宿屋・客室→酒場−
[けほ、と咳をして。片手で氷嚢を額に当てながら起き上がる。]
風邪なんて…何年振りでしょう。
油断、してしまいました、ね。
[溜息混じりに呟き、酒場に行って軽い食事を頼めば、野菜入りのお粥が出てきて。
ボーっと食事をしていると、アーベルと顔色の悪いクロエの話しが聞こえてきた。]
困っている人々が居れば、力になるのが騎士というもの……
早く治さないと……
[リッキーが用意してくれた薬を飲んでからそう呟く。
すぐにでも島内の様子を見に行きたかったが、風邪を悪化させては何もできなくなるので、今は大人しく*寝る事にした。*]
食べられればなんだっていいのですけど…――。
[食事も美味いに越したことはないけれど、特段凝る性分でもなく。
研究以外は淡泊な学者は、ペロリと口の周りについた血を舐めとり、呟く。]
私も今は満たされているので、直ぐに欲しいとは思いませんけれど。
狩りの順番は私でしょうが、
得物の希望は私ばかりが云っていたので良いのかと。
[背を向けた気まぐれだと云う相手に、微かに首をかしげて問い。]
単純に動きやすさを考えるなら、
一か所希望はありますが…――。
[複雑に考えればどうだろうと、考えるような間があく。]
まぁ、今すぐに決めなくても良いでしょう。
周期に入った私でも、1日位は持ちますから。
…――では、お二人とも、お休みなさい。
[ヒースクリフがその場にいたとしても、居なかったとしても。
囁きに挨拶を乗せると闇夜に紛れる漆黒は、
来た道を辿り、窓から自宅の寝室へと*戻ったのだった*]
/*
退席記号つけ忘れ申し訳なかったです(土下座をした)。
[暫くは二人のやりとりを聞いていて、というよりも、彼にとっては聞こえていただけにすぎないかも知れないが。
名を呼ばれれば、そちらに意識を向ける。]
[淡々と向けられた提案に、すぐには答えず。
セザーリオに再度声をかけられ、喉を鳴らしてから]
ん、ああ…頼むぜ。
邪魔にはならねえようにする。
ところで…ウェンデルは違うって、何がだ?
[言葉足らずな会話には疑問を呈し]
……賢くない俺にも分かるように喋ってくれよ。
[お構いなしに続けられる様子に、小さな不満を漏らしたのは聞こえたかどうか]
― 深夜 ―
[再び、名を呼ばれた頃には窓から部屋を抜け出した後。
獲物の名から、恐らくはと詰所付近の闇に潜み]
[暫くの後、無音の中に落ちる足音に気がつけば音もなく。
生きるために人目を盗むこともある身には、容易いことであった]
[声が届く距離までは至らずも、闇の中に複数の影を捉え。
片方がヘルムートかと認識したと同時に、
その口端が上がる姿に臓が跳ね上がるような感覚に襲われた]
[瞬時の出来事に息を飲む暇もなく]
[視界の先には影の主が玩ばれ、物言わぬ人形を化す姿に変わる様。それがのたうち回るだけになれば、その距離を少し詰める]
[微かな哂いの後、ヘルムートと認識していた姿は白金へと変わり。
それはいつか見た人の姿と重なった]
[赤い塊となったモノを貪る姿を陶然として見つめ。
やがて人の姿となったセザーリオを捉えるも、動悸は治まる筈もないほどに]
これが…人狼……。
[人を食らう姿は想像以上に恐怖で。
それを優に超えて妖艶であった。]
[放心の様から解き放たれたのはもうひとつの影の存在。
白金と対に映る漆黒の姿。
セザーリオが愉しんだ後の其から腕を切り離す姿は、
囁きの声の印象を崩さない。
人に形を変えて尚、温を持たない双眸には無意識に体が引いた]
[何か声をかけようと思ったが、先に身の震えに気がついて。
黙したまま世にも恐ろしいお伽噺を脳裏に、闇を切って駆け出した]
― 夜 ―
[寝る、と盛大に宣言したはいいものの眠気がやってくるはずもなく。
やがて無音の空間に耐え切れなくなって、そっと窓から抜け出した]
