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ああ、それは分かる気がするわ。
私もあまり眠れなかった。
[興奮しているというウェンに頷く気配を返す]
敵討ち……それは失念していたわ。
[自分もしたことだったのに。そっと唇を噛む]
棒読みになってしまいそうなら、切り出しは私がするけれども。
ライヒアルトさんに向けてみると良さそうなのね。
[そこは話しやすいから楽だと思った。以前は接点のなかった村人にだと、やはりぎこちなさが残るかもしれないので]
― →宿屋 ―
[周りの空気がおかしかった。
人の視線を気にしないウェンデルでも、其れは伝わった。
だが、半分寝た頭では、ふらふらと宿へ向かうのが最優先される。
団長が、なんて声を聞いたが、
頭の中からそんな言葉も、飛んでいった。
起きていた所で、それくらいには眠かった]
はよ。
めしー
[言葉はいつもより少ない。目が半分閉じている]
―現在―
[青年にしては珍しく少々寝坊をした。
悲鳴を聞けばそちらへと顔を向けたが、
ライヒが向かったようなので、こちらが向かうことはしなかったが。]
………団長が。
[入ってきた凶報に眉を寄せ。]
…ヨハナの婆ちゃん、大丈夫かな。
[所帯を持ったら、ああいう夫婦になりたいなぁ、と憧れに似た思いを持っていたから。
そ、と、お茶を淹れる準備をし出す。]
[ヨハナの溜息にも似た音色が聞こえる。
意識を其方に向けて言葉を聞き取ろうとするが
一度重なる視線が、また落ちるを見てゆると首を振る。
団長の件は彼女に大きな衝撃を与えただろうと思うから
彼女に無理をさせたくはなくて]
――…。
[ふ、と思い出したように
ヨハナの手により集められた赤へと向き合い
紡ぐ聖句は冥福を祈るためのもの。
組んだ手を解き、彼女らの後を追う頃には
少し距離があいていた]
─ 玉泉への道→宿屋 ─
……謝ることなんて、なんにもないよ。
[途切れがちの謝罪>>148に、緩く首を横に振る。
謝らなければならないのは、むしろ自分だと。
心の奥、根付く想いは言葉にならない]
そっか。
[大丈夫、と返すブリジット>>151には、それ以上は言わず。
ヨハナの手を取る姿に、表情をまた少し、和らげた]
そう。ブリジットさん。
可愛らしいけれど、あの子も冷静な思考をするように感じられたわ。
あれを見てしまったなら、今はどうか分からないけれど。
[疑うような小さな声に、僅か首を振った]
何が元で疑われるか、分からないものね。
[迷いを切り捨てようとするように、低く囁く]
理解しなければ、惨状を招くのは彼ら自身……
……その可能性は、高いだろうな。
[独りごちるような、カルメンの呟き>>152。
伝承や御伽話でも、力あると名乗り上げたものは狙われていた。
もっとも、それを阻む力が発揮された例も多々あるが、それには触れなかった。
……触れる事ができなかった、というのが正しいのだが]
[そんな事を考えながら歩み進める内に、宿へとたどり着く]
……お役目ご苦労さん、って言えばいいかね。
[そこに立つ、自衛団員の姿に口をつくのは皮肉めいた言葉。
向けられる、気色ばむような視線はかわして、宿の中へと入ると、何はなくとも、とヨハナを椅子に座らせた]
[宿に入ると人に挨拶もそこそこに、荷物を端のテーブルの足元に置いて
ちゃっかり椅子に座って、頭を落とす。
両腕枕に、ぐう]
―宿屋―
[扉を開く前から、そこに居る自衛団員の表情に。
鋭い視線がこちらに向けられるのに。
どうやら事態は広がり、自分達にかかる嫌疑が昨日よりも
痛く厳しいものになったらしきを実感する]
…―――
[宿屋の入り口をくぐる。
視線を一周滑らせると、口を開いた]
あ、アノ、ろ、ロミちゃん、はどこ?
[誰か知るだろうか、と少し、張った声]
[呟きに返る声があり女ははっとする。
ライヒアルトの背を見詰め、また視線を落として]
――…そう。
そう、よね。
[か細い声を漏らし、口を閉ざした]
わかんね。
アイツが、もし、――何かの能力を持つ人間なら、
言っても無駄かもしれない。
[ライヒアルトについてはそんな事を言う。
もし能力者なら、其れは誰にも言える事だ]
――あいつ、勉強頑張ってるからなぁ。
[ブリジットの事を言えば、口元に微かに笑みが浮かんだ]
ん、そーだな。
俺らは生きるだけだ。
――死にたくないなら、手出すな、って
思うんだけどな。
─ →宿屋─
……。
……きっと、真っ先に狙われる、よね。
[彫刻師さんの呟き>>152が聞こえました。
僕の声も、それと同じくらい小さなものだったでしょう。
それ以上は殆ど何も言わないまま、やがて宿屋に着きました]
……。
[椅子に座らされる奥さんを見て、僕は両手に目を落とします。
泣いた痕はまだ僕の顔に残っているのでしょう。いつもなら母にきちんと結んで貰う三つ編みも、昨日寝る前に解いたままです。
だけど少しの間は、ただぼんやりとしていました]
………お前、起きてる?
