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さて、ね。
……聞けるモンなら、直接聞いてみたいよ。
[吐き捨てるような言葉は、偽らざる心情。
それは、一年間ずっと抱えてきたもの]
……っと。
[零れた呟きを聞き止めての疑問の声。
蒼の瞳を一つ、瞬かせ]
前にも起きた時の、被害者の一人が。
俺の、一番のダチだった。
あの時は、何にもできなかった……いや、しなかった、から。
同じ事やって、同じ後悔したくない。
[そんだけ、と。短くまとめて、肩の隼をそ、と撫でた]
―広場―
[広場近く、大通りに着地した瞬間。
響いた声は大きさよりもその通り具合で耳に届き
――否、頭に、届いた。]
…――っ
[少女は、口を半開きにしたまま
呆とした表情で、街灯に手を添えたまま立ち止まった。]
―――噴水傍―――
あー。いい湯だった。
[顔を桜色に染めて、レナーテが大股で街中を闊歩する。
その行き先が噴水の近くになったのは、単純に温められた体を少し冷やそうと思っただけのこと。
噴水の近くまで近寄ると、そのヘリに腰を下ろして、一息ついた]
おー、涼しー。
あったかい街だから、こー少しでも涼める場所があるってのはいいね、うん。
[言いながらきょろと何気なく辺りを見渡し]
さて。一息ついたところで、また探し人の開始でもしようかね。
そろそろ、店の方へ戻ってるかも……っとと?
[その瞬間、広場中に響くようなエルザの声が聞こえ、軽く驚いてそちらを眺め見る]
おー?エルザじゃん。なーにしてんだー?
[自衛団員は突然の大声に驚きエリザベートを見た。
反論の内容に、詳しい事情を知らぬ周囲の反応はといえば、どちらを悪者を見るかと言えば、火を見るより明らかだ。
密やかに話し合う他者の反応に、男は女の腕を掴む。
強い力に眉を寄せたが、それだけのこと。]
連れて行きたければ、いけばいいじゃない。
あの子を連れて行くより、ずっとマシだもの!
[翠眼で、キッと相手を見据えた。
震えは気取られぬように]
―広場・噴水傍―
[相手を信じるだけの根拠は無い]
[ただ情報を持っていると思われ][多少はその人となりを知り]
[賭けにも出なければ状況が変わらないと思っただけ]
分かった。
俺としてはありがたい情報だし、信じておく。
[情報源を明らかにしていないのは自分も同じ]
[こちらは問われれば答える気もあったが]
どうみても牽制しあって動けなくなっている。
ようやく重い腰を上げても上はその程度だ。
まあ確定情報になるのと、あんたならそこから更に何かを得ることも出来るかもしれないか。
[エルザの声に振り返ってもすぐには動けなかったのは]
[カヤを疑っているからと][最後の言葉に重さを感じたから]
すまない、ちょっと行ってくる。
あのままは拙いだろう。
[連れて行けばいいとの言葉に硬直が解ける]
[ヴィリーに言い置き][そちらに向かおうと]
[語られる言葉を、彼はただ黙って聞いていた。
短い話が終わって、少し間が空いて]
すまない。
余計なことを聞いたね。
[顔を俯け、まず先に零れたのは謝罪の言葉]
…けどね。
やっぱり、あまり危ないことはしないほうがいい。
心配する人だっているだろう。
[顔を上げて、諭すように言葉を続ける。
それが簡単に聞き入れられるとは、彼自身も思っていないが]
[視線の先のエルザが自警団に腕をつかまれる姿を見れば、その顔に眉が寄った]
……なーんか事情は良くわかんねえけど、見てみぬフリは出来ねえなあ。
[言って立ち上がると、大股でエルザの傍まで近づく。
どうも、同じようにハンスも近づいていたようだが、それは丁度影になっていたのかよくは見えなかった]
よー。エルザ。
助けのほういるかー?
