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[信じ難い事が次々と語られ、寝起きに加えて寝不足の頭が悲鳴を上げそうになる。
処理しきれない情報に、もしかしたら引き攣った笑いを浮かべていたかもしれない。
ユーリーの取り乱した様を見て、疑う余地は自分には無く。]
…分かった。
[と短く。
花色をじっと見据えて子どもを落ち着かせるように頭に手を乗せた。]
…ロラン。
[両親の寝室の方から、ロランの困惑した声>>58が聞こえた。
無理もない。
ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染が、人狼だと聞かされたのだから。
「嫌だ」と呟く声>>63に胸が圧し潰されそうだ。
ユーリーと同じく、見たままを語ったカチューシャ>>67の肩をぽんと叩く。
不甲斐ないことに、掛ける言葉は見つからなかった。
ユーリー、ロラン、カチューシャ。
それぞれがキリルを止める手立てについて語るのを、窓際に立ち赤い月を睨みつけながら聞いていた。
自分の腹は、既に決まっていたから。
背を向けていたので、カチューシャが崩れ落ちるのには気付かなかった。
ユーリーが声を上げた>>86のを聞いて振り返ると、顔色の悪いカチューシャがぐったりとしていて。
ロランに貸していた部屋へと、抱きかかえて運んだ。]
――…シーマ、イヴァ。
[幼馴染に呼びかける]
僕はカーチャを守りたい。
[幼馴染の大事な妹。
そして、妹の大事な幼馴染。
それだけではないが、それを明確な形にはしないまま]
僕が殺されてやれば
彼女はしあわせになれるのかな。
幼馴染がかけることなく――…
わらっていきていけるんだろうか。
[キリルならばカチューシャを殺さないと信じたかった。
けれどもし、そうでなかったら――。
人狼は彼女の家族を奪っていった。
拭いきれぬ不安が裡に広がってゆく]
…おいッ!!ロラン!!
[キリルを探しに行く、というロランの名が口から突いて出たものの…、続きを紡ぐことが出来ず、小さく舌打ちをするに留まった。
陽が昇ってきたようで、空が白み始めたのを機に、ユーリーもこの家を出た。
そうして、気を失ったカチューシャと、自分だけが残された。]
───…ん。
[目を眇めて天を仰ぐ。
未だ見えない月は、確実にまた近づきつつある]
カチューシャが、話を…?
……、そう。分かった。
[一度、目を閉ざした]
―― 回想/生前 ――
[獣避けの香守りに、その紙を入れたのは別に気づいていたからじゃない]
[ユーリーが、彼に言ったことと同じ事を言えば彼女に通じるだろうと言ったから。好きだ、大切だってことは合うたびに何度も言っている]
[それ以外に全てを捧げるものを少し仕込んでおきたかった。
面と向かって疑うようにいうのは気分が害されるだろうから、気づけば気づいたときだとそれだけのこと]
[彼女には兄も大切な友人もいて。
自分にも畑と家族がいて。
……確かに本気だったけど、実現しないだろうとは思ってた]
[どれだけ時間がたったのか。
ロランと目をあわすことができなくて。
軽く瞳を伏せていた]
――ロラン……
[表情が和らげば声も柔らかく響くのか、そっと視線をあげて顔を見た。
車椅子に乗った人が背を向ける前に、その表情を見留めて小さく吐息を零す]
……二人が、大事なのも変わらないんだよ。
[ぽつり、と。
変わらぬ心を伝えて。
うん、と一つ頷いて、車椅子の隣に並ぶ]
いるとしたら……
――イヴァンさんのところ、かなあ……
[死を実感させるものではなく、思い出をたどれる場所。
イヴァンの家のほうへと視線を向けた]
─ イヴァンの畑 ─
ねえ…、イヴァン。
人と狼は、どう違っているのだと思う?
