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─ 玉泉への道 ─
[後ろを着いて来る気配>>115には、どうやら誰も気づかぬようで。
もし気づいていたら、押し止めようとしたのだろうけれど、それは叶わぬまま]
……えっ、と。
[どう声を掛けようか、逡巡していたら副長がヨハナの肩に手を触れ、名を呼んだ。
こちらを見上げた後、亡骸へと視線を向ける様子>>116に、眉を寄せて]
ヨハナさん。
……ここにいると、身体、冷えるから。
もどろ?
[そう、と呼びかける。
副長は団員たちの動揺わ鎮めつつ、亡骸を収容するようにと指示を出していた]
―回想―
…そうですか。
[爆発物は使っていない>>37、と聞けば、安堵の笑みを浮かべ。
銀貨も、対価として受け取って。]
あぁ、はい、分かりました。
[踏み台、と言われて、ある所から持ってきて。
ベアトリーチェの容姿などは、そういう人もいるよね、で済ませていた。]
―玉泉へと続く道―
[大人の男性たちの集団に僕の足で追いつけるとは思えませんでしたが、その心配は要りませんでした。
それから少しして、玉泉に向かう途中の道で、彼らは足を止めていたからです。
上がるざわめきや引きつった声からも、その先に何かがあるのは明白でした。多分、悪い意味でだということも]
……。
[唾を飲み込んで、僕はそっと彼らの後ろから近寄ります。
誰かに気づかれたかも知れませんが、その時には僕はもう、その先のものを見てしまっていました]
……。 ……、え。
[まず初めに見えたのは、蹲る団長の奥さんの姿>>116でした。
昨日は優しく笑いかけてくれた彼女が、今日は何だか違う人の様に見えました。
まるで何かを失ったかのように呆然としているから――それだけではありません。
多分そう見えたのは、彼女と地面を染める、不自然な色の所為もあったのでしょう]
……、ッけほ、……ん。
[遅れて感じた強い異臭に噎せ返って、視界が少しぼやけます。
それでも僕はその先にあるものに目を凝らして――程なくその正体を知りました]
……。
[悲鳴はあげません――いいえ、飲み込みました。
その場にへたり込んでしまわないように、足に力を入れました。
震えを抑え込むために、両腕で自分の身体を抱きしめます]
……、……ぅ。
[それでも見開いた目から溢れる涙と、小さな嗚咽だけは、止めることができませんでした。
悲しかったからか、怖かったからか、それは僕自身にもわかりません]
― 昨夜 ―
そう、かしら。
[二人からやりすぎではないと言われて身体の力を抜き、毛並みを撫でられると気持ち良さそうに尻尾を外へと揺らした]
でも、心臓は血の源でもあるから。
[初めてには一番良いものを。それは人間の思考だろうか。
そこに拘っていたようだが、笑いながら辞退されると爪で傷を広げてカルメンが味わうのを待った]
美味しかった?
[血を舐め取ったカルメンに軽くすり寄ってから、鼻先を傷の中に突き込む。心臓だけを食らって顔を離すと、仕事を済ませたウェンもやってきた]
もっと?
[再び傷に顔を近づけ、残っていた内臓を千切っては外に捨てる動作を繰り返した]
―回想―
ん?
あぁ、はいどうぞ?
[あまり人に偏見を持たない方の青年は、
ゲルダの行動>>52に一度だけ首を傾げたものの。
部屋の鍵を渡して見送った。]
ご飯は楽しみにしといて。
俺も、頑張るからさ。
[ひら、と部屋へ向かうライヒ>>71に手を振った。
戦う料理人として村を出て行った父。
それでいいのか、と常々思うが、いないものはしょうがないと割り切るしかない。]
…あ、ありガと、う。
[もらった髪を、大事に指ではさみ握り込む。
続けられた言葉に、少し、目を見開いて。
それから、頭を横に数度振った]
う、疑いたク、な、無いかラ、み、見ル。
…という、こ、ことも、あ、アルの。
こ、殺スた、為に、選ぶヨリは。
楽ダモ、の…
[一度目を伏せて、ゆっくりと上げる]
ロミちゃん、みミタイに、小さな子、を、
う、疑イタクナイ、って、昨日聞いタノ。
その、想いがす、少シでも軽くできてると、良い…な。
─ 玉泉への道 ─
[口許押さえ、一度伏せる眼差し。
再び視線持ち上げればブリジットが動くのが見えた]
ちょっと、……
[待って、と引き止める言葉を掛けようとした時には
既に遅く彼女が咳き込む音が、耳朶に届く]
…え、エーリッヒ、は、
ゆ、優先して、し、調べテ欲しイヒト、
い、いる?
