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……キャップ、少し休憩を───どうした?
[目頭を揉みながら、頭を一旦休ませようと思い研究責任者に声を掛ける。
しかしその言葉は彼女に届いたメールにより途切れることとなった]
…例の場所に、穴?
しかもPMCにあの軍人が襲われただと?
[それは軍人からの報告だったようで、伝えられた内容を聞いてバンダナの下できつく眉根を寄せた]
Shit…!
別の階層に移動しちまってる可能性が高くなったな。
襲ってきたその一匹しか居ねぇってことはねぇだろう。
徐々に嫌な方向に事が流れて行くぜ。
[小さくない舌打ちをして、また頭を掻き毟る。
苛立ちを発散させるように、一頻り頭を掻き毟ると視線を研究責任者へと向けた]
アンタは寄生されてたりしねぇだろうな。
[半ば自棄になったように言葉を紡ぐ。
返って来たのは分からないと言う言葉]
……自覚があっても「はいそうです」なんざ言わねぇわな。
そもそも寄生された自覚があるのかも分からねぇ。
めんどくせぇ奴を手に入れたもんだな。
[PMCを利用して医学発展を考えたこともあった。
しかし現状を思えば、手を出すべきではなかったと考えたくなる。
一度研究責任者から視線を外し、大きく息を吐くと再び視線を彼女へと向ける]
ちっと休憩してくる。
煮えた頭のままじゃ碌な考えも浮かばねぇ。
[その言葉を紡ぎ、白衣を翻して踵を返すと、専用実験室から立ち去るのだった]
―第3階層・廊下―
[居並ぶドアに首から下げたカードを押し当てても赤表示だった。guest登録では中には入れないらしい。当然といえば当然だが。]
ちぇ。ここならPMC見れるかなー、って思ったんだけど。
[少しは知恵が働いたらしい。
当初の予定やら何やら、大いにすっ飛ばしているが。]
誰も来ないし…何かないかなぁ…ん?
[誰か来たら逆にまずいのだが、そんな事を言いながら、通路のすみに何かが落ちているのに気づくとそれを手に取った。]
あれっ、カードだ。
[首から下げているそれと似たようなもの。
記載されている名前は知らなかったが、研究者の物のようだった。
どうしてそんなものがここに落ちていたのか――子供の頭で解るはずがなく、ただ]
─ 第三階層 通路 ─
[篭るような空気──空調がしっかりしているため実際には空気が篭ることはないが──から開放されて、通路で大きく息を吐き出す。
口許に火をつけた煙草を運び、珈琲を飲みに行くかと決めたところで、目端に小さな影>>178>>179が映った]
…………。
[何故子供が、と言う疑問以前に研究室の中に入ってしまったことにきつく眉根を寄せる。
紫煙を立ち上らせる煙草を口に銜えたまま、子供が入ってしまった研究室へと近付き。
自分のカードを使ってその自動扉を開く]
───何をしている。
[低い声が、出入り口から子供の背中に向かって投げられた]
─ 第一階層・艦橋 ─
[ジョエルは時々不思議な行動を取る。
怪訝な顔はしたけれど、すぐ開放されたこともあって無理に振り払ったりはせず。わけのわからないまま艦橋に戻った]
遅くなりましたっと。
[戻った艦橋には常になく冷たく固い空気が漂っていた。
挨拶は宙に浮いて、うなじを掻きながら通信席に入る]
『To Carlos=Balada
すまない。呼び戻される前に会えなかった。
船員のジョエルには話しておいたから』
[準備の合間に短い私信だけはちゃっかり挟んでおいた。
船内確認作業かと思ったら先に別の指示が来た]
― 第一階層・艦橋 ―
……Yes, sir.
