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……鬼ってなんですか、鬼、って。
[時空王の言葉にぼそっと突っ込みつつ。
消える姿に、はあ、とため息一つ]
……どこまでも……奔放な御方で。
[あちら奔放こちら束縛。それで取れる均衡もあると知るからか、表情はどこか苦笑めく]
[ハイン殿とユリアン殿のお二人の様子に、向けた表情は困り顔]
……あの、そのよに驚かれたり、お笑いにならずとも…。
[二人の竜との旅では、当たり前に姿を変えていたものだから。
当然といえば当然な人間達の反応に、どうしたらよいものやらと]
おや、回りくどいでしょうか?
[アーベルの言葉に肩をすくめてリックには、首を振る]
転生後に私が近付くのは、彼女のためにならないでしょう。
私は、欠けたる存在、混沌たる孤独に必要とされるもの。
だって、私。
オトフリートさんの無茶を支える自信、無い。
[そこだけキッパリ言い切りました]
何とかなるかなぁ。
うん、何とかしないとなんだよね。
…鬼ごっこみたいに?
[抱きつくというか、抱きかかえているように見えるかもしれない体勢で。最後は消えてゆく時空王に呟いた]
…えーと。
どっちにしても、中、入る?
[腕の中、脱力したミハエルに小首を傾げ。館を指差してみた]
ああいや、ナタ・リェを笑ったわけじゃねぇんだ。
そこの青年の反応があまりにも大袈裟なんでな。
俺ぁ変化しようがしまいが、そうそう驚きはしねぇよ。
[何せ件の精霊界では、地下ファクトリーエリアからではあったが、竜だの雷獣だのの変化を見ていたわけで。ナタ・リェが半獣状態になっていたのも見ていたはずだ。もはや何があってもあまり驚かないだろう]
[ソファーで伸びるハインリヒに]
うん。リックと仲良いのは、間違いないんだけど、
ついさっき知り合ったばかりだから。
クレメンスさんが、何もしないなんてことあるかな?
あっても、何か企みがあって何もしないとかだよな。
[と麒麟だった女性に困り顔を向けられれば、
こっちも困り顔になり]
あ、ごめん。不愉快だった?
麒麟さんが人間になるなんて初めて見たから、
つい驚いちゃった。
言い切りますか、と。
まあ、こちら側の均衡に関しては、影輝王の分身殿もおられるし、ぎりぎりなんとかなるでしょ。
[素直に時空王に頼る気はないようだ]
ん……中に入っといた方がいいかもね。
俺はもう少し、力を辿ってから行くけど。
……気にしないとは言わないけど。
でも理由があるんでしょう?
君は無理をしているようにみえる。
[視線も言葉も離れていって、それでも彼をじっと見た。
そうしてクレメンスへと顔を向けなおす。]
……また、次の機会もあるかもしれないね。
でも、クレメンス。きっと君の言いたい事を、かの女は理解していると思うよ。
言いたいというのも、わかるけれど。
だから、またこういうことが起きるかもしれないその時まで、待っても大丈夫だと思う。
――君なら待てるでしょう?
……どうもね、
君の言葉には、奇妙な感覚を覚える。
[精神を司るが故か、][目は合わせぬ侭に答え]
[本当は耳も塞いでしまうべきなのかもしれない]
へぇ、会って直ぐ意気投合したのか。
何かのめぐり合わせなのかね。
[ユリアンの返答に突っ込みたい部分はあったが、掘り下げることもないだろう、とそこには触れずに返す。おそらく、聞いたところで相手も理解していないのだろう]
…居れば何かする人なんか。
オトフリートとのやり取りでも思ったが、随分とマイナスイメージの御仁だねぇ。
それだけのことを過去にやらかした、ってことか。
……そうしよう。
[ぐったり]
ナ・タリェといったか、
こいつ[オトフリートを軽く指差し]
の連れも来ているのだろう?
いまのうちに、こいつが色々としでかしそうだと伝えておいてやった方が良いだろう。
オトフリートも子供では無いから、やたらと心配を掛けるようなことは ま さ か すまいが、知らせるだけ知らせておくに越したことは無い。
[機鋼界へ行った時に見たり、その後ブリジットから話を訊いただけなので、やや名前を間違えて記憶していたようだ。]
嗚呼、いえ、その……、
[淡い菫色が、落ち着かな気に揺れて。
風に乗り届いたコエの事を、心配かけぬよう話すべきなのか迷い。
――教育的に良くないとの判断から、告げぬ事を心に決める。
むしろ精神的衛生上、これ以上考えたくないのやもしれぬが]
………………オト殿のお帰りが遅いなと思いまして、心配に…
[嘘は含まれぬものの、獣の耳は正直に揺れる]
ふふ、優しいですねえ、リックは。
[微笑む]
おっといけない、私は辺りを探索するつもりだったんでした。
アーベルも私が、あまり長く傍にいると安定しないでしょう。失礼しますよ、また後ほど。
[*すう、と自らの影に溶けた*]
御心配、痛み入るけれど。
単に、……糧が足りていないだけの話だよ。
[其れ以上でも以下でもないと言いたげに]
[或いは踏み込まれる事を厭うように告げる]
あ、ヴィオはこっちにいるの?
