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大工 イヴァンが「時間を進める」を選択しました。
[オトフリートの申し出>>1に表情をやや緩め]
ありがとうございます。
考えが纏まらないようなら、
またお願いします。
[話すうちに考えが纏まることもあるだろう。
聞き手の言葉がまた何かのきっかけになるかもしれない。
そう思い、ありがたく受け取る。
気をつけて、の言葉には、あなたも、と返し。]
― 厨房 ―
[カップを持ち厨房に行くとエーファと黒猫がいた。
前にも見た光景だな、と既視感を覚えながら]
失礼するよ。
[と声を掛け、中にはいり、洗い場に立つ。
服が濡れぬように袖を軽くまくる。
食器を洗い流して、布巾で水気を拭い棚へと戻す。
洗い物には慣れているとはいえ、
普段入り込まぬ場所であるから
カップをしまう位置は元通りではないかもしれない。**]
─ その日の夜更け ─
[夜も更けて、月明りが差し込む窓を開ける。
女の鼻がその匂いを捕らえた時、変化が起きた]
…っ、──…!!!
[声無き叫びは、雪が吸い込み静寂を保つ。
女の肢体は全身を銀毛に覆い尽し、完全に獣へと変じるとそのまま窓を蹴って壁を駆け上がる。
香しい花の匂いが届く部屋、大きく開け放たれた窓を目掛けて]
(小父様)
[窓に足を掛けて中に入り込むと、ギュンターの姿が見えた。
やはり女は人の声を発せない。
けれど、ギュンターもまた、声を発することはなく]
(…なんで、助けを求めないの?)
[浮かんだ疑問は、花の薫りによって理性と共にゆっくりと薄れていった]
修道士 ライヒアルトが「時間を進める」を選択しました。
―広間―
[知らないまま居るわけにもいかない、と言うカルメンの言葉>>2に秘められた芯の強さを感じた。
ここに居る以上は、と言う気持ちもあるのだろうと簡潔に伝え、その重さを誤魔化そうと伝えた言葉は意外だった様で。
それでも、その後に短く言葉が返ったなら、多少は役に立てただろうかと安堵の笑み]
喧嘩には自信ないから、勝てるかは別だけどね。
でも大丈夫だよ、ギュンターさんも居るし。
[元自衛団長なら腕っ節は大丈夫だろう、なんて考えて。
そんな考えは甘いなんてこと、今はまだ知らずにいたから。**]
[それは、一方的な狩りだった。
喉に噛みつき、獲物の動きを止めて。
口の中いっぱいに広がる味に、にんまりと口端を歪めて、更に肌を噛み裂く。
腹に噛みつき、命の大元である心臓まで食し。
最後に、濃く甘く香る左手に咲く朱に牙を立て、その一部を噛み千切った所で、ようやく我に返った]
[見れば、ギュンターは最初からこうなる様に準備されていたように寝台の上に横たわっている。
広がりの収まらない赤い染みと身体をシーツで隠せば、ただ眠っているだけにも見えるだろう]
…ぁ…
[こぼれた声は、どちらのものか。
人のものとも、獣のものともとれる吐息を落とした後]
…イヴァン。
おじさま──朱花を、頂いたわ。
……貴方も、食べにくる?
[朱花を独り占めしてしまうのは後ろめたいと思い、そう問いかけた*]
─ 厨房 ─
[料理を作る途中でかけられた声。>>6
振り返ったのは、黒猫とほぼ同じタイミング]
あ、侍祭さん。
……置いといてくれれば、片づけるのに。
[ほんの少しへにゃりとしながらこう言うけれど、手が回り切らない現状では有難くもあったから]
……でも、ありがとです。
[そう言って、笑って見せる。
黒猫も、合わせるようににぃ、と鳴いた。
ともあれ、カップは任せて自分のやる事を……と思った時]
(……あ、れ?)
[軽くまくられた袖。
そこから、人の肌には異質な色が覗いて見えたのは、気のせいか、否か。
ただ、それを問う前に猫が甲高い声を上げて意識を逸らした]
っと、やっべ!
