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保父 クレメンス に 1人が投票した。
薬師 ゼルギウス に 3人が投票した。
子守 ブリジット に 4人が投票した。
子守 ブリジット は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、踊り子 ローザ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、修道士 ライヒアルト、保父 クレメンス、薬師 ゼルギウス、貴族 ミハエル、研究生 エーリッヒ、陶芸家 アマンダ の 6 名。
― ゼルが伯父に向かう直前/広間 ―
[ローザからクレメンスへ向けられた問い>>4:156は、伯父が守り手だったなら危険なものだった。
伯父の近くに座っていたから、その問いに対する微かな呟き>>4:160も聞き取れて。
やはり、伯父は人狼か守り手のどちらかだ、と確信する。
だが、他にもクレメンスの呟きを聞き取った者はいただろうか。
どこにどう口を突っ込もうかとタイミングを計っていたら、アマンダ>>4:168とクレメンス>>4:172の言葉が聞こえてきた]
二人が出てきた時点で、呼ばれた面々の中で居なくなっていたのはウェンデルとユーちゃんの2人だけ。
仮に名乗り出た2人がどちらも偽者だとしたら、本物はこの2人という事になりますけど。
ユーちゃんがもし見極める者のいずれかだったなら、ボクにはその力を教えてくれていたでしょうが、そんな話は聞いていません。
仮に、ボクが偽者で、ユーちゃんが蒼花だった……という可能性もあるかもしれませんが。
多分その場合は、対である朱花がそれと知覚したのではないかと。
[自分の蒼花が朱花の存在を感知したように、という言葉は伏せておく。
ゼルギウスがクレメンスへと向かいだした>>4:166のはその後だろうか]
人狼は…てめぇだろうよ!
[自分を人狼と見定めて刃を振り上げるゼルギウス>>0が見えた。
それに対し掲げるのは、掌に呪印が刻まれた左腕。
グローブの甲にある鉄板で迫る刃を弾こうとしたのだが。
それよりも早く、自分とゼルギウスの間に入る影があった]
────っ、ブリジット!?
[こちらに背を向ける形で、ブリジットが自分達の間に身を滑り込ませている。
防御からの反撃を考えていた体勢では、即座に次の行動には移れなかった。
驚きと身の構え方から一拍遅れて動き出す。
それではもう遅いと、頭では分かっていてても止めることは出来なかった。
ブリジットをこちらに引き寄せようと手を伸ばすも、何故か遠く感じられた]
[ゼルギウスがクレメンスへ近づこうとするのは、昨日ベアトリーチェを視たのと同じようにしようとしているのだと思って。
自分も、伯父が守り手なのか人狼なのかという疑問は持っているから、その動きを止めることはしようとしなかった]
……ゼルギウスさん!?
[その油断があったから。
ゼルギウスの手に握られた刃>>0に気付いても、それを阻もうと動くのが遅れた。
否。伯父を守りたいという私情による動きを、クレメンスが人狼である可能性もある為に、胸の蒼花が阻んだのだろうか。
クレメンスの近くの席に座っていたのに、ゼルギウスへ向かおうとすると全身に痛みが走り、身体が動かなかった]
― 広間 ―
[刃が食い込む感触は、影に手が届くよりも前に返った。
外から見れば、短いとはいえ深々とブリジットの喉に突き立つ刃が見えただろう。
そのまま勢い余って突き飛ばすような形になり、反動で抜けた刃を手にしたまま、真っ赤な血飛沫を浴びる]
……何が。
[触れられないクレメンスの影を、深緋色がようやく捉えた。
形を変えず、世界も白いまま。
誰かを抱きとめるような格好で動いている]
え……人間?
[影の護り手である可能性はまだあると、どこか冷ややかに思いながらも。呆と呟いた]
─ 広間 ─
[ゼルギウスが動き、それにクレメンスが構えるのを見ても動かなかったのは、双方への疑念が消えなかったから。
或いは、蒼花と同様に、朱花の干渉があったのかも知れないが、自覚はなく。
ただ、それでも、そちらの動きには──反応していた]
……ブリスっ!?
待て、今近づくのはっ!
[危ない、と。
とっさの動きか、駆け出したブリジットに投げかけた制止の声は──届かない]
─ 広間 ─
[ブリジットの肩へと手を伸ばしたが、それよりも早くこちらに突き飛ばされた来る>>7方が早かった]
っぐ!
[自分が向かう勢いと相まって、突き飛ばされてくる衝撃が思いの外強く。
胸の辺りにブリジットがぶつかったことで、肺が圧迫され、くぐもった呻きが漏れた。
どうにか後ろに倒れるのは堪えたものの、抱き止めた形になったブリジットがぐったりしていることに気付く]
…ブリジット…?
おい、しっかりしろ! ブリジット!!
[ミハエル以外は疑っていると宣言した。
勿論、ブリジットも例外ではなかったのだが。
それでもこんな形で失うことになるとは思っていなくて]
ブリジット!! 目を開けろ!! おい!
[彼女を支えたまま顔をこちらへと向けさせたが、その瞳からは既に光が失われていた]
― 広間 ―
[蛇毒は運動神経に作用するもの。
喉に刃が埋まったのは良かったのか悪かったのか。毒が全身に回るよりは早く、呼吸停止と失血から、その命を奪っただろう]
なんで、クレさんを庇う。
人狼じゃないから。いや。それは誰も知らなかったはず。
知っていたらそれは人狼か影の護り手で。
[人狼なら、ローザが言うだろう。
けれどその声が聞こえてこない。人狼だと、言ってくれない]
ジットにも可能性はあった。
あったけど。
[ベアトリーチェが知っていたなら、もう一人も近くにいた必要性は特にない。だからそれほど疑ってはいなかった。
何度もブリジットの名を呼ぶクレメンスを、刃握ったまま、じっと見ていた]
[首筋がまた、熱を帯びている気がした。
大輪の朱の茨は、冷静に場を見定める事を望むよう。
けれど、それは、受け入れ難く。
振り切るように駆け出して、けれど、やっぱり、届かなくて。
見えたのは、空間に花弁を開く、花。
身に宿すそれとは違う、あかいいろのそれは、自身も散らしたもので]
……なん……で。
[零れ落ちたのは、その一言。
呆然とした様子は、多分、今まで誰にも見せた事のないものだった]
[言ったきり、言葉が続かない。
足元にやって来た猫の声が遠い。
自覚はないが、多分、泣きそうな顔になっていたのだろう。
不意に、温かい感触が包み込むように、触れてきて]
……姉さん。
俺……。
[振り返った先にあった姉の表情も、上手く捉えられない。
けれど、鎮めようと、なだめようとしてくれている事、それはわかって、だから。
常であれば、子供じゃない、とでも言って退けそうな、撫でる手も受け入れて。
──その場で、すぐに弾け飛ぶのだけは、留まれた]
[弾けなかった分の反動は、束縛を強めるという形となるが。
今はまだ、それと気づけず。
朱の茨が、身への浸蝕を広げていく自覚もないままに、ただ]
……俺がやる。
[埋葬を、と。
場の流れがそこに行き着いたなら、ぽつり、そう、紡いだ]
やるんだ。
……やらせて。
[言葉少ない様子は、教会に引き取られた当初の少年の如く。
その様子は、姉を案じさせるかも知れないが、振り切って、動く。
夜明けの後、もう一つの痛みを得る事になるのは、知る由もないままに。**]
― 広間 ―
[ゼルギウスが驚いたような顔で「人間?」と呟き>>7、人狼じゃないから>>10などの言葉も聞こえれば、小さく安堵の吐息を零した。
ブリジットが亡くなった事は悲しく思うけれど。
それ以上に、ユーディットを亡くした今、さらに伯父まで亡くす事がなくて良かった、と。伯父をこの手に掛ける必要がなくなって良かった、と。そう思ってしまった。
クレメンスがブリジットを抱き締め、嘆いている姿を見て、ひとつ深呼吸をしてから。
リネン室へと向かいシーツを一枚適当に取ってくる]
……伯父上。ブリジットさんを、眠らせてあげましょう。
[他の人たちと同じ場所に、とまでは言わなくとも通じるだろうと思って、そう告げる。
俺がやる、という声>>15には、対である朱花に視線を向けた]
─ 広間 ─
………ああ。
[覚悟を決めている以上、死を受け入れられないわけではない。
ミハエル>>16に言われれば、直ぐに応じて身からブリジットを離した。
首元が当たった部分は血に濡れていたが、黒い服だったために目立ちはしない]
おぅ、んじゃ、一緒に行くか。
[ライヒアルト>>15の言葉にもすんなりと応じた。
ブリジットと青年が親しかったことは知っている。
ミハエルが持って来てくれたシーツにブリジットを横たえると、ブリジットについた赤を拭ってから包みに入った]
……すまねぇな……ありがとよ。
[自分を庇ったことに対する謝罪と、感謝と。
その言葉を紡ぎながら一度ブリジットの頭を撫でて。
それが終わってからブリジットをシーツで完全に包んだ]
― 広間 ―
[視界はまだ白一色だった。
整えずに力を使えば当然のように代償は大きい。
その力は、後世になって作られたもの。
無理やりに掛け合わせて、発現させた歪な力。
それを作った者達の手から取り上げられ、場の要素となる因子とは別の命視る力を持つ先代が、どうにか安定させたもの]
眠らせる。埋葬を。
[手伝いたい、とは言う前に拒絶されただろうか。
思考は麻痺していた。人狼でないブリジットを殺すのにも、快楽を感じてしまった自分を自分で否定して。
血のついたままな刃をのろのろと仕舞い、隅の方で頭を抱えた。頭痛が酷い。力を振るうのを否定することへの警告。
本当はもう一つ。
誰が狼なのか、自分の中の消去法では決まったはずなのに。
歪な力の一部が反乱して、そこを取り上げさせなかった]
─ →集会場外 ─
[ブリジットを運ぶのはライヒアルトが申し出たか。
そうでなければ自分が運ぶことになる。
前の時と同じように雪に穴を掘り、ブリジットの骸を横たえて。
静かに雪を被せて行った]
………………。
[その間の口数は少ない。
何か問われれば、それでも答えただろうが。
埋葬が終わればいつもより長く瞑目し、ブリジットの冥福を祈る。
それでもライヒアルトよりは弔いが短かったことだろう]
― 広間 ―
[クレメンスやライヒアルトが、ブリジットの遺体を外へ運ぶのを見守る。
ローザとゼルギウスは、彼らと一緒に埋葬に向かっただろうか]
………さて、と。
アマンダさん。
すいませんが……暖かいお茶の用意を、お願いできませんか?
