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―宿屋―
[ヘルムートに>>137尋ねられて、ちらと布に包まれた長物を持ち上げる。
蹴られた程度で壊れる柔な物でないことは承知しているため、中を確認はしないが、やはり違和感はなかった。]
硬いカらな。大丈夫そウだ。
どつちかト言うと、ぁンたの足ノ方が心配だ。
[打ち所が悪ければ痣になるだろう。
見た目顎の方が痛そうではあるが、とか思いながら。]
― 宿 ―
……うん。
[薬師>>132に止められ、修道士>>135と二人から頭を撫でられて口を閉じた。
デザイナー>>136も大丈夫そうで、音に強張った力が少し抜ける。
でもまだかわりにお茶を淹れようと立ち上がるまでは、心身共に回復できていなかった]
―宿―
お届け物、ね。
[内容がすぐに想定できてしまって、げんなりした顔になるだろう]
そりゃあ、向こうはすごい騒ぎでしょう…。
ほとんど彼が独断で決めていたような様子だったし。
あまり刺激すると宿ごと火をかけてしまうのが手っ取り早いなんて言い出されるかもね。
おとなしくしていた方がいいとは思う。
─ 宿 ─
[『まぁな。色々運が良かった。俺だと悲鳴は気づきにくいからな。
ったく、なんであんな所だったんだか』
不幸中の幸いには>>138そうぼやく様な仕草を取る。
おそらくはたまたまなのだろうと思いながらも、つい零れた。
友人が>>139自衛団の気が立ってるとか言うのを聞けば、まぁそうだろうなとは顔に出る。
団の頭が殺されて、安寧としていられる組織では無い事は先刻承知だ。
『集まり切ったら、殺しあえと催告されるのかね。』とは友人に手早く伝えた。嫌そうな顔で。とはいえゼルギウスの物騒な物言いに>>145、そうされないだけマシかとは思いながら。]
─ 宿屋 ─
[坑道で転んだのも今回転んだのも運動神経の問題なのだけれど。
言いたい放題のリズ>>140には、眉尻を下げたまま困ったような表情をした]
そんなに酷くないよ…。
お茶のこと考えるって言っても、没頭するほどのものじゃないし。
リズは、僕をなんだと思ってるの。
[心外だと言った雰囲気で僕はリズから視線を外した。
座っててと言われても従わず、自分でお茶を淹れカップへと注ぎ。
集まった人達に配膳し始める。
元々家事は祖父が生きていたころはやっていたことであるため、それ自体の動きにそつは無い]
そうですか。
壊れてないなら、良かった。
[躓いたものが無事であると知り、ライヒアルト>>142に対して虚ろな瞳を瞼に隠して微笑んだ。
足の方がと言われると、一度視線を足元へと落として]
…多分、大丈夫だと思います。
打ち身は、慣れてますから。
[慣れるものでもないものなのだけれど、良くぶつけたりするためあまり気にしては居なかった]
─ 宿 ─
[遠回しの言い方で理解したらしきリーゼロッテ>>145に、苦笑しながら頷いて]
そーゆー事。
……戻ってくるとき、あちこちでちょっとしたトラブル起きてるのもみえたし。
そっち治めるのに手間取りそうだったなあ、自衛団。
なんにせよ、大人しく、ってのは、同意。
俺たちへの対応は、これから協議して、後で結果伝えてくれるらしいけど。
わざわざ、それを悪い方に持って行く必要はないだろうしね。
[幾度目かのため息と共に、こう返し。
友の手の動き>>146が見えると]
……あー、とりあえず今の所は、慌てて事を進めなくてもいいらしい。
大人しくしてろ、とは、言われたけどね。
[場にいる全員に聞こえるように、副長に言われた事を伝えておいた]
火なんかつけたところで、私たちは平気だけど。
[燃え盛る宿から脱出する程度は、造作もない。
残るのは人間の焼死体だけという結果になるだろう。
わかっているから団長はそんな手段を取らなかったのかもしれない。]
―宿―
何だとって言われても…。
[さすがに言い過ぎたかと口調が弱くなる。少々八つ当たりが入っていたかもしれない。
そのまま、自分でお茶を淹れているのを見て溜息を吐く。]
変なところ頑固なんだから…。
[それ以上は言わず、自分が椅子へと座りこむ。]
―前日―
[紅茶を飲んでしまってから、少し考え込んだ後、宿の主人に声を掛け、空いている部屋があれば貸して欲しいとの旨を伝える。
承諾を得られたなら、一度その場を辞した。
その足で先ず向かったのは食料品の店。
買い物を拒否されるようなことは無かったけれど、店主の視線に身を竦めながら、必要なもの――日持ちのする食料品を買い込んだ。或いはその視線も気の所為だったのかも知れないけれど。
自宅に戻って、それらを仕舞ってから]
お父さん、あのね――
[娘が疑われているという話は、殆ど外に出ない父親の耳には届いていないようだった。
自らもそのことは伏せて、暫く家を離れなくてはならない、ということだけを伝えた。
余計な心配はかけたくなかったから]
大丈夫、すぐ、戻って来れるから。きっと。
[幾ら尋ねられても詳しい事情は告げずに、微笑を返した]
[買い込んだ食料は、暫く独りで過ごす父親の為に。
宿に泊まることを選択したのは、移動中に人目に触れることを厭うたからでもある。
それに伝承通りに”処断”が行われるなら、場合によればもう戻れない可能性もあった。
ある日急に戻らなくなれば、彼は足が良くないのに無理して娘を探しに出、危険な目に合うかも知れないと思ったから]
大丈夫だと、思うけど……
[独りきりになると、小さく呟いて、緩く拳を握り。
支度を整えてから、再び宿への道をたどった]
─ 宿 ─
[虚ろな眼差しが、どこかやはり引っかかりはするが。
良かったと言われ>>148微笑まれれば軽く頷くに留める。
打ち身慣れには、そうかと一瞬思った。
が、それはどうよという視線が向く。
微妙にデジャヴも感じながら『そうならないよう、置く場所には気をつけるよ』と伝えた。長いため、”気をつける”だけでも伝わるように仕草しながら。]
―翌朝・宿―
おはよう、ございま……す?
