情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
ユリアン…
いや、いやだ…
せっかく、やっと、会えたのに、
待ってたのに、ずっと、待ってたのに、ロスト様と、エウリノと、
私の、私の愛するご主人様、どうか、どうか、死なないで―――
[涙は溢れ止まらない。
頬に赤いぬめりとした感触を感じ、細い指でそれを包んだ。]
[呼びかける、声。
は、と一つ息を吐いてから、そちらを見る]
ティル……?
なんだよ、ついて、来たのか……?
危ないから、ついて来させないように……黙って出てきたのに……。
[まったく、と。
浮かべる笑みは、いつもと変わらず]
大丈夫……って、言っても、説得力は、ない、が。
どうにか、生きちゃ、いる……。
[唇の動きが止まると、辛うじて持ち上げていた右手から力が抜け、するりと地面へ落ちた。
イレーネを映していた鳶色の瞳は、もう何も*映していない*]
[聞こえない声は確かに聞こえて。
支えていた手が、ずるりと地面に落ちていく。
もう呼びかけても何の反応もなく。
いくら探しても、あの赤い世界に愛した人の欠片もない。]
あ、あ…
ユリアン、ユリアン、私…
[光の消えた瞳を覗き込んでも、優しい言葉は返ってこない。]
ああああああああああああああああああああ!!!!!!!
[酷い絶叫が唇から漏れた後、少女はかくりと肩を落とし、それっきり、*動かない。*]
……ざわめき。
ざわめき、が……
塔が崩れしは怒りによって。
なれば怒りとは何か。
黒き影は怒りであり、怒りとは黒き影でありしか。
ただ、……
[静寂が広がる宿の中、ふと、水滴のように落ちる呟き。視線を落としていたノートの空の頁に指先で触れ、なぞる。ペンを取り出してはおもむろに線を引き始め――少しずつ、細い、だが強い筆跡で文字を書き込んでいく]
うん…ごめん。出かけるの、見えちゃったから…
[そして、いつもと変わらない笑みを見ては、思わずつられて笑顔を向ける]
そ、そうだ。早く誰か呼んでこないと。兄ちゃんの治療しないと。
[そう言って駆け出そうとすれば、聞こえる悲鳴。
何が起きたかを理解して。その場を*離れるだろう*]
[人へと転じ、動きを止めた姿。
響く、絶叫。
左腕の熱が、少しずつ、鎮まるのが感じられた]
……ああ。
終わった、な。
[零れ落ちたのは、小さな小さな、*呟きだけ*]
[やがて開かれた二頁に渡って書き込まれた文字。端から端まで、殆ど隙間なく密集したそれは遠目に黒く塗り潰されたようにも見え、判読は難しかった。
最後に。その「文章」に終止符を打とうとしたペン先が、滑る。頁を外れ、テーブル上に抉るような線を引く。
じわりとペン先から滲んだインクは、黒ずんだ*血のようだった*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新