ったくよぉ……何が覚悟だ…。
[行く宛てもない足は何処へ向けても島民の目に触れて]
はっ、余所モンの容疑者には随分なこった。
[舌打ちを隠さずに足音を荒立てるも。
行き場を失ったその行方は自室へと向けられることだろう]
― 翌朝 自室→酒場 ―
[開け放したままの窓、カーテンが揺れる部屋で浅い眠りから目を覚ます。やがて重い足取りで酒場に向かうと、まずはいつもと同じようにリッキーに水を求めた。
部屋の中に数人の姿を見つければ。
挨拶をしようと息を吸い込んだところで、リッキーにぐいぐいと腕を掴まれカウンターに腰掛けるよう促された。
水を手渡されながら昨夜からの経緯を聞かされる]
本当かよ…。
[信じられない、と言わんばかりの呟きにだったら自分で確かめてくるといいと言われ、少し怖気付いたような色も浮かんだか。
再度振り向いて様子を伺うも、黙したまま。
顔色の悪い赤毛の騎士も含めて声をかける先はないように思われた]
―宿屋―
[問いかける声に、閉じていた目をゆっくり開ける。
目に入るのは、いつになく焦りを帯びたよなフーゴーの顔]
どうして、って……。
[言葉を上手く紡げず、俯く。
どう話せばいいのか惑っていると、名を呼ぶアーベルの声が聞こえた]
……あ。
[大人しく寝てなかったから怒られるかな、と。
場違いな思考が過り、それと前後するよに頭が撫でられる。
いつもと同じ、でも、少し違う感触。
それでも、それは少しだけ気持ちを楽にしてくれた]
……『声』、きこえたの。
ひとが、死んだこと、教えてくれる、『声』。
……でも、誰がか、は、わかんないから。
もし……大事なひとだったら、いやだから。
確かめなきゃ、って……それで……。
[途切れがち、言葉を綴る]
それで……行ったら……爺様、まっかで、まっしろで……。
[口に出す事で蘇る光景。
身体が震え、ぶち猫を抱える腕に、*力がこもる*]
[昨夜の後、初めて目にする姿にぐっと気圧されたか。
目が合えばその色はぐっと強くなったかもしれない]
空腹は満たされたんで?
ヴァイオラ。
[しかし普段と変わらない口調で言ってのければ。
にやりと一瞬、視線を向けた]
― 宿屋→港方面へ ―
…――霊能者。
[宿に泊まっていた者も起きてくる中、
フーゴーの問いかけに答えたクロエ。
その言葉を聴いて、ボソリとその単語を口にする。
果たして半分空気と化していた学者のその独り言を、
拾う者があったのか否か。]
…―――。
[それっきり興味を失ったかのように、踵を返すのは、
震えるクロエを慰めるのは自身の仕事でないと思っているからか、
そもそも、そんなことすら思っていないからか。]
嗚呼、クロエさんを無事に送ったことを
お知らせしておいた方が良いでしょうか。
[ふっとクロエを送る際、すれ違った人。
ウェンデル(他にもいればその人も)を思い出し、
彼がまだ詰所近くに居るならば、一言声をかけてから、
常の日課を果たす為に、淀みなく足は港へと向かった。]
― 宿(酒場) → 詰所近辺・路地 ―
[フーゴーとクロエのやりとりは途中から耳にしても、いまいち要領を得なかったが。
まっかで、まっしろで、と震えるクロエの言葉に視線を尖らせる]
[あまり音を立てないようにして、宿を後にする。
向かうのはリッキーから聞き及んだ詰所近く。
何処かと誰に聞くまでもない人だかりに紛れてその光景を目の当たりにしようと。
周囲に広がった夥しい赤に歩みを止めた。
惨劇の爪痕、初老の変わり果てた姿に薄く開けた目が開く]
……ざまあねえな…。
[搾り出したような減らず口は僅かに震えていたか*]
― 朝方(?)宿屋にて ―
[クロエの応えを待っていると、
ヒースクリフの姿が視界の端に映った。]
…――ええ、今は。
[冷えた碧がチラリと動かし、彼と視線を交えれば、
淡々と応えを返す。]
大丈夫ですか?