伯父上たちが戻ってくるまでに。
それと、できれば…ゼルギウスさんの様子も見てて欲しいんですが。
[アマンダがその場に残っていたなら、彼女にはそう頼んで。
具合の悪そうな様子のエーリッヒと、ゼルギウスの2人を見て、エーリッヒに歩み寄る]
─ →浴室 ─
[広間に戻った時、ゼルギウスはどうしていたか。
未だ隅に居る>>18ようなら、その様子を一瞥してから北側の扉を目指す。
どこへ行くのかを問われたなら、服を洗うために浴室へ行くと答えた]
………………。
[浴室の洗面台で、血に濡れた服を洗おうとして、手を止める。
他者の手によって流された、ブリジットの血。
その赤がついた服が、いやに重く感じられた]
………殺さねぇと、なぁ。
[洗面台の鏡に映る、服に付いた赤を見詰めるクレメンスの瞳は、昏い。
決意の如く呟くと、意識を取り巻く昏いものが一層濃さを増した。
呑まれる寸前までに膨れた昏いもの。
抱いた殺意を増幅させる、殺戮衝動。
今はまだ矛先が定まっているために他へ飛び火することは無いが、この状態ではいつ意識を全て呑みこまれるか分からない]
[結局、服は洗うことなくそのまま来た。
まるで、ブリジットの命をも背負うかのように。
広間に戻って何かを腹に入れたりするが、口数は少ないまま。
かけられる声に反応はすれど、日が落ちれば早々に部屋へと戻るの*だった*]
エーリッヒさん、大丈夫…ですか?
少し、部屋に戻って休んでください。
[エーリッヒの返答はどうだったろうか。
彼が渋るようなら、それ以上は何も言わずに自分も広間へ残るが。
エーリッヒが部屋に戻るならば、彼に肩を貸そうとし、断られても部屋の入り口まではついていく。
そして……]
エーリッヒさん。貴方は、何者ですか?
[エーリッヒと2人になる機会があれば、そう問いかけただろう。
ゼルギウスが偽りを言っていないならば、もう人狼の可能性が残っているのは彼しか居ないけれど。
何故か、彼がそうであって欲しくないと*思ったから*]
― 広間 ―
[結局、自分は見ているだけだった。>>0蛇毒の量だけ濁って見える刃も、>>4二人の間に入るブリジッドも]
ゼルギウス、やめろおぉぉぉぉぉぉぉぉ!
[しかし、願いは届かない>>7 ブリジッドの喉に突き立つ刃。奪われた命。ゼルギウスが下した判定など耳元でごぉぉ、と鳴る血流の音でまるで聞こえなかった]
[村から離れて働くブリジッド。いつか帰省が被って、村のどこかで会った時に、どうしてか、と聞いただろうか。そして、自分も聞かれただろうか。
その答が似たようなものだと気付いたときは、二人で笑った]
[もう、彼女とそんな一時はもてそうにない]
―個室M―
[ミハエラの手を借りながら、部屋に帰る。のそりとした動作で上着を脱ぎ、ホルスターを外してベッドサイドテーブルに置いた]
なさけねーな、本当に。
[履物を脱いで、ベッドに腰掛けるだけで、ちゃんと立つという意識しないとできないことが1つ減って、その分楽になった]
俺はしがない研究屋の卵だよ。
でもひょっとしたら、俺はここで死んでしまったほうが、後々の誰かの為かもしれねーな。
[そして。村で接しているだけでは知りえなかっただろう、自分のことを話し始めた。
ずれている。何者か、を示すのは、『場』の中では人間か、人狼か。そのふたつであるはずなのに]
専門は化学なんだけれど、今は国立大と軍部で共同でやってる兵器の開発の手伝いしてる。
つっか、もともと俺の下宿先兼先生がそれやってるから、手伝ってるって感じなんだけれどもな。――何年前だ。おれが17の時だから……もう6年も前になるのか。ミハエラもこーんなくらいの時。
[やっぱり手を出すと犯罪な背丈です]
この村に温泉目当てに先生が来たとき、まぁ意気投合してな。実は養子に、って話もあったけれど、それは断った。
[養子になれば、社交界入りのルートもあったが、その前に立ちはだかる男男の壁でそこを突破するに至りませんでした]
近隣諸国も力つけてきてて、いろいろそーゆーのを開発してんだ。物騒きわまりないが。
でも、そういうの持っておかないと、今度は弱国として隣国連中にうちの国が絞られちまうだろ? それをさせない為に、兵器の開発は続けていかねーといけねえ。
たとえその用途が人殺しであっても、だ。
それも、今量産の方法を考えている最中。つっても、あれ全部俺が噛んでるのは弾丸だけだけれど。
[サイドテーブルのホルスターを顎で示し]
俺がココから出てやる仕事を果たせば、きっと、俺の仕業もあって人が死ぬよ。
でもいいんだ。それでこの国の平和が保たれるなら。
何人も俺の関わった品で人が死んでも、それで、この国でこれから生まれてくるだろう命も含めて、たくさん守れればいい。
そー思ってたけれど、実際は目の前で人が死んで、ぴーぴーきてて、ほんっと、情けねえ。
[ため息をつく。そこで、ひどい脱線をしていることに気付いた]
ごめ、こういうのがミハエラが聞きたい話じゃねーんだな。
[彼女をゆるりと見上げる。長い前髪をよけて、目を見て]
俺は人間だよ。
ユーリーみたいに傍にいれなくても、クレメンス先生みたいに、信頼を得られなくてもいい。
お前さんを守りたい。一緒に生きたい。
[虚勢を張ることもできずに、今まで留めていた何かが、口にのぼる。
迷惑になる、身分がちがう、そもそも年齢も性別もアウトだろう。――変になってから、数年たって。ようやくことばにできた]
……ごめ、迷惑かもしれねーと思ったけれど。
いつ言えなくなるかもわからないから。
[その頬へと、手を伸ばした**]
─ 広間 ─
[向けられる視線>>16に、天鵞絨が向かう事はない、けれど。
対なる蒼花であれば、何かしら、感じるものもあるか。
朱の茨の静かなる浸蝕、その予兆。
そして、朱花が孕む異様な熱も]
……ちょっと、まって。
[用意されたシーツがブリジットを包み込む前、小さくそれを押し止め。
冷たくなった頬に手を触れて、しばし、言葉を探して、でも]
……ごめん。
[やっぱり、それしか言えなくて。手を離すと、包み込む作業を任せるべく、一度下がる]
……大丈夫。
[短い言葉は、姉に向いたもの]
─ →集会場 外 ─
……つれてく、から。
[シーツで包む作業が済むと、また、言葉少なく申し出る。
抱え上げた身体は軽い。
立場上、死者に触れる事はここに来る以前にも幾度かあって。
ここに来てからのそれには、何も感じない──感じないように、努めて。
けれど、さすがに、今はそれ無理だな、と。過ぎる思考は、他人事めいたもの。
埋葬の間、特に何かいう事はない。いえない、というのが正しいのは、姉には見て取れるか。
弔いの後、クレメンスが戻っても、その場から動かずにいた。
姉には戻ろう、と促されたけれど、子供のように首を横に振って]
……大丈夫。ちゃんと、戻る。
俺のやるべき事を、やる、から。
[やるべき事。それが何を意味するかは、朱花知る姉には伝わるか。
諌められたとしても聞き入れる事はなく、少し一人にして、と訴えて。
同じくらい頑なにその場に残った茶猫と共に、舞い落ちる白の中に佇んだ]
……俺……。
[姉には気づかれていたろうか。
少なくとも、養父たる老神父には気づかれていた。
皆に聴かせる時と、彼女に聞かせる時の、ピアノの音色の違い、そこにあるもの。
他とは違う『大切』の意味]
……ちゃんと、いえなくて。
ごめん。
[けれどそれはやはり、言葉としては紡がれない。
ただ、多くを言わずにいた事で、苦しめていたのは感じていたから。
それへの謝罪だけを紡いで。
哀しげに鳴く茶猫を撫でて、集会場へと戻る。
佇んでいた時間の長さは、黒髪の上に舞い落ちた白の量が物語っていた。
広間に戻れば、姉の姿はまだそこにあって。
温まるようにと促され、今は素直にそれに従った。
けれど、その場に長くいる事はなく、温かいものと暖炉の火で身体を温めた後は、すぐに個室に引っ込んでいた]
[個室に戻ってから、眠りの淵に沈むまでの時間がどれだけのものだったかは、正直、記憶にない。
気づけば意識は落ちて、そして、夢を見た。
教会のピアノを弾くのに慣れ始めた頃。
いつものように、思いつくままに音色を紡いでいたら、物陰から声が聞こえて。
え? と思って、振り返った先には、なにやらバランスを崩してわたわたとしている様子の姉の姿があって。
何してるの、と問いかけたら、なにやら決まり悪そうな様子で、音色に合わせて踊っていた、といわれて、更にきょとん、とした。
──幼い頃の記憶、やさしい色合いの夢。
それは不意に──あかいいろに染まって、砕け散った]
─ 翌朝/個室I→H ─
……っ!?
