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[サラマンダーを中心にくるくると回りつつ、機を狙っていると、突然、目の前に水の盾が浮かび上がった]
ほう。
これは助かる。
奴の攻撃を阻む良い壁となりそうだ。
では、落ち着いて、私も魔法を使わせていただこうか。
【神よ!我が武器に力を!】
[効果:自らの武器一つの物理ダメージを光属性の魔法ダメージに変える]
てえええいっ!!
[武器に魔力を付与し、相手の攻撃の合間を縫って、サラマンダーに一撃を与えて、すぐに水の盾の後ろへと退避]
ふむ。まあまあ、か。
その考えは敵が増えそうだなぁ…嫌いじゃないが。
[むっとした様子のライヒアルトに嫌味ない笑みを浮かべつつ言って]
それに、先のことを考えると…お互いの呼吸を知っておくのも悪くない
[と答えつつも、注意深く流れを見つつ]
メラニー
[その呼び声に答え。細長い体をした金色の龍が髪よりにょろにょろ出て、腕へと巻きつく]
まずは無難にこれか
―――開きたまえ開きたまえ。祖は異界への扉。祖は哀しみを運ぶ風の門
我が友を介し…満たせ
[詠唱と同時に出でるのは直接的にはなんの害もない…ただこのエリアを支配する土属性の領土を奪わんとするだけの風の力]
お、当たってましたか。
「あんさんは相変わらず高みの見物やなー。
んや、こん場合は低みの見物やろか」
[けらけらと、男と碧の異界龍の笑いが重なった]
そうですねぇ。
最終的には直々にその実力を見せてもらうことにもなりますし。
どのチームがそうなるかはまだ分かりませんが。
[言葉を返しながらも視線は四つの次元へつ向かう]
…ふむ。
[ヘルムートの様子を見て、首を傾げると、ぽん、と手を打って]
……こういう時は。
「……。(なんかいやな予感がする)」
……オーヴァン、よろしく。
「……やっぱりか。」
[予想道理らしい。]
「ヘルムート、ちょっと水巻くぜ!」
[そう言うとオーヴァンは大きく息を吸い込み、ヘルムートに当たらぬような位置でブレスアタック!]
ええ、どんどんいきましょ。
[運が無かったら迷子にもなっていそうだった。
ててって、とブリギッテの言葉通りに進んだ猫がまた止まる]
右って戻る方向よね。
そろそろ左に行ってみる?
ははは、見物ばかりしているわけでもありませんよ?
[異界龍に向かってにっこり。…見物以上にくっちゃねしてるなんてそんな]
適当に組んだように見えましたが、どうやら意外にうまく連携を取れるチーム分けになっているようですし。
どのチームが残るにしても、先が楽しみです。
敵が増えたら、薙ぎ払うっ!
[だからそれは危険だと。
そんな突っ込みどころ満載の言葉を投げ返しつつ、飛んできたストーンブラストに防御陣を巡らそうとして]
……ん。
[不意に感じた、風の力。
ノームの方もそれに気づいたのか、やや、気配が険しくなる。
その隙は逃せない、と素早く準備済みのカードを投げる]
裁きの雷、力の導き手に従いてその輝きを巡る陣へと変え、守と破同時にもたらさん! 雷撃の障!
ふむ。
しかし、このままでは決着がいつになるのか予想もつかないほど長くなりそうだな。
騎士として、勇猛果敢に正面から戦い続けたいのは山々なのだが、経験の薄い私では、それは勇気ではなく、無謀。
やはり、私一人で勝てるほど甘い相手ではない、か。
[そこで、視線をちらりとベアトリーチェへと向けるのと、ほぼ同時にベアトリーチェ(というか異界龍)から援護の声]
……ほ。
[そして、見る間にサラマンダーに降りかかるウォーターブレス]
炎には、水。
なるほど。常道だ。
そして、良いタイミングだったな。
[飛んだカードは雷のルーン、そして『歯車』と『竪琴』のルーンカード。
『竪琴』の意味する『無』を『守』と、『有』を『破』と詠み解く事で攻防一体性を持たせた符術の技]
……いけっ!
[雷撃の一部は石礫を打ち落とし、一部はノームへと襲い掛かる。
さすがにこれは避けられる事はなく、ノームの動きはしばし、止まる。
その隙に、白のカードに血を用いてルーンカードを数枚複写した]
ですね。じゃあ、左で。
[そう言うと、左へ。
しばらく行くと、左手にぽっかりと扉だけがあるのを発見。]
これは……どうやらボスのようですね。
カルメンさん、準備はよろしいですか?
[そう言ってカルメンに問いかける。]
「あんさんは知らんところで何しとるか分からんお人やからなー」
[けらけらけら。
茶ぁ飲んでるのは知ってても、くっちゃねまでは看破出来ませんでした]
ええ、自主性に任せて正解だったようです。
自分で決められる分、籤で割り当てるよりは相性の良い者を選べたでしょうし。
一部選択の余地はありませんでしたが、そこもなかなか連携は取れているようです。
[もう一つの一部は別の意味で選択権が無かったが。
ある意味良いコンビではある]
[炎に水は天敵のダメージが出るだけではなく。炎に水をかけると湯気で回りが見えにくくなる。
それは、こちらだけではなく相手も同様だ。
そして、ヘルムートは見えずとも、直進するだけでその槍の一撃が相手に突き刺すことの出来る位置]
―――もらった!!
