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― →宿屋―
……えっと、こんにちは?
[それから数分して、僕は宿屋の扉を潜りました。今度はちゃんと挨拶から入れました]
多分、自衛団の人……から、集まるように、って言われたんだけど。
ここで、……あれ、違う?
[入口に立ったままそう言うと、女将さんの表情が曇ったように見えました。
まさか場所を間違えたかと首を傾げましたが、少しして合っている、と言葉が返ってきます]
……。間違いじゃなくて、よかった。
[ちょっとだけ安心して、中に入りました]
……。あれ、ヨハナさん、来てたんだ。
自衛団長さんの、付き添い?
[食堂の椅子に座っている自衛団長の奥さんに気付いたのは、中に入ってからのことです。
僕は事情を何一つ知らないまま、尋ねました]
― 自住居 ―
――う、るせぇ…!
[そして寝汚い男の餌食になった。
数分後、不機嫌そうな視線でウェンデルは男から話を聞いていた。
今は丁寧に片付けられた書物は、昨日よりアーベルが持っていった分だけ少なくなっている。
人狼の本を持って行った彼に、宿でベアトリーチェを、研究者だと紹介したりもしたが、それは昨日の話。
話を終えた自衛団員に、青年は頭を掻き、真面目に言った]
めんどくせぇ…
はよ
運悪ぃな。
[見つかってしまったよう、とシンの言葉に反応を今更]
自衛団の奴が、宿に来いってんだけど。
お前らんとこにも行ったか?
─ 広場 ─
[無理そう、という言葉>>183に、でしょ? と肩を竦める。
小首を傾げる様子に、違和感をどう言語化したものか、と悩んでいた所にやって来た自衛団員]
……おいおい。
一体、どうしたっていうんだよ?
[名を確かめた後の指示に問いを投げるものの、答えは得られず。
こちらを見たノーラが浮かべた苦笑>>184に、は、と短く息を吐いた]
……やれ、やれ。
それじゃ、行きましょうか。
足元、まだ滑るだろうから気をつけて。
[そんな注意を交えつつ、宿へ向かって歩き出す]
─ 翌朝・自宅 ─
[娘の朝は、大体いつも父に起こされて始まる。
だが、今日は少し違っていて。]
ふに…?
[色んな声が聞こえてきて、目を覚ました。
ゆっくりと体を起こすと、いつも父がかけてくれる毛布がずるりと落ちる。
いつもならここで、今日は一人で起きたのかと、偉いな、と父が褒めてくれるのだが、今日は違った。
父が側にいないからだ。]
…おとーさん、どこ?
─ 翌朝・自宅 ─
[いつもと違うことを怪訝に思いながら、こし、と目元を擦って起き上がる。
父の姿は程なく見付けられたが、父以外の姿もそこにあった。
険しい顔をしていた父が、自分が起きてきたことに気付くとおはよう、と笑いかけてくれた。
でもその笑顔はどこか辛そうで、どうしたのだろうと表情が曇る。
父と話をしていた人───自警団の人は、頭を下げて帰っていった。
その人の姿が見えなくなるまで、父はこちらを見てはくれなくて。]
お父さん、何かあったの?
[自分に向けられる辛そうな笑顔に、心配して問いかけるとぎゅうと抱きしめられた。
そのまま父から、自警団の人がロミを呼びにきたと告げられ、困惑する。]
なんで?
ねぇ、私なにか、いけないことしたの?
─ 翌朝・自宅 ─
[自警団の人は悪い人をこらしめる為にいるんだと教えられていた。
自分が呼ばれたということは、悪いことしたんだろうかと半べそをかいて父に問う。
けれど、お前がいけないんじゃないと言う父の方が泣きそうな顔をしていて、涙は引っ込んだ。
父のこんな顔なんて、初めて見たから。]
お父さん、泣かないで。
私がいけないことしてないなら、お父さんもしてないよ。
[そう言って、父の顔に手を伸ばすと更に強く抱きしめられた。
そして父から、宿屋に行かなきゃいけないということと、もう一つ。]
うん、わかった。
だれにも、見せない。
[その理由は知らないけれど、父の言いつけに強く頷いた。]
―前夜:宿屋・食堂―
そうだね。
私も……ノーラさんだって、時間に余裕あるわけじゃないし。
[天候の回復を祈れ、ライヒアルトの言葉に頷き
窓の方に視線を向ければ、空は既に昏く。
逆巻く風と窓を叩く激しい雨音に友人同様に眉を顰めた]
でも、この調子じゃ、雨が上がっても暫くは峠道は危ないだろうしなぁ。
参ったね……。
[食後のお茶を口にしながら、溜息を零した*]
―翌朝・宿屋―
……ん。
[余程疲れていたのだろう。
目覚めたのは、疾うに朝とは呼べない時間だった。
嵐は既に去っていたが確かめようと雨戸を開ければ
表の騒がしい様子に眉を寄せる]
事故でも起きたのかな。
[寝起きの薄ぼんやりとした視線で、慌しく走り回る村人の姿を暫し追い掛ける]
―宿屋―
ああ……。ジットちゃん、こんにちは。
付き添い…では無いわねぇ。
私も呼ばれて来たの。
…ジットちゃんも、自衛団の人に呼ばれて?
