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父に、って。
お前の親父さんは存命中だろ。
親が居ねぇからってならまだしも…。
[ミハエルの意図が読めず、表情は困惑したものへと変化した*]
……うちの父上は、一見元気そうなんですが、余命3ヶ月から半年と診断されていましてね。
しかも、疾患の元凶が頭の中にあるそうで。最近言動が少々おかしい事があるんです。
そもそも、ボクが家出して別荘に来ていたのも、それが原因で。
父上がボクを男だと思い込んで、女性との婚約話を取り付けようとしてたからなんですが。
[原因が病気だとわかっていても、さすがに家人にはまだ言っていなかった。
ユーディットには話そうとしたものの、他の使用人が聞いているかもしれない場所では切り出せなかった。
もちろん、父が進めていた縁談話は、父の事情を知っている側近たちに揉み消させるよう頼んでおいた]
まあ、今はいいんです。
父上のぶっ飛んでるのは今に始まったことじゃないので、周囲はまだ気付いていませんし。
でも問題は、父が亡くなった後の事。
ボクも爵位はもっていますが、父上が後見人だからこそのものですし。まだ未成年ですからね。
正式に侯爵家を受け継ぐ事ができるのは、成人してからになる。
父に何かあった場合の新しい後見人は、多分父方の遠戚から選ばれる事になると思うのですが。
まあ7割が『自分の利益しか考えてない』人たちで、残りは『無能』なので、誰が後見になったとしても、ボクが正式に爵位を継ぐまでにどんなことになる事か。
なので、先に後見人としての手続きをさせて頂きたくて。
伯父上なら、家柄云々はともかく、血の近さという点で手続きはなんとでもなりますし。
[本当は、この話は騒動が終わってから持ちかけるつもりだったが。
伯父を驚かせるのに一番手頃なネタがこれだったので、仕方ない]
……ということで、いかがでしょう?
お願い、できませんか?
[じっと、伯父を見てそう言った後。
どんな返答が帰ってきた場合も、とりあえずその話は打ち切って。
今度は、恋愛相談なんぞ*切り出しただろうか*]
[ひとまずミハエルが置かれている状況を耳にし、自分を後見人としたい旨を告げられて。
再び表情は困惑したものへと変化する]
…つってもなぁ。
いくら血が近いっても、本当に俺が後見人として手続きしても大丈夫なのか?
大丈夫なんだったらまぁ───俺は、構わねぇが。
[烙印を持つ自分で良いのかとか、性格的にもこんなんで良いのかとか。
懸念部分はいくつかある。
それが後見人となることの妨げにならないのであれば、断る理由は無かった]
(ああ、そうだ。
俺はこの子の為にもしっかりしねぇと。
衝動なんかに負けてらんねぇ)
[話をするうちに昏いものに取り込まれかけていた意識が強さを取り戻す。
自分が成すべき事を、思い出せた気がした]
[後見人の話が終われば、またミハエルから相談を持ちかけられる。
妙に真剣、と言うか、そわそわ、と言うか。
そんな風に見える相手に訝しげにしていたのだが]
(……それを俺に相談すんのかいっ)
[口に出しかけた突っ込みは、心の中だけにどうにか収めた。
孤児院の子供達からそんな相談をされたことがない、と言うわけではないのだが。
よもやミハエルからそんな相談をされるとは思ってもみなかった。
この歳になっても結婚していないことから当てにならないことは分かりそうなものなのだが、今のミハエルはそこまで意識が回らないのだろう。
それでも年の功としてのアドバイスくらいは出来た*はずだ*]
─ →2階廊下 ─
[昨日、着替えぬまま寝たために、昨日の格好そのままで廊下に出て。
人が集まる部屋の前へと向かう。
部屋を覗いて最初に見えたのは、異様な雰囲気を纏うライヒアルトの姿>>42]
……『朱花』……!?