[ほとんど暗闇にも等しい道を、迷いも無くヘルムートがまっすぐに槍を両手に構えて、突き進み、サラマンダーの体に深く突き入れた!
―――が]
『……!!!』
[その連続しての攻撃では滅することは出来ず、逆に相手の逆鱗に触れたように、サラマンダーは周りに向けて目標など見ずとも暴れられるファイヤーストームを打ちはなってきた]
……おおおっ!!
[その炎の嵐に巻き込まれて、ヘルムートが勢いよく吹っ飛んだ]
[異界より徐々に侵食させる土とは対になる風の力による。支援というか妨害
日光が嫌いだから昼の時間を減らして夜の時間を増やそうとした訓練による成果だとかは内緒である]
あまり敵を作りすぎるのはかしこくないな。苦労するぞ
[心配してる様子でもないながらもそんなこといいつつも、状況を見て、上手くやっているようなので現状のまま風による侵食を増やしつつ、次の魔術のため集中し魔力を練る]
はぁい、大丈夫よ。
[使い魔は肩へと戻らせながらブリギッテに頷く]
待っているのが精霊なら支配を試してみてもいいんだけど…。
問題は、失敗すると怒らせちゃうのよ。
でもって怒らせるとやたらと強くなってしまうのが精霊だし。
成功率もまだまだ高いものじゃないのよね。
どうしようかしら?
……あ。
[湯気でベアトの位置から攻撃できなくなりました。
そして、ヘルムートの叫び声。]
……。
「……。」
オーヴァン、がんば。
「…あいよ。」
[オーヴァンは湯気の中に突入し、サラマンダーに接近して再びブレスアタック!]
「おお、飛んだ飛んだ」
景気の良い吹っ飛びっぷりだな。
[炎の嵐に巻き込まれたヘルムートが見えて感嘆の声。
それから地属性エリアへと視線を転じ]
地に対し風、か。
なかなか考えているみたいだな。
ヒュー、引っ張られたりするなよ?
「するかボケ」
[風属性だからとそんなことを言って、しっかり突っ込み返された]
[広がる風の侵食は、ガーディアンの苛立ちをかきたてているらしく。
普段はのほほんと温厚なノームの顔が、ちょっと凶悪さを帯びてきたかも知れない。
勿論、こちらはそんな事はお構いなし、なのだが]
……いらねぇ、って言っても、勝手に敵になってく連中がいるんだから、仕方ねーだろ。
[などと言いつつ、次のカードを投げようと構えた矢先、ストーンブラストがまた飛んだ。
先ほどよりも速度は遅く、容易く避けられる──と思ったのだが]
[カルメンの言葉にうーんと暫し思案するが]
楽が出来るならそれに越したことはないですしね。
一か八か試してみましょう。
怒らしちゃったならその時はその時。
力で言うこと聞いてもらえばいいんですし。
[何気に自信家な発言。]
……何っ!?
[石礫は、どうやらフェイクだったようで。
いつの間にか、足に無数の土の手がくっついて動きを妨げていたり]
ちっ、ホールドか……!
[言葉が終わるより早く、三度、飛来する石礫。
今度は、結構射撃速度も速く]
……くっ!
[どうにか急所は庇ったものの、直撃弾が入り、動きが止まった]
……っ。
[あちこちに盛大に火傷を負いながらも、オートマジックシェルのおかげで、甚大な被害を受けていないのは救いだった、
一度、二度手足が動くのを確認すると、ヘルムートが立ち上がる]
……やはり、消耗を抑えながら戦うにはちときつい相手だったか。
仕方ないな。
手札からエースを1枚切らせていただくか。
[そこで、視線をベアトリーチェに向ける]
悪いが、ベアトリーチェ。
一瞬だけ相手の気を引いていただけないだろうか?
私は魔法にあまり賢しいものではないので、少し精神統一しなければ使えない魔法があるものでな。
―――信頼する、君だから、私も託せる。
[ゼルの後ろで呟かれた言葉に、ウンディーネが水で形作られた眉をピクンと跳ね上げた]
わー! わー! わー! わー! 違う。敵じゃない敵じゃない!
[慌てて訂正しておく。その様子に少し不振気にしながらも、ウンディーネは眉を元の位置に戻した]
え、えと、その俺達は敵じゃない。実は試験通知? でいいのか? を受けてさ、その……合格したいんだ。それで君が持っているオーブを貸してもらいたいんだけど、ダメかな?
