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―中央広場入口―
携帯?
[礼斗に言われて、先程ポケットに突っ込んだ携帯を取り出す]
……あれ。
圏外になってら。
[紺の携帯のサブディスプレイを見て、開いて閉じて。
首を横に振った]
ダメだ。
[瑶子も同じ声を返すのを聞いて、礼斗を見た]
うん、戻った方が良いな。
送ってくよ。
[従妹が帰ると言い出すと、頷いてその頭を撫でてやる。
あの危機感の無さを見て、一人で帰すつもりは流石に無かった。
促すように、オレは従妹に手を差し伸べる]
……ネタとして、ただ、書いてるだけならいいんだが。
さすがに、当事者になるのはな……。
[しかも二度目、とは。
さすがにまだ口にはせず]
ああ、やっぱり。
他でも、使えんって騒ぎになってるから、よもや、と思ったんだが。
[二人の返事に、ため息混じりに自分の携帯を閉じ、桜を振り返った]
……本格的に。
笑えん事態になってるかも、な。
―中央広場入口―
……なんだよそれ。
[瑶子の自己完結に眉を下げたりしつつ]
うん。「あやと」だからあやみん。
[繰り返す声には簡潔に説明をつけておいた]
[鼻で笑う様子にはただ苦笑を返すことしかできなかった。]
なのかな?桜が咲くくらいだし?
静音さんに聞くのは後回しかな。
[まだ現実的ではない物事を現実的に考えたかった。
百華につれられてこちらに戻ってくる千恵、意識はそちらに向く]
うん、そうだね。
[やさしく千恵の頭を撫でる]
一緒に帰ろう。
あまり遅くまで出歩くのはよくないよ。
[千恵をはさむようにして手を握る]
─中央広場・入り口─
……こらこら。
意味もなく広めるな、それ。
ったく、史さんはあやみんで、神楽はひふみん。
俺の知り合いどもは、俺の名前を何だと思ってる。
[文句は言っても強く押し止めないのは。
何だかんだと言いつつ、気を許しているからなのだが]
……嫌な物を嫌と言って何が悪い。
俺にはそんなことよりこっ恥ずかしさの方が先に立つんだよ。
[そう呟いて、ぷいと顔を背ける。
キャーキャー騒ぐのには、はぁと頭を抱えて溜め息。
そして、異変はすぐそばにあるという言葉に再び目を神楽に向けるが、]
…………なんだよ、その頭の痛くなってくるような馬鹿話は。
猫パンチって、ありえんだろ。もういろんな意味で。
[そう言って再び頭を抱える。
だが、真面目な話に移行すると、スッと目を細め、]
桜…………ああ、やっぱこれって『桜と童女の怪異』と関わりあるのか?
[ぶつぶつとそう呟いていたが、スッと顔を上げると、]
…………そうだな。見に行ってみるか。
[そう言って、桜の元へと向かうだろう。]
聞いてどうしたいわけでもなかったし。
史兄さん、礼斗さんと仲が良かったんだ。
[眉を下げる様子にも変わりなく答えて。
簡単な説明には、ふぅんと相槌を打った]
記者さんも難しいんですね。
[礼斗に返すのはやはり一般論の域。
携帯を持ち上げたり下げたりしたが圏外なのも変わらず]
ただの電波障害、でもないのかな。
こんなに人がいるのに。
[シンボルツリーの方を伺い見るようにして人影を確認して。雑誌の内容を思い出しながら、確かめるように礼斗に視線を戻した]
[二人にじゅんぐりに撫でてもらうと、はふりと嬉しそうに笑う。かまってもらえて幸せ。
百華は仕事だからと、ここでおわかれ。
ばいばいと百華に手を振って。
伽矢と瑞穂、二人に片方づつ手を握られながら、まっすぐ南側から出てゆく。]
―公園→住宅街前―
[途中で異変を感じて、止まるのはどちらが先なのか。]
………どうしたの?