『 Code_χ----extra scramble mode on. 』
[研究チームがこれまで集めたデータを、特殊な暗号状態にして長距離通信波に乗せる。
これがデータの全部かどうかは知らないが。
最高に最悪の事態…船全部を廃棄する羽目になった時のことを考えての作業だと思ったが、黙ったまま淡々と進めていった**]
─ 第二階層・食堂 ─
[ワッフルと、適温に冷めたコーヒーを片付け、深呼吸一つ。
気持ちの制御ができたなら、獣化兆候は抑えられる。
胸元に手を置いて、もう一度深呼吸して、目を開けて]
ん……。
[直後に聞こえたのは、呼び出し音]
はぁい、こちらキルフェンリート。
……ああ、はいはい、すぐに戻りますわぁ。
[急げよ、という短い一言と共に途切れた通信に、はあ、と息を吐く]
(みんな、気ぃ張ってるなぁ……)
[それもまた、無理もない事か、と。
そう、思いながら食器を片付けて第一階層へと足を向ける]
─ →第一階層・艦橋─
はぁい、おそぅなりましたぁ。
[艦橋に入って投げるのはいつもと変わらぬ挨拶だが。
やはり、場の空気にはそぐわなかった。
やれやれ、と大げさに肩を竦めて、自分のシートに滑り込む]
航海設定、現状変更予定は?
……そ、これから協議ですの。
[いずれにせよ、今起きている事態が収束せねば寄港は難しいだろう、という読みはあったが。
その辺りは、上もわかりきっているだろう]
Yes, sir.
警戒モードにて、待機いたします。
[そこだけは真面目な口調で言って、先に休めて行ったシステムを再起動する。
映し出される予定航路図。
何事もなく、この通りに進めるのか、という疑問は、当面押し込めた]
─ 第一階層・艦橋 ─
[待機する、と言っても、何もしないわけではなく。
複数パターンの航路変更シミュレートと、最悪に備えての計算は動かしてゆく。
現在の搭乗人数、目的地までの距離。
万が一艦を破棄する事になった場合、脱出艇でどう進めばロスが少ないか。
その辺りは、事前に割り出しておいて損はない]
(なるたけ、無駄になってほしいんやけどねぇ)
[意識の片隅ではこんな事を考えつつ。
手は忙しなく、パターンをシミュレートしてゆく]
[垣間見れたのは一部のタイトル位だ。
だがその中に目を引くものがあった。未知生物判定法。
沈められていた意識が揺れる]
――Deleat.
[消せ、というのはデータのことで「ノブ」を動かすためのもの。
同時に研究者達の存在を厄介だと思ったのが、微弱な波動に乗って広がったのは恣意的ではなかったが。
後の騒ぎに多少は影響したかもしれない]
― 第3階層・とある研究室 ―
まだ触ってないよ!
あとガキじゃなくてオーフェンっ!
[馬鹿正直に言いながら、掴まれようと手を伸ばされると、反射的に逃げようとしてぐるっと回って机に引っ掛けすっ転んだ。
ついでに机の上のレポートやら何やらがばさりと落ちていく。幸い器具的な物はなかったが。
そんなわけで、襟首掴まれて猫の子みたいにぷらーん、となった。
見つけたらどうする、そう質問されるときょとんと瞬いた。]
見つけたら頑張ってやっつけるんだろ?
[そう聞いていたから、不思議そうに。]
[少し空けられた間。
気がせいているので、ちょっと苛々がつのる。
続けられた、順を追ってなされる説明。
自分が減圧区画の向こうに行くかときかれれば、反射的にぶんぶんと首を振って]
……やだ。そんなの絶対嫌だ。
たとえサインが貰えなくたって行かない!
調査? 調査なの? 投棄じゃなくて、調査?
1匹倒した、って……
エイリアンは生き物に寄生するんでしょ。
気味が悪くってエイリアンの苗床になりそうなだけのクソ化物らはまず最初に捨てたんじゃないの?
まさか、頭が煮えてる研究者連中、まだ後生大事にとってるの?
[説明されてく傍ら、次々に話題が飛ぶ。
制限された情報、とにかく与えられた仕事。
事態に関する新たな情報は、はじめにクローディアに与えられたもの意外は厳重に阻害されていた。誤解と憶測を呼ぶ]
[結局、こんな不気味なところから離れられるならば喜んで案内を引き受けるのだけど。危険は目に見えてる方がマシだって知ってる。
きちんとした装備をしたもの、と聞いて鼻を鳴らした]
……あっは、何、安全だなんてやっぱり大嘘。
危険な場所あたしら押し付けてたんじゃない。
装備なんて高級なもの、あるんだ?
