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─ 雑貨屋・店外 ─
うん……大学の奴らの名前もなかったよ。
でも、呼ばれなかっただけって可能性もあるから…さ。
[>>124壊れてしまったように細く呟くフランに眉を寄せる。
それが薄い可能性なのは理解しているが、言わずにはいれなかった。
他に慰めの言葉が見つからないのだ。]
……俺も、 、してきた。
そうしなきゃこっちが殺されてたし…。
[殺したとはどうしても言い難くて、喉に骨でもつまったような声でぽつりと零した。]
仕方がなかった……って言っても許されるかな。
わかんないけど。
[うっかりおかしくなりそうな意識を、頭を振って呼び戻した。]
─ 自宅 ─
[うろうろと実験室を彷徨う最中、犬の足に床に置いた袋が引っかかる。
躓いて転ぶなんてことは無かったが、代わりに袋の中身が床へと散らばった]
…… わぅ?
[床に散らばったのはペンのようなものが数本。
良く見れば円筒の部分にボタンが一つついている。
更に袋を漁ると、取扱説明書と書かれたチップが出て来た]
わふん ……
[不思議そうにそれらを眺め、チップを器用に銜えると、壁に埋め込まれた端末に挿入してみる。
右前足を変形させて端末を操作すると、先程床に転がったペン型のものの説明が表記された。
どうやらこれは使い捨ての小型レーザー銃らしい。
飼い主が出した「操作が簡単で軽くて威力のあるもの」と言う要望に一番該当するものがこれだったのだろうか。
少なくとも操作が簡単で軽い、と言う点はクリアしていた]
くぅん
[取扱説明書に眼を通し、犬は使い方を把握する。
この簡便さならば、犬も扱うことが出来るだろう。
人間並みの知能が意外なところで活かされた]
わふん
[端末の操作を終えて、犬の視線は床に転がる小型レーザー銃へと移る。
両足の付け根のボタンを押して収納スペースを開くと、そこに3本ずつ、計6本の小型レーザー銃を収納した。
数に限りがあるために無駄遣いは出来ないが、残り人数も然程では無いため、足りなくなると言うことは恐らく無いだろう]
……わぅ
[決意するように鳴くと、犬は四肢で床を蹴り、家の外へと飛び出した。
向かう先は、指定にあった中央部にある議事堂]
─ 街中 ─
[折り重なる死体には視線を向けず、目指すのは議事堂。
頭の中では色々と考えを巡らせているが、中々まとまった形にはならない]
まー、考えてどうにかなる相手じゃねーもんなぁ……。
ふつーに、見分ける手段なんてないわけだし。
[そう認識しているからこそ、引っかかるものもあるのだが]
……んー……とりあえず、あの子は外しとく、か。
[別に子供を撃つ事に躊躇いがあるわけではない──というか、知り合いだろうと必要とあれば銃口を向けるのだが。
先の一幕で耳にした言葉は、やはり言うか、引っかかっていて]
っかし、それ以外だと……っとに、当たりもつかねーなー。
[そんな呟きをもらしていた所に聞こえた、声。>>138
振り返り、よ、と言いつつひら、と手を振った]
ま、ああなっちまったら、抑えようもねぇだろ。
ああ、資料、あんのか……まあ、どんだけの事がわかるんだか、って感じだが。
[軽い口調で言って、肩を竦める]
にしてもまあ、相も変わらず、役所は無茶ばっか言ってくれるよなぁ。
うん……
[フランの申し出に頷いて、
心配する様子を感じたので素直に言葉に従い]
うん、私はカレンだよ。
ありがとう……、フランおねーちゃん。
[自己紹介と一緒に教えられた名前を呼んだ。
放送で聞いたほかの名前は知り合いなのかなと子供ながらにおもったりしていた]
─ 雑貨屋前 ─
んと、足は覚えてるけど他は…腕か肩かな?