[きょとんとして、前を見た。
特にどこもおかしくない、いつもの道。
手を離し、まっすぐ行こうとすると。]
(ごちん!)
[頭をぶつけた。
その場に蹲る。うさぎも心配そうにだらーんとしている。]
―中央広場入口―
ほら、名前弄りは基本だから。
[礼斗には適当なことを言った。
実際は呼びたいだけだ]
あやみん曰く腐れ縁らしーけどな。
[瑶子にはそう答えながら携帯を今一度見て、元のように仕舞う]
で、なんだよ。
笑えねー事態って。
─中央公園・入り口─
史さんとは、昔からの腐れ縁だな。
[仲がいい、という言葉にはさらりと言って。
一般論にはまあな、と頷いた]
……単なる電波障害なら、いいんだが。
桜が咲いた時、その場には、伝承に出てくる童女がいた。
俺の知る限りだと。
楽観視は、あんまりできそうにないんだよ、これ。
[ここまでは、真面目な面持ちで言うものの。
可愛くて、と真顔で言われると、さすがにがっくりきた]
……この年の男に、可愛げがいるのかと……。
……桜が咲いたのと電波障害は関係ねぇんじゃねぇの?
確かにおかしな現象だけどよ。
[繋がらない、と幼馴染の言葉に難色を示す。
従妹を挟んでのいつもの並びになると、歩幅を合わせるようにして歩き始めた]
千恵ちゃん送ってきますね。
[仕事に向かう百華にそう挨拶をしながら伽矢には気遣うような視線を向けた。
途中何かにぶつかり前に進めなくなり足を止める。
遅れて千恵が何かにぶつかり]
大丈夫?千恵ちゃん。
[自分もしゃがみこみ頭をやさしく撫でて何かにぶつけたと思わしきところの様子を伺う。
幸い怪我はしていないらしくそのまま頭を撫でたままに]
何だろう、見えない壁みたいな。
[伽矢に不安げな視線を向けた]
─ →住宅街前─
[歩きながら、空いている方の手で携帯を掴み、その変化を確認する。
歩けど歩けど、表示が変わることは無かった]
こっち来てもダメか…。
ホントに何なんだろうな。
……ん?
[不意に足が止まる。
その先に通れないと騒ぐ人を見つけたからなのだが。
それを伝える前に従妹は手を放し、何かにぶつかった]
!?
千恵、大丈夫か!?
[慌てて蹲る従妹へと駆け寄る。
携帯を仕舞い、ぶつけたらしいところを撫でてやりながら、何かがあったらしいところへと触れた]
……壁……?
何で、こんなところに壁が。
つか、見えねぇし。
[追い討ちをかけるように噴き出す史人。
睨んだ。
思いっきり、じいいい、と睨んだ。
それから、それどころではなかった事を思い出し]
……笑えん事態は笑えん事態だよ。
[史人の疑問に、は、と息を吐く。
周囲を見回すが、こちらに注意を向けているものはいない。
野次馬たちは、携帯が使えない事や、何やら他にもトラブルが起きているようで、そちらに集中しているようだった]
もしかすると。
……人の命にかかわる事に、なるかも知れない……。
オレが解るかよ。
でも……もしかしたら、桜と関係あんのかな。
[幼馴染に不安げな視線を向けられ、困ったような表情で言った。
怪異が怪異を呼んだなら、と桜のことと繋げるが、やはり首を傾げてしまう]
まー、そういうモノにも色んなのがいるってことよね。
私は見てて、すっごい和んだけど。
[おじさんは泣きそうな顔で助けを求めて、猫は楽しそうにパンチを続ける姿はシュールで楽しかった。
なんか、そのうちどっかに消えてったけど]
「桜と童女の怪異」って言うの?