生き物を殺して生きるのは、どちらも同じものなのに。
……言い訳なのかな。
[花に向けて囁きかける。
風に揺れる花の茎を、片手で摘んでその花を見つめた]
ミハイルが「時間を進める」を選択しました。
―イヴァンの家―
[随分と歩いた筈だ。それでも不思議と疲れは感じなかった。
昨夜の血はもう乾いてしまって、触れれば肌からはぱらぱらと落ちる。
服に染み込んだものはそうはいかなかったけれど。
目指したのはそれを流した彼の家で、]
……キリル。
[黄色い花の向こう側に、一晩振りに妹の姿を見る。
出した声は風に消されそうな程、酷く掠れていた。]
/*
猟銃きたああああ!!!
多分今、兄貴からとユーリーからとミハイルからの殺意を頂いている。よね?よね???すげえ嬉しいwwww
[さわさわと畑の花が揺れる]
[紅がこぼれかけている黄色い花が揺れる]
『何も変わらないね』
[さわさわと風が言葉を紡ぐが、その意味は花が食べてしまった]
[微かな足音を、耳に聞いた。
人よりも鋭くなった聴覚は、兄の声を確かに捉える。
振り返る。兄の顔色は、蒼褪めて見えた]
…兄貴、
[それへ、感情浮かべぬ瞳が見つめ返す。
黄色い花々が、場違いなほど穏やかに風に揺れていた]
ロランは、 カチューシャ を能力(襲う)の対象に選びました。
ロランは、おまかせ を能力(襲う)の対象に選びました。
[畑を隔てた向こう側。それ以上、近寄る事はしなかった。
感情の無い目。今まで見た事もないそれに、拒絶された様な気がした。]
……憎いか。
[僅かに眉が寄って、それでも問うた。]
[兄の姿を認めた後。キイ。と、高く車椅子の音が響く。
未だ姿見えぬ方へと、目を向けた。
ほどなくして幼馴染が名を呼ぶ声を聞く]
ロラン?
[首を傾げて幼馴染の名を呼んだ。
ここにいると、何故知れたろう。
カチューシャの姿を続いて認めれば、納得もする。
彼もまた、昨夜の悲劇を聞いたのだろう]
― イヴァンの作業小屋 ―
[イヴァンの畑と作業小屋のあるほうへと歩く間。
ロランとの間には沈黙が横たわっていた。
言葉をかわすことのない時間は今迄だっていっぱいあったけれど。
なぜかすこし、それが気になった]
――キリル。
[畑の近くでロランがキリルに問いかける。
彼女の返事が聞こえれば、その姿に痛みをこらえるように眉を寄せた。
レイスの姿も見えれば、小さく息を飲み足を止める。
――昨夜の姿は、怖かったのだ]
[幼馴染二人に別れを告げて男は小屋を出る。
目元の赤みは先ほどよりは薄くなっているだろう。
男は家の貯蔵庫から甘い金色の液体に満たされた瓶を取り
妹の部屋から拝借したリボンを瓶の口に結んで
それをマクシームとカチューシャの家の玄関先に置く。
飲み口の良い、甘く優しい葡萄酒は
何時か彼女に約束したもの。
本当は彼女の誕生日に贈ろうと思っていたが――]
…………。
[足を止めた兄に、こちらから歩み寄ることはしない。
強いて表情を消した瞳の奥、兄の言葉に感情がゆらりと揺れた]
───…誰を憎むの。
兄貴を?自分を? …… …それとも人狼を?
[表情消した声は、ごく微かに揺らぎを帯びた]
[カチューシャと共にきた畑、レイスの後ろ姿が見えた。
少しだけ考えた後、何時もなら誰かが居ればその距離を測り、
自分から割り込むような真似はしないのだけれど、
ロランは車椅子の車輪を重い土の上転がして、
キリルの傍へと進んだ。
止められなければ、すぐ脇にまで。]
…ん、
[会話の邪魔をする気は無かった。
レイスとのものも、カチューシャとのものも]
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