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カーラ…それ、って…。
[カーラの嬉しそうな様子に、言葉に詰まり。
いけないと思いつつも、得体の知れない恐怖が心を染めていた。]
[ぶわ、と脂汗が溢れたが、すでにそんなことを気にしている場合ではなかった。
短く息を吐き、少しずつ自身の力を抜きながら、ロミを見つめる]
ロミちゃん。
お願い。何か知っているなら、教えて。
私は……この子だけは、絶対に守らなければいけないから。
[今の自分を支えているのは、母としての強い意志。
それだけだった。
どこを取っても、すぐにでも崩れ落ちていきそうなブリジットが、強い眼差しでロミを見つめ続ける]
[周囲の怪訝そうな反応にカルメンはきょとりとした表情を浮かべる。
何がおかしいのかを理解していない様子で]
ぅ?
うん、おきがえー。
[割り込まれた声にこくりと頷いた。
もぞりと動き、その場に立ち上がろうとする]
[視界には、拭い取られても尚、床にこびりつく赤が映るばかり。色はすっかり褪せていた]
あるかもしれない、って、聞くのは御自身でしょうに。
[ついだゼルギウスの疑問には眉が寄る]
……犯人を見て、気絶させられた……というわけ、じゃないでしょうし、ね。
特に持病があるとも、聞いてはいませんけれど。
[エーリッヒの金糸を丁寧に拭う]
だい、じょうぶ。
身体動かしてたいんだ、今は。
[ゲルダの返答には、多少青褪めながらも微笑みを返し。
ゼルの言葉を聞けば、表情を曇らせた。
自分が自衛団長の姿を見ていないのは、まだ救いだったかも知れない。]
……どうなるんだろ、これから。
[懇願するような、クロエの声。
そう言えば、先も団長の顔が見える、という話題の後にクロエは落ち着きを失っていて]
……クロエ……お前?
[何か知ってるのか、と。
問うのは、止めた。
だから、代わりに]
……んだな、いつまでもこのままじゃいられないし。
お湯、運ぶわ。
[口にしたのは、今、やろうとしていた事]
見ているのは……幻覚かな?
それとも。
[『魂見えると1人が言った』]
まさか ね。
[会話の合間に盲目の少女を一瞥する。
けれど、そのときは、それだけだった]
……そう、ですか。
[無理にローザを止めることはしない。
傍にはゼルギウスもいたから]
これから……、って。
[考えもしなかった様子で、口をつぐんだ]
[カーラが指し示す箇所を見る。自分とローザとで掃除をしているし、そもそも遺体は既にない]
ぁあ。団長さんはそんな顔だぞ。他にはどんなのがみえる?
[見える不審さを感じないわけではなくただ自然と会話するようにカーラに声をかけたところで、クロエが割り入っており]
…後でって、それは断りたいとこなんだがな…
[それでも懇願するような態度に仕方ないという声音を滲ませながら着替えに行くなら止めずに見送る]
これから――…
これからか。
どうしようか。
壊したよ。
壊れたかな?
[壊すのは簡単だった。
喰らうのは楽しかった]
――どうするのかな。
……。
うん、お願い。
[立ち上がるカルメンに手を伸ばしながらユリアンに頷く]
ごめんなさい。
お話は後でもできますよね。
[不安そうにゲルダやローザを見る]
…早く、綺麗にしてあげたいから。
[仕方なさげに譲ってくれたゼルギウスに頭を下げる]
ブリスさん?
また、具合よくないですか…っ
[いつものように椅子から降りて、ブリジットのほうに駆け寄ろうとしていたロミルダは、その強い眼差しを受けて、ひたと動きを止めた。
視線は迷うように彷徨って、再びブリジットに戻るまでには少し時間が空いた]
…ゼルさんは、違ったですよ。
[ロミルダはぽつりと、それだけを口にする]
って、――…、
[身を丸めたブリジットも視界に入り、慌てて近寄る]
うわ、やっぱりこれ胎教に良くなかったですよねっ?
えーと痛むようなら、どこかしらさすりましょうか?
[ちら、とロミに眼差しを向けるのは、とても大切に思える言葉が聞こえているから]
ええっと…、ロミ、ちゃん?
何か、…まさか、分かるの……か?
