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[続いて湯船に浸かる。気持ち良さそうだ。]
そうですね、一言で言うなら『怨霊』でしょうか。
だからあの時『知り合い』に似たローズさんを見てびっくりしてしまったのですよ。
ああ、化けて出て来たのかとそんな事まで思ってしまいました。
[湯船に肩まで浸かってから、ため息を吐く。]
私には『祟られる理由』が在りますから。
[左手の事を指摘され、軽く肩を竦めてからハーヴェイの目の前に左手を突き出す。
中指には、薔薇を象った指輪。]
ああ、これですか。
大の男が装飾品を身に付けているとなると、要らぬ詮索をする方が多くてね。
[にこりと笑う。]
…あぁ、昨夜の怪我人がね、ちょっと。
[ローズの問いに先ほども話した言葉をくり返す]
あなたのいる所まで聞こえたんですか?
[それほどまでに悲痛な姿を思い出し、軽く目を伏せて]
―広間―
あぁ、あの方が……
[ナサニエルの答えに、昨日見た、寝ていた青年を思い出す。]
……えぇ、聞こえたわ。とても痛ましい泣き声。
少しでも、苦しみが癒えると良いのに。
悲しみが癒えると……
[目を伏せる様子に、彼も傷ついているのだろうかと、思う。]
……でも、泣きたいときに泣けるのは、とても、良いことかもしれないわね。
『怨霊』、ね。
[ 僅かに視線は逸らされ、此処では無い何処か遠くを見遣る。]
其れなら、俺も化けて出てこられるかもしれませんね。
[ 溜息を吐くルーサーを見遣り、対照的に些か冗談めかした口調で云えば薄い口唇は微かな笑みに象られるも、其の瞳の黒は決して笑って等いない。然し其れも、緩やかに瞬きをすれば直ぐに消え去り、視線は突き出された左手へと移る。]
……好いんじゃないですか? 趣味は色々ですよ。
薬指なら兎も角として。
[ 今度は確かに微笑を浮かべて、そう付け足した。]
そりゃどうも。
[笑みと共に再び肩を竦め、手を引っ込める。]
『異端審問官』というものをご存知ですか?
『それ』なんですよ、祟られる理由と言うのは。
……人が傷ついている姿は見ていて辛い。
[ましてそれが一方的なものであるならば。
それは自分自身が子供の頃に受けた傷にも似て]
それで少しでも気持ちが救われるなら良いんだけど…。
[ 躰が温まれば湯船から上がり、改めてコックを捻りシャワーで洗い流す。先程までは急激な体温の変化に肌がひり付く程だったが、今は丁度好く感じられた。ルーサーの言葉に顔だけを彼の方へと向けて頷きを返す。]
……其の存在だけは。実際に逢った事はありませんが、ね。
―広間―
そうね。
……とても、辛いものだわ。
[それを言う彼も、また辛そうにわたしには見えた。
近づいて、その顔を見上げる。]
あなたも。
溜め込んでは、駄目よ?
[交わされる会話をぼんやりと聞きつつ、食事を終えて。
食後の紅茶のカップを手に、窓辺に寄る]
……雨……止むかな。
[小さく、呟く。瞳に宿るのは、僅かな不安の色彩]
[あのときは浴室にいたから、良くは聞こえなかったのだけど。
緑髪の女性の声を聞き]
それほどにまで…
[彼女は小さく呟く。
何故か、酷く厭な気分になった]
[食事を運ぼうか?との使用人の声に、気が進まぬと断れば、
少しは口にしておきなさいと、やわらかくよく冷えたチョコレートムースにベリーソースを添えて。無碍に断るわけにもいかず、緩慢に口へ運ぶ。
みなさんもいかが?と、使用人はデザートを置いていく。]
ははは、ご冗談を。
目の前にいるじゃないですか。
[と、自分自身を指差す。]
ここに赴任する前からだったのですがね。その仕事を任されたのは。
ま、30年前の事件以降はとりあえず休業中です。
平和ですからね、この村。
[湯船の中で体を伸ばす。]
[近付き、此方を見上げるローズに苦笑して]
誰にも相談できる環境じゃなかったからね、俺の場合は。
旅なんかしてると余計に、ね。
…心配してくれてありがとう。その言葉だけで楽になる気がするよ。
知らなければ逢った事が無いも同然でしょう。
[ 牧師が話す間にもさっさと躰を洗い終えれば、軽く肩を竦めて見せる。平和という言葉には緩やかに首を傾けたが一応頷いて、視線を逸らし絞ったタオルで濡れた躰を拭き取っていく。然し、]
三十年前?