[首を傾けて問いを投げた。
団長が殺されたらしき事態に、見る事を止めるつもりも無い]
[気狂いにならずに済んだのは、どこかでこうなる事を予感していたからだろう。
昨日刺繍師の娘と話していた事。
人狼よりも恐ろしい事。
疑い合い殺し合う人間が恐ろしいと思った。
でもそれよりも、もっと恐れている事が、真っ先に起ってしまい。
ライヒアルトの声に、よろめきながら立ち上がる。
背はいつもよりも丸くなり、老女は一気に小さく老け込んでしまったようだった。]
― 昨夜 ―
そうね。
殺そうとするのなら、殺す。
気がついてくれるといいのだけれど。
[昔のようには人を信じられないから半信半疑で囁いた]
誰かが人狼と判断されれば、それでも止まるかしら。
そうね、引いたらすぐに。皆で。
[手伝うというカルメンを心配しながらも信用するウェンの言葉に頷いて、血に濡れた身体を流すために別の泉へと向かった*]
―回想―
さて、と。
[ある程度の作業が終わり自室へと戻ると、
ウェンデルから借りた本>>70を読み始める。]
……思いっきり興味なかったからなぁ。
……?
[深く係わろうと思っていなかったから、というのもあった。
狼のイラストがあるページに挟まれた栞のようなものと、
書かれた日付に気付くと、首を傾げて。]
……普段ならこんなことしないよな。
[微妙と言えば微妙な疑問を口にしてから眠りについた。]
─ 玉泉への道 ─
[返される声>>131は、酷く力なく思えた。
その様子は、母が病に倒れた直後の父の様子を思い出させて僅かに眉が寄る]
……ここは、あんたらに任せていいん、だよ、な?
俺らは、宿に行ってる、ぜ?
[よろめき、立ち上がる様子>>132に、拒まれぬなら、支えるように手を差し伸べて。
それから、副長に向けて問いかける。
返されるのは、肯定。
それじゃあ、と振り返り]
……お前ら、いつから。
[ブリジットと、カルメンの姿に眉が寄る]
あー……とにかく、宿に行こう。
ここにいても……どうにも、なんないし。
─玉泉への道─
[その場に彫刻師さんの姿もある>>129事に気がついたのは、細工師さんに声を掛けられた時>>134の事でした]
……。さっき、ライヒさんの姿が、見えて、それで。
[嗚咽交じりの声で答えました。
いつもなら母に持たされているハンカチは、宿に忘れて来てしまっていました。仕方がないので、まだ止まらない涙を袖で強引に拭います]
……。
[宿に行こうという言葉には、無言で頷きました]
…人狼を、さ、探しくクナイ、わけ、じゃない、ヨ
そ、の方が、ハヤイ、から。
[反するものということもない、と頭を横に振って。
ふと辺りを見渡せば、ざわめきは広がっていた]
…や、宿屋にも、戻っテ、だ、団長のコト、告げよ。
宿に着く迄に…
イヤ、じゃ、ナカッた、ら、き、聞きたい…
[居ないわけじゃないという言葉の先を。]
─ 玉泉への道 ─
[ライヒアルトの柳眉が寄るを見て
そわと視線惑わせるのは叱られるかと思ったからか。
けれど宿に促す言葉が聞こえて、こくと頷く]
ついさっき、来たところよ。
……ギュンターさんが襲われたのね。
[ヨハナの様子と集められた赤を見遣りぽつと呟いた]
ヨハナさん……。
[呼びかける声は案じるような響きなれど
小さく他の音に紛れてしまう]
――…ヨハナさんが見つけたのかしら。
自衛団員たちが、現場に集まってる。
[昨夜狩った者が発見された事を聲にのせる]
― 現在/宿屋 ―
[夜も落ち着いては休めなかったからか、悲鳴は夢現の中で聞くことになった。夢の中で悲鳴をあげていたのは、自分だったような気がする。重い頭を振って髪を結い、身支度を整えてから部屋から出る]
悲鳴?
夢の中で聞いたのかと思いました。
[落ちつかなげに外の様子を気にしている女将さんに、何かあったのかと問いかける。
悲鳴を聞かなかったのかと聞き返され、眉尻を下げる]
私も確認してこなければいけないかしら。
[怯えたような表情で入口扉を見た]
― 現在 ―
大人しくなってくれそうなら、良い。
[声はいつもの朝より幾分かはっきりしていた]
――はよ。
違うんなら
見せしめじゃねぇのかって
怯えに行ってやろうか
─ 玉泉への道 ─
[差し伸べた手は取られ、そこから感じるのは震え。>>137
団長夫妻の仲のよさは見知っていた。
この状況が与えた衝撃は、察することもできる。
とはいえ、自分にできるのは、手を離さぬようにすることと、歩みを支える事だけ]
……ん、そっか。
[嗚咽交じりに答えるブリジット>>139に、僅かながらも表情を和らげながら空いている方の手でぽふ、と頭を撫でてやる。
こちらに対しても、それくらいしかできない、のだが]
ああ……それで、どうやら最初に見つけたのが、ヨハナさんだった、ってわけ。
その次が、俺、かな。
[カルメンの呟き>>141には、こう返し。
ともあれ、作業の妨げにならぬように、と宿へ向かった]
……それは、お可哀想に。
[見つけてしまったのが団長夫人らしいと聞き、よりによって、と眉尻を下げる。
昨日は怒りに任せてしまったが。夫を殺されたことがある者として、それもまた嘘偽りのない思いだった]
後は、賢い判断をしてくれることを願うだけね……。
…おはよ。
今日は早いのね。
[ウェンデルの応えに聲を返し]
ウェンが怯えてみせるの?