ああ、報酬は今回に限りロハでいいぜ。
[そんなことを言いながら、エルザに向けてニッと笑った]
――あ、レナーテさん。
[振り払うことの出来ぬまま、声をかけてきた「何でも屋」を見る。
見知った者の介入に、思わず安堵の色を表に出した]
ありがとう。でも、いいの。
……無理やり解決したって仕方ないもの。
私が行って、疑いが晴れるっていうのなら、行きます。
……別に、謝る事じゃないから。
[気にしないで、と短く返す。
表情は、前髪の陰で読めぬまま。
続いた、諭すような言葉。
一度目を閉じ、一つ息を吐いてから、開く]
そう、だろう、ね。
……わかっては、いる。
けど。
……逃げるのも、嫌なんだよ。
逃げて……ただ、甘えるのも。
─大通り・広場近く─
[広場に向けて歩いていたが、ちょうど境界に差し掛かるところで、上からカヤが降ってくる
それに少々びっくりするが、それと同時、広場の方から聞こえてくるよく通る声
きょとりとした目で声のした方を見やり]
……あれって、エルザさんの声?
って、カヤちゃん…………どうかした?
[呆とした表情をするカヤに問いかけ]
─広場・噴水傍─
信じるも信じないもお前の自由だ。
俺は”真実を表に伝える”と言う制約がある。
情報に関して嘘は言わん。
それだけは覚えておけ。
[視線は紙片に向けたまま]
[紫煙混じりに言葉を紡ぐ]
自衛団の手段に問題あり、か。
正しくだな。
このまま保護と言うことは、解決までは出してもらえんと言うことか。
自分が捕まらんよう気をつけなきゃどうにもならんな。
依頼内容は情報の共有だったか。
ならこれも教えておこう。
自衛団長から直接聞いたお墨付きだ。
[紙片の内容を出せる程であるなら行商人もひとまずは信用出来るだろうと]
[青年に伝えた実行犯の人数と街の有力者が関与している可能性を伝える]
もう一つ、消えたガキについて。
あのガキが消える直前、誰かに会っていた節がある。
その人物までは特定出来んが、『ベッティ』と呼ぶ声を聞いたっつー証言が出た。
聞けばあのガキ、本名はベティっつーらしいじゃねぇか。
名を呼べるほど親しくて、『ベッティ』と言う愛称で呼ぶ人物。
……かなり限られるとは思わんか?
[そこまで言って、ようやく視線を上げ行商人へと隻眸を向けた]
[その後に行商人は青年の姉の下へ向かうと断わりを入れ]
[傍から離れて行く]
そうだな、シロと分かってる奴を連行されるのは困る。
冤罪を重ねるのは自衛団のためにもならんしな。
俺としてはネタになるがよ。
[この状況でも軽口を言うのはその性格からか]
んー……。
[エルザの答えに、レナーテが頭をぽりぽりとかいた]
まあ、自分でそう思うのなら止めないけどよ。
でも、きっと疑い晴れないんじゃねえか?ローザの例を見る限り。
同じように捕まえて、どっかに軟禁、とか?
[自警団の目の前で相当不穏当なことを言い出した。
その本人は、顔を怒りで染めてはいたが、レナーテの大柄な体格、それから、曲がりなりにも事件の解決について自警団に協力していることもあり、特に何か言うことはなかった]
─大通り・広場近く─
[暫し、呆とした表情のままゲルダへと顔を向ける。]
あ、あ…うん、いや。
ちょっと、吃驚、して。
[帽子のつばに手をかけ、ぐい、と引っ張り。
顔の半分も隠してしまい、口をもごもごと動かしてから、顔を上げた。]
ん、ゲルダはどうしたんだ?
ベッティと呼んだ?
確かに、それを呼ぶのは……。
[再び兆す疑惑の種]
ネタにされるのはありがたくないな。
元住民としては。
[そしてエルザたちの居る方へと]
そう、気になることが俺のほうにもあった。
カヤ君と一緒に誰かが走っている姿というのを見たという少年も居たんだ。親御さんが来て詳しくは聞けずじまいだったが。
[一つ二つと出てくる曖昧な情報]
[複数重なれば疑いは濃くもなってゆくというもの]
[そう隻眼の記者に残して]
待ってくれ。
それじゃ解決しないだろう。
[先にレナーテが動いていた]
[不穏当な台詞の内容は実に的を得ていた]
お知り合いなんですか?
[恐らくは連れ去られた人物の名が紡がれ、はたりと瞬く。
男の手に篭められた力は幾らか緩んでいたが、抵抗の素振りは見せず]
……仮にも、街を守る立場の人達でしょう。
幾ら、統率者を欠いた状態だからって、
そんな馬鹿げたことはしないと思います。
[途中で顔を向け、自衛団員をじっと見る。
そう信じ込んでいるといった口調に、ぐっと詰まる様子が窺えた]
ね?
