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─ 後日 ─
[目覚めた後、そこに誰かがいた事に気づく事はなく。
身体が動かせるようになるとすぐ、同じく目覚めた祖父と共に忙しく動き回る事となった。
じっとしているのは性に合わないし、何より、自分のできる事を最大限にやりたい、という気持ちがあったから。
そうして動き回って──]
……クレム、起きたって!?
[その報せを受け取ったのは、『蝕』から数日が過ぎて色々が落ち着いてからの事。
そしてそれを聞いた瞬間に浮かんだのは、安堵──もだけれど。
自身の目覚めの直後に固めた、決意]
……じっちゃん、ばっちゃん、俺、クレムんとこ行ってくるっ!
[そう、告げるが早いか、走り出そうとしたら、ぐい、と首根っこを引っ掴まれた。
ぐぇ、と声を上げつつ足を止め、息が詰まるのを未然に防いで]
何すんだよ、じっちゃんっ……!
て、ばっちゃん、なにこれ。
[振り返って文句を言ったら、祖母がバスケットを一つ、差し出してきた。
きょとん、としながら問いかければ、お見舞いだから持っていきなさい、と笑顔で言われて。
何となく拍子抜けしつつも、バスケットを受け取り、駆けだす。
黒と白の羽の相棒が、慌てたように後をついてきた]
[そんな感じで、勢い任せに駆け出して。
やって来た時の妙に鬼気迫る様子に、テレーズの両親は戸惑ったようだけれど。
どうしても、すぐに言わなきゃいけない事があるから、と頼み込んで通してもらって]
……クレムっ……!
[最後に直接顔を合わせたのは、確か、眠らされる少し前だっけ、と。
そんな事を思いながら、名を呼んで、それから]
こん、の……。
大馬鹿やろおおおおおおおおおおっ!
[怒鳴るのと、頬に向けて拳が飛ぶのと。
先だったのは、さて、どちらだったやら。*]
/*
てな感じで、細かい事は全部端折って行動した。
……うん、こういうストレートなあほの子はさくさく動く。
やり易いんだよなあ、熱血系阿呆の子は……。
/*
やほほーい。
きょうはおそくなってしまったのですただいまー。
とりあえず、『魔』がへたれなのはボクの中身が中身だからだね!
へたれ男に定評のあるボクです。
[『魔』と『祈り子』の話を聞き
ヒューゴの心にも変化があった事を知る。
眠るから聞かせてくれるのだと思っていた言葉の数々が
伝える為に紡がれていたのだと知ればうれしいと思えた。
己が言わずにいたことは。
のみこんだ言葉の数々は些細な事と思うけど
ヒューゴが「話そう」と働き掛けるのを聞き、また考える。
起きることを望まれれば
眠り続けることなど選べようはずもなく]
……う。
[目覚めてすぐに言われた言葉>>369に言葉に詰まるような一音]
馬鹿でいいもん。
ヒューゴが賢いから問題ないもん。
[アル、と呼ばれていた以前のように少し拗ねた口振りで返して]
寝坊しただけだよ。
ずっと眠れたら良い、とは思ってたけど。
そんなに心配されちゃおちおち眠れない。
……心配させてごめんね。
[安堵の色をヒューゴの貌に認め緩やかに笑みを浮かべる。
反対の手の方にいる医師の両親にも顔を向けて]
大丈夫。
ありがとう。
[案じてくれていたひとたちに感謝の言葉を紡いだ*]
/*
みんな着々とその後を紡いでいるんだね。
ボクはどうしようかなぁ…。
『魔』のことばっかりで、ボク自身のことあまり考えてなかった…
[男の呼びかけに、アルビーネが何を思っているかは解らない。
元々男は他者の機微には疎く、相手を察する事など出来はしない。
自分が出来ないのに、言わずとも伝わっているなんてどうして思えていたのだろう]
それとこれとは話が違うだろう。
大体俺は賢い訳じゃない。
[目が覚めた彼女と言葉を交わせることに安堵しながら、拗ねた口調>>379に普段通りの答えを返す。
寝坊しただけだと言いながら続いた言葉>>380に、ずっと眠れたら良いと思っていた理由を聞きたいと思ったけれど。