[聞えた単語に思わず問い返して、目を瞬かせた。]
[デザートをおいていく使用人の姿に、軽く頭をさげる。
ナサニエルの言葉は、少し、寂しさを覚えた。それを感じさせないように、微笑みを作る。]
……ん、そう言ってくれるのは、わたしにも嬉しいわ。
旅は、孤独ね。淋しくはない?
[ 当然ながら、獣の力を秘めた彼の耳には届いているのだが。人の姿をしてはいても、夜ともなれば其の感覚は人間よりも数段鋭い。]
“今の所は”、……か。
[ 呟きは声の代わりに聲と成る。]
ええ。30年前です。
もっとも、この話題は村の中でも最大の禁忌ですからね。
『関係者』は口外無用、という事になっているのです。
[先ほど見せた指輪を見せながら。]
これが、その証。
秘密の共有者、『共犯者』たる者の証なのですよ。
これ以上の事は、流石に話せませんね。
[ようやく、体を洗い終わったようだ。]
[目の前に置かれたデザートは甘く。
先ほどの騒ぎに疲れた心身に心地よく沁み込んで。
ローズの微笑みに釣られる様にこちらも笑みを返し]
好きでやってる事だからね…むしろ人との柵を作るよりは気楽で良いって思ってるよ。
…時々人恋しくもなるけどね。
[そういって口に運ぶデザートは口の中で溶けて]
そういえば、いつのまにお戻りで?
[わずかに漏れ聞こえる囁きに返すは微かな笑み。
銀色の匙ですくった黒くやわらかなデザートからは、紅い雫がわずかに滴り…]
あなたもいかがです?なかなかに味わい深い…。
[なにを、とはあえて言わず。]
[ふと視線を逸らすと、碧い髪の人がぼんやりと窓の外を眺めているのが見えた。
何となくその様子が気にかかって]
如何か…なされました?
[余計なことかとは思いつつも、そっと声を掛けた]
―広間―
確かに、人との柵を作るよりは、楽かもしれないわね。
[ちらりと、メイと、コーネリアス、そしてネリーを見やる。
彼らは、恐らくわたしのことを知っているのだろう。知ってしまっているのだろう。
自分の仕事を疎ましく感じたこともないけれど。
彼らの柵は、わたしを隔てるだろうことは判った。]
それじゃぁ、しばらく、ゆっくりしていくと良いわ?
そして若し、また旅に出るなら、ふもとの村に戻ってくると良いわ。
皆、優しいから、家族のように歓迎してくれると思う。
……え。
[不意の呼びかけに、はっと我に返る。
数回瞬いてから振り向けば、緑の髪が目に入り。
もう一度、瞬き]
あ……なんでも……なんでも、ないんだ。
ちょっと、考え事……。
早く、雨、止むといいな、って。
[早口に答えつつ。浮かぶのは、どこかぎこちない、作ったような笑み]
……然様で。
そんな貴重な御話、御聞かせ有難う御座いました。
[ 頭を下げて云いはするも、心は余り篭っていなかっただろうか。一足先に風呂を出よう――として、]
……あ゛……、着替え……。
[然う云えば全部びしょ濡れになっていたのだと思い出す。]
[食事が終わるのを見計らったように、いや、恐らく見計らって、使用人の女性がデザートを置いていった。]
私も、それ頂戴。
[言って、自分で大皿からムースを取り分ける。
ほんとうなら使用人にやってもらうべきなのかも知れないが、そういった作法は彼女の身にはついていない。
それを幸いと、皿にたっぷりとムースを載せて、少女は満足げな笑みを浮かべた。]
[ローズの表情がほんの少し曇るのは気付いたけど、聞くことはせずに]
そうだね、折角こんな立派な所に泊まれるんだし、ゆっくりしようと思ってる。
話のネタにもなりそうだ。
[麓の村の事を思い出し、確かに人が良い人たちだったと思い返し]
そうだね、帰るときにでも寄らせてもらおう。
…君はその時は歓迎してくれるかい?
あー……。それはお気の毒に。
でも生憎、私の着替えは渡せないのですよね。
そもそも私の服では大きすぎるでしょうし。
ま、脱衣場を探せば何か見つかるのではないですか?
