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どうやらここにいる皆さんは御自分が一番可愛い様子。
なれば、後がないと判らせるも一興。
ええ、余所者の私なれば惜しまれはしますまい。
…貴方様が惜しまれはしないように。
[危険だとは言っても、強く止めようとはしていなかった茶色の髪の青年をレンズの陰で見やる]
余所者を犠牲にして、なお保身に走るや否や。見せていただこうではありませんか。
ふふ、そうだな。
其の上で、私の言葉に信憑性が増せば、まさに一石二鳥というわけだ。
良い事を教えてやろう。
お前は私の力を受けている。
だから、器から切り離せば、アレに触れることが出来るぞ?
[やがて真剣な面持ちで、コーネリアスを見つめ]
私も、ニーナさんとはそれなりに親しくしていただきました。…この町の方々ほどではありませんが。
呼び戻す事が出来るというのなら…手段があるのなら、試させてはいただけませんか。
マジシャンの人の、占いとかいう、ちから。
それで、アーヴァインさんは、魂と身体が離れた?
みんなが忘れた。
ニーナさんは? 多分、ニーナさんも、そう。
それで、ええと。
……魂が消える、んだっけ。
だとしても身体は残る?
でも、わからない……んだったら。
え?いや、ちょっと待ってください、ヴィンセントさん。
[ヴィンセントの申し出に焦った顔を見せる]
それは確かに、あなたはニーナさんと一緒に働いていたんですから、親しくされてはいたでしょうけど……知り合って間もないんでしょう?そんなに強い絆があるとは……
あ、いや、もしかして……
……ヴィンセントさん?
[唐突な言葉に、ゆる、と瞬いてそちらを見やる。
視線は、目の前の二人の男の間を数度行き交い。
とりあえずは、その成り行きを見守ろうと]
?
[子供の足取りは早くはなくて、
赤い色は人混みでも目立つから、
あっさりと見つけられるだろう。
少女のほうも気づいたのか、
立ち止まって視線を巡らせる。]
[ヴィンゼントの言葉をきき、驚いてコーネリアスの腕を掴もうと手を伸ばして]
え。まって。
何か手があるの?
それなら私にやらせて?
[是という声に、恭しく]
――なれば、私めが貴方様のための犠牲の羊となりましょう。
余所者の私では迎えには行けても、縁が弱くて引き戻しきれなかったとなれば、より縁の強い者が出ざるを得ますまい。
ハーヴェイさん、の言った事は。
ここに、いるって。
……アーヴァインさんがいなくなって。
ここで、増えたのは。
あの悪趣味な、ピエロ?
……まさか。
って、レベッカさんまで……。
ちょっと、落ち着きましょうよ。
[コーネリアスに手を伸ばすレベッカの様子に、やれやれ、と息を吐いて]
[コーネリアスの問いかけに、惑うように視線を揺らす。
けれど、答えねば頼みは聞いてもらえないかと、重い口を開き]
……娘がいたら、こんな感じだろうかと思っていました。
[恋愛ではなくとも、情があるのだとの答え]
私としては、あの子供を…手に入れてみたいと思っていたのだが。
[何かの秘密を持っているらしいリックに興味を覚えた様子で囁く]
[ハーヴェイに言われてふぅ、とひとつ息をつく]
だって…。
ヴィンセントさんより、私のほうがきっと「絆」ってあるかしら、と。
や、ちょっと待ってください、レベッカさん。
[レベッカの勢いに、怯みつつ、ヴィンセントの答えを聞く]
娘、ですか。
[俯いて、考え込む仕草]
意地悪な質問ですね、団長。
ここで恋してるなどと偽ろうものなら、他の誰がより強い絆を持つと言って下さるやら。
[責めるような言葉の割りに、声には楽しげな響き]
…ほら、さっそく釣られてくれました。
けれどここで、はいそうですか代わりましょうとは言えませんね。
こんにち、は。
[ぺこりと頭を下げるとリボンが揺れて。]
ぼくもいっしょだよ。
[熊がそうは答えはしたけれど、
この間とは違う様子に首を傾げ。]
だいじょう、ぶ……?
いえいえ、レベッカさんには是非とも失敗した私の代わりに来ていただかなくては。
魂を刈り取るのは、己から消して言い出すことのない者達ですよ。
ええ、あの子のような。
[リックを揶揄し、喉の奥で笑う]
確かに、そりゃそうだろうけど。
[二人の仲の良さは、傍目にもはっきりわかるほどのもので。
しかし、だからこそ]
……絆の力が強いからこそ、呼び込まれてしまう事もある。
今のレベッカさんは、ニーナや他のみんなを心配する気持ちが先走ってるから、そういう意味、危険かも知れない。
[押し止める言葉が妙に真剣なのは。
多分、古い記憶が引っかかるからだろうか。
今と状況は違うものの、想いの強さ故に、異なる世界へ呼び込まれそうになった過去の]
そうだな。ここで頷いては、ハーヴェイあたりは疑いを強めそうだ。
警戒するに越したことはない。
あの男は特に強い力を持っていそうだからな。
[くすくすと笑うその声が、赤の少女に微笑む青年の身体から発されているのが彼女には分かるだろうか。]
ワタシは人形《DOLL》。
アナタを此方に御連れした主から生み出され、主に仕えるモノ。
残念なことに、未だ未完成なのですが、ね。
[レベッカを説得しようとするハーヴェイの言葉に頷いて]
そう、ですね…
それに、こんな言い方も可笑しいですが…ヴィンセントさんは強い魂をお持ちに見える。
[じっとヴィンセントの瞳を見つめた]
うまくいくかどうかは判りませんが、試してみてもらえますか?
レベッカさん、何を…!
[レベッカの申し出に、驚いたように振り返る]
いけません、貴方はまだ本調子ではないのですから。
魂と身体が離れれば、残された身体は段々と弱っていくでしょう。
例え失敗しても時間を稼げる私の方が…。
[息を吐き、興奮を収めて]
…それに、危険と判っている事に、女性を巻き込みたくはないものですよ。まして好意を持っている相手ならば。
[最後は少し小さな声になったろうか]
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