それなら安心かも。
[王の分身であるふわもこなら、情報の共有とまではいかなくとも、おぼろげな状況位は通じ合えるのでないかとか]
うん、こっちに来た最初に迎えに来てくれたよ。
そうだね、ちゃんと言いつけておかないと。
ナタ・リェさんは優しいし、きっといっぱい心配してるもん。
[表現がおかしいです。いや、逆に正しいのだろうか。
ミハエルに頷き、オトフリートには軽く手を振って。
立ち上がると玄関から広間へ*歩き始める*]
[風の二人へ視線を向けたのは、逃げではない…はず]
ああ、いえ、不愉快というわけでは。
こちらこそ不注意にござりました…
[じぃぃぃ、と。
落ち着かぬ様子の麒麟をじ、と見つめ。
それから、手を伸ばして、その頬にぴた、と触れる]
時空竜、心配させるけど。
たくさんたくさん、痛いことするけど、えと。
……信じてもらえなかったら、寂しい、と、思う、よ?
[……前科ありすぎて、それも難しいのは、さておき。
仔竜は仔竜なりに考えた言葉を伝え、ぴょい、と椅子から飛び降りる。
ふわもこは腕から離れ、白梟は再び頭の上に。
そのまま、とてて、と扉の方へ]
……ったぁく。
好き勝手言ってくれますな、揃いもそろって。
[広間へと向かう二人の言葉に、大げさにため息をつき。
それから、自分は再び、翼を広げて屋根の上。
一度は腕に絡めた光鎖を、陣の形に展開させる]
[ハインリヒの言葉にうんうん頷く]
まあね。クレメンスさんが何しでかしたか
聞きたいなら話してもいいけど、かなり長くなるよ。
[と麒麟の女性に謝られれば、こっちこそぺこぺこ謝り返し]
いや、とんでもない。驚く僕の方が失礼だよね。
なんかナタ・リェさんには謝ってばかりいるな。
[物凄く申し訳なさそうな顔]
僕が優しくなどないことは、君がよく知るだろうに。
[その言葉を言わせたのは記憶で、リックはそのまま彼を見送る。
そうして答えを言うアーベルを見た。]
糧?
……食べ物では無理なの?
なら、なにがそうなるんだろう。……この樹?
[アーベルの言葉に含まれた拒絶は、脇へと追いやった。]
樹だったら、一本、殺してしまうよりは、僕を糧にすれば良いよ。
僕は餌になる生き物だから、気にすることはないし。
[そこには何の気負いもなく、単に事実を述べるだけ。*]
[ナタ・リェの視線には、気にすんな、とでも言うように手をひらり]
あ、おいちまっ子。
歩き回らずに待ってた方が良いんじゃねぇのか?
[扉へと近付くセレスに声をかける]
…どんだけのことしたんだか。
いや、その言葉で十分だ。
後は本人を見て判断つけるさ。
[ユリアンの言葉にかなりのことをしたんだと言うことだけは理解した]
[そのナタ・リェの、オトフリートを心配する声に、
はた、とあることに気がついた]
そういえば、オトフリートさんどころか、
ハーヴェイさんたちも戻ってこないね。
そろそろ戻ってきてもおかしくないと思うんだけど…
何があったんだろう?
[まさか自分達が位相の違う空間に閉じ込められているなんて
考えてもいないのだが]
……セレスの力によって生み出されし、空間。
ならば、中核となる者は二つの力の残滓をどこかに纏うはず。
読み解くとしたら、それか。
取りあえず、セレス自身も空間の干渉を受けているはず……まずは、そちらを確りと読み解くべき、か……。
[独りごちつつ、ゆらり、巡らせるのは漆黒。
紫の瞳に再び浮かぶは、銀の刻印]
[ミハエルもやはり、オトフリートの抗議には軽く手を振るだけで答えて屋敷へ入る。]
だから、あまり王へ無駄な負担を……
いや、しかし事態が手の付けられぬ段階になる前に王の判断を仰いでおいたほうが良いのかも知れないな。
[広間まではやはりブリジットに導かれて歩いた。]
ナ・タリェは居るか?
……ん ユリアン?
[呼び止める声に、くるり、そちらを振り返る]
へーき、白もふさんもいるし。
館の外、出ないから、大丈夫、だよ。
[にこぱ、と笑って。
とてて、とそのまま広間を駆け出してゆく]
[顔を上げたならば、ぴた、と頬に触れる小さな手。
その温もりと考え考え告げられる言葉に、息が止まる]
………え、ぇ… そうです、の…
[負うた仔に教えられ、しゅんと眉を下げる。
二重三重の意味で心苦しく、扉へ向かう背を動けずに見送った]
[広間に戻ってきた人たち。
その中の一人が名前を呼んできて――困った]
えっと、誰だっけ?
ほら、首元までは名前出かかってるんだけど。
なんか見たことあるような、そんな姿じゃなかったような
あ、思い出した。「ツンデレ」さんだ。
[違います]
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