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―騒動前―
ありがとう。
うん、味わうならば、存分に。
[素直に頷き、ふんわりと笑う気配を返す。
表では姉達とも会話をしていて、少しばかり上の空だったからリエルの内心は尚更分かりようもなかった。
コエとして聞こえていたらこちらでもまだ剥れたかもしれない。
それはそれで感想を助長したかもしれないけれど。
騒動に関しては何も言わなかった。言えなかったの方が正しいか。
少しばかり毒気を抜かれつつ、目立たないよう一度は引き上げた]
─真夜中過ぎ─
ちょっと待って。……ああ、厨房から今外に出た。
まだ風も弱まってないのに、ご苦労様なことで。
[床に顔をつけて耳を澄ます。
顔を上げて金色の眸でリエルを見つめた。
Goサインが出ると嬉しそうに笑って歩き出した。
足音も殆ど立てずに厨房まで降りて、外への扉を開く。
吹きつける雨風も、ものともせず。軽やかに走り始める]
ギュンターさん。
[食料庫よりも先の建物傍に獲物の姿を見つけた。
不意打ちを仕掛けようと嵐の中に飛び出して方向を変える。
その呟きも不気味な風の音で掻き消えていたはずなのに、彼はこちらを振り向いた]
はっ、流石というべきかな。
[洋灯を掲げる姿に鼻先で笑う]
フゥゥ。
[息を吐くと姿が崩れるように闇に紛れる。
同じ場所には漆黒の毛並みと金の眸を持つ小柄な狼が現れていた。
力強い跳躍で距離を埋め、抜かれたばかりの剣を避けながら首筋に喰らいつく。
声を上げる暇もない自衛団長にのしかかり、壁へと押し付けた。
弾力のある肉に深く食い込む牙。引き裂いたそれをグチュリと音を立て咀嚼する]
んぅ。あ。ぁぁ。
[口の中に広がる鉄の味。
それは何よりも甘露に思えて恍惚としたコエを漏らす。
最期の意地か、動いた剣が背を掠めたが、その痛みすら気にならない]
でも、まだ。もっと。
[顔を上げて爪を振りかざす。
勢い良く左胸に突きこんで、震える鼓動を抉り出した。
ぶちぶちという音と共に鮮血が飛び散る。押さえ込んだ脚の下で大きく痙攣した獲物。
身体中でそれを感じて、戦利品を示すように高く掲げた。
滴り落ちる雫を歓喜の表情で受けて渇きを癒す。
血肉に酔い浸り、周囲への警戒心など微塵も残っていなかった。
人として、修道士としての意識など。言うまでも無かった]
/*
>>*14
先導ありがとうございました。
本日午後は何度か覘ける予定なので、退席つけずにここで一度止めておきます。
分け前もコエ掛けられればちゃんと譲りますのでご遠慮なく。
―前夜―
[広間でお茶を飲んでいれば浴室の方が騒がしくなる>>154>>166
二度三度瞬きをしてブリジットやライヒアルトたちと顔を見合わせた。
何があったのか気になりクレメンス>>160に遅れるかたちで浴室へ。
――行ってから後悔した。
人影でチラとしか見えなかったが男性の裸身>>155があったから。
流石に成人男性の其れは刺激が強すぎた。
目を丸くして、次の瞬間には色白の肌が朱に染まる。
すぐさま顔を背けて廊下で何やら混乱気味の様子。
ややすれば落ち着きを取り戻し手が必要であれば――といっても
主にエーファに関してとなるが――助力は惜しまぬ心算であったが
アーベルが手を貸す様子に其方に任せた方がと思い
一度、エーファへと視線を向けてから一旦浴室から離れた]
―前夜/浴室―
[ばたばたが落ち着く頃、ブリジットを誘い再び浴室へと向かう。
着替えを取りに部屋に戻る際、髪飾りの包みと蜂蜜酒を其方に運び
リネン室でバスタオルを借りてから――
使用中の札を浴室の扉に掛け直しその扉を内側からしっかり閉めた]
……お疲れではないですか?
[気遣うようにブリジットに言葉を掛けヴェールを外す。
人目を気にすることなく衣服を脱ぎ一糸纏わぬ姿となれば
湯の温度を確かめて彼女を手招きする。
左足首には大きな傷跡があるが隠す事も出来ないし隠す心算もなく
彼女に見られてもけろりと昔の怪我と微笑むだろう]
ブリジットさん、お背中流しても構いませんか?
[子供達の背を流す事になれているのか自然と手伝うかたちとなり
彼女が湯につかる間に自らの身体を洗う]
─真夜中過ぎ─
[階段を下りてリートと共に厨房へと向かう。
まぁこのくらいの風だったら窓から出ても良かったんだが、不自然に音が強くなる可能性もあったから良いか。
静かに勝手口へ回ると、先にリートが足取り軽く駆け出した。
風も強いんだから転ぶなよー。
……ぶふぉっ、髪結って来るの忘れたからオレの方が酷いことになった。
めんどくせぇ、姿変えとこう。
ばさりと髪を振り回すように動かして、オレはその身を獣へと変化させる。
身体の大きさの割に尻尾がでかくて毛並みが長いのがオレの獣形体の特徴。
ま、髪伸ばしてる影響かもな。
鉄紺の毛並みに本紫の瞳、闇にも紛れやすいその姿でオレはリートの後を追った]
おーおー、やってんな。
[オレがリートに追いついた頃には、爺は壁へと押し付けられた後だった。
って、あぶねぇ!