[閉ざしていた天鵞絨を開き、文字通り跳ね起きる。
冷たい汗が滲んでいるのが感じられた]
なん、だよ……いま、の。
[紡いだ声は、酷くかすれていた。
余りにも、不吉すぎる終わり方の夢。
自然、天鵞絨か隣室の方へと向かう]
……姉、さん?
[言葉で言い表せない、嫌な予感。
それに突き動かされるように部屋を出て、隣の部屋のドアを叩いた]
姉さん? 姉さん、起きてる?
[問いかけに、答えはない。
眠っているだけか、とも思うけれど。
姿を見なければ、今の嫌な予感が振り切れないから]
……入るよ!
[そう、声をかけて、ドアを開き──ひらかなければよかった、と。
そんな思いが一瞬、過ぎった]
……っ……。
[最初に目に入ったのは、あか。
それから、ベッドの上にゆるりと広がる長い髪。
最初に目に入ったいろさえなければ、ただ、眠っているだけと。
そう、思った──思いたかった]
……なん、で。
[けれど、そこにある臭いと。
ベッドの上の姉を取り巻く、あかいいろは。
そんなささやかな願いを否定して、打ち砕く]
ど……して、だよ。
[零れたのは、疑問の声。けれど、返る答えはない]
俺……は。
俺……の。
[『大切』が失われて、『大事』も奪われた、と。
あかに彩られた姉の、身体の欠損が、端的に物語る。
失われている鼓動の源、それを奪って喰らったのは誰?]
……っ……ぁ……ぅ。
[何を言えばいい、どうすればいい。
わからない。
わからない、から]
……うわああああああああああっ!
[ただ。
叫んだ。
──それは……それが、ひとつの切欠]
……っ!
[感じたのは、熱。
首筋と、胸と。
特に熱いのはそこだけれど、既にそこに留まらない。
熱を逃したくて、無意識、襟元を開く。
首筋を絡め取っていた茨は伸びて、身体の全体を絡め取るように伸びている。
その一端は手首にも至り小さな茨が花弁を開くか。
名実共に、『朱花の宿主』となる事を妨げていたものが失われて。
支えとしていたものが奪われて。
それによって、砕けたこころは朱の茨に閉ざされる。**]
[叫びに気づいて集まった者たちに向けられるのは、無機質な天鵞絨。
昨日までは確かにあった、感情のいろは見えず]
……闇の眷族の牙により、見極める者は失われた。
[淡々と綴る言葉と共に向けられるのは――淡い、笑み。
緩められた襟元や、手首から見える朱の茨とも相まって、それは異様な様相を織り成す]
……終わらせなければ。
朱花宿せし『神の使徒』の名において。
……全てに、制裁を。
[闇の眷族に、ではなく、全てに、と。
紡がれる言葉の意図に気づく者はあるか。
砕けたこころを閉ざした茨は、そこから溢れた思いを糧に、狂った花を静かに咲かせて。
いっそ、穏やかとも言える微笑と共に、狂える茨はその棘を向ける先を探す。
狂気を咲かせるきっかけを作った――望まずして作ってしまった者の姿を。**]
―前日/個室M―
[>>32 ミハエラの、迷惑じゃない、って言葉に、迷子が出口を見つけたかのように笑んで、赤くなった頬に触れ]
よかった。
[頬に触れた手は、肩に滑り、そこを借りた。再び立ち上がる為に。そして、混乱している彼女を落ちつけさせる為に、そっと壊れもののように抱きしめて]
――あー、あれだ。好きでもないやつにこんなことできるほど、俺は器用じゃないからな。
[そして、始まりの一言は、否定の否定でしか伝えられない残念さよ。落ち付いたなら、抱擁を解いただろうか。彼女が自分のことをどう思っているのかわからない。嫌われたくないので、そこであふれる言葉の水門を閉じた]
[それから、休むわ、と一方的に言い切って、ベッドに転がり眠りについた。
その日は、浅く眠ったり、起きたり。誰かが薬や食べ物を持ってきたらそれを食べたりもしただろうか。ただ酒だけはやっぱり駄目だった。当然である。]
―個室M―
ブリジット――
まさかこんな形でお別れになるとはな。
[ベッドに転がって独りつぶやく]
いや、……遅いか速いかだけの、違いか。
[てのひらを天井にかざして見る]
どーでもいい奴は、殺しても何とも思わなかったんだけれどもな
[だからこそ、故郷はたまに帰ってくるのでいい。
距離を置けば、自分の心の拠り所をなくし、近すぎればいつか傷つけることを恐れなければならない]
はたから見れば迷惑な奴なんだろう。
彼女のことが何よりも大事ならば、俺が自害すればそれで済む。
――でも、俺は。くそったれな人間だから。
どんなに細い糸でも、あいつと一緒に、生きてここを出たいんだ。
その為なら、どれだけ手が汚れてもかまわない。
この決心がハナから間違ってるものだったら、その時は裁かれよう
勝負だ、女神様。
アンタが勝つか、俺が勝つか。
はじまりの切欠はアンタのせいかもしれないけれど、今のこの気持ちも全部、アンタが作ったマヤカシじゃないと
俺は信じてる。
[瞳を閉じた。空にいない月は答えない]
― 前日/個室M ―
[混乱している中、立ち上がったエーリッヒに抱き締められれば、体を硬直させただろうか。
心臓がバクバク言っている。口から飛び出そうなくらいの勢いで。
先に掛けられた言葉を頭の中で反芻してたところで、さらに掛けられた言葉の意味を理解するまで何秒くらい掛かっただろう。
おもむろに、休むと言ってベッドに転がられれば、逃げるように部屋を出ようとして]
…………ボクも、好きでもない人にあんな事言われてあんな風にされてたら、さすがに抵抗してますから。
[真っ赤な顔のままで、そんな事を言い捨てて行った。
その後は、しばらく部屋で真っ赤になったままジタバタしているかもしれない。
どうやら少しは自覚したもよう。
あ、ユーちゃんとのじゃれあいは、さっきのアレとは別次元だと認識していますよ]
― 前日の夜/個室E ―
[しばらく部屋でジタバタした後、少しは落ち着いてきたなら、広間に出て伯父かアマンダが作ったものを分けてもらって食べたり。
ついでに、少し少なめの一食分をトレイに乗せて、エーリッヒの部屋の前に置いといたりもしただろうか。
夜、クレメンスが自室に戻った後、しばらく迷った末に伯父の部屋を訪れる。
一緒に各部屋を回った時に「この部屋は見なくていいんですか?」とでも尋ねて、伯父の部屋は把握してただろう。
ノックをして、話があると声を掛ければ、部屋に入れてもらえるだろうか。
相談したい事はいくつかある。
しかし、伯父の様子はブリジットの件がある前から、どこかピリピリしていたので、真っ先に騒動の事を相談する気にはなれず]
………伯父上、お願いがあるんです。
この騒動が片付いて、ふたりとも生きて無事に帰れたら………ボクの父上になってもらえませんか?