[一足先に脱衣場へ。]
…ああ。
[ぎこちない笑みには一瞬だけ訝るような色が過ぎるけれど、特に何も言わぬまま。
視線を窓の外に向けて、頷く]
この雨では外に出るのも叶いませんからね…
[濡れ鼠のようになっていた青年、次いで浴室の辺りで擦れ違った牧師の姿を思い出した]
……雨に降られたんだから、仕方が無いだろう。
[ 云い訳めいた台詞だと、自分でも思った。本来の力を持ってすれば、其れでも下山する事は可能だったに違いないのだから。何故しなかったかと云えば――頭の中では解っていても、認めたくは無かった。]
其の様子だと、アーヴァイン以外にも殺る心算か?
[久しぶりに口にする甘味をうっとりと味わう。
お菓子は、彼女にとっては贅沢品だ。
これが食べれただけでも、ここに来て良かったかな。
心の中で、そう呟いた。]
[善悪………それを定めるのは法。
しかし、法を、罪を、罰を定め。執行するのはいつも人だ。
私は知っている。刑を執行する人々の苦悩を。
何故なら、私もそうだったから。
特別な力を何も与えられなかったが故に、その任を押し付けられたから。
人は、嫌な事を他人に押し付けたがる。異端審問官という役職はその最たるものだ。
字面だけ見れば偉そうな肩書きだが、実際の役割は人殺しだ。
私は魔女と疑われた者を殺し、人狼と疑われた者を殺してきた。
おかげで、すっかり銃の扱いにも慣れてしまった。
村人は皆、私にその任を押し付けた。自らが手を汚す事を厭って。
では、それを押し付けられた私の苦悩は、苦痛は。誰が引き受けてくれると言うのだ。
殺される者の恐怖は、誰でも想像出来るだろう。
しかし。
殺したくないにも関わらず殺さなければいけない者の苦悩は、どれだけの人が想像出来るのだろう。
乾いた服に着替え、ハーヴェイに気付かれないよう聖書に偽装した拳銃の入りの箱を確認しながら。
そんな事を考えていた。]
うん、こうも雨が強いと出るに出れないし。
ハーヴェイの二の舞には、なりたくないからなぁ。
……それに、いくらばーちゃんが心配でも。
さすがに、この雨の中、あの橋を渡るのは勇気がいるからね。
[どこか冗談めかした口調で言いつつ、すっかり冷めた紅茶のカップを空にして]
ん、そうね。
今日はとても人が多いし、きっと何か面白いことがあるわ。
[微笑を作って、わたしは少し考える。]
アーヴァインさんの隠し子疑惑とかも。
[そこにいる少女がそうだとは、わかるわけもない。
それから、続いた言葉に。]
もちろん、歓迎するわ。
……あなたがわたしを嫌わないでいてくれるなら
[ナサニエルの言葉が、とても嬉しくて。
作った表情が、本物になるなんて、わたしにはわからなかった。
それでも、やっぱり、気になるのは……そこで。]
[小皿に盛ったチョコレートムースをぺろりとたいらげて、お代りをしても良いかと思案しながら辺りを見回す。
緩慢にムースを口にする銀髪の男をなんとは無しに眺めた。
こんな美味しいものを食べているのに、あまり嬉しそうに見えないのを不思議に思う。
緩い動きは体調が悪いのだろうかと窺わせた。]
ハーヴェイ君、着替えになりそうなものは見つかりましたか?
[さっさと着替えを終え、いつもと同じのほほんとした笑みを浮かべながら聞いてみる。
手袋は代えの物を嵌め、聖書は持ってきたバスタオルに包んでおいた。]
……そうしてみます。
[ 余りの間抜けさに思わず肩を落とす。情け無いにも程があった。
結果的にルーサーに遅れて脱衣所に入り周囲を漁れば、軈て見付かったのは落ち着いた柄の浴衣。灰色の地に描かれているのは鎌輪奴柄。先日のローズマリーと云い、此処の主は東洋の温泉とやらに被れてでもいるのだろうかと思ったが、其れよりは――]
知識は何処で役立つか解らないもんだな……。
[考え付いた事は心のうちに留め、案外と手馴れた様子で其れを身に纏う。とは云えど冬の寒さ対しては少々薄いとも感じられるか。室内で着る分には不足無いが。後で使用人に何かしら頼もうかと考える。]
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