……あーびっくりした。掠ったみてぇだが、まぁ大丈夫だろ。
最期の報復をしようとしていた爺の手の動きを見て、オレは闇でも目立たない本紫の瞳を見開く。
けれど大したことがないと分かり、見開いた瞳を戻して安堵の息を漏らした]
夢中になっちゃってまぁ…。
[甘美たる果実を貪るリートにくつりと笑いが漏れた。
あーあ、派手にやっちゃって。
後で自分がやったって知ったらどうなるかな。
周囲への警戒は解いていない。
事が終わるまで、オレの鼻に他の奴らの匂いは届いていなかった]
リート、おい、リィート!
渇きは癒えたか?
風もまだ強ぇし、そろそろ戻っとかねぇと余計な体力使っちまう。
[雨風ってマジで馬鹿に出来ねぇしな。
俺達人狼といえど、自然には逆らえねぇんだぜ。
歓喜に浸るリートに聲をかけ、オレは中に入るよう促した。
オレの取り分は要求しない。
だってこの後また他のを喰えるだろう*からな*]
/*
>>*19
描写お疲れ様です。
こちらの方はこの後、夕方以降にならないと顔出せません。
何かあれば後で補完します。
それではまた*後程*
―前夜/浴室―
[一つだけ年上の深窓の令嬢。
華奢にみえるその肢体も肌に見惚れる瞬間が無かったとは言わない。
守りたくなる女性というのは彼女のような人のことかもしれない。
髪を洗い流し湯につかりながらぼんやりと思う]
――…ん。
[何となく沈みかけた。
理由も分からぬから小さく息を吐き]
そういえば……
余り長湯をしてはいけないのでしたっけ。
そろそろあがりましょうか。
[常のように微笑んで湯からあがり身支度を整えて
一度広間を覗いてから誰かが残っているなら
部屋に戻り休む旨を伝え、宛がわれた部屋に戻ることとなる**]
─朝/二階 自室─
[またしばらくベッドの中でごろごろしていたけど、起きなきゃと言う考えが動いて右手をベッドの外に出す。
ごそごそと探るのは、鞄に入れたはずのキルシュヴァッサー。
手に取ったキルシュヴァッサーを手にベッドへと座り、結っていない長く垂れ流したままの髪を振り上げ上を向くと、一滴だけ、口の中へと垂らした。
舌の上にサクランボの風味と強いアルコールの刺激が広がる]
……よし!
[それで目を覚ますと、オレはしっかり着込んで髪は結わないまま部屋を出た]
……やっぱこれとは段違いだよなぁ。
[呟いた聲はキルシュヴァッサーを口にしての感想。
何と比べているかは推して知るべし]
─朝/広間─
[階下に降りると既に起きている人が居た。
まぁオレが遅いのは当たり前だな。
けど、何かその人らの空気が、重い]
………何かあった?
[何となく漠然と、そんな気がして疑問を口に*出していた*]
―厨房―
わかった。
[ミルクを頼まれれば、頷いて。エーリッヒの頭へと一度は手を伸ばす。
嫌がられるかもしれないけれど、撫でるだけはしようかと。払われたら仕方がないけれど。
言葉はかけない。
広間の暖炉の傍へとつれていく様子を眺めると、食料庫から牛乳を取り出して、鍋に移す。ことことと静かに温めながら、ゆるく息を吐き出した。
シーツをもって出て行くクレメンスを見送り、そして戻ってきたところに声をかける]
人狼が、出たんだよね。場が出来たから。
[確認のような言葉。何にせよとりあえずはエーリッヒについててと言って、少し笑って。
それからホットミルクにはほんの少し、蜂蜜を落として仕上げる。
そのまま広間にもっていき、エーリッヒの手に持たせようと、差し出した]
─真夜中過ぎ─
[意識は獣のもの。
それでも染み付いた習慣はまだ人間としてのものが強かったかもしれない。窓ではなく扉を使ったのも多分そのせい]
りえる。
[血肉の味は初めてで。誰かと比べることもなく。
存分に酔い痴れた頃名を呼ばれてようやく貪るのを止めた]
うん。分かった。
リエルはいいの?