[少しうつらうつらしていたららしい。
最近、よく眠るようになったとは胸の中にしまい。
孫ほど歳の離れた少女の声に起こされると、
自分も呼び出された事を伝え、やや戸惑いの混ざった声でそう尋ねて返した。]
――――……ッ!
[何故だろう。彼らを見ていると、じわり嫌な感覚が沸きあがる。
それは、山越えで山賊に襲われたときと同じに、胸がぎゅうと締め付けられ、喉がからからに渇く感じに似て。
女は無意識の裡に身を震わせた]
……まぁ、慌てても、仕方ない。
足止めを食うなら、その分
ラーイの仕事をゆっくり見られるじゃないか。
[不吉な予感を振り切るように呟いて。
簡単に身だしなみを整え、お茶を貰おうと食堂に足を向けた]
よ、と。
[馬たちが満足するまで馬房の清掃、食事の世話、ブラッシングをすると、
宿屋―青年にとっては家なのだが―へと戻り。]
……あれ、ヨハナの婆ちゃんにブリスさん。
珍しいね、どうしたの?
[まさか二人も呼ばれてるとは思ってもなくて。]
あ、母さん。俺もここに集まれってさ。
[出来るだけ明るい笑みを作る。
自分以外の誰かが、悲しまないように。]
―宿屋―
……。あれ、起こしちゃった?
だったら、ごめんね。
[声を掛けた彼女>>195は、少しうとうとしていたようにも見えました。
ちょっと遅れて返って来た反応に、僕もちょっと遅れて言葉を返します]
うん、僕はそうだよ。
……呼び出したのって、団長さん、だよね?
[理由は知りませんが、団長さんの奥さんまで“呼び出し”を受けているのはちょっと不思議で、だから確認の為にそう尋ねました]
─ 翌朝・自宅 ─
[なんで父がこんなに辛そうなのか解らないから、その辛さを少しでも軽くしたい。
言いつけを守ることがそれに繋がるなら、とそれだけで頷いた。
でも、どうしてかは教えてもらえなかった。
他の人に聞いてもいけないと言われた。
自警団の人に呼ばれた理由も、父は知っているみたいだけれど教えてくれなかった。
宿屋にいけば分かるのだろうか、と思うといてもたっても居られなくて。]
じゃあ、私、行ってくる。
ついでにミリィさんに、絵具のお金はらってくるね!
[辛そうな父が笑ってくれるように、笑顔で家を出て宿へと向かう。
娘を見送り家に残った父が、一枚の絵に向かって謝罪の言葉を向けたなど、娘の預かり知らぬこと。]
─ →外 ─
…な、何か…、縫わされるの、か、かな。
―――それにしては、き、来た人…
か、顔が、怖かった…
[リスから視線を移し、彼の丁寧な仕事を暫し見詰め。
包を受け取って大きな裁縫箱に閉まってから
猫の刺繍のショルダーバッグから銀貨を差し出す]
あ、あありがとう。
――――品揃えに、い、いつも、た
たすかる…
[いつもの無表情なまま、じ、と
相手の左目と右目のある位置を、顎を引いて見詰めた]
おはよう。
ええ。私も今呼ばれたから、広場から戻るところ。
[ウェンに挨拶を返しつつ、カルメンまでが呼ばれていると聞いて微かに息を飲んだ]
どういうこと……。
[そうしているともう一つ声>>198が聞こえました]
……えっとね、さっき呼ばれたんだ。
[笑顔が印象的な宿のお兄さんでした。
少し首を傾げてから、問われた事に答えます]
……。あれ、アーベルさんも、そうなんだ。
[その直後、彼が女将さんに掛けた言葉に、先程傾げた首を今度は反対方向に向けました]
[しかし母親は、息子の言葉に顔が青ざめて。]
母さん。俺は何もしてないし、きっと何かの間違いだって。
ね?
[そ、と安心させるように母親の手を取って。
こて、と笑みを浮かべたまま首を傾げた。]
あ゛〜、もう行けば良いんだろ…
[そんな風に結局折れるまで、また数分の時間を要した。
起き上がってはいるものの、ベッドの上に腰を掛けていた]
着替えたりしてくから、さっさと出てけ。
見たいとか馬鹿な事を言い出したら、金取るぞ。
アタシはそろそろ宿屋に向かうけど、ゲルダはどうする?