[ある意味予想できた答え。
短く息を吐いた]
分かっていても、止められないか。
…なら、好きにするといいさ。
[呟くように言う。
青年にはどんな風に聞こえただろうか]
まったく、ぼくの忠告は聞き入れられた試しがないな。
[苦笑を浮かべて肩を落とすのは、いつもの通り]
[帽子で顔を隠すカヤに特に突っ込むことなく]
…………そう
[とだけ言って目を伏せる
だが、顔を上げて聞かれた言葉に、うん? と首を傾げると]
…………詰所を爆破?
もちろん冗談だけど
[ニコッと笑顔で言う。本当に冗談なのかとても怪しい]
おお。
ローザは知り合いっつうかなんつーか、最初事件についてどう調べていいか悩んでたときに、話しかけてくれた人だ。
おかげで随分と楽になったのを覚えてるよ。
そして、だからこそ、あまりローザが犯人だとは思えねえんだが。
[エルザの問いに、つらつらとローザのことを話した。
そして、エルザが自警団を心から信じてる姿を見て、自警団をちらりと見ると]
ふーん?
[と、意味ありげに呟きを漏らした]
まあ、失踪させないため、という意味でなら、間違いなく安全な方法ではあるかな?
[皮肉気に笑ったが、そこにハンスが近づいてくると、お。ラッキーという顔でそちらを眺める]
─広場・噴水傍─
[行商人の返答にはくつりとした笑みを返すのみ]
[冤罪を記事にしないとは言い切らなかった]
あのガキと一緒に誰かが走る姿を、ね。
……ますます怪しいな。
[最後の呟きは相手に届いただろうか]
[離れて行く背を見やってから隻眸は紙片へと戻る]
なかなか、面白い内容ばかりだ。
事件を霞ませる内容かどうかは、もう少し調べてみて、になるか。
裏取りの状況によっては事件と関連する可能性も否めんかね。
[ざらっと目を通しただけではまだはきとしない]
[けれどその先にあるものを予測し、楽しげに口端を持ち上げる]
[咥えた手巻きタバコはようやく半分にまでなっていた]
[呟くような言葉。
言われずとも、そうするつもりではある、けれど。
少しだけ、常と違う響きを感じたように思えたのは、気のせいか、それとも]
不良のサボり魔、だからね、俺は。
昔から、人のいう事、大人しく聞けるようにはできてないんだ。
[微かな疑問は押さえ込み、返す言葉は冗談めかす。
もっとも、教会の神父らに問うたなら、幼い頃は素直な良い子だった、との答えが返るのだろうけど]
それでも、ライヒさんが気ぃ使ってくれてるのは、一応わかってるつもりだよ?
[肩を落とす様子に、こてり、と首を傾げる。
幼げな仕種。
だから、長身の男子がやるには、それはどうなのかと]
…ばくは?!まじで?
[帽子のつばを上げずに声を上げる。
鼻をずび、と一度すすり手首で拭いてから]
詰所?
あいつら何か掴んだのか?
あら、ハンス。
……大丈夫なの?
[問いかけるさまは、やや暢気というか、場違いでもある。
自衛団員はと言えば、何だか黙りこくっていた。
ハンスの手を払うこともしない]
―広場―
手を離せ。同じ轍を踏む気か。
[エルザから一度手を離させる]
[沈黙する団員の表情は険しいものだったが]
大丈夫じゃない。
変なことを言い出されもすれば特にだ。
[暢気にすら聞こえる声に溜息を吐いた]
カヤ君を疑いたくないというのは分かる。
だが……。
失踪からの安全をというのなら、あの子でも同じだろう?
昔はもっといい子だったと聞いた気がするんだが。
誰かと聞き間違えたかな。
[揶揄するような言葉で見上げる相手は、彼より20cmばかり高い。
聞き入れられない理由の一端かもと考えたこともあるが、すっかり慣れてしまってはいた]
そうかい。
『一応』と『つもり』が取れないのが残念だよ。
[故に幼げな仕種にも、特に言うことはない。
眼を細め、苦笑を浮かべるだけだ]
[カヤの言葉ににっこりと微笑み]
……何か掴んだかはどうか知らないけど
というか、この際どうでもいいんですよ
だって、あの阿呆共、『私の獲物』を濡れ衣で連れていっちゃうんですもの
そりゃ、爆破のひとつもしたくなりますよ
[満面の笑みで、そう言い放つ
もちろん周りにそれを聞き咎める人物が居ないことは承知の上]
─大通り・広場近く─
えもの?