私はそういう細かいところまではあんまり覚えてないからわかんないけど、多分、そうなんじゃないかな。
さっき読んだ本の概要とも大体似てるし。
ま。行ってみればなんか分かるでしょ。
後は、綾野さんに話が聞ければ大体のことは理解できるとは思うんだけどねえ。聞かせてくれるかなあ。
よし。とりあえずGO。
[進行方向を指差し、神楽が雪夜と共に桜の元へと*歩いていった*]
―中央公園入口―
腐れ縁が続く位に仲が良いんですね。
[独特の解釈法で二人に頷いた]
桜の童女も現れたんですか。
本格的に符合してるんだ。
楽観視できない…神隠しが起こるかもしれない?
[雑誌にあったのは、その程度の噂話にすぎず。
説明がなされるなら大人しく聞こうとするのだが]
別に男の人が可愛くていけないこともないと思います。
可愛くないよりは可愛い方がいいかと。
[そこだけはどこまでも真顔で返した]
逃げられないし、逃がさない、ってことか?
なぁ、これもお前が言う宴の演出なのか?
[オレはチカラを与えてくれたもモノに問う。
けれど『其れ』はただ哂うだけだった]
―住宅街前―
いたぃ…。
[涙目になりつつも泣くのは我慢出来たけど、じいいんと頭に響く。
瑞穂に撫でてもらうと、痛みは少しゆるやかに。
遅れて伽矢にも撫でてもらうと、だんだん痛みは引いていった。]
う、ぅ。だいじょぅぶ……。
[まだちょっと痛いが、すっくと立ち上がり。]
なんか、いけない…。なんで?
[いつもは先に進めるのに。
見えるのに進めないのは不思議な事。
ぺち、ぺち、と、見えない何かを叩くが、何か変わるわけでもなく。]
そうなんだけど…。
[答えを知りたかったわけじゃない、ただ最初に頼りにしたかった。
携帯は圏外、桜は満開、通りには見えない壁]
そんな、まさかね。
路地の方とかどうかな?
[見えない壁をぺたぺたと少し触ってみてからそう伽矢に尋ねてみる。]
[家に帰れない、と呟く従妹にオレはまた困った表情になった]
まだ判んないよ。
他の道、探してみよう。
[幼馴染の提案に同意し、オレは従妹へと声をかける]
……桜の童女?
[中央の桜を見上げた。
そこには睨む視線から目を逸らす意味も多分に含まれていたが]
なんか、そんな話聞いた気もすっけど……
[聞き流した相方の話に含まれていたかも知れないと思考を巡らせる。
眉間に指を当てていると、次に聞こえた礼斗の言葉]
……は?命?
なんだそれ、幾らなんでも大袈裟な……
[見えた表情がふざけているようには見えず、途中で口を噤む]
[こくり。不安げに、伽矢に頷いて。
見えない壁をぺちぺちしながら、瑞穂の傍を歩いてまわる。
小さな手がすり抜けられるような場所もなく。
どこまで行っても、進めない。
だんだん、眉が下がってきた。
リュックのうさぎもくったり首を下げる。]
─中央公園・入り口─
……まあ、そうとも言う。
[黒江の独自の解釈にはそれだけ言って。
真顔で言われた、可愛い云々は追及しない事にした。
多分きっと、きりがないから]
……さすがに、ソレに書くには、実際のとこはきついからぼかしたんだが。
桜と童女の怪異──『桜花』が、現れる時の行方不明者っていうのは。
……神隠しじゃなくて、大抵、死んでるんだよ。
それと、その記事。
建前上、伝承扱いにはなってるけど……現実に、起きてる事だ。
[従妹と幼馴染と、揃って見えない壁を確かめながら抜け道を探す。
けれど先へ進める箇所は一向に見つからなかった]
んだよこれ……。
ぜんっぜん進めねぇ。
[段々苛立ってきて、オレは見えない壁に拳を叩きつけた]
うん、他の道から行ってみよう。
[伽矢の同意を得られてまずは通りの何箇所かを調べる。
やはり通れるところはなく今度は路地の方に向かう、
しばらく行き、やはり何かの壁にあたり先に進めない。]
なんだろうこれ。
[千恵の頭をやさしく撫でてやりながら]
通れるようになるまで私の家に来る?