[明らかに眠たげなウェンデル>>154に、蒼は呆れたような色が浮かぶ。
それでも、要望を聞くあたり律儀と言うか。
両腕枕>>160をしているのが眼に入れば、小さくため息を吐いた。]
冷静になれるのは、この状況も冷静に見られるから。
与えられる以外の情報も持っているから…?
[ウェンの判断に、自分も思考を纏めるようにして囁く]
頑張り屋さんなのね。
[笑み混じりの話には、強張りかけたものを解されて]
─ 宿屋 ─
[自衛団員に向けられる視線は大して気にせず。
ゲルダに続いて宿屋の中へと入る。
そう言えば朝食がまだだったと考えて、後で自宅で食べようと思い直す。
一人暮らしになってからも、食堂で食事を取ることはあまり無かった]
あら、結構集まってるわね。
[その時には既にライヒアルト達も宿屋へと着いていて。
集まる人の多さに隻暗緑を緩く瞬いた]
そうね。
ヨハナさんのように怯えさせるくらいなら。
それもありなのかもしれないわ。
[憔悴している様子がありありと窺える老婆を見て、平坦に囁く]
[ブリジットの言葉が微かに聞こえへなりと眉が下がる。
無残なあの現場をみれば取り乱しても不思議でないのに
歳の割にしっかりしていると、そんな印象を受けた]
………ん。
[零れたのは吐息にも似た応え。
沈む空気を払いきれぬまま宿屋の敷居を潜る]
─ 宿屋 ─
…………。
この状況でも寝れるっていうのは。
ある意味、感心に値するな……。
[落ち着いた宿の中をぐるりと見回し、最初に口をついたのはこんな一言。
それが向けられた先は、言うまでもなくウェンデルだが]
っと、アーベル、悪い。
水と、タオル用意してもらえるか?
……いろいろ着いちまってるの、落とさないと……。
[色々が何かは直接口にはしないで、こう頼む]
あと、何か飲み物。
……できるだけ、赤っぽくないやつ。
―宿屋―
……。ロミ?
……えっと、部屋……かな……
[聞こえた声>>161に、ゆっくりと顔を上げます。特徴のある声は刺繍師さんのものでした。
今日はまだ見ていない気がする幼い姿を探して、辺りを見渡します]
えっと、……
[だけどきちんと確認する前に、もう一つ声>>169が掛かりました。
顔が歪んでしまったのが、自分でも分かりました]
……、エーリィ。
[僕は自分の手が汚れている事も忘れて、彼に抱きつく為に両腕を伸ばしました]
――だとしたら
見せしめだろう、やめろなんて聞きゃしねぇな。
厄介だ。
[腕に隠れた顔が、声の調子に合わせて苦い表情に変わっていた]
婆さんは、爺さんの妻なのに
選ばれたって事は何かあったんじゃね、って
言おうとしてたけど、――無駄に終わりそうだなァ
[ちらと見た様子を思い、声は続く]
まー、
ここで終わんのが、一番だけどなぁ
― 宿屋 ―
[ライヒアルトの視線と言葉にも、反応は無かった。
そもそも事態を理解していない男にとって、
現在は通常時と大して変わらない]
[ウェンデルの様子>>167には、深いため息を一つ吐いて。
今日の日替わりは野菜メインです。]
わかった。
茶も、すげー珍しいのがあるからソレ出すわ。
[高級品の茉莉花茶と共に、
タオルと水を張った盥などを持ってきて。
ウェンデルの食事が出たのは、それが終わった後になった。]
─ 回想・昨日 ─
[地底湖から家へと戻る間も、やっぱり周りの人の目はいつもと違って。
手を繋いでくれたままのブリジットが何度かしてくれた囁き>>99に、その都度こくこく頷いた。
ブリジットの顔もどこかぎこちなくて、怖がってるみたいに見えたから、怖いのは私だけじゃないって思えてほっとした。
家に帰って、宿に泊まるのは反対だという父に口添えしてくれた時、もう一つの理由を内緒にしてくれた>>100のも嬉しかった。
帰りたくないなんて、お父さんが聞いたらきっともっと悲しませたから。
リュックの中には着替えとちっちゃいお財布、それとお父さんがいつも使ってるパレットナイフ。
刃先は丸いから刺したりはできないけど、ぎんの細工がしてあるからお守り代わりにって渡してくれた。