[ゲルダの言葉に、首を傾ける。
顔を見ながら話すのは、なんだか久しぶりの気がする。
少女はなんだかもそもそと落ち着かない態の侭
言われた言葉を不思議そうに繰り返した。]
…キラキラの瓶くれた人?
獲物って、どういう事だ?
そう、かも、ね?
[聞き間違い、という言葉にくすり、と笑う。
残念、という言葉も、その笑みで受け止めて]
……さて、と。
ここで立ち話してても、爺様やベッティが見つかるわけでなし。
動いていかないと、かな。
……ライヒさんは、これからどーするの?
[話題を切り替え、ごく何気ない口調で投げるのは、こんな問い]
……疑いたくないわけじゃない。
[離された腕は少し痛む。
もう片手で摩りながらの台詞には、嘘が見える]
ハンスは、そう思ってるのね。
[呟くように言う。
無言の自衛団員に一礼すると、踵を返した]
[落ち着かない様子に僅かに首を傾げつつ
カヤの言葉にこくりと頷くと]
そう、ローザ
んー、まあ『獲物』って言うのはちょっと語弊があったね
私の友達。彼女をどうこうしていいのは私だけ
それを阿呆共は勝手に持って行ったんだから、その報いは受けて然るべきだよね
[笑顔で相変わらずとんでもないことを口走る]
[返答には小さく肩を竦めるばかり。
話題が移ると苦笑を止めて、少し考えるように宙を見た]
…そうだね。
取り敢えず、広場のほうを見てみようかとは思ってるが。
……んー。
[なんとなく、部外者が立ち入れないような雰囲気で話していたので黙ってみていたが、カヤの話になるとちょっとだけ眉を寄せた]
つか、よく2人の話を理解してねえかもしんねえんだけど、カヤを犯人だと思ってんの。2人とも?
アタイは、カヤは犯人じゃないって思うんだけどなあ。
アイツがアタイに申し出た依頼の真剣さに嘘はないと信じてるから。
[こともなげに、レナーテが言った]
……広場、か。
あそこなら、人も集まるし、話も聞きやすいか。
んじゃ、俺も、寄り道してからそうするか、な。
[寄り道とは即ち、屋根の上の情報収拾ルートなのだが]
んじゃ、そういう事で、俺、行くよ。
[ひら、と手を振り、路地を蹴る。
ふわり、と周囲を取り巻く風は、以前よりも軽やかに]
[だが、くすりと笑うと]
まあ、爆破ってのは本当に冗談だよ
…………そんな一瞬で終わる悲劇なんて生ぬるいし
じわじわとじっくり苦しめてあげないと
[結局、とっても黒かった]
─広場・噴水傍─
[ちりちりと音を立てながら手巻きタバコは短くなって行く]
[頭の中では誰を調べるかの最終選択]
[青年と行商人は現状調べる必要は無い]
[女剣士もあの態度ならば今は外しておいても良いだろう]
[残るのは友人と子供、そしてあの人形使い]
……ひとまずは二択、かな。
[再びの二択]
[潔白を調べておきたい友人と]
[現状疑いがかかっている子供]
………。
[一度に二人は調べられない]
[しばし考え続け、最終的に下した結論は]
…自衛団の無能っぷりが不安ではあるが。
あれだけ炊きつけたんだ、ガキの方はあっちに期待してみるか。
[監視くらいはするだろうと]
[子供の方を切り捨てる]
[やはり友人の潔白は証明しておきたかった]
友達、――ともだち。
[ゲルダの言葉に帽子のつばの横から片目だけで見て
言われた言葉を口の中で繰り返す。
眉を寄せ、翠の瞳は揺れる。]
しかるべき、って、本当に爆破するのか?
[笑顔が少し怖い。
思わず声を低くした。]
……ああ。
気になる話があったからね。
[呟くようなエルザの言葉には低く返す]
手、大丈夫なのか。
[手を摩る様子に眉を寄せた]
[後を追おうとしたところでレナーテの問いが聞こえて]
本人を見ていると確かにそうとは思えなかった。
けれど、聞き込んでいるうちに不自然な点が出てきたんですよ。
まだ断定できるとまでは言いませんが。
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