[とりあえず別方向から、という事で何か言い出した]
― 翌朝/個室D → 2階廊下 ―
[声は聞こえたか聞こえなかったか。どちらにせよ、ライヒアルトの叫び声>>40では目が覚める事はなかったが。
胸の蒼花が対たる朱花の異常な気配を感じ取って、酷い胸騒ぎに飛び起きた。
朱花の持ち主である彼が襲われたのかと思った。
とりあえず、夜着の上に上着を羽織って部屋を出て。蒼花が導いたものか、迷わず2階へと駆け上る]
え……ローザさん!?
[ライヒアルトの姿が廊下にあるなら、彼の視線の先にある部屋を。彼の姿がローザの部屋の中にあるなら、扉が開いたままの部屋を覗いて。
どちらにせよ、紅の中に倒れる姿を見ることはできただろうか]
制裁を、“全て”にって……
[感情の色のない瞳が向けられれば、姉が殺されたと言うのに笑みを浮かべている様子にゾクリと鳥肌が立つ。
続けられる言葉を聞けば、彼が既に心を手放してしまった事を*悟った*]
―残念な男の回想 5―
[この気持ちは変か、好きか]
[蒼花を見た時から、それは、変か好きか、ではなく、別の二つのものに置き換わって、ぐちゃぐちゃになってしまった]
[自分はいったい、どうしたいのか。
愛しいものを庇って死んだ誰かを見て、新たな疑問が投げかけられる]
[一つの疑いが呼び水になって、彼女と話しているうちに整理がつく]
[たった一言だけで。そばにいるだけで。どれだけの救いになるのか。
そんな存在がこの世にいることを知った]
[一握りでもいい。可能性があるならば。
女神より出された一つの命題。自分の答が真に正しいか証明する為、神にすら銃口を向けることを厭わない]
[銃の手入れが終わり、マガジンを挿入する。残り6発。そのひとつひとつが血染めの証明となるだろう。続く]
人生最良の日だな。
[ミハエラの素直じゃない告白を思い出し、笑う]
[女神が誘う呼び声が甘美に酔いしれる類のものだとしたら、その告白は寒い日に指を温めながら飲むスープみたいなものだろう]
―翌日早朝 個室M→風呂→個室M―
[早くに目が覚めた。ミハエラが持ってきてくれた食事は空になっている。
機嫌はすこぶる悪いが、体調は悪くなかった。ちゃんと食事をしたお陰だろうか]
[事件が発覚する前に、食器を洗って返し、先客がいなければ風呂に入った。
誰かが朝ご飯の支度をしに起きているのなら、挨拶や軽い会話を交わしたかもしれない。昨日埋葬を行ったものだったら、手伝えなくてごめん、と謝っただろう]
[風呂はいい狭い空間である。ここにいると、『場』からも隔絶されている気がする。オリーブのいい香りが、硝煙やら穢れにまみれたわが身を包んでくれる。そうして、ぽかぽかと暖を取れればのぼせる前に風呂から出て、部屋に帰った]
……そう、全てに。
[駆けて来た対なる蒼花の言葉に、一つ、頷く。
それ以上の言葉は継がない。
狂えども、朱花に対を害する意思はなく。
砕けたかけらは、友を傷つける事を僅かながらに拒んでもいて。
けれど、それすらも定かならぬ均衡に成り立つもの。
――狂気を阻むのは、小さな弾みでも砕けてしまいそうな、薄氷の境界線。**]
―2F廊下→個室H―
ラーイ!
[自分の部屋から転がりように廊下に出て、開いた扉の部屋へかけつけた時、目撃するのは変わり果てた老神父様の子供たちだった。>>40>>42 ローザの変わり様には、こみ上げる吐き気を我慢し、ひぐ、と喉が変な音をあげる。]
[無機質な天鵞絨の視線には、心あらず。ウェンデルを殺した時に見た朱の筋は、皮膚病に侵されてしまったかのように広がり、そして、……]
[穏やかな微笑みに鳥肌が立ったが、それよりも先に来たのは]
ラーイ! しっかりしろよ!
[――心配から来る怒りだった。ライヒアルトの頬を平手で叩こうと。その顔は赤く染まり]
お前、そんな神の使徒とか、無理すんなよ!
だいいち、制裁とかいってる前に、やることあんだろ!お前のねえさん、このままにしといていいのかよ!
[友の肩をゆさぶろうと、その手を伸ばす。そして、ひとことひとこと紡ぐ度に、目頭が熱くなり、雫が落ちる。
泣けない誰かの代わりなのだろうか]
お前さんは、人間なんだろ、修道士なんだろ、生きてるんだろ
[震える声を紡ぎながら、下がり]
だったら、それを忘れるなよ……。意思をなくして生きて、それに何の意味があんだよ
[眉毛はハの字に下がった。
死者の気持ちの代弁なんてできやしない。無残な胸元は誰にも見られたくないだろうと思って、その場で自分のジャケットをかけ、リネン室へと綺麗なシーツを取りにいった**]
→リネン室
―深夜―
[月の女神の声が、ねっとりと体全体にからみつくかのような感触。ただでさえ失われた体力がさらに減るような。それでも、理性を持って人を殺す。獣ではないのだ、自分は。そう言い聞かせるように]
[銃口に取り付ける、細長い筒。ずっしりと重くなるがそんなものである]
[靴を抜いて歩けば、ほとんど足音なんてしないだろう。
そうして、自分の部屋を抜け出して、ローザの寝ている個室へと。
ウェンデルを探す為に、一つ一つの部屋を開けてまわったおかげで、どこがローザの部屋なのかは知っていた]
[布団の中で眠るローザの表情には憔悴が見てとれる]
[それが、人間として大事なものと、役目を果たすことで得られる快楽との狭間によって刻みつけられたものだというのは何となく理解していた]
[血 "知" を味わう時に関いる酩酊感に似たところがあるのだろう]
ローザねえさん。お疲れ様。ほんと、これが最期のお別れなんだな……
あんたを恨んだことなんて一度もねえ。
でも、『場』を開けるには、あと5人の死が必要になる。
恨みごとはあっちで聞くし、……あんたのかわりに、ラーイを見守るよ。
無理させねーよーに。
これがラーイの心を砕く事になりかねない、ってわかってても……でも、俺はこの道を行くよ
[布団をはぎとりふんわり自分もかぶる。この寒さでローザは目がさめたかもしれないが、それが永遠のお休みである]
[装填、安全装置の解除、そして発射。光も音も、御手製の減音器でほとんどしない。布団の中でそんな作動音も書き消え、そして、胸から血を流すローザだけが残った]
うぅぅ………ぁぁぁ
[鼻につく血の匂いに、震える。
欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、ホシイ、ホシイ、ホシイ]
[それでも、薬莢を拾い、暴発しないように銃の後始末を終え、もどかしい手つきでボタンをはずす。
シャツが脱げれば、火照る体が露になり、それはすぐに金色の獣に変じた]
[鼻先を血を流す胸へと近づけ、血を味わった。"知"った。]
[たくさん知りたいと食べる。
そして、死んだものの霊を視ることのできる力があることを。
あふれてくる、様々な記憶。想い。どれだけの月日を、老神父と、ライヒアルトと三人で肩を寄せ合って暮らしていたのか]
[尻尾をふりながらすする食事が終わるのは、硬い歯ごたえとともに]
[鉛玉であった]
……何をしていたよ、俺。
[ここまで食べるつもりはなかったというのに。食事に没頭してしまった。]
ったく、馬鹿だな。――救いようがないくらいに。
[ライヒアルトに無理をさせたくない。そんな姉の願いを"知"りながらも、自らの行いは全く逆だった]
[冷水を浴びたかのように、体の火照りも覚め、事後処理をした]
[まずは前足についた血をなめとる]
[服と銃は加えて自分の部屋に置き、獣の姿そのままで足音なく1Fまで降りていった]
[血の臭いを落とすため、またしてもの温泉タイム。
獣の姿のままつかり、毛皮についた血と、その臭いを落とし]
[例により、ぶるぶるぶる、と身震いして雫を落として、足を拭いてから自分の部屋に帰った**]
─ 昨夜/個室E ─
[陽が落ちてから部屋へと戻り、灯りもつけぬままに椅子へと腰掛ける。
窓からは月明かり、満月よりは欠けた姿。
その色がどうだったかは、覚えていない]
……まだ、居る。
人狼は、まだ、居る。
[ブリジットはどうだったのか。
『見極める者』をも疑っていたクレメンスにそれを知る術は無く。
ただ、人狼がまだ残っていると言う事実しか分からずに居た。
左手のグローブを外し、月明かりへと晒す。
呪印は、未だ身に刻まれたまま]
アイツを殺して。
それで終わらなければ、もう1人殺して。
そうだ、ミハエル以外を殺せば、きっと。
[意識を取り込まんとする昏いもの。
それに抗おうとする意識もあれど、今は弱く。
殺意は一つの矛先から複数に分かれ、次第に昏いものは、殺意を単に誰かを殺したいと言う欲望へと変化させようとしてくる。
表には出ない意識下の葛藤。
その思考を途切れさせたのは、扉を叩く音と姪の声>>45だった]
…入って良いぜ。
[部屋は朝に回った時に教えておいたから、突然訪れたことに驚きは無い。
承諾の声にミハエルが室内に入ってきたが、そちらを見ることは無く。
月明かりに横顔を浮き上がらせた状態のまま、呆とした様子を見せていた]
[やや長めの沈黙を破ったのは、ミハエルの声。
静寂を裂いて告げられた言葉は、予想外のもの]
……………は?