ちょっと見てみたい気もするけど……
[くすくすと笑うような音は仲間にのみしか聞こえない]
ヨハナさんや、ブリジットちゃんには……
刺激が強かったみたいね。
ラーイは如何かしら。
二人よりは冷静に見えるけれど。
―朝・宿屋―
……自衛団長が殺された。
そう、か。……それは、参ったな。
[駆け込んで来た自衛団員がもたらした、とびきりの凶報。
商売どころか、身の安全すら危ぶまれる事態に女は顔色を失くす]
で、やはり、人狼の仕業で、……間違いないのかい。
なんだ。……君は現場を、見ていないのか。
[ライヒアルトから遺体発見の報を受け、人狼容疑者の集められた宿屋を見張るため、慌ててやって来たのだろう。
団員の顔にはあからさまな畏れと警戒の色が滲んでいた]
その中で疑いたくなるのは、どうしても接点の少ない人になってしまうわ。
見るからに怪しいベアトリーチェと言う人、美術商だというノーラさん、後は……そう言えばあの人の名前、聞いてなかったわ。
宿屋に居た、赤い髪の女性なのだけど。
人狼である可能性は村の人だってあるのだから、こんな区切りをしてしまうのはおかしいのだけれどね。
[浮かぶのは自嘲の笑み。
人狼を探したいと思っても、結局のところ、エーリッヒも疑いたくないと言う意識が強いのだ]
おはよう。
[いつもよりはっきりした声に挨拶を返す]
そういえば、ウェンなら御伽噺の本を貸してくれるだろうって、言ってくれた子がいたわね。
詳しい人が言うことなら、皆も納得してくれるかしら。
宿に行こうと言われたから……
そちらで何か話があるかもしれないわね。
[お可哀想、とノーラの囁きに気配のみで同意を示し]
敵討ち?
それは――…
[ウェンの示した可能性は否定しきれず口篭る]
― 自住居 ―
[悲鳴でも起きなかった男は、それでも普段より早く、自力で起き上がった。
ぼうっとする頭を振り、顔を洗い、服を替え。
更に暫くの時間を置いて。
衣類を詰めた袋を持ち上げる。
大きく欠伸をして、宿へと向かう事にした]
…ベアトリーチェ、と、い、いう人は…
う、うん、ふ、不思議ネ…
[黒いフードを思い出す。随分と小柄なひと。
それから告げられる言葉に、ん、と頷いて]
こ、コシェバ、さ、さんか、ナ。
そ、ソウダ、あ、
[謝らないと、と 昨晩のことを思い出す。
やがて宿屋が見えてくると エーリッヒを見上げて]
あ、ありガと、う。
………そ、その、イロイロ。
[感謝の言葉はゆっくりとくりと。
本当に色々沢山の事に向けて、想いを籠めて、告げた]
─玉泉への道─
……。大丈夫。
僕は、大丈夫、だよ。
[僕の頭に細工師さんの手が乗せられます>>143。叩かれる訳ではなく、ただ乗せられました。
きっと心配を掛けてしまっているのでしょう。
でも、今本当に心配されるべきなのは、僕じゃありませんでした。
だから僕は懸命に言葉を紡いで、それから顔を上げます]
……。
[何か言うように口を動かした奥さん>>137の近くに、僕は歩み寄ります。
何を言っていいのかは分からなくて、細工師さんと繋がれていない方の手を、両方の手で包みこむように握ります。
それで血の汚れが移ってしまっても、僕は構いませんでした。
振り払われるようなことがなくても、短い時間の後には手を離して、それから宿屋に戻る彼らの後に続きます]
興奮してんのかもな。
眠ぃけど。
[人を殺す事を目的とした狩りは、初めてだった。
直接手を下したのはシンだが、己も又、其れに加担している。
そもそも、そうしようと考えて居たのだから]
棒読みになって、
疑われるか。 やめるか。
[笑う声に、己の演技を考えて、即座に却下した。
ヨハナ、ブリジット、ライヒアルト。
直接見た容疑者の名に、笑みが上る]
冷静に見えんなら、
あいつ、正しく理解するかもな。
見せしめって。
ん?
嗚呼、言ったのは ブリジットか?
[子、というのに当てはまりそうな、本の借主を上げる。
信じられるかねぇ、と。
小さな声も、伝った。疑心]
下手に動くのもな。
まずい気が、すんだよ。
ハ、ちゃんと見せしめだって理解しやがれ、人間。
[ブリジットを撫でるライヒアルトの手を見詰める。
普段ならば、私には? なんて軽口も出ようが
今だけはそんな台詞浮かびもしない]
ヨハナさんが、最初に……?
それは………
[続ける言葉が見つからず、伏せる蒼]
結社員でも人狼に敵わないなら……
力ある存在が名乗り出たら、
同じようになってしまうのかしら。
[ぽつ、と独り言ちるように呟いて
女はライヒアルトたちから少し遅れて宿へと向かう]
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