今は、目覚めを喜んでいる両親の言葉を、彼女に聞いて欲しかった。
「心配で済むならいくらでも安いものだよ。
アルが無事で、元気でいてくれるならそれだけで充分だ」
「アルは私達の娘なんだから、心配するのも親の特権だもの。
こうして元気な顔を見せてくれれば安心も出来るもの、それで良いの」
そう告げる二人が、心から彼女を愛していると伝わるように。
そして]
俺もな。
親父とお袋がいて、お前が居て、家族だと思ってる。
親父とお袋に何かあったとしても、アルが居るから。
俺が傍に居なくても、家族は大丈夫だって、思ってこられた。
学校行く為に村を離れた時も、医者になった今も。
迷わずにやってこられたのは、親父とお袋と、お前のおかげだ。
今までも、これからも。
俺はお前がいないと、駄目なんだ。
だから、もう。
お前を失うかもなんて心配は、させてくれるな。
俺は親父やお袋のように、心配できるのも嬉しいとは思えん。
[握ったままの左手を両手で包んで、これまで伝えてこなかった言葉と思いを、口にした**]
― 目覚めた日/テレーズ宅 ―
[祈り子が、泉の睡蓮に、ずっと傍に居ると誓ってくれた魔と共に宿ることになって、その安らぎが伝わると同時に、祈り子の力は鎮まり、彷徨っていた意識は身体の中へと引き戻された]
はあ…早くみんなに謝りにいかなきゃいけないのに…
[目覚めてすぐは、テレーズや、その両親に泣かれ、子供のように、ぎゅうぎゅうと抱きしめられて慌てた。なんとかきちんと事情を話そうとしたのだけれど、訳は後でいいから、栄養をとって休みなさい、と、再びベッドに押し込まれて現在に至っている]
あれ…?
[さすがに身体は眠り飽きていて、目は冴えたまま、ぼんやりしていたら、玄関の方から、何やら押し問答ぽい気配がして]
…ソー、ヤ…?
[勢い良く開いた扉から、飛び込んできた友人は、彷徨っている間に見たのと同じ決意に満ちた顔をしていて。思わずびくりと、身体が硬直したけれど]
(逃げちゃ、ダメ!)
[大馬鹿野郎、と、怒鳴る声と同時に飛んできた拳を、どうにか逃げることなく受け止めた…が、
思わず目を瞑ってしまったのは、仕方ないと思って欲しい*]
/*
解ってはいたんだが。
思うままを口にすると本当にただの駄目男だな俺は。
まぁこの辺上手く言えるならそもそもちゃんと伝えられてたはずだったもんな。しかたないな。
>>386ポラリス
うむ。
ぜったい、またあってくれなきゃヤなんだからね!とか泣きながらお見送りすると思う。
あやまっちゃやだ、とかも言うんだろう。それで見送り終わってからブリジットに褒めてもらう(待て
>>387アル
難航はするかもとは思ってたが話そうって言う前提でこれ伝えておかんといかんかったからのが大きいぞ。
早めに起きてくれるのが一番嬉しいから、起きてくれてよかった。
距離感美味しかったはありがとう。俺も美味しい。
そして立ち向かわれているだと…俺も全力以上出せる様に投球頑張る。
─ 後日 ─
[向こうが病み上がりとか、周りの反応とか。
そんな細かい事まで意識は回らない。
いろんな気持ちがごちゃ混ぜになって、そんな余裕がない、というのが正しいのだけれど]
……この、馬鹿、が。
[当たった拳は、少なからぬ赤味を頬に残して、するりと落ちる。
それと共に、零れ落ちるのは、先ほどとは打って変わって、低く掠れた声]
俺が、ガキの頃から。
どんだけ、お前に、助けられてたと思ってんだ。
お前がいたからできた事、届いた事、どんだけあるって。
……たくさんたくさん、もらってたから、同じだけ、返したいって、思って。
いつも、いつだって、そう思ってた、のに。
[話す途中で、唇噛んで言葉を切る。
珍しく俯いているのは、表情隠し]
……なのに、あんな理由で、眠らされるわ。
挙句、勝手な理屈で、消えようとされるわ。
何とかしたいのに、なんにもできなくて。
手も、言葉も、全然届かなくてっ……。
……俺がどんだけ、悔しかったかわかってんのか、この、大馬鹿野郎。
[言い募る声が掠れているのは、多分、隠せていない、けれど。