―― 善処なんていらない。
それって、結局期待を持たせるだけで改善しないってことでしょ。
[当たり前みたいに言う相手に、悔しくなって八つ当たり。
報告なんてすることがないから、中には入らず端末を起動した。
仲間たちと悔しい思いを共有しようとこっそりサボタージュ回線開いて愚痴り始める]
[広がる意識をしっかりと、軍人の中に潜むそれも受け取っており]
「うん、わかったよ」
[返すのは以前と違い言葉としての形態をなしたもの。
どこか女の子のような印象を与える感じのもの]
「私、少しずつ、人間がわかってきたかも」
[芽生えた知性は好奇心を生み、より貪欲に吸収していき、
その結果他の個体よりも速い速度で知能面の成長をとげていた。
その結果、操る力の方の成長は他の個体よりも劣り、宿主にはほぼ自由に動かれたままになっていた]
─ 第一階層・艦橋 ─
[無機物には寄生しないPMC。最悪一歩手前で終わればデータチップの回収も可能だろう。送信量は膨大という程ではなかった。
通常業務の一つである艦内の簡易スキャン結果に意識を移す]
ブッ。
何で研究区画におるん。
[ついでとゲストIDを探して吹いた。
研究区画は機密となっている場所も多いのでおおまかな位置しか分からないが。
声に出していたので隣の同僚から睨まれ首を竦めた]
―― 第二階層スタッフルーム前、サボタージュ回線 ――
[存在は知ってはいてもあまり好きじゃなかった回線。
だってその中にマシな相手がいないんだもの]
――ねぇ、聞いて。
やっぱり第四階層はどこも危険みたい。嘘ばっかり
『本当はこんなクソ腐ってる武器じゃなくてちゃんとした装備があるんだってさ。そういう人を配置したほうがいいんだって』
『―― なんだって、それじゃ俺らはエイリアンの餌に差し出されてるみたいだ』
『そうなのかもよ』
『エイリアンはヒトにも擬態とやらをするんだとさ』
『あぁ、あのゾンビ野郎が人間殺せっつってたな』
『――じゃあさ、一番乗っ取られてる可能性が高いのって研究員なんじゃない? だって、一番近くでいじくってたんでしょ。逃げられたとか大嘘で、実は真っ先にくわれたんじゃねーの?』
『マジかよ、じゃあ白衣組みはもう全員エイリアンかもな』
『――俺たちが危険な場所に行かされたのって、エイリアンに乗っ取られた白衣組の連中のせいじゃねぇの?』
『マジかよ、冗談じゃねぇ。
仕事とかって俺はもうしんじねぇぞ。白衣組見つけたらぶち殺してやる』
『白衣組がエイリアンならさ、もうあのロボットもエイリアンの手先じゃね? 人間退治するのはエイリアン様のため〜ってよ』
『ありうるな。っつか、間違いねぇ』
[不穏な空気は静かに渦巻いていく。
今はまだ、表に出ることはなく、ただ火種を待ってくすぶっている]
― 第3階層・とある研究室 ―
だってカード落ちてたからさー。
[また余計な事を言いながら、何となく難しい内容の物の言い方は怒られていると漠然と受け止めた。
ぷらーんされたまま(ちょっと反省してるのと、ちょっと面白いと思っているので大人しい)出入り口の方に連行されつつ、苦々しい声にも事の重大さはまだ理解していなかった。]
おっちゃんも見たことないからわかんないの?
[遠くでノブが吹いてるとか知らず。
呑気に見つけられない理由には、そんな事を思って聞いてみたり。]
―→第二階層・スタッフルーム―
投棄についてはまだ報告をうけていない。
PMCを見分ける方法を探るのに使うのかもしれないな。
[クローディア達の元を離れる時にされていた会話を思い出しながらそう自分の考えを口にし]
船内のどこにも、もう安全な場所なんてなくなるかもしれない。
[首を静かに振りながら、一人で中へと入っていった。
八つ当たりには気にそぶりは見せず。慣れているのもあったし、職業柄いちいち気にしていては生きられないのもあった。
もっと汚い言葉でいくらでもののしられることもあったのだから]
─ 第一階層・艦橋 ─
[複数パターンのシミュレート・データを作成して、データチップに保存する。
必要、と言われたら、すぐに提出できるようにしておいて]
……んー?