[ミハエルの『蒼花』と対になる存在。
ミハエルさえ無事であればと、意識の片隅にしかなかったもう1つの花を目にしたのは、今が初めてだった]
全てに、って───。
[まるで昨日の俺だ、と。
ミハエルと話す前に葛藤していたことを思い出す。
一つ前の言葉と、ライヒアルトの影に見える惨状からこの部屋で何があったかは知れる。
ローザが襲われたと言うことは、彼女は本物の『見極める者』か『闇の護り手』のどちらか。
そんな思考をして、ふるりと頭を軽く振った]
(今はそんなことを考えてる場合じゃねぇ。
コイツを、どうにかしねぇと)
[見据えるのは別人のようになってしまったライヒアルト。
護るべき者が居る今、好きにさせるわけには行かない]
[相手がすぐさま動くようではなかったけれど、直ぐに動けるような体勢になり、様子を窺う。
しかし何よりも早くライヒアルトに向かったのは、平手を振り上げたエーリッヒ>>51だった。
その行動に驚くように見て、じっと成り行きを見詰める。
ややあってエーリッヒがシーツを取りに離れて、その少し後に入れ違うようにゼルギウス>>56がやって来るか。
昨日のことが消えたわけではない。
けれど何か言うでもなく、ゼルギウスに向いていた視線は部屋の中のライヒアルトへと戻った]
……ライヒアルト。
ローザを、埋葬しても良いんだよな?
[エーリッヒはそのつもりだろうから、念のための確認を取る。
昨日ブリジットを運ぶと申し出た時、誰にも触れさせたくないと言う雰囲気を感じていたために]
─ 部屋H ─
[やって来る者たちから向けられる様々な視線にも、天鵞絨は揺らがない。
揺れるべき部分は、砕けて動かないから。
それでも、駆け寄ってきたエーリッヒから平手をくらった時>>51は、ほんの少し、天鵞絨は揺れて。
けれど、すぐにそれは飲まれて消える。
肩を揺さぶられ、訴えかけられる言葉>>52にも、揺らぐ様は見えなかった]
……成すべきを果たすに、人であるが妨げとなるなら、それも捨てよう。
我はただ、朱花の宿主としての務めを果たす。
[淡々と綴る時、口元の笑みは消えていたけれど。
エーリッヒが出て行くとまた、薄い笑みが浮かんだ。
足元を離れぬ茶猫が、訴えかけるように鳴いても、天鵞絨はそちらを振り返らず。
クレメンスからの問いかけ>>72には、一言]
……お好きなように。
[それだけを、告げた]
─ 個室H前 ─
[ライヒアルトとエーリッヒのやり取りは、一方は感情的に、一方は無感情的に。
エーリッヒの平手がライヒアルトに届いても、深部までには届かなかったらしい]
………そうか。
(ローザの弔いに関心が無ぇ上にタオにすら反応しねぇ。
これは完全に───)
[呑まれてしまっている、と。
返答>>74を聞いて薄ら寒い思いをした。
自分も呑まれてしまえばあんな風になってしまうのだろうかと感じたために。
それからちらりと視線を向けるのはミハエルの方。
彼女も、同じ状況になってしまったらああなってしまうのか。
それならばそれは避けねばならぬと、強く思う]
― 昨夜/個室E ―
[クレメンスの内心でのツッコミ>>65。はしらないが、そんなことになって…という言葉には状況説明の合間に苦笑を浮かべた]
まあ、もうすぐ53歳になる方ですから。
ボクが25になる頃には、父上は60過ぎになる。
さすがにここまで早いとは思いませんでしたが、覚悟だけは先にしてくように…と言われて育ちましたし。
[さすがに、この騒動に巻き込まれた以上、下手すると余命1年足らずと言われた父より先に自分が…という事までは言わないでおく。
その後も話を続けて、大丈夫なんだったら、という返答>>66をもらえば、にっこりと笑顔で頷いた]
当然です。ボクの伯父上なんですから。
元犯罪者だの家名だの学歴だの、そんな事で文句を言ってくるような連中は、ボクの方で再起不能になるまで叩き潰しますし。
[外見や根本的な性格はどちらかというと母親似だが。
やっぱり、父親に似た部分もあるもよう]
それと、その……もうひとつ、相談があるんですが。
[そして、その話が終われば。
たまに視線を泳がせたり、ちょっと赤面したりなどしながら]
あのその、気になる人がいまして。
あ、ちゃんと男性ですよ。女性じゃありませんから。
[過去に色恋沙汰など女性相手(しかも先方からの一方的なもの)にしか縁がなかったので、かなりテンパっている。
年の功としてのアドバイスを聞いて、頷いたりなどしてから]
……………でも。
一番の問題は、相手が人間か人狼かわからないって事なんですよね。
[最初にそれを言いましょう]
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