[鳩が豆鉄砲を食らった。
そんな表現が正しく合う表情]
父に、って。
お前の親父さんは存命中だろ。
親が居ねぇからってならまだしも…。
[ミハエルの意図が読めず、表情は困惑したものへと変化した*]
……うちの父上は、一見元気そうなんですが、余命3ヶ月から半年と診断されていましてね。
しかも、疾患の元凶が頭の中にあるそうで。最近言動が少々おかしい事があるんです。
そもそも、ボクが家出して別荘に来ていたのも、それが原因で。
父上がボクを男だと思い込んで、女性との婚約話を取り付けようとしてたからなんですが。
[原因が病気だとわかっていても、さすがに家人にはまだ言っていなかった。
ユーディットには話そうとしたものの、他の使用人が聞いているかもしれない場所では切り出せなかった。
もちろん、父が進めていた縁談話は、父の事情を知っている側近たちに揉み消させるよう頼んでおいた]
まあ、今はいいんです。
父上のぶっ飛んでるのは今に始まったことじゃないので、周囲はまだ気付いていませんし。
でも問題は、父が亡くなった後の事。
ボクも爵位はもっていますが、父上が後見人だからこそのものですし。まだ未成年ですからね。
正式に侯爵家を受け継ぐ事ができるのは、成人してからになる。
父に何かあった場合の新しい後見人は、多分父方の遠戚から選ばれる事になると思うのですが。
まあ7割が『自分の利益しか考えてない』人たちで、残りは『無能』なので、誰が後見になったとしても、ボクが正式に爵位を継ぐまでにどんなことになる事か。
なので、先に後見人としての手続きをさせて頂きたくて。
伯父上なら、家柄云々はともかく、血の近さという点で手続きはなんとでもなりますし。
[本当は、この話は騒動が終わってから持ちかけるつもりだったが。
伯父を驚かせるのに一番手頃なネタがこれだったので、仕方ない]
……ということで、いかがでしょう?
お願い、できませんか?
[じっと、伯父を見てそう言った後。
どんな返答が帰ってきた場合も、とりあえずその話は打ち切って。
今度は、恋愛相談なんぞ*切り出しただろうか*]
[ひとまずミハエルが置かれている状況を耳にし、自分を後見人としたい旨を告げられて。
再び表情は困惑したものへと変化する]
…つってもなぁ。
いくら血が近いっても、本当に俺が後見人として手続きしても大丈夫なのか?
大丈夫なんだったらまぁ───俺は、構わねぇが。
[烙印を持つ自分で良いのかとか、性格的にもこんなんで良いのかとか。
懸念部分はいくつかある。
それが後見人となることの妨げにならないのであれば、断る理由は無かった]
(ああ、そうだ。
俺はこの子の為にもしっかりしねぇと。
衝動なんかに負けてらんねぇ)
[話をするうちに昏いものに取り込まれかけていた意識が強さを取り戻す。
自分が成すべき事を、思い出せた気がした]
[後見人の話が終われば、またミハエルから相談を持ちかけられる。
妙に真剣、と言うか、そわそわ、と言うか。
そんな風に見える相手に訝しげにしていたのだが]
(……それを俺に相談すんのかいっ)
[口に出しかけた突っ込みは、心の中だけにどうにか収めた。
孤児院の子供達からそんな相談をされたことがない、と言うわけではないのだが。
よもやミハエルからそんな相談をされるとは思ってもみなかった。
この歳になっても結婚していないことから当てにならないことは分かりそうなものなのだが、今のミハエルはそこまで意識が回らないのだろう。
それでも年の功としてのアドバイスくらいは出来た*はずだ*]
─ →2階廊下 ─
[昨日、着替えぬまま寝たために、昨日の格好そのままで廊下に出て。
人が集まる部屋の前へと向かう。
部屋を覗いて最初に見えたのは、異様な雰囲気を纏うライヒアルトの姿>>42]
……『朱花』……!?
[ミハエルの『蒼花』と対になる存在。
ミハエルさえ無事であればと、意識の片隅にしかなかったもう1つの花を目にしたのは、今が初めてだった]
全てに、って───。
[まるで昨日の俺だ、と。
ミハエルと話す前に葛藤していたことを思い出す。
一つ前の言葉と、ライヒアルトの影に見える惨状からこの部屋で何があったかは知れる。
ローザが襲われたと言うことは、彼女は本物の『見極める者』か『闇の護り手』のどちらか。
そんな思考をして、ふるりと頭を軽く振った]
(今はそんなことを考えてる場合じゃねぇ。
コイツを、どうにかしねぇと)
[見据えるのは別人のようになってしまったライヒアルト。
護るべき者が居る今、好きにさせるわけには行かない]
[相手がすぐさま動くようではなかったけれど、直ぐに動けるような体勢になり、様子を窺う。
しかし何よりも早くライヒアルトに向かったのは、平手を振り上げたエーリッヒ>>51だった。
その行動に驚くように見て、じっと成り行きを見詰める。
ややあってエーリッヒがシーツを取りに離れて、その少し後に入れ違うようにゼルギウス>>56がやって来るか。
昨日のことが消えたわけではない。
けれど何か言うでもなく、ゼルギウスに向いていた視線は部屋の中のライヒアルトへと戻った]
……ライヒアルト。
ローザを、埋葬しても良いんだよな?