昨日ゲルダお姉さんからもらったハンカチは雨で濡れてしまったからまだしっとりしてるけど、ポケットの中に入れて。
青い服の人形を抱っこして、ブリジットと一緒に家を出る時、もう一度お父さんがぎゅってしてくれた。]
へ、部屋に。
あ、ありが、トウ。
[ブリジットに礼を述べてから
落ち着きなく視線を廊下と其々の顔へと行き来させ。
足を向けるか悩む風にウロウロと、辺りを歩く。
あ、と視線止めたのは交易商人の上。
歩み寄り、顎を引いた上目で彼女を見て頭を下げた]
あ、あの、昨日はゴメンな、なさサイ。
─ 回想・昨日 ─
[ブリジットのおうちでも、ブリジットのお父さんとお母さんが彼女をぎゅって抱きしめてて。
それから、さっき湖から帰る時よりもしっかりと手を繋いで宿へ向かった。
女将さんは私も泊まると聞いてすぐ部屋を用意してくれて。
案内してくれると言われたけど、>>102ブリジットが待っててとどこかへ行ってしまった。
少し待って、すぐ戻ってきた彼女は何かを持っていて。]
ブリジット、何もってきたの?
…あ、お菓子だ!
これ、くれるの?ありがとう!!
[袋の中から出てきたのはキャンディやマカロン。
手のひらの上に乗せてもらったお菓子をみて、笑顔でお礼を言った。
それから、案内してもらったお部屋に入るとお菓子を机の上に置いて、マカロンを一つだけ食べて。
甘くて美味しいそれが心の疲れも癒してくれたのか、ゆったりとした眠気にそのまま意識を奪われた。**]
[頭はしっかり両腕にある物の、薄く時折目が開いては
琥珀色に情景を映してゆく。
何かがあったのか、まではそれだけでも伝わるが、
頭はやっぱり重かった。
視線を何とか一度は持ち上げて、
先程いなかった、ヨハナと一緒にやってきたようなライヒアルトへと向ける]
なに、あった?
[眠そうな声だった。聞くだけ聞いて、すぐにかくり、と頭を腕に落とす。
一応起きている証拠に、琥珀の目が薄く開いていた]
[アーベルが野菜メインの食事を持ってきてくれる時にも、
まだ頭は半分くらい、寝ていたりもする。
礼を言うのは、それでも忘れはしないが]
―宿屋―
……。違うよ。
僕が、怪我したんじゃないんだ。
[抱きついたままで、頭を撫でてくれる彼の声>>176に首を振ります。
ごく近い位置の人にしか聞こえないくらい、くぐもった声になりました]
……。あのね、エーリィ。
三つ編み、上手く結べないんだ。
手伝ってもらえない、かな。
[僕は未だ、団長さんの死が彼に伝わっている事を知りません。
奥さんのいる場所でそれを口にするのも憚られて、できれば場所を移したくて、別の事を言いました]
[落ち着かない様子で面々に視線を廻らせ、
うろつくゲルダの足が、女の前で止まった]
……大丈夫。別に気にしてないよ。
ゲルダさんが謝る必要なんてないって。
[女を見上げ頭を下げるゲルダを手で制し、
安心させるよう、笑顔を作って見せた。
確かに昨晩の彼女の行動には面食らったが、
異常事態に神経が昂ぶっていたのだろう]
─ 宿屋 ─
[赤っぽくないの、とわざわざ指定したのは、団長の亡骸を喚起させる要素は避けたいから、という思いから。
そんな無茶な注文に返されたのは、予想外と言えば予想外のもので。>>177]
……いや、注文しといてなんだけどこれ、結構、値がいいだろ……。
[茉莉花茶は亡き父も好んでいたし、自分も好きなもの。
しかし、中々手に入るものでもないから、つい、こんな言葉が口をついた]
え、と。
とりあえず、手、洗いません、か?
[ともあれ、ブリジットがエーリッヒの所に行っている事もあり、用意された盥は最初にヨハナの元へ。
必要ならば、介助もする心算はあった]
そう見える、とだけ言っておきましょうか。
あまり期待できなくても、一番いいのは止まってくれることだから。
[ヨハナに関しては、そういう持っていき方もあったのかと感心するように]
でも、ここに能力者が揃っているのだとしたら。
違うと分かってしまう人もいるのよね。
[困ったように囁く]
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