[なるべく怒らせずに、一つ一つ言葉を選びながらウンディーネの様子を伺う]
うふふ。
そう言ってもらえると嬉しいわ。
なかなか試してみる機会も少ない魔法だから。
[語尾に音符かハートがつきそうな声]
そうよね、そうよね。
その時は私も全力で援護するわぁ。
[似たもの同士なのかもしれない。
ニッコリ笑って扉を開き、中へと進んだ]
…わかった。
――……異界の門よ、開け。
我が友を傷つけたものを縄となりて縛り上げよ!
[水は十分にある。
水を被せたときに出た湯気。
ソレを利用し、サラマンダーを縛る。]
……助かる。
[優雅に笑みを一つ浮かべて、ヘルムートが槍を捧げて、神への祈りのポーズと取った。
その隙、約3秒]
……。
[誰かを信頼したことなど、今まであっただろうか?
いや。一度も無い。誰も、自分を受け入れてくれなかったし、自分もそれに甘んじていた。だからこそ、自分は他のものを格下を見るような目つきで見て誤魔化していた。
だが、彼女は受け入れてくれている。だから、自分も信頼できる。
―――ああ。そうか。これこそが、パートナーというものか。
今更ながらに気づき、ヘルムートが小さく微笑を浮かべる]
……ありがたいものだ。
[きっかり3秒後。
ヘルムートがカッと目を見開き、大きく叫んだ]
【神よ!我に加護を!!】
[じゃあ行こうか、と扉に手をかけ、ゆっくりと開ける。
部屋の中(といってもここもある程度の広さの平原であるが)にいたのは、風の精霊シルフ。
風のエリアということで、ある程度予測していたので、やっぱりかとポツリと呟くと]
風の精霊シルフですね。
じゃあ、カルメンさんお願いします。
[そう言って一歩引く。
もちろん、すぐにフォローに入れるように身構えている。]
……っつーか、やってくれる……。
[けほ、と咳き込みつつ、どうにか声を絞り出す]
んじゃま、こっちもそれなりに、本気ださせてもらうか、ね……。
[低く言う、天鵞絨の瞳には楽しげないろ。
白のカードを一枚、手首にかすらせ、零れた紅で、ルーンカードの絵柄を写す]
……ここらは、あんまり使わねぇんだけど、な……。
[低い呟きからは、何かやらかしそうな気配がひしひしと伝わる。
かも知れない]
[しばしの間沈黙がウンディーネとゼルの間を支配した]
(か、貸してくれるかな〜?)
[心臓ドキドキバクバクの状態で、そっとウンディーネの顔色を伺おうと顔を覗き込んで――]
うぉぉぉ!?
[ウンディーネが怒りを露にした。
原因:覗き込んだゼルの三白眼が死ぬほど怖かったから。
なんて理由だったとは思わず、ウンディーネの爆発させた精霊力にゲルダの隣まで弾き飛ばされる]
いっつ〜……。
『騙してオーブを持っていって返さないつもりだな!』
そんな事しませんよ!?
[痛くてもツコミだけは忘れない]
シルフ。風の乙女。
[草原の中央に浮かぶ精霊にもニコリ。
真正面から視線を合わせて]
ええ、まかせて。
それじゃいきましょうかぁ。
[のんびりとしていたのはそこまで]
[スッと息を吸うと、打って変わった真剣な表情になる。
半眼を閉じて両腕を広げ、複雑な紋を描き始める]
世界に満ちるマナは全てに通じ。
須く流れを識れば我意に従うものとなる。
汝其に抗うこと能わず。
―― Command spirit!
[左手をシルフに向けて突き出す。
発動体である腕輪がキラリと光った]
[そう叫んだ瞬間―――ヘルムートの全身がまばゆく白く光った]
これが!
我が最大の一撃だ!!
ゴッド・チャージ!!
[ヘルムートは白い稲妻のような速度で、ベアトリーチェが束縛してくれているサラマンダーへと突撃し、そのまま、相手の後ろまで突き抜けていった]
……眩く、散れ。
[サラマンダーに後姿を見せたまま、槍を回しながら高く上げ、出したときと反対に、短くさせて袖口にしまい込む―――瞬間、サラマンダーの姿が白く消し飛んだ]
[我に加護を
効果:一度だけ、自身の魔力を全て攻撃力に注ぎ込める。
溜め時間。3秒]
[そんな態度だから仕方ないだろうと口にしないのは。魔力を練っているから。
ホールドをされ石礫が放たれた様子に片目の端を吊り上げるが、声も上げない
魔術を使役する際。最大の敵は内にあるとしっている。
だから動揺も何もかも押さえ込んで]
なにかするのか…ならば隙を作ろう。
[言葉と同時に膨大な風が一気に異界の門よりあふれでて。その烈風はライヒアルトを縛るホールドを切り裂く]
[支配と抵抗。
暫く続いた攻防は、吹き抜けた風に勝敗を決した]
きゃっ。
あぁん、もうちょっとだったのに!
[ザァッという音と共にシルフの姿が色濃くなる。
その表情は当然の如く怒りを呈していて]
ごめんなさい、失敗だわ!
[ブリギッテに叫ぶと、一歩横へとずれた。
今度は援護のための魔法を紡ぐ為に集中し始める]
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