お伽話でも、あるまいに、さ。
いや、そりゃそうなんだが。俺が知りたいことエーリッヒさんが知ってるとは限らんしな
ぁあ。怪我はさせられた様子もないんだろ?それに…色々なとこまわってるなら、被災地とかいう場所?にもいったことあるだろうし…遺体をみただけで気絶するなんてのも変な話だしな
[持病がないなら尚更。と疑問に答えるゲルダに答えつつ]
これから…人狼とかいう人間じゃないものの犯行か。単に人間の犯行か。どちらと判断されるかによるんだろうなぁ
[これからというローザとゼルダの言葉が聞こえ。落ち着いたようなけだるいような声で言う]
おきがえー、おきがえー。
[立ち上がる際にクロエに手を取られ。
移動するならそれに連れられるようについて行く。
カルメンの言動はいつもよりも幼くなっていて。
今まで得られなかった喜びが全面に押し出されているように見えるだろう]
[カーラを止めるクロエの姿を見れば、何も言えず。
二階に行くならただ、見送り。姿が見えなくなれば、無意識に息をつくだろう。
ゲルダには、呟きが聞こえたのに気付いて不安を煽ってしまったか、と慌てた表情を向け]
あ、ご、ごめん。
だいじょうぶ、だよ。きっと。
すぐ…帰れるよ。
[最後の呟きは、自分に言い聞かせるよう。]
[クロエの必死な様子を訝りはしたものの、引き留めはしない。
ゼルギウスの答えを聞くと、物憂げに吐息を溢して、眼を伏せた]
……なるほど。
何にせよ、先生が目を覚まされてから……ですね。
[気だるけな声の紡ぐ内容は重たい]
いえ。
気にしないでください、ローザさん。
すぐ……、そう。
すぐに、終わります――よね。
だって、昨日まで、あんなに。
[団欒を思い出してか、声は止まる]
ん、じゃあ先行ってろよ。
そっちの方が、時間かかるし。
[頷くクロエに、ごく軽い口調で言って、台所へ。
用意しておいた桶二つを手にそれぞれ提げる。
見た目はそうでもないが、腕力や体力はそれなりにある方だから、挙動には危なげない]
……じい様が見える……か。
死んだ相手が見えるとか。
御伽噺じゃあるまいし。
[他に誰もいない台所で独りごちてから。
力を入れなおして、二階へと]
[ロミのその言葉に、ブリジットが小さく息を吐いた。
「違う」という言葉が、いったい何を意味しているのかは分からないが、悪い意味ではなさそうだと思った]
……そう。
なら、ゼルさんだけ、かな。ん。いや。その言葉が正しいのならば、ロミちゃんもかな。
───もしも、私がいなくなっても、この子を頼める人、は。
[そして、この言葉が何を意味しているのかは、考えるまでも無いことだった]
ロミちゃん。
私も違うのだと言ったら信じてくれるかな?
信じてくれるなら、もしものとき、ゼルさんと一緒によろしくお願いしてもいい?
場が壊れたなら…
でも
[昨日見た絵本のことを思い出す。
自衛団長が見えた、というカルメンのことも]
……
[それ以上は言葉には出来なかった]
[ふ、と、ロミから与えられた言葉に眉をひそめる]
…ゼル。…ゼルギウス……?
[囁くような声と反比例して、表情は険しく]
やり方を教わった…って。
……冗談じゃ、ない…んだろうなぁ、その表情。
[またも、がしがしと頭を掻く]
人狼含めて、お伽話から真実に、頭を切り替えるべきってことか?
…っ…そう、だね。
どっちであってもイヤ、だけど。
だって、それじゃ…
[ゼルの冷静な言葉には、一瞬息を飲むものの一応の同意をする、が。それはここに集まった人達を疑うことになるから、言葉を濁らせた。]
………早く、帰りたいね。
[ゲルダへの返答は、ただ、短く。]
分かった。
僕らの部屋は階段上がって右側の…。
[ユリアンに伝え、カルメンの手を引いて二階の部屋へと向かう。
自衛団に解放されたハインリヒと擦れ違ったなら、着替えをしにいくと説明する]
カル、その布はこっちに貸して。
自分で脱げる?
[血が固まり始めていたら着替えるにも手間取るかもしれない]
[ダーヴィッドの言葉には、小さく微笑み]
胎教には良くなかったみたいですね。
まさか、こんな予想外の出来事になるなんて思ってもみませんでした。
あ。
さするんじゃなくて、どこかを拳骨で押し込むと楽になるって話ですよ?
そういう事態になったときにしっかりと教えてもらって、彼にやってもらおうと思っていたので、場所が分からないんですけどね。にはは。
―外→一階・広間―
[自衛団員の元から戻って広間を覗けば、ゼルギウスとローザが掃除をしているのが見えた。
まだ倒れたままのエーリッヒと、それに付き添うゲルダ]
まだ、目ぇ覚まさないのか…?
[どこか気遣うような視線を投げて。
耳に届いたカルメンの言葉に不思議そうにそちらを見た]
見えた、って、さっきも言ってたよな?