なぁに、やってんだか。
[通信席回りで上がった声にきょとり、としつつ。
船内のシステムチェックを進めていく。
高性能の自律制御システムは、扱いは容易だが、管理できなければ単に融通の利かないだけのシステムともなり得る。
結局、最終的にモノをいうのは人の感覚、というのが持論だった]
─ 第三階層 とある研究室→通路 ─
カードが?
[落ちていたと聞いて>>195バンダナの奥で片眉を跳ね上げた。
自分達研究員の中では出入りに使うチップ入りのカードはかなり重要な意味を持つ。
他人の手には渡らぬよう細心の注意を払うものであるはずなのだが…。
嫌な予感を頭に過ぎらせながら、問われる声を聞いて]
…PMC自体は見たことがある。
だが別の生物になっている場合は、判別のしようが無い。
そう言う奴だ、PMCと言うものは。
[擬態やら寄生やら言っても伝わらないと考え、出来るだけ噛み砕いて言葉を紡ぐ。
この子供に寄生、または擬態している可能性もあったが、警戒しておくに留め今は手を出すようなことはしない。
判別出来ぬ場合の最終手段はしっかりと頭の片隅にあり、それに対しても躊躇いはほぼ無かった]
とにかく、このフロアは限られた者しか入ってはならん決まりだ。
大人しく上の階に行け。
[子供をぶら下げたまま通路まで出て、足をエレベーターホールの方へと向けた]
―― 回想 ちょっと前 ――
[軍人だという彼がスタッフルームに入る少し前のこと]
見分ける方法に、使う?
――馬鹿みたい。頭のいいひと、皆馬鹿だ。
[そんな研究こちゃこちゃする前に、自分だったら真っ先に減圧区画全体を宇宙空間に投げ捨てるのに。
どうしてもどうしても理解できないから、ひどく悔しい]
[別れ際に残された言葉が、ずんと胸に重くのしかかった]
やだ、そんなの、嫌だ。
そんなになったら――あたし、歌手になれないじゃん
[悔しくて、不安で、どうしようもなくて。
かちりとサボタージュ回線のスイッチ入れていた]
―― 回想 終了 ――
─回想/第二階層・リフレッシュルーム─
…そうだな、今頃研究室の者は総動員といったところだろう。
[>>141ジョエルの言葉に同意の頷きを見せた。
逃げた原因は明らかにされていないが、こういった事態に対しての責任の所在を明確にしておく為、研究室での重要機材は整備士長しか扱ってこなかった。
士長も恐らく呼び出されているだろうな、とは内心の内に秘め。
ジョエルから笑顔と共に礼を言われれば同じように笑顔を返した。]
何、どういたしまして、だ。
[ジョエルに向けた笑みと口調は柔らかく、まるで子に向けるような其れは人に対してよりも機械に対しての方が多い。
瞳を輝かせてパトラッシュを見るオーフェン>>119>>120には微かな苦笑を向けた。]
そういう意味ではないんだがな。
…あ。
すまない、少し失礼する。
[自分の端末がメッセージを受信しているのに気付いて送信者を確認すると表情がやや硬くなり。
会話の輪から少し外れ、通信を繋げた。]
士長。
…えぇ、今日は非番でしたので。
今は武器の支給を待っている所ですが。
士長は研究室に?…そうですか、では整備室には誰が…
…え?
手の空いている者は全員、ですか?
それはどういう………っ、
─…Ja,Ich verstehe.