このまま行くなら一緒に行きましょ。
[そう誘いをかけて、エーリッヒはカウンターを出た。
それに合わせ、リスが駆けてエーリッヒの肩へと飛び乗る]
[食器を片付け綺麗に水気を拭き取り
バスケットへと戻して陳列棚の上に置く]
お話し、そんなに長くは掛からないわよね。
返しにいくのは、後でいいかしら。
[バスケットから手を離し
自衛団に言われた通り向かうは宿屋]
あ、俺も。
厩に行く途中で言われたんだ。
[それから馬房の清掃等しているので、それなりに時間は経過しているのだが。]
なんでかは分からないけどね。
[ブリジットの言葉>>202に肩をすくめながら答えた。]
―宿屋―
こんにちは、アーベルくん。
お邪魔させてもらっているわね。
[まさかアーベルも同じように呼び出されているとは知らず。
彼の家にあたる宿への訪問へは、そんな風に告げる。
だから、俺もと。彼が口にした時には、つと視線が向いてしまった。]
―宿屋―
ううん、いいのよ。
お寝坊しちゃいけないからねぇ。
[ブリジットの謝罪には、ゆるゆると首を振る。
少し送れ気味の反応には、そう、と。瞼が下がってしまう。
呼び出した人、についてはこっくり頷いた。]
ええ…あの人がここにと、みんなを集めているんでしょうねぇ。
[ギュンターが自分以外の誰を呼んでいるかは知らないので、言い回しはやや他人事のようになってしまうが。]
まだ他にも呼び出された人がいるでしょうから。
他の皆が集まった頃に、あの人がちゃあんと、説明してくれると思うわ。
[呼び出しの理由を一足早く聞いてしまっているが。
自分から説明する気には到底なれずに、黙っている事を選んだ。
どのみち、すぐに知れるのだろうからと。]
― →宿屋 ―
[そんなこんなで宿屋にやって来たウェンデルは、不機嫌そうな視線であった]
アーベル、飯くれ
はよ
[挨拶の方が遅いのはどうなのか。開口一番それなのも如何な物か。
いつもとは違った雰囲気である周りを、それから見渡した]
[家の外に出ると、辺りはまだ水がひけていなかった。
歩くたびに、ぱしゃりと水が跳ねる。
さっき家に来ていた人とは違う、自警団の人が忙しそうに走ってる。]
?
ほんとに、何がおきてるのかな。
[何だろうと、立ち止まり首を傾げる。
ちらほら聞こえてきた声に、外に繋がるトンネルが水のせいで通れなくなったらしいと知った。]
…い、行く。
そ、そのつもりでももって、来たの
[持ち歩くには大きい裁縫箱。
リスの飛び駆ける軌跡を大きな尾が遅れて追うのを見遣り
店を閉めるかと、少し小走りで外へ出た。
見上げると岩肌は未だ乾かぬ水がぬめり光り、
喧騒は絶えず―――ざわめきに、目を伏せた]
…パパ、パ、パラッ、シ?
[上げた顔が紡いだ言葉は、先程聞いたリスの名らしき]
─ 広場→宿屋 ─
さて、そこは行って見ない事には。
[他にも知り合いが呼ばれている事は知らぬまま、軽い口調で言って。
笑いながらの問い>>207に、翠を数度、瞬いた]
んー……転び易そうに見える、と言うか。
しっかりしてるんだけど、ちょっとほっとくのが心配になるとか、そんな雰囲気?
[返す言葉は、冗談めかしたものだが。
彼女の亡夫と交わした幾つかの言葉、護りたいという願い。
玉に強くこもったそれを知るからこそ、というのは少なからずあった]
─ 宿屋 ─
[その内に、たどり着いた宿。
そこに集まる顔ぶれに、眉が寄ったのは已む無しか]
……随分と、賑やかだけど。
もしかして、みんな同じ理由で呼ばれてんか、これ?
[ぐるりと中を見回して、誰にともなく問いを投げた]
危険、かしら。
[迂闊には動けないと囁かれて緊張する。
誰かに正体がバレたことは今までなかった。
一番危なくなった時には、夫が身を呈して庇ってくれた。
夫を殺され、翡翠の腕輪まで傷つけられて。
その場にいた者は一人残らず食い殺して谷底へと捨てた。
乗合馬車が事故にあったものと、後から来て助けてくれた者達は勝手に判断してくれた。
否定はせずに夫の躯だけを抱えて家に戻り。
直後から、以前より空腹を覚えやすくなっていた]
[宿屋の食堂に行ってしまうのは癖のようなもの。
女将と既に集まっている人達にゆると会釈を向けた]
こんにちは。
おば様、これ実家から届いたジャムなんですけど。
宜しければ此処で使って下さい。
[半ば強引に其れを女将へと渡して
女は壁に凭れ、自衛団からの話がなされるを待つ態]
こんにちは、ヨハナの婆ちゃん。
そして、いらっしゃい、かな?
[と、首を傾げて。
ウェンデルの登場>>212には、]
お前ね、挨拶が先だろうよ。
[と、突っ込みを入れながら]
お前、好き嫌いなかったよな。
[確認をしながら、厨房へと入っていった。]
―宿屋―
……そっか。
何だか、……共通点、ないよね。
[そんな疑問もありましたが、返った言葉>>208にはひとまず頷いておきます。
その時は完全に彼の方を見ていましたから、告げられた女将さんの顔色が変わるのまでは気づけませんでした]
他にも……。何人、なのかな。
……。僕、本を返すつもりだったんだ。終わった後で、時間あるといいな。
[奥さんの方から返った言葉>>211で、彼女も詳しくは知らないらしいと判断しました。
だから深く尋ねる事はせずに、僕も残りの人と団長さんを待つことにします。
近くにあった椅子を引いて座り、本はテーブルの上に乗せました]
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