[翌朝顔を見せたのは、朝からの一騒動の最中。
シーツを運んで行く主人とすれ違い、訝しげにその方向を見遣れば、人が集まっている様子。
その中心にあるものは遠くて、その時にはよく分からなかったが。
そのうち誰かから事情を聞けば、蒼褪めた顔でその場に立ち尽くした]
そん、な……
[幼い頃から良く知り、色々と迷惑もかけてきた相手がいなくなってしまった。
その事実を受け止める時間と]
……うそ、じゃ、ないの。
[彼が言っていた話を、現実として受け入れる時間が要り。
気がついた時には、随分と経っていた]
─ 宿 ─
[友人の言葉が見えて、そうかと返す。
とはいえ問題が先送りされただけの状態を喜べはしないが。
『中止にはならないんだろうな、やっぱり』とも仕草しながら、ふと厨房に視線をやれば店主が食事の持ってきたようだった。
フォルカーの肩を叩いて、父親を示す。
おそらく顔を見たほうが、お互い安心できるだろうと思った為。]
―宿―
[材料は揃っている。特にやることもない。
それなら試してみてもいいかと木箱を手に宿屋の主人に厨房を借りられないかと尋ねてみる。
今の状況では断るに断れないのだろう、良い顔はしなかったが貸してはくれた。]
現実逃避かな、と思わなくもないんだけど。
[乾燥させた葉を裁断し、イレーネから受け取った幾つかの香辛料を混ぜ、更に木の実などを混ぜ込んで何かを煮立てている。]
―現在・宿―
まぁやられないに越した事はない。
あぶり出しにはなるかもしれないからな。
[そうなった場合、生き残ったものが狼なのだから、正体はすぐばれるだろう。現状外には逃げられないのだから、あまり褒められる状況ではない。また銀糸でも使って宿を囲われたら、脱出すら面倒だ。
もしかしたら団長は、そんな手段も持っていたのかもしれないが。
そう思えばやはり団長を先に殺したのは、都合が良かったのかもしれない。あくまで、狼側にとっては、だが。]
─ 宿 ─
ま、その可能性は見といた方がいいでしょうねー。
[それは自分でも考えていた事だから、リーゼロッテ>>155には軽く返し。
『そこまで甘くはないだろね。
村全体を巻き込んでやってる以上、引っ込みつかん部分もあるだろ』。
中止には、と示す友>>157には手早くこう返す。
さすがに、これを声に出して言うのは憚られた]
―現在・宿―
まあ、それが出来るくらいなら集めた時に自衛団全員で『殺せ!』っつった方が早いんじゃない?
暫くは続くゲームを愉しめということなのだから、素直に従ってあげるわよ。
[それにしても… 団長は1人でわざわざ見回りをしていたのは襲われるのを覚悟してのことだろう。
未だ半信半疑の村の住人と自衛団を真剣にさせるために彼の取りうる手段はアレしかなかったのかもしれない。]
・・・まあ、頑張ったのは認めてあげてもいいかな。
結社ってのは本当に面倒な生き物ね。
─ 宿屋 ─
[それはどうよ、と言う視線>>153には微笑んだまま小さく首が傾いだ。
何故そんな風に見られているのかを理解していない]
すみません。
僕も、足元に気をつけますね。
[分かるようにしてもらったお陰で、”気をつける”とライヒアルトが言っていることを理解し。
ゆっくりと唇を動かし、言葉を返した]
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