赤い、蓮?
[よくわからないままに着替えに行くというカルメンとクロエを見送る]
そういうことになる。昨日の話から少し期待してるけどな
[目を伏せるゲルダにあっさりした口調でいって]
…ふぅ…なかなか取れんな…とはいえもう少しか
[クロエを見送りながらこんなのはやくすませるか。と手を早める]
─ →二階─
[二階に上がり、教えられた部屋へ向かう。
零さないように気遣う分、挙動は遅め。
部屋の前につくと桶を置いて、ドアをノックする。
……さすがに、ここでいきなり開けるほどの天然ではございません]
─二階・自室─
[クロエに連れられ部屋へと戻り。
言われた通りに布をクロエへと渡す]
ぬぐー。
[まずはオカリナを首から外し、続いて首元のボタンに手をかけたのだが]
………ぅー。
[カリカリと強張ってしまった真紅をひっかくばかりで上手く外すことが出来ない]
笑ってる場合じゃないよーな…。
[ブリジットの微笑みに思い切り脱力]
いや、しかもこのままだと、狼を…その。
やっつける…までは、医者の居ないこの場所に居なきゃなんでしょう?
…きちんと、その優しい旦那さんとこで産めると良いですよね。
子供もブリジットさんも、無事なままで、さ。
…ひどい話だが、どっちかっていうと。
人間がやったって判断してくれたほうがありがたい。
あの団長さんが恨まれてたとか…どうなんだろうなぁ
[言葉を濁し息を呑み同意するローザに言う
そのほうが順当に取り調べられたり尋問をうけたり。だけで済むだろう。と予想がつく事態になるからだが。
ただ奇妙なとこが多い。獣がやった節があることも、だがこんな牢屋のような場所に閉じ込められながら人を殺すなど…むしろ息を潜める時期だろう。犯人がこの中にいると示す理由が浮かばない。
…そんな理由ではない何かが原因なのだろうか。とも思いながらも口に出すことはなく。掃除を*続けた*]
―二階個室―
鍵は掛けてないよ。
[ノックの音に答える。
抜けているのはどちらかといえばこちら側]
オカリナも濡れちゃったね。
ああ、まって。そこは僕が外すから。
[布を机に置いて、一番上の釦を外すのを手伝う。
ランプの光が当たる位置にカルメンを誘導する]
…違うなら、
違うなら、一緒に、帰るです。
[ブリジットを信じるとも、或いは信じないとも、ロミルダは眉を寄せるだけで、言わなかったけれど]
いるなら、見つけなきゃです。
…団長さんみたいになるです。
[続きはダーヴィッドの言葉への答えか、こくりとうなずいた]
……はい。帰りたい、です。
[ローザの言葉に、小さく頷いた。
帰る場所と望むものは、違っていただろうけれど]
あ、レーヴェさん。
……ええ、ずっと、気を失ったままで。
場所のせいも、あるかも。
服も換えないとだし、出来れば、運びたいところではあるんですが。
[カルメン達と殆ど入れ違う形で入ってきたハインリヒに答える。
大分、色を吸った布を湯へとつけた]
[鍵はかかってない、との返事。
それだけ聞けば、普通に入れるもの、と思うわけで]
んじゃ、お邪魔……って、ちょ!
[普通にドアを開け、桶を中に入れて。
釦外しの真っ最中、という状況に、声がひっくり返りました]
あ。無理だと思う。
[旦那のところで産めたらの言葉にあっさりと返した]
多分、遅くても1日以内。それが限度、かな。
喋っている今も、痛みが激しいんですよ?
……そりゃまあ、かかりつけの産婆さん同伴で産めたらこれ以上心強いことは無いんですけど、どうやら、すぐに出れなくなってしまったようですし?
後は、覚悟を決めてやるしかないよ。うん。
[子供も自分も無事なままで、というところは敢えて触れなかった]
─二階・自室─
オカリナ。
……あ、こわれ、てない?
さっき、ぶつけたー…。
[転んだ時のことを思い出し、心配げな声色へと変わる。
ボタンを外すためにランプの傍へと誘導されたら、クロエの指示のままにそちらへと]
[ハインリヒの声に気付いて、掃除の手を止めて顔をあげた]
ん…、エーリッヒさんは、まだ。
息とかは普通にしてるから、頭とか打ってはないと思う…けど。
…どう、なんだろうね…。
[歯切れの悪いまま答えて、ゼルの言葉には表情を曇らせて。
ほんの1日程度しか一緒にすごしていないが、今ここに居る人達を疑ったり、疑われたりすることがあるかも、などと考えたくはなかった。]
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