薬湯煮すぎるうっ!
[すっ飛んだ声を上げて、薬缶を火から離して薬草の束を取り出して。
そんなどたばたをしている内に、問いかけるタイミングは逸してしまったけれど。
刹那に目にしたそのいろは、意識の内に確りと焼きついていた]
[そんな感じで料理をしたり、改めてユリアンに体調を確かめながら煎じた薬湯を渡したり、と動き回って。
一段落した所で、薔薇の事を確かめようと庭へ向かう途中]
……え、雪下ろし?
あ……うん。
お願いしちゃっていいかな。
[イヴァンに雪下ろしの許可を求められ>>4、少し悩んだものの頷いた。
正直、そちらまでは手が回らないし、やってもらえるならありがたいから素直に受け入れて]
─ 庭園 ─
……うー……さむ。
[ちゃんと防寒着を身に着けてはいるが、寒いものは寒い。
は、と吐く息も凍り付きそうだな……なんて思いつつ、足早に薔薇の許へと向かい]
…………咲いてるし。
[そこにあったもの──淡い薄紅色の花に、つい、こんな呟きが零れていた]
でも、こないだ見た時は蕾なんてなかったよな……?
[先日手入れをした時には、蕾どころか花芽の陰もなかったのに、と思いつつ手を差し伸べる]
ま、わけわかんない事起きてるし……こんな不思議があっても、いいのかもなぁ。
[そんな事を呟きながら、手を触れて。
少し躊躇ってから──それを手折った]
……このまま、ひとりぼっちで咲かせとくのも。
なんか、寂しいしな……。
[自分の名前の由来となった花だから、なんて。
大概乙女的な感傷だとは思うけれど。
同時に、これを持っていないといけない、という思いも何故かあったから。**]
─ 広間 ─
[自分がオトフリートに問いかけたからか、>>1:171ライヒアルトが広間を出ていくのに頭を下げる。
気がつけばイヴァン達も居なくなっていて、広間に残っている人の方が少なくなっていた]
喧嘩とも訳が違うと思うけれど……そうね。
小父様が居れば、大丈夫よね。
[>>7オトフリートの表情が安堵に変わり、続いた言葉も変わらず元気づけようとしてくれるものだったから。
抱く不安を押し込めて、自分も笑顔で同意を返した。
今はまだ、何も起きてはいなかったから**]
薬師見習い エーファが「時間を進める」を選択しました。
[その後、ライヒアルトとオトフリートのやりとり>>1:153を、相変わらずぼんやりと見やる。
言葉はいくらか耳に入ったが、理解が追いつかず、ユリアンは終始怪訝な顔をしていただろう。
「結局は、自分たちで気をつけるしかないのかもしれない」>>1:154
そう言ったオトフリートに、]
気をつける……?
どう、やって?
[彼の視線を追って見知らぬ旅人に意識を向けるが、
「……朱き花がいうのだから。
従わなければならないよ」>>1:156
という謎めいた呟きを落とすと、旅人は幽鬼のような足取りで広間を出て行く>>1:156。]
……あの?
[呼び止めようとはしたものの、暖炉前にいたユリアンの掠れた声は相手に聞こえなかっただろう。]*
[お茶のカップを片付け>>1:171るというライヒアルトの声に、
自分の手元を見れば、中身はすでに冷たくなっていた。
広間の常ならぬ空気を感じ取ったビルケが、鼻を鳴らして近づいてくる。
甘えるように、労るように、ユリアンの膝へとその長い鼻面を乗せてきた愛犬に、]
だいじょうぶ……だと、思う……。
[答える口調は頼りなかったけれども。
黒い背中の毛を撫でていると、少し落ち着いてきたように感じる。]
(考えなければ。)
(何を……?)
(誰と話すべきか、何を知っておくべきか……)
(……誰を、信用すべき、か。)
[ビルケという確実な味方がいることだけが、自分の救いに思えた。]
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