[それは、昨晩喰らった姿を見て駆け出したことに対して。
しかし、答えを貰う前にクロエの言葉が耳に入り]
嗚呼、そうそう。
ウェンデルさんが違うと云ったのは、
不思議な力を持つ人――能力者ではないということです。
クロエさんはどうやら霊能者のようですね。
[昨晩の会話も一応覚えていたらしく、
マイペースに説明としては言葉が足らない囁きを送った。]
─宿屋─
…死んだことを、教える、声。
[クロエの返答に小さく息を飲んだ。この子が、と声には出ず心で思う。声にはせずとも思い起こす単語はライヒアルトが密かに発したものと同じ]
……そうか……それで、あそこに。
…おめぇにその力が備わったのは、良いことなのか良くねぇことなのか…。
[力を持つ者が見つかったことは状況的に喜ばしいことではある。けれどクロエの状態を見ると、精神が持つのかと不安が募った]
ああ、分かったから。
後は、思い出さなくて良い。
[身体を震わす様子にそう声をかけて。アーベルに視線で、部屋へ、と促す。
右手がぺちりと額を叩く。手を当てたまま、しばらく考え込むように沈黙した]
―宿屋・酒場―
…そうくるか。
[クロエの回答とライヒアルトの落とした単語に低く呟いた。
フーゴーの視線には頷きを返し、震える肩へと手を伸ばす。抱き寄せるまでは強くなく、身体を支えて]
親父さんの言うとおりだ。無理に思い出さなくていい。
いいから、今は何も考えるな。
[顔を上げたことでカウンターのダーヴィッドには気づけたが、足音を殺したユリアンが出て行くのまでは気づけなかった]
部屋まで戻れるか?
一緒にいくから。
─回想・夜 酒場─
そう、だな。
こんな、感じか?
ゲルダ。…良いのか?
[仕事道具を持ってきていたので、フーゴーの細工仕事の注文を試しに彫ってみせたりしつつ。
ゲルダが戻ってきたのをみればその手を止めて片付けながら、クロエのことを問いかけ。
大丈夫そうだと言われれば、送っていく、と言って。]
俺も、そろそろ帰る、つもりだった。
一人で帰るより、お前と帰る方が、にぎやかで良い。
[そう言うと、フーゴーに声をかけてゲルダと共に酒場を後にして。
ゲルダを家まで送り届けると、自分も海辺にある自宅まで帰り。
一日の内に色んなことがあり過ぎて疲れ切ったのか、そのまま朝まで横になって。]
─宿屋─
[周りに意識を向ける余裕は今はなく、故に人の出入りにも気づけない。
抱えられていたぶち猫は、ライヒアルトが出て行く様子に、にぃあ、と一声鳴いていたが]
……う、ん。
[伸ばされた手の支えに、震えはやや、静まる。
二人から向けられた、思い出すな、という言葉に頷きはするものの。
焼きついたいろは、容易には落とせそうになかった]
ごめ……なんか、みんなに手間、かけさせて、ばっか……。
[思わず、口をついたのは、こんな言葉で。
戻れるか、との言葉には、しばしためらってから、頷いた]
― 港(砂浜) ―
[サクサクと音を立てながら、砂浜を歩む。
まだ嵐の影響を色濃く残す海は、荒れてうねっている。]
…――昨日は森には行けてませんし、
こちらは適度に切り上げるべきですね。
[潮の流れか、いつも見られるものとは違う種の貝殻を幾許か拾う。
懐から取り出した袋に貝殻を入れてから、一度海を見やる。
踵を返せば、眸に映るのは森。
海の絵の具と、森の絵の具を混ぜたような学者の眸は、
つぃと森へ続く道へと向けられる。
また、サクサクと音を立てて歩む足。
それは人が殺されたことなど感じさせない日常のままに。]
―宿屋―
気にするな。
手間とか思ってやしないよ。
[トン、トンとゆっくりしたリズムで肩を叩く。