[舌でペロリと口の周りに残る緋を舐め、首を傾げるような仕草。
今はいいと言われると、ブルリと首を振って動かなくなった骸から離れ、鉄紺の毛並みの傍に戻った。
途中でよろめいたのは背中に走った痛みと同時に突風が吹きつけたからで。前後の動きには支障もなかった]
あ、ふ。
落ち着いたらまた眠くなってきたかも。
[高揚が引いてくると頭の中に靄が掛かったようになる。
気がついて速攻にパニックを起こすことは無く。勧められるままに中へ入り人の姿に戻ってタオルや水を使って。
目に見える痕跡はそれで殆ど消えた。
部屋まで戻ると早々にベッドへ潜り込み、意識を沈めた]
―前夜―
[エーリッヒの疲れたような視線には笑いを消さず。>>148
ただ少しだけ同情のような色も含まれてはいたかもしれない]
甘やかしてなんかないよ。
俺を甘やかしてるのはナータとかクレム兄の方だ。
[弟離れできなければというナータには曖昧な笑みを向けた。>>146
そのクレムから勧められた林檎は辞退して。>>160
一連の騒ぎは、来るなと示されたので遠巻きに見て、呼ばれたら手伝うだけだった。少女であるフォルカーのためにも年長者の判断は正しかったのだと思う]
うん、眠くなったらね。
[結局眠くならなかったからと、騒ぎが終ってブリジットとナータが戻ってくるまでしっかり残っていたりもして。
それでも真夜中を過ぎる頃にはちゃんと部屋に戻った]
―朝/二階個室―
[霧のような眠りの中に叫び声が飛び込んでくる。
ベッドから起き出せば深緑に映る窓の外は風の音もなく明るい。
また寝過ごした、なんて寝ぼけたようにぼんやりと考えて。
騒がしくなった外の気配に窓の傍でギクリと固まった]
な、に。
誰が、どうしたって。
[叫び声が夢の中で響いたものではないのだと気づく。
誰がどうなったのか。確認にいかなければと思いながら。
着替えの手は震えて、下に降りるまで時間が掛かって*しまった*]
―広間―
[受け取ってもらえないなら、その傍に置くことにしようか。
何にせよ、器は二つ。もちろんもう一つは、クレメンスへと渡した]
僕は、ちょっと湯を浴びてきたいから、飲んでて。
ミルクも悪くなってしまう前に飲まないとね。
[そんなことを言って、厨房にお盆を置きに戻ろうとする。
ちょうどエルゼリートが降りてきての問いには、叫び声でも起きなかったんだなぁ、なんてなんとも言えない目をしたかもしれない。
が、エーリッヒに言わせるのも駄目だ。クレメンスはエーリッヒについていてほしい、と思えば、とりあえず階段の方へと近づいて、声を落として告げた]
団長さんが、死んだ。……殺されたんだろう。
[声は抑えたとはいえ、室内ならば届いてしまうだろう。一度エーリッヒの方を気にした。
それ以上にエルゼリートが気にするようなら、「僕の部屋の真下だよ」と、それだけは告げることだろう*
それから、自分は厨房へと盆を片付けに戻ることにする。片付けを終えたら、そのまま浴室へと向かうつもりで**]
―夜/一階・浴室―
[服を脱ぎ終えて、戸口の前に立つ姿にも気づかず扉を開けて]
……
[突然のことに一度固まり、向こうは何一つ身に纏わない状態ですべて見てしまった。
逆に向こうにもすべて見られたことになるのだが]
いやぁぁぁっ!
[思わず悲鳴を上げて、多分ここにきてから一番女らしい姿だったかもしれない。
そのまま一方後ろに下がり、そこで固まって動けなくなっていた。
バスタオルをかけられて、辛うじて要所は隠れたり隠れなかったり、よく見ればまぁ見れたかもしれない。
赤くなって震えていて]
あ……あの……
[羞恥とか申し訳なさとかいろいろ混じって、震えてしまい声が続かない]
―夜/一階・浴室―
[少しして自分の悲鳴を聞きつけたアーベルがやってきて、なんじっくりと見られてしまった。
そしてかけられた言葉に、赤くなって俯いて完全に何も言えなくなった]
え……ああ………
[続いてやってきたエルゼリートがヴィリーに怒る様子に、誤解を解くべきは自分だったのだろうけど先のショック状態のままで声が続かず、
そのままアーベルに押し込まれるように隣の部屋に]
う、うん……ごめん…
[礼より謝罪の言葉が先に出ていて、その様子は妹と瓜二つだっただろうか。
その日はそのまま結局お風呂には入り損ねて、自分が落ち着いた頃エルゼリートとアーベル二人に事情を説明した。
ヴィリーにも謝った後は、アーベルに連れられるようにして部屋に戻ることになった]
―夜/→二階・双子部屋―
[部屋に向かう途中、大人しく俯いてアーベルの横を歩いていると不意に頭を撫でられて]
アーベル……
[ぎゅっとそのまま横からすがりつくようにして、普段の様子は完全になかった]
ごめん……それと、ありがとう……
[それだけぽつりと、今はこうしているのがとっても安心できたから。
そのまま部屋に送ってもらうと、先に寝ていたエーファをぎゅっと抱きしめて、二人仲良く同じような寝姿で寝ていた]
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