[エーリッヒはそのつもりだろうから、念のための確認を取る。
昨日ブリジットを運ぶと申し出た時、誰にも触れさせたくないと言う雰囲気を感じていたために]
─ 部屋H ─
[やって来る者たちから向けられる様々な視線にも、天鵞絨は揺らがない。
揺れるべき部分は、砕けて動かないから。
それでも、駆け寄ってきたエーリッヒから平手をくらった時>>51は、ほんの少し、天鵞絨は揺れて。
けれど、すぐにそれは飲まれて消える。
肩を揺さぶられ、訴えかけられる言葉>>52にも、揺らぐ様は見えなかった]
……成すべきを果たすに、人であるが妨げとなるなら、それも捨てよう。
我はただ、朱花の宿主としての務めを果たす。
[淡々と綴る時、口元の笑みは消えていたけれど。
エーリッヒが出て行くとまた、薄い笑みが浮かんだ。
足元を離れぬ茶猫が、訴えかけるように鳴いても、天鵞絨はそちらを振り返らず。
クレメンスからの問いかけ>>72には、一言]
……お好きなように。
[それだけを、告げた]
─ 個室H前 ─
[ライヒアルトとエーリッヒのやり取りは、一方は感情的に、一方は無感情的に。
エーリッヒの平手がライヒアルトに届いても、深部までには届かなかったらしい]
………そうか。
(ローザの弔いに関心が無ぇ上にタオにすら反応しねぇ。
これは完全に───)
[呑まれてしまっている、と。
返答>>74を聞いて薄ら寒い思いをした。
自分も呑まれてしまえばあんな風になってしまうのだろうかと感じたために。
それからちらりと視線を向けるのはミハエルの方。
彼女も、同じ状況になってしまったらああなってしまうのか。
それならばそれは避けねばならぬと、強く思う]
― 昨夜/個室E ―
[クレメンスの内心でのツッコミ>>65。はしらないが、そんなことになって…という言葉には状況説明の合間に苦笑を浮かべた]
まあ、もうすぐ53歳になる方ですから。
ボクが25になる頃には、父上は60過ぎになる。
さすがにここまで早いとは思いませんでしたが、覚悟だけは先にしてくように…と言われて育ちましたし。
[さすがに、この騒動に巻き込まれた以上、下手すると余命1年足らずと言われた父より先に自分が…という事までは言わないでおく。
その後も話を続けて、大丈夫なんだったら、という返答>>66をもらえば、にっこりと笑顔で頷いた]
当然です。ボクの伯父上なんですから。
元犯罪者だの家名だの学歴だの、そんな事で文句を言ってくるような連中は、ボクの方で再起不能になるまで叩き潰しますし。
[外見や根本的な性格はどちらかというと母親似だが。
やっぱり、父親に似た部分もあるもよう]
それと、その……もうひとつ、相談があるんですが。
[そして、その話が終われば。
たまに視線を泳がせたり、ちょっと赤面したりなどしながら]
あのその、気になる人がいまして。
あ、ちゃんと男性ですよ。女性じゃありませんから。
[過去に色恋沙汰など女性相手(しかも先方からの一方的なもの)にしか縁がなかったので、かなりテンパっている。
年の功としてのアドバイスを聞いて、頷いたりなどしてから]
……………でも。
一番の問題は、相手が人間か人狼かわからないって事なんですよね。
[最初にそれを言いましょう]
― 翌朝/2F廊下 ―
[自分の言葉を肯定するライヒアルト>>50の言葉には、かける言葉がすぐにみつからず。
エーリッヒの声>>51>>52ならば、ライヒアルトが手放したように見える心にも届くかもしれない…と。そんな僅かな希望にかけるように、状況を見守った。
幼い頃によく遊んだエーリッヒと違って、ライヒアルトとは教会に祈りを捧げにいった時以外ほとんど面識がない。
それでも彼らが親しかった事くらいは知っていたから]
………務めを果たす為だけに、全てを滅ぼす気か。
[けれど。人であることを捨てるというライヒアルトの言葉>>73に、チリリと右胸の蒼花が熱を持った。
自分のなかの『何か』が、対である存在の変化に怒っているように感じた]
人である事を捨てて。ただの概念、ただの役割、ただの象徴となって。
それで何を為せる。何を果たせる。そこに何が残る。
……ふざけた事をぬかすな、朱花。
[生まれた頃から胸に抱えていた『蒼花』は、とっくにつま先から髪の毛の一本まで、全身に内側から根を張り巡らせている。
貴族として『人々の指導者』たれ――と育てられた彼女と、ほぼ同一の存在となっている。
だからこそ、よほどの事がなければ蒼花が彼女の行動や思考を阻害・誘導するような事はなかったけれど。
いま喋っているのは、多分『蒼花』の方だろう]
― リネン室 ―
[>>56 途中でゼルギウスとすれ違っても、反応しない、できない。顔を真っ赤にして、涙ぐみながら走ってゆく姿を見て、何と思われようとかまるで考えていない。]
[シーツを手にとり、嗚咽を殺すことなく、泣いた]
[>>73 ぶった一瞬、元のライヒアルトの目に戻ったと思ったが、すぐにそれは揺らいで消えた。>>74 、ローザのことを見ようともしなかった]
信じない、俺は、信じない……ラーイは、生きてる。生きてるんだ。
[>>3:171 二日前になるか。ライヒアルトの言う「叶う限り」 その期限が切れていないことを、信じたかった]
[そして、呼吸が落ち着いた頃に、涙を拭って、2Fに戻るだろう。こすった為か、目のまわりの腫れは残っているだろうが]
→2F 部屋H
― 二階 廊下 ―
[扉が開いたままであれば、幾つかの話し声が耳に届く。
今一番聞きたい声だけが聞こえない。
予想はしながら、開いている扉に向けてまっすぐ歩く]
ロザ。
[引き取られてきたばかりの頃、教会に行くと笑って迎えてくれた少女の声がしない。
まだ孤児院もなくて、子供の数も多くはなくて。特殊な環境で育てられた身体は弱くて少年達の中にすぐには溶け込めなくて。
一番最初に友人になってくれたのは、彼女だった。
相手からは子供達の一人としか認識されていなくても。この村で育った「ゼルギウス」を作った一人]
─ 部屋H ─
[向けられる言葉>>78 >>79に、ゆるり、と首が傾ぐ。
天鵞絨は揺らがない。
ただ、蒼き聖花の元には朱き狂花の立てる、哂うようなざわめきが届くか]
……元より、何もなかりせば。
全て滅ぶも、また理。
[返される言葉は、ただ、静か。
それきり、天鵞絨は『蒼花』よりそらされる。
興味を失したかの如く]
―2F 部屋H →集会場の外―
[丁度自分が出て行ってしまった為、ミハエラの変化は目にすることはなかっただろう]
[シーツを持って、戻ってきて。その場で動けそうな者なら、状況関係なく埋葬しようと声をかけた。その中にライヒアルトも当然含まれていた。拒絶しようもんなら、今度はカッと来てグーで殴ろうとしたが、それは誰かに止められたかもしれない。]
[昨日埋められたブリジッド。その横に、ローザもまた眠ることになる]
ローザねえさん……ラーイを、あきらめねーよ、俺。
[祈りというよりも、誓いだろう。
そして、埋葬が済めば、また、戻る。――すっかり習慣になってしまったかのように、広間へと。]
→広間
(用い方の、可能性……)
[今はグローブに覆われている左掌に視線を落とす。
自分の力は人狼の力を弾くもの。
今はまだ、ミハエルに力が向かうように調整している。
しばしそれについて考え込んでいたが、エーリッヒ>>85に声をかけられ、そちらに意識を移した。
ライヒアルト達の方を気にしつつ、エーリッヒに手を貸して。
ライヒアルトに殴りかかろうとしたエーリッヒに対しては、振り上げられた腕を掴んで制止した]
[その後は集会場の外に出て、これまでと同様にローザを雪へと埋葬する。
短い瞑目をしていると、エーリッヒの誓いが耳に入って。
けれど何も言うことは出来ず、ただ集会場の2階を振り返った。
ライヒアルト達から離れた後の向こうの様子が気になる]
─ 前日 ─
[人狼という声>>0に視線を向けると、クレメンスへ刃を向けるゼルギウスの姿があった。
自分にとってクレメンスはミハエルと同じ、守りたい人。
けれどゼルギウスが口にした人狼という言葉を、見極めた上で言ったのかと勘違いしてしまい。
結果、一歩も動くことができなかった。]
───…!!!
[少し離れていた為に、あがった血飛沫>>7が誰のものかも最初は解らなかった。
クレメンスに支えられたまま動かぬブリジットの姿>>9に、ようやく彼女の死を悟る。
その死を視たローザの宣言もあっただろう。
やるせなさに目を伏せるも、ゼルの呟き>>7を聞けば驚きに見開いた。
クレメンスを見つめたままの彼から、人間という言葉が紡がれたことに混乱する。
人狼だと見たから、兄さんを襲ったのじゃないのか、と。]
─ 前日 ─
……ねぇ、ミハエル。
あんた、兄さんの傍にいてあげてくれるかい?