それが何をほ意味しているか、物理的に見られるのは嫌だから、そっぽを向いて腕で目元をぐい、と擦って]
……友達に、なんにもできないの、嫌だって。
ガキの頃から何度も言ってたのに。
……なんで、あんなになる前に、ちゃんと話してくれねーんだよ。
言ってくれなかったら、わっかんねぇじゃん、俺、鈍いんだから。
[それから、そっぽを向いたままで、早口に言い放った。*]
/*
ぽちぽちしてたら、アルカはお休みー。
……しかし、あれだなぁ。
感情の起伏が素直だ、うん。
これはあれだな、懐かしのハーバリオンくんに通じるものがあるわ……w
/*
おっと、クレムとソーヤのロール読んでたらアルカがお休みか。ゆっくり眠るといい。
そしてソーヤのロール見て、あぁ俺の弟分だなとしみじみ頷いてしまった。(
[眠り過ぎたせいか起き上がるのは少し億劫で
寝台に横たわったままヒューゴの言葉>>389を聞き、瞬く]
違わないよ。
だって、ヒューゴが頼れって言ったもの。
[自分では分からぬことも彼を頼れば、と
広場で聞いた言葉>>3:15をなぞり伝えるが言葉足らずなのは否めない。
賢いと思うけど、とぽつと独り言ちるが
医師の両親からの言葉が聞こえれば少しだけ困ったように笑み浮かべる]
――…家族。
娘と思ってくれて、嬉しい。
私も、本当の両親みたいに、思ってた、けど
何処まで甘えていいかわからなくて――…
[分からなかったから遠慮して甘えきれず
呼び方さえも変えられぬまま過ごしてきた]
私も、ふたりの元気そうな顔がみれて嬉しい。
[家族といってくれる人たちの手を握り、そして緩めて
ふたりと言葉交わせば再びヒューゴの方>>390へと顔を向ける。
彼と共に暮らしたのは二年だけだったけれど
離れていた間も家族と思い信頼していて貰えたように思える]
家族だから留守を任せてくれたのかな。
勉強の為だって分かってたけど――…
ヒューゴが村を出て、さびしかったよ。
[ぽつと言えずにいた事を零し]
けど迷いなくまっすぐ進んでくヒューゴは憧れでもあった。
[自慢の兄のようにも思えたけれど
兄と呼ぶには近く過ごした時間は短く]
思いのほか頼りにされてたのかな。
――…ヒューゴは一人で何でもできるって思ってた。
[互いの認識の違いを改めて理解してゆく]
心配させたいわけじゃないから
そんな心配はさせないように、する。
[包み込まれる左手の指先がそっとヒューゴの手を撫でる]
無茶はしない。
これからは、――…相談する、から。
迷ったら、相談にのって、ね。
[頼りにするという代わり思いを伝える。
僅か間をあけ、思い出したように眉尻を下げて]
でも、『お前がいないと、駄目』なんて
それは特別な人が出来た時にとっとかなきゃダメだよ。
[彼の双眸を見詰め、「ね?」と微か首を傾げてみせた*]
/*
ただいまただいまと返しつつ。
時間があれそれだけど、みんな大丈夫かしら。らら。
なんというか、あれだよねぇ。
思っていた以上の返しがもらえると、こっちもそれに返さねば、で、どんどん真剣勝負になってくんだよなあ、ろるの投げ合い、て。
なんでもないよ!大丈夫!
[響いた声に何事か、と、問う声が外からかかるけれど、大急ぎでそう答えた。赤くなった頬の言い訳は後で考えることにして、目の前の友人の顔を見上げる。
頬の痛みは何故か感じない。それよりも、低く響くソーヤの声の方が耳に痛かった]
うん…ほんとに、僕は馬鹿だ。
[馬鹿と、もう一度呼ばれると頷いて、続く言葉には、僅かに目を瞠る]
僕がソーヤに街の話をしてあげられたのなんて…子供の頃だけで…その後はずっと、僕の方こそ貰ってばかりだって…そう思ってた。
[香草茶の新しいブレンドを考えると、いつも真っ先に持ってきて感想を聞いてくれた。出歩く事の少ない自分は、ソーヤが居なければ、そもそも村の人達との繋がりを保てたかすら怪しい]
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