[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
……偶に居るからな。
[生きてこそ]
[其の言葉に呟く]
命よりも金が大切だと言う者が。
大概……そうせねば家族を守れぬという者ばかりだが。
[そう言いながら]
[奔る銀は少しも鈍ることは無く]
[地に伏せるのに視線を送ることすら無く]
[駆け抜け]
[左足を軸に向きを変えようとして]
[砂の音と共に一瞬崩れる体勢]
[振り下ろされるのを無理に避けようとするも]
[腕を裂かれるのは防ぎ切れず]
[其れでも裂いた影を上下に断ち割って]
[チョコを一粒自分で食べつつ、ふと、気づいたそれに顔を上げる。]
[クローディアも同時に。]
今晩和。
[声を投げかけ、紅茶を新しく。]
……ま、そうかも知れんが。
[家族を守れぬ、という言葉。
それは瞬間、翳りめいたものを紅の瞳に呼び起こすが。
それはすぐに失せて]
てめぇの生命を守れねえヤツには、何にも護れやしねぇんだよな、生憎とよ!
[言葉とともに、繰り出す剣でまた一つ、影を断ち]
……まだ、動けるな!
そろそろ、終りが近そーだし息切れしなさんなよ!
[腕を裂かれる姿に投げるのは、こんな言葉]
誰が動けないと言った?
[返す言葉は傷が極浅いものと思わせるような]
[けれど緋色は]
[左の袖を既に染め上げて]
……せめて、送ってやろう。
出来得る限り苦痛を受けぬようにな。
[払う銀を伝うのは]
[斬り伏せた闇に混じり]
[自身の緋]
[低い体勢]
[地を切先が裂いて行く]
[一気に懐に入り込み]
[跳ね上げるようにして]
[斜めに引き裂く]
[返答に対して浮かぶのは、笑み]
……その程度で動けなくなるようなら、ここまで生きてられんわな。
[さらり、言いつつ。
銀煌の舞は生命を一つ、夜闇の奥へと飲み込ませる]
そこまでしてやるギリはねー気もするが。そんなん期待してたら、この稼業、できんだろ。
[軽い言葉と共に、剣を握りなおす。
闇を見通す、真紅の瞳。
それは、闇に紛れて不意打ちを試みた者の気配を、捉え]
……仕事に関係する情報は、きちっと集めろってな。
俺に……『迅雷』に、闇討ちはきかねーってな、それなりに有名なつもりだぜ?
[背後に迫る気配に向けて、呟く。
くるり、その身が反転し。
その勢いを乗せた剣が、影を断つ]
[聞かれてもぼんやりとそれを見つめていたが。
やがてハッとなってコクコクと肯いた]
はい、良かったら一つ下さい。
[そうして無意識に押さえていた手首から指を離し。
そっと手を伸ばした]
…大丈夫か?
[ナターシャの様子に、尋ね]
…あぁ。どうぞ。
[それから窓の外をもう一度見やり。]
[見に行くか、いかないか。]
[悩むのは長い銀の光を思い出すからか。]
[剣戟の合間]
[軽く肩を竦める]
箱どころか檻に入れられていたような世間知らずだがな。
[其れは比喩では無かったが]
[まるで冗談のように]
……私の勝手な感傷だ。
[言い返せばまた真っ直ぐに]
[其れは何処か]
[戦い方を全く知らぬ者のようにも]
[命を捨てているかのようにも]
[見えるのかもしれない]
え?
[問いには目を瞬かせて首を傾げ。
その視線を追えば窓の方を見つめて]
[戸口の方へと向かう姿を見れば。
左手首を押さえる右手に更に力が入る]
そりゃまた、穏やかなんだか違うんだか。
[冗談めかした言葉。
あちらこちらから拾い集めた彼の事情を思えば、妙に納得できたから、それだけに止めて]
感傷に浸れるなら、まだ……。
[言いかけた言葉は、影の繰り出す一撃に阻まれる。
キインっ、という、金属音。
銀と鋼がぶつかりあう]
……せいっ!
[それを気合と共に弾いて、一撃を]
…お前も。
二人とも、大丈夫か?