こんなことになって、一人ではいてほしくないんだけど、さ。
私が傍にいたら、却って気が休まらないだろうから。
[ブリジットがクレメンスの心をどれだけ和ませていたか。
ミハエル以外は信じていないと言ってはいたけれど、きっとブリジットは疑っていなかったはずで。
ブリジットを失ったことがどれだけ心に重くのしかかるかなんて、想像すらできない程。
だから、せめて信じられる唯一の彼女が傍にいてほしい、と望んだ。
ミハエルがエーリッヒを部屋へと送っていくのを見送った後、ゼルギウスを部屋へと送り。
彼が眠ってしまうまで傍にいたあと、自分も部屋へと戻っていった。]
― 今朝/2F廊下 ―
[部屋には足を踏み入れないまま、蒼花の宿主は狂気に堕ちた朱花を見据えていたが。
朱花から伝わる嘲うような気配と、全て滅ぶも理という言葉>>84とに、蔑むように目を細めた]
………ふん、実にくだらぬ。
神の加護の象徴。神の使徒。それらたらんとする者が、何を残すつもりもない、とはな。
ならば好きにするが良い。こちらも好きにさせてもらおう。
[それだけ言うと、『蒼花』の宿主は目を閉じる。こちらも『朱花』への興味を失ったように。そして…]
……………いまの、なに。
[一時的に乗っ取られてた本来の人格が目を覚ました時には、周りに誰か残ってたろうか。
もちろん、蒼花も本人も、エーリッヒが朱花をグーで殴ろうとする>>85のを止めようとはしません]
─ 部屋H ─
[『蒼花』から逸れた視線は、クレメンスの後ろから現れた姿>>86に止まる。
朱き狂花が、哂う。
哂いながら、けれど、ないてもいると。
気づいているのは──離れようとせぬ茶猫のみか。
慟哭を糧に育つ狂花に、正しき理などは既に届かぬもの。
故に、殴られそうになっても>>85 >>88、態度は変わる事無く。
埋葬のために部屋を離れる者たちを、顧みる事もなかった]
─ 翌朝・個室B ─
[目を覚まして、最初に感じたのは寒気だった。
は、と吐いた息から身体にこもった熱が逃げていく。
風邪を引いたか、と溜息をつき目を伏せる。
恐らくは一昨日湯冷めしたことと、昨日食事を取る気になれず何も口にしなかったせいで身体が弱っていたのだろう。
こんな状況で弱っているわけにはいかないのに、バカだな、と。
そう思いながらも、ここに来て失ったものは大きすぎた。
ウェンデルもベアトリーチェも、悪戯に困ることはあったけれど死んで何も思わないわけはない。
ユーディットのことだって、ミハエルの傍で、いつも彼女を支えていた姿は今だって目に浮かぶ。
そして、ブリジット。
こんなことになって心を痛めていただろうに、自分のことを案じてくれた優しい子。]
…なんだって、こんなことになっちまったんだろう、ねぇ。
あのひとが、人狼でなければ良いと思う。
そうすれば、ボクはエーリッヒさんを殺さずに済む。
他の誰かがエーリッヒさんを殺すのも見ないで済むかもしれない。
でも、もし人狼だったら。
…………他の誰かに殺させる気は、ありません。
[ただ、一緒に居たい――と。そう願う私情とは別に。
もし人狼ならば、自分を、他の皆を護る為にどうにかしなければならない、という考えもあって。
もしそうだったならば、せめて自分の手で…と。寂しそうな表情で言っただろう]
― 部屋H ―
[最初に一言呟いたきり、ローザが運ばれてしまうまでは何も言わなかった。祈るように、じっとその遺体が包まれ運び出されるのを見ていた。
運ばれてしまった後は朱花が哂う>>93のを、色の薄い緋色でじっと見つめて]
タオが泣いてる。
ライはまだそこにいるのにって、泣いている。
[動物との共感能力を、人に使えるものとして捻じ曲げたのは、歪んだ奇跡のなせる業。
蒼花ではなくなったらしいミハエル>>92に伝えて、部屋の中へと一歩踏み込んだ]
私は、花を助けるもの。
だから。好きにすればいい。
[二つの思いが一つになっているから、スラリと言えた。
言葉そのままの思いを朱花に。
憎める者の声なら届かないかと、泣いているライヒアルトに。
ライヒアルトが動けたら、少しは何かが違ってくれないだろうか]
─ 個室H ─
[向けられる緋色>>97に、天鵞絨が細められる]
……裁き受ける意思があるというか。
[綴られる言葉は、淡々と。
懐に滑った右の手に握られるのは、銀の十字剣。
ウェンデルの鼓動をとめたもの。
茶猫が鳴く、なく。
なぁ、と哀しげに]
……なれば、我はその命を消し去る。
[言い切る様は、静かな──静か過ぎる、もの]
─ →二階廊下 ─
[出来る限り急いで起きはしたものの、動作は遅く。
部屋を出て二階に上がったのは、クレメンス達がローザを弔いに連れていった後だったろうか。]
…何が、あったの。
[廊下にまだミハエルがいたなら、彼女にそう声をかけ。
誰もいなければ、独り言のように呟いた。]
[相対しているゼルギウスならば。
或いは、幼い頃を知る物であれば、記憶にあるか。
他者を傷つけるハリネズミが、決して泣かない──泣けない少年だった事。
それは、青年となった今も大して変わらない。
慟哭の声は、いつも音色に摩り替わって。
何かあると強引に一人になって──小声で、歌を紡いでいた事に]
――花っておっかないな。なかなか。
どんどん大きくなって……
何かきっかけがあるんだろうか。聞くしかねーな、同じ花持ちに。
それか、以前も『場』に参加したことのあるクレメンス先生にかな…
― 朝/2F廊下 ―
[自分の意思がまったく介入していなかったが。自分の口が紡いだ言葉も、ライヒアルト(朱花?)が口にした言葉も、その光景も、全て覚えている]
………うわあ、こういう感じなんだ。
[ほぼ同一の存在となっている為に、多分ほかの人たちとは違う感覚なのだろうけれど。
それとは知らず、そう呟いた]
ライヒアルトさんが、まだ…そこにいる?
[その後、聞こえてきたゼルギウス>>97の言葉に瞬き。彼へと視線を移した]
……………花を…助ける、もの。
[好きにすれば良い、と。朱花に告げたゼルギウスを見て。
その言葉に、嘘はなかったのか――と。ではやはり、残る人狼は――と。
私情の部分が認めたくなかった事を突きつけられて。
目を伏せて、右胸の蒼花を服の上から左手で握り締めた]
─ 翌朝/→集会場内 ─
[エーリッヒが先に集会場へと入っていく。
クレメンスはそのまま残り、1本だけ煙草を口にした]
エーリッヒが人狼である可能性、か。
[全く無いとは言えないが、人の死を厭い、誰よりも悼み、他者を考えることが出来る者。
自分が知る人狼像とはかけ離れている]
人狼の力を弾く力。
向けられた牙を弾く力。
……内なる”人狼の力”は、弾けねぇもんなのかね。
[思考するのは昨日相談を持ちかけられたことの延長。
叶うならば、ミハエルの望む通りにしてやりたい。
もしエーリッヒが人狼なのだとしても、命を落とさずに済む方法を]
───運命(さだめ)なんざくそ喰らえだ。
決められたレールなんざ、ぶち壊してやる。
[短くなった煙草を捨てると、靴の裏で踏みつけて。
1つの可能性を胸に集会場へと入っていく。
足は自然と、ライヒアルト達が残る2階へと向けられた]
―広間―
[いつもなら、ここでブリジッド、アマンダ、ローザが食事や暖かいものを用意してくれたのに、今日はそれはなく、広間の暖炉にも火がついていない。
とても寒々しく思った]
まだ、皆上にいるのか……。
[うー、寒い寒いといいながら、台所から薪の束を持ってくる。
てきぱきと準備を整え、マッチで火を投下。火が熾きてくるまで時間はかかるだろうが、少しでも温まればと]
─ 部屋H ─
[廊下に来ているアマンダの声>>100に、茶猫が鳴いた。
けれど、天鵞絨はただ、眼前の緋色のみに向けられる]
……朱花による裁きは、拒む……?
[天鵞絨が瞬く]
戯言を。
……全てに等しく、制裁は下されるべきもの。
[そう言って、一歩、前へと踏み出す。
けれど、二歩目は、止まった。
紡がれた旋律に──天鵞絨が、僅か、揺れた]
―1F広間―
[火が熾り、手を温める。
その手は顎にあてられて。はたして、降りてくる者はいただろうか]
[やってきたものが、剣を携えたミハエラだったのなら、前髪をくしゃりと掻いて、立ち上がるだろう]
─ 部屋H ─
[呼びかける声>>118に、茶猫はまた、なぁう、と鳴く。
それ以外の応えはない。
けれど、天鵞絨には、先まではなかった、漣が浮かんで。
それを振り切るように、朱の狂花は、銀を振りかざした]
―1F広間―
ミハエル、どうしたよ。――とかはいわねーよ。
[頭の上から、足の先まで見やる。スカートに剣という取り合わせにため息をつき]
ゼルギウス先生の言うことを信じたら、人狼は俺しかいなくなるもんな。
――でも、俺は人間だから。信に足らないというのなら、言葉を重ねよう。
[そうしてミハエラの動向を見守った。仮につかかってきても、相手がスカートを履いている限り、事故や、他の要因がない限りまったく沸いてこなかった]
― 広間 ―
[例え朱花がゼルギウスを殺そうとしても、それ以上何かを言う気はなかった。
蒼花は既に朱花がそれ以上の暴走をしようと、もうどうでも良かった。
宿主はゼルギウスが『親しい人の命をうばつた者』に対して復讐をしたいていう気持ちも理解できた――ユーディットを殺した人狼に対して、自分もそうしたいと思ったから。
だから、彼らを止める気はなく。
ただ自分の役割を果たす為に広間へむかった]
……あなたが、人狼だとは…思いたくなかった。
『人々を害する人狼に、死を与えよう』
[宿主と蒼花がそれぞれに告げる]
─ 部屋H ─
[蒼花の宣>>115は届いていて。
それは、紡がれる歌>>121と、そこにこもる想いと共に、朱の狂花をざわめかせる]
……っ!