頷きが返れば手を貸してゆっくりと歩き出す。
ぶち猫も心配そうに足元から見上げている]
今はゆっくり休むのが仕事だ。
でないとそれこそ皆また心配しちまうぞ。
─宿屋─
そう……かな。
なんか、自分で、ちゃんと、動けないの……情けない、よ。
[気にするな、といわれても、こう言ってしまうのは多分気質。
ゆっくりと歩きつつ、休むのが仕事、という言葉に、ん、と頷いて]
……自分がそれ、言われるとは、思わんかったなぁ……。
店自分でやる、って決めてからは、ウチがかあさんにそう言ってたんに。
[ため息混じりに呟く。
ぶち猫の視線には、へーき、と言いつつ、少し無理して笑って見せた]
─早朝・自宅 アルダー工房─
[夜遅く帰った後疲れ切って眠ったものの、自衛団長に宣言された事由や宿に残してきた体調不良の者達のことが気に係り、早く目が覚めてしまって。]
……朝、か。
[疲れは取れないものの、改めて寝直す気にもならず、シャワーだけ浴びて軽く身支度を済ませると宿に向かうつもりで外へ出る。
自宅があるのが海辺な為、既に仕事を始めている漁師達とは当然顔を合わせる、のだが。
あからさまに顔を背ける者が多く、表に出さないながらも本当に疑われているのだな、と内心悲しく思い。
それでも、あらぬ疑いはすぐ晴れるから気にするな、と声をかけてくれる者もいて、心からの感謝を返してその場を去ろうとした。
その時。自衛団員が慌ててこちらに走ってきた。]
───ライヒアルトの家・早朝───
んん……。
[ライヒアルトに声をかけられて、ゆっくりと薄目を開けた]
おはよー……。
[まだ寝起きの為に頭がボーッとする。
ごしごしと目をこすって、瞳を開かせようとしている間にライヒアルトは早々に自分の予定を述べて、客室である少女の部屋から出て行った]
あー……行ってらっしゃ〜い……ふぁ。
[のんびりとした口調で、聞こえるか聞こえないかぐらいのタイミングで少女は言い、大きく伸びをした]
ん。ん〜〜〜!
どうし、た?何かあ…
[あったか、と聞こうとした所で、自衛団長が殺された、と涙ながらに告げられ。
その言葉が理解できなくて、数拍の時間が空いた後]
………なん、で。
[ただ、その一言が零れ落ちて。
思い返されたのは、昨日の、宿屋での事。]
―森―
Once upon a time …
[むかしむかし、そうかたりだすのは、ものがたりの常。
目をとじたのなら、うかぶ情景。
人と、そのなかにまじる狼のものがたり]
…ここは、こんなにしずかなのにぃ。
[森自体は数日まえの嵐で荒れたかたちになっているが。
それでも梢のふれあう音が、しずけさを引き立てる。
とぎれとぎれにつぶやくのは、瞼裏のものがたりの断片]
―宿屋―
そう思えるのは立派なところだけどな。
……たまには頼る側にもなっとけ。
無理して笑ってばかりいるな。
[少しの距離を時間かけて移動しながら、苦笑混じりに返す]
……あれ?
[ある程度、頭の回線が繋がってから、少女は自身の体にしっかりと掛け布が掛けられているのに気づいた。
それから、なんとなく夢見が良かったようなことにも]
……?
[思い出そうとしても、あまり昨日のことは思い出せない。
なんか、とても嫌なことがあったような気がするが……]
みゅう。
[小さく呟くが、思い出せないことを気にしてもしょうがないので、もそもそと寝床から這い出して、身支度を済ませると、食堂へ出向き、用意してある食事を食べ始めた]
うん。初めて食べたけど、これ美味しい。
[そう言いながら、少女は上機嫌で食事を平らげた]
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