[見て、尋ね]
…今外に行く方が危険だ。
中にいた方がいい。
時を逃さずに出発すればいいんだからな。
………
[ジョエルとシャロンの遣り取りを見ると、溜息を一つ。
邪魔をしたくはないが、このままで本当に平気なのだろうかと]
[軌道は真っ直ぐに]
[其れが一瞬揺れ]
[ふっと掻き消える]
[標的を見失った闇は其れを探す間も無く]
[肉を断ち切る音]
[骨の叩き割られる音]
[成す術も無く崩れ落ちる]
[残るは数人]
[戦意喪失しつつ在る者も居るが]
[そうではない方が多いらしい]
……今帰れば無事に済むというのに、な。
[緋に柄が滑る]
[強く握り直して]
[闇を見据える]
…座って休んでいればどうだ。
星は異常を知らせていない。
クロゥディの言うことだから正しい。
嵐の終わりは近い。
[ナターシャにも、聞こえるように。]
何なら、占ってみるか?
[闇の潜む者に、紅の瞳を向ける]
残り……四、五人ってとこか。大人しく引く気は、ねぇ、と。
[今帰れば無事に、という言葉に、一つ、息を吐いて]
……全くだ。引き時は、大事だぜ、生き延びるためには、なっ!
[気合と共に、影へと走る。
低い構えから、横薙ぎの一閃。
大剣の長さを活かした一撃は、勢いは多少削がれるが、複数にを相手取るには都合がいい。
とはいえ]
……っと!
[振り切るまでの隙は大きく。それをついた横合いからの一撃は、僅か、腕をかすめ]
……っち!
[舌打ち一つ、強引に態勢を戻して。繰り出すのは、突きの一撃]
[扉の方へと向けていた視線を戻し。
シャロンとクローディアをじっと見つめる]
…お願い、できるなら。
[不安に揺れる心と、左手首を強く押さえ込んで]
判った。
[と、心配そうなクローディアを見て]
大丈夫だ、オレたちのことを調べるんじゃない。
もうあんなしっぺ返しはくらわない。
[言い訳にも程がある]
[しかしそう言って、広間の中に戻り。]
[カードを取り出して]
[大剣に裂かれる音は複数]
[残るは二人]
[金が一度目蓋の奥へと隠れ]
[其れはほんの一瞬]
[開いた時には地を蹴り]
[一本の樹の許へ]
[不意打ちせんと木の枝に立つ者に]
[枝の一本に手をかけ強引に体を持ち上げ]
[其の勢いをも乗せた突きを放つ]
[鈍い音と共に其の体は痙攣し]
[やがて力を失ってだらりと垂れる]
[――後は、一人]
嵐が、晴れるか。
外の音が終わったら、出発すると良いだろう。
オレたちも行くか。
…あぁ、これ、持って行くといい。
[先ほど取り分けた二人分の肉や干した魚をジョエルに]
[一人分のそれをナターシャに]
[カードを全部集めて、鞄にいれて。]
[後一人、それを察すれば。
受けた傷など、気にした様子もなく、銀を構え直し。
走る]
……想定外労働、終わらせてもらうっ!
[宣言と共に繰り出される、下段からの斜めの一閃。
それは、大気を断ち。
最後の影をも、断ち切る。
舞い散る真紅。
それは月光を美しく弾いて]
……お仕事、終了、ってな。
[低い呟きが、こぼれた]
[最後の一人が倒れるのに]
[深い息を吐き出してから]
[裂かれた左腕から流れた血は思ったより多かったのか]
[樹の根元]
[背を伝わせ座り込む]
[――暫くは動けそうに無いな]
[失血に霞む視界]
[苦く笑って]
[やがて出て来るだろう人々に]
[*どう言い訳するかと頭を悩ませた*]
嵐が、晴れる。
[その言葉を口の中で繰り返して]
ありがとうございます。
[差し出された袋を受け取って]
[深々と頭を下げた。最敬礼の形で]
さて、そろそろいくか。
…あのバカにも投げておくか
[一袋を持って]
[無残な姿になった人たちは見てしまい、]
[*屹度少し硬直するだろうが*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