[最後の一節>>125が響く。
茨の縛が、ほんの少し、揺らいで──]
………………俺、はっ………………。
[銀が振り下ろされる。
けれど、それが向かうのは、ゼルギウスではなくて。
それを手にした者自身の胸に花弁を広げる、艶やかなる朱の大輪へと突き刺さる。
──朱から、あかが、こぼれて、おちた]
[さらに畳み掛ける]
あと、誰かいってただろ? 一度『場』にいたことのあるクレメンス先生だったか、誰だったか――
人狼は、人狼を殺せない。
もし、ゼルギウス先生が正しく見極めるものだったら―ー
破綻してるぜ、ゼルギウス先生がいってること。
頭を冷やせ、ミハエラ。
[暖炉で暖めるつもりだった薬缶を手に取る。ぬるい水が入っていた]
───違う。
人狼は、人狼を襲えない、だ。
…殺せないとは、言っていない。
[微かに息を弾ませ、割り込むように言葉を紡ぐ。
耳に入ったものを反射的に返したのだが、相手の耳に届いたかどうか]
─ 部屋H ─
うる、さい。
[馬鹿、と言われ>>132て、最初に口にしたのはこんな呟き]
……おわってない、から。
さいあく、さける、には……コレ、もって、逝かない、と。
[刃の狙いは、僅かにはそれたかも知れないが。
銀刃は、大輪の奥で息づく源を傷つけて]
……たたなきゃ、ダメだ。
こんな、呪い……のこせ、ない。
[掠れた声にあるのは、意思の響き]
[そして、次に浮かぶ疑問にも、自分なりの答を用意していた]
で、後は誰が人狼か、って話になるだろ?
――ゼルギウス先生が人狼ってこともねーと思う。あくまでベアトリーチェが人狼ってーのが前提だけれどよ。
一体どういう事情があって、人狼が人狼をハメようとする? もしもゼルギウス先生が人狼なら、ベアトリーチェに人間だといっておけば、ああいうことにはならなかった。
そう、闇の導き手は人狼がわかってるんだろ?
――だったら、先に人間だと、花に伝える。暗闇の中だったら、光一筋でもありがたいもんだろ。そうすれば、護ることができる。護りとおすことができる。
クレメンス先生とも本気で殺しあうつもりだったから、そこもちがう。だから――兄さんは悲しむだろうな。
― 個室H ―
なに、言ってんだい。
花だかなんだか知らないけど。
ライヒアルトは、ライヒアルトじゃないか。
ブリジットもローザも、守れやしなかった。
だから、あんたまで、死なないどくれよ!
─ 個室H ─
……ダメ、だよ、アマンダ、さん。
ここで助けたら、俺。
また、同じ事、やる、よ?
だから……断たせて。
[アマンダの声>>139に、へにゃ、と眉を下げて、ぽつり、訴える。
茶猫が、なぁ、と鳴いた]
……ん……ごめんな、タオ。
[言いながら、辛うじて動く手を伸ばして。
ぽふ、と。
茶猫を撫でた]
[そして一回深呼吸。入った訂正も聞こえていた。>>135]
あ、そうなの? 人狼は人狼を殺せるのか。
んじゃそこんところは撤回で。
俺にゃわかんねーけれどよ、同じ闇の使徒同士仲良くすればいいのに。
[そして、>>136 惑うミハエラに、目を細めた。]
そーか。ラーイも、別のものに憑かれてるけれど。ミハエラもいるのか。
お前さん自身には見極める力も、真実を知る力もねーのに、断定してどうするよ。
まー、あれだ。ひどい幻燈歌じゃあったよな。今までもあった。ウェンデルは人間だったが人狼を退治するためにがんばる……だっけか?
こういう立場になって初めてわかったわ。ありゃ不快だ。ゼルギウス先生が嘘っぱちっちゅーのを明らかにする為に、俺は死にたくないね。
一緒に生きたいっていったろ。
―部屋H―
ライ…。
[戻ったのか、という安堵は、深すぎる傷であることに気づいて萎んだ]
悪い。
好きにしろと言ったのは、俺だよな。
[傷を塞ぐのは止めなかった。
けれど追加の薬を取りには戻らず。
ベアトリーチェにも使った痛みの少ない傷薬と、痛み止めを今持っているだけ使いながら、掠れ声で返した]
― 個室H ―
、―…
同じこと、したって良いさ。
だから、死なないどくれ。
[ライヒアルトの願いに、彼の決意を悟りながら。
身勝手と知りながら、涙で顔を濡らしながら懇願した。]
─ 部屋H ─
……あやまんなくて、いいよ。
あやまるのは、むしろ、俺。
ごめん……自分勝手、で。
[掠れ声>>143に小さくかぶりを振る。
天鵞絨には、先まではなかった、感情のいろが確りと浮かんでいた]
―部屋H―
ありがとう。
[自分の上着とアマンダのケープ、両方ともに重たく濡れる。
傷の治療を優先するなら下の薬が十中八九必要で。
でも離れてる間にどうにかなってしまう可能性も高い。
それよりは、苦痛を減らしたい。奇跡がない限り無理でも。
医者ではないから。多彩な治療はできない]
― 広間 ―
[昨日も聞いた言葉を再び聞けば、宿主は泣きそうな顔になりながら]
ボクも、エーリッヒさんと一緒に居たいよ。
だけど……人狼なら、貴方を殺さないといけない。他の人には殺させたくない。
『既に我が宿主の心は定まっておる』
[宿主の声も、蒼花の声も、どちらも震えている。
そこにあるのはけれど、役割を果たそうとする歓喜ではなく、想う相手を殺すことに対する絶望の色か]
─ 部屋H ─
[あふれるあかは、朱を覆い隠す。
朱の茨は未だ、熱を帯びているのか、いないのか。
それすらわからない、けれど]
……ゼル……アマンダさん。
タオのことも、たのむ、ね。
[ぽふぽふ、と。
手に擦り寄る茶猫を撫でて、それから]
……おこられるだろうなぁ……。
[何に、とは、言わずに。
ただそれだけぽつり、呟いた。**]
─ 広間 ─
人狼を殺さなきゃならねぇんだったら、”人狼”だけを殺しゃ良い。
お前ぇらが殺し合うのを見るのは、ごめんだ。
[その言葉は2人に届くのだろうか。
言いながら、左手のグローブを脱ぎ捨てた。
掌に浮かぶ、銀の呪印。
ただ可能性だけを信じて、今、言葉を紡いでいる]
ミハエル、こいつと共に在り続けたいなら、それを貫け。
花に───鎖に縛られたままで居るな。
お前は幼い頃からそうあるべきと仕込まれて来たんだろうが、それで良いのか?
貴族としてじゃねぇ、『蒼花』としてでもねぇ。
お前自身を貫け!
そうじゃなきゃ、後で辛い思いをするのはお前ぇ自身なんだぞ!!
残念ながら、めちゃくちゃ馬鹿だ。月の女神サンに逆らって正気を保つ方法なんて、他に考えられなかった。
もひとついうと、今までも出来合いのお肉で満足して来たから、人なんて狩ったことねーし。
[『場』にあるものに支配されゆく者ら。それはクレメンスもそうであり、ゼルギウス、ミハエル、ライヒアルトもそうだった。
苦痛には耐えられても快楽には抗えない。だからこそ――そんなもの、憶えてしまわないように。自らの牙や爪で狩りなど、1度もしたことがない]
あほ、クレメンス先生
そんなあぶねーこと、俺にするなよ! つっか、あんたはそんな危ないことやるな、ミハエラの伯父さんなんだろ! もっと自分のこと大事にしろよ!
あんたは生きてここから出られるんだから。
[>>167 ミハエラの質問に、ちょっとヒートアップしてきたので、薬缶の口からお湯を補給した後に回答する]
月が大きい夜に聞こえてくる謎の声を、俺は勝手に「月の女神様」って呼んでるんだけれどよ。
まー、『場』に入ってからこいつがうるさいのなんだの。やれ生で食えだの殺せだの、花は美味いからさっさと食え、などなど。
俺は獣じゃねえっつーの。ちゃんとした文明人だし、そんなわけのわからん本能めいたもんで人を殺してたまるか。
つーわけで、飲み込まれない為に、そしてこっから出る為に自分の意思で殺した人の数だけ引き金を引いた。誰が、そんな人狼になってたまるか。
[言い捨てて]
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