では、武器を受け取り次第移動します。
[通信が切れ、軽く頭を振るとジョエルたちの元に戻ったが。
そこにオーフェンの姿は無く、代わりに通信士がジョエルに呆れ顔を向けている所だった。
当のジョエルはといえばパトラッシュに抱きついていて。]
……何をやっているんだ。
[要領が掴めず、ノブと同じような言葉をジョエルに向けた。
ジョエルに銃を向けるような口振りが聞こえ口を出しかけたものの、実際にそうなる様子は無かったので軽く目を伏せるだけに留まったが。
オーフェンが散歩してくると出ていったというジョエルの言葉>>165に眉が寄った。]
散歩って…
…また何処かに入り込もうとしていなければ良いんだが。
[状況の見えない現在、どこが安全というものでもないのだが、下手なところに潜り込めばトラブルが起きない確立の方が低い。
以前の説教が効いてくれていれば良いが、と内心溜息をついた。
パトラッシュが銃を体内に装填するのには、ちゃんと機能しているなと確認の視線を向けただけで。
仕事に戻るらしいノブからオーフェンのことを頼まれれば、少し困った表情を返した。]
…探しにいきたいのは山々だが、私も士長から整備室に控えるようにとの達しを受けてしまってな。
見つけられたら連絡はしよう。
[そう言ってノブを見送ったところで自分にも武器の支給の順番がまわってきた。
受け取ったのは旧式の小型のエネルギー銃で。明らかに整備の手が回っていない代物だった。]
…ついでに整備しておけということか?
解った、ならば予備のエネルギーパックも渡してくれるか。
[予備のパックも受け取って、ジョエルも銃を受け取ったのを見れば移動しようと視線を向けて。
ふと、パトラッシュの制限解除は自動のはずだが、ジョエルはどちらだったろうと疑問が浮かんだ。]
ジョエル、パトラッシュ。
私はこのまま整備室に行くがお前達はどうする。
あぁ、そうだ…ジョエル、少ししゃがんでくれるか?
[そう言って、近くなった耳元に軽く唇を寄せ。
小さく囁いたのは、活動停止の危険を感じた場合のみ武器を用いることを許可されるというプロテクト解除のコード。
簡易的なものなので、本当に緊急時にしか対応されないものではあるのだが、念の為に独断で施した。
ジョエルとパトラッシュの行く先が同じでも違っても、それに口を出すことはなく。
己は通信で上司に告げた通り整備室へと向かった。]
─回想 終─
―― 第二階層 スタッフルーム前廊下 ――
[自分が燃料投下をしたっていう自覚はない。
ただ燃え上がっていくクラウドと、何か無性に悔しい自分の気分が合わない気がして、すぐ離脱した]
……も、やだ。
豪華客船にのってたら、こんなこと絶対なかったのに。
なんでこうなるの。
こんなの、嘘。嘘だ嘘うそ。
だって、結局何も起きてないじゃない。そうだ、嘘なんだ。
[自分に言い聞かせて、自分のどこか一部はそれを信じているのに。なぜだかこらえていた涙がほろりと落ちた]
[剣呑な目つきの人が増えていく。スタッフルームの出入りも多くなる。隅につつっと寄った。壁にもたれかかり、歯を食いしばって喉を震わす。手の甲で雫を受け止めた]
馬鹿みたい、あたし、ホント。
ターザンがメイドで鼠一匹、だっけ。
あっという間に解決したよってなるに決まってるのに。
―第二階層・スタッフルーム―
[中に入ると自己紹介はせず、形式だけの敬礼の後]
第四階層についてだが、今後はスタッフを近寄らせないようにお願いしたい。
逃げ出した元はあそこの隔離区画の中で、すでに第四階層にも入る可能性がある。
下手に船員が襲われて寄生されるものが出たら面倒なことになる。
[すでに遅いかもしれないし、第四階層以外も隔離区画から逃げ出したのならばどこも変わらないことになるのだがそれを口にすることはない]
これは保安上の命令だ。各自自衛に努めるように徹底をするようにも伝えておいてほしい。
[自衛のことが伝われば、それはフラン達が水面下でしていた会話の内容のこともあり、ますます波紋を呼ぶ結果となったかもしれない]
「素敵な呼び方♪」
[その呼ばれ方を気に入ったのかうれしそうな気持ちを乗せて答えて]
「うん、とっても。すごいね、人間達って」
[今までいた星ではありえないものばかり。
自分はまだ生まれたばかりだが、親となった固体から受け継いできたものを遥かに超える知識と知能、そして今までにない遺伝情報を得ることができている]
「貴方のことは、なんて呼べばいい?」
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