[何か通りでは先に進めないことなどもあり揉め事が起きていた。
あまりこの場にとどまる気になれなかった]
―中央公園入口―
[笑う史人と睨む礼斗には特に何も反応せず。追求のこなかった部分にはそれ以上触れなかった。多分きっと大正解]
そうなんですか。
確かに死亡者が出てたら事件になってしまって、なかなか詳しくも書けないかもしれませんけれど。
…桜花って、童女の名前?
史兄さんもこの話を知ってたの?
[現実の話というのも、何故かすんなりと受け入れていた。
むしろ気になったのは桜花という名前で。
聞こうとしていたこともあって、史人の顔を見上げた]
─中央公園・入り口─
……原因不明の行方不明にするしかなかった、ってのが実情だった。
[ぽつり、と。
呟く言葉が、妙に実感を帯びているのに、果たして二人は気づいたか]
そう、桜の童女の名前。
律儀に、自分でも名乗ってたしな、さっき。
[肯定の頷きを返しつつ。
黒江が、史人に向ける問いに、不思議そうに瞬いた]
……史さんも?
あれ、俺、この記事の事、話した……っけ?
……この様子じゃ他の道もどうなってるかわかんねぇな。
[諍いを耳にしながらぽつりと呟く]
オレ達の家のところにも壁が出てないとも限らない。
確認ついでにオレ達の家に行こう。
[仕事だからと先に戻った母親なら、何か知っているだろうか。
けれどそう思っても携帯が繋がらないのでは、連絡の取りようが無かった]
…………和むのか、それ?
[桜の元に向かう道程。神楽の言葉に目を細めて訊ねる。
想像してみたが、シュール以外の何者でもなく。正直引いた。]
まあ、この呼び名は俺の知り合いが勝手に付けた名前だろうがな。
俺も詳細は知らない。切っ掛けと結果だけが調べて解って、過程はついぞ予想も付いてないんだが。
綾野? ……ああ、あの桜の前にいた女か。
何か知ってるといいってお前あれと知り合いなのか。
……知り合いは選んだ方がいいと思うぞ。
[お前が言うなという話である。そうこうしている内に中央公園にやってきたのだが、]
……何だよ。あれ。
[少し離れたところからでも見える桜の大樹。それは満開の花を咲かせていた。]
[神楽との会話。そこでひとつだけ嘘をついた。
怪異の過程。それを「想像も付かない」と言ったのだが、]
………怪異の後の行方不明。
お前が『何』かは知らんが、お前が関わっているということか。
[その問い掛けにコエはただ哂うのみ。]
[携帯を見ればやはり圏外、連絡をすることもできないがしかたがない。
通りの先に動く者の気配がない不自然にはそのとき気づかなかった。
通れないだけならば向こうからこっちにこれない人もいなければおかしいはずなのに]
それじゃあ行こうか?
[壁を殴った伽矢の手に気遣う様に視線を送ってから、
千恵の頭をやさしく撫でて手をしっかりと握り歩き出す]
きっと大丈夫だよ。
[千恵を不安にさせないようにそう伽矢に答える]
―中央広場入口―
『桜花』?
[それと知らず、二度目の呟き]
いや、知らな……
[否定を返そうとする途中、落ちる花片が見えた。
不意に眉間を押さえ、言葉は途切れる。
少しよろめいた]
……あれ?
─中央公園入り口─
行方不明にするしかなかった…。
当時は大騒ぎだったんでしょうね。
[礼斗の言葉が帯びる実感には気づいているのかどうか。
返される言葉はここにきても淡々と感想を述べるだけ]
史兄さん、大丈夫?
[よろめく史人に手を伸ばした]
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