痛みはないから、本当に大したものじゃないと思うけど。
[>>133怪我の事を問われたので、大丈夫だよと布を巻いた足を叩いた。
実はまだちょっと痛むので引き攣っていたのだが、こういう時に面は便利だった。強がっていられる。
自分のせいでと責める彼女に、「それは違うっ」と若干強く言ったのは、本気でそう思って欲しくなかったからで。]
ふーちゃんが謝る必要ないって。
出てって怪我するより、無事で良かったよ。
ちょっと細工してったのが、役に立ってれば良かったんだけど。
[シャッターの事を暗に言いながら、汚れた掌を一度服で拭いて、フランの青い髪に手を伸ばすと、ぽんぽんと撫でた。]
― 街中 ―
しかし、何の因果か。
生存者に知り合いの名前が多く並んでるのよねえ。
生きてるのは喜ばしいこと、なんだけど……。
[歩きながら、溜息を吐いた]
この後を考えると複雑だわ。
掃除屋の兄さん、カレンって名前に心当たりある?
うん、議事堂……に……
[そう答えながら躊躇いがちに差出されたフランの手をとる]
ぁっ…
[不安か、悲しみなのか、あまりいい感じじゃないものを感じると思わず手を離してしまったかもしれない。
そうでなくとも短く悲鳴みたいな声を思わずあげただろうか]
─ 雑貨屋前 ─
…ううん。
ちょっと染みるの塗るけど、ごめんね。
[手当を受けてくれるカレン>>145に一言謝ってから、消毒液を傷に塗る。
少し多めにしたのは、傷の周囲の血も流し落とすつもりで。
本当は着替えさせてあげたほうがいいのだろうけれど、流石に子供服は手元にない。
赤に染まった服をまた元通り整えて、微笑みを向けた。
こちらの言葉を強い口調で否定するケイジ>>148の表情はみえない。
足を叩いた時の顔の引き攣りも、見えないから解らなくて表情を曇らせたが。]
…あ…このシャッターって、ケイジさん、が?
[細工のことを聞いて、ようやく腑に落ちたように目を見張った。]
─ 街中 ─
うっわ、それは災難な。
来て早々こんなんが起きるなんて。
でも知り合いの女の子、ねえ。
もしかして、掃除屋の彼女?
[気分を上向かせるように、揶揄混じりに付け足した]
─ 街中→中央議事堂 ─
[犬は静かな街中を駆けて行く。
かつてこれ程までに音の少ない状況に面したことがあっただろうか。
道に転がる遺体は片付けられるはずもなく、周囲を赤黒く彩ったままにされていた]
… くぅん
[近所のおばさんや、よくおやつをくれたおじいさん。
見た事のある顔も知らない顔も、沢山辺りに転がっている。
いちいち足を止めて覗き込むことは無かったが、犬はそれらを悼むように鳴き声を零していた]
わふ
[ややあって見えてくる、集合場所である議事堂。
先に家を出た警備員とはルートが異なったのだろう。
駆けたこともあって犬が先に辿り着いたようだった]
─ 街中 ─
いや、実際そんなもんだろっての。
……ここまで減るたあ思わんかったけどなぁ。
[いつぞの暴動の時は、それでも100人単位は残ったのだったか。
反乱分子を炙り出し、かつ、自滅させるために撒かれた種は本当に瑣末なものだった]
なんのために、か……。
ソレがわかりゃ、苦労しねぇ……んだか、どうなんだか。
[愚痴>>154にはやれやれ、と息を吐き。
その後の揶揄混じりの付け足し>>156には、くく、と低く笑った]
ちげーよ。
まあ、お友達認定はしてもらったけどな。
[軽い口調でさらり、返す。
普段はあかるい掃除屋が、あちこちで子供たちに懐かれていた事は、付き合いのある者なら大抵知っている。
一瞬浮かんだ色は、そんな子供たちの事に振れる時の表情に近かった]
あ…、ごめんな……さい……
[フランの様子に申し訳なさそうにしながら中央議事堂へと向かう。
二回目に差出される手はなかった。
罪悪感みたいなものにちっちゃな胸がちくりと痛む]
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