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はは……ははは……。
[口を吐くのは乾いた嗤い。
人も、鬼も、対して変わらない。
紅の雨の暖かさと。
失われていく己の体温と。
その二つを感じながら、男は意識を*手放した。*]
― 三階/展望台 ―
[ナイフがアレクセイさんに傷をつけたのを見て、ボクはまたちょっとだけ笑った。
すぐに貫かれた喉に熱さが押し寄せて、苦しくて、立っていられなくて、ずるずると崩れ落ちる。
頑張って首を動かして、ボクを刺した人を見上げた]
……、 、
[喉が裂かれてしまった今、口を開いても溢れてくるのは血ばかりだった]
[――ねぇ、ボクには花なんて要らないから、せめて、その肩の傷が癒えるまで、“キリル”としてでも良いから、覚えていてよ。
目の前の『鬼』に伝えられない想いと共に、真っ赤な中で事切れるその間際。
自分の目から透明な液体が一筋流れた事を、ボクは知らない。
本当に、短い“人生”だった**]
─ エントランス ─
[わらって振り下ろす短剣。
身体ごと振り下ろしたそれが突き刺さったのは、ジラントではなく床だった。
それも、ジラントからとおく離れた、床。
柄には右手が、握られたまま]
…… …── ………── ……
[僕はわらった顔のまま、声も上げることなくジラントの左側へと頽れた。
断ち切られた頚動脈から鮮やかな紅が噴出す。
鼓動があるうちは波打ちながら噴き出ていたそれも、時間が経てば勢いも弱まり。
やがて床に紅い溜まりだけを残して紅い雨は止んだ]
[── ああ……これでも、いいか ──]
[紅を噴出した直後の薄れ行く意識の中で、僕はそんなことを思う。
僕は自分のことすらどうでも良いと、無意識の内に思っていた*らしい*]
― 三階・展望室 ―
―…!?
[内で脈打つそれを奪う為切り裂いた「彼女」の身体は、女性のものではなかった。
気付き、咄嗟に見下ろせばこちらを見上げる瞳>>10と重なって。
開かれた口から溢れるその赤は、言葉にならぬ声の代わりに見えた。
物言いたげに見えるその様に、内心、喉を裂かなければ良かった、と抱いた後悔は表には出さぬまま。
静かに見下ろしながら、正面から抱き止め鼓動の源を、力任せに引き抜いた、後。
ゆっくりと、「彼」の身体を床に横たわらせて。
その瞳から流れ落ちた雫>>11を指で拭いとってから、奪い取ったそれを腹に収め。
『仲間』の元に向かう為、残る「人」を喰らう為にこの場から立ち去った。
エントランスでの出来事を知るは、己が目でか、仲間のコエでか―――**]
[変わってしまった、と>>4:*23。そう言われて、首を横に振りそうになって。
その通りだ、と胸の内の何かが告げる。
それでも「彼」の、「アレクセイ」の言葉を否定しようとしたところで]
え?
騙してた、って、 ………。
[どういうこと、と口にしかけた言葉はコエにならぬまま。
やがて「彼」から告げられたのは女の名>>4:*24。]
そう、なのね。
最初っからずっと、あなたは「貴女」じゃなかったん、だ。
お兄さんのフリなんて、して。
[何故、と問うことはしなかった。
ただ確かに彼女――アレーナは自分を欺いていたのだと、意識した。
湧き出てくるのは憤りのようで、けれど亡き人の存在と共に告げられた秘密に、哀しさに似たものも覚えて。
ぐるりと渦を巻く思いは、自分自身でもその形が掴めずにいた。]
― エントランス ―
[倒れたジラントにサーシャが短剣を振り掲げた時>>4:95、彼の右目はこちらに向いていなかった。
不意を突き剣でその背を刺せる筈だと、メーフィエ自身、気づいていた。
それでも、メーフィエが剣を抜くことは無かった。
代りにサーシャの命奪ったのは、鉈を叩きつけたジラントの右手。
紅い血の海が広がるその場所に。崩れ倒れたふたりの許に。
メーフィエは、ゆっくりと歩み寄った。
床に刺さった短剣、それを握っていた手首に一度視線は赴き、微かに痛々しげに目を伏せて。
もう動かないサーシャ>>12を見下ろしてから目は、その傍らのジラントへと。]
もう、死んじゃった、の――。
[意識失っている為か、乾いた哂い>>9も今は聞こえない。
おそらく放っておけば死んでしまう程の深手だろうとは察せども、確かな生死までは察せられない。
今もメーフィエの両手は、剣抜かずとも、その柄に添えられていて――。]
[直に手に掛けずとも結局、自分に対して「人殺し」の意識は抱かれる。
ジラントとサーシャが争うを止めることもなく、そして今、倒れているジラントを助け起こすことだってしなかったのだから。
そして「殺した」という意識は、『鬼』に殺された他の者たちに対してもおなじこと。]
こんなあたしでも、まだ、人に戻れる?
ううん。戻らなきゃ。
あたしは、「あたし」で、いなきゃ――…。
[ぽつり零してから、「仲間」へとコエを向ける。]
アレーナ。
今、エントランスで――サーシャさんが死んだ。ジラントさんに、殺された。
ジラントさんも、多分もう、長くないと思う。
[血だまりを踏みつけている脚はそのままに。
メーフィエはふたりの男を見下ろしたまま、その場に佇んだ。
キリルの許へ向かっていたアレーナが、無事であれば、と。
そのコエや足音が聞こえてくれば、と祈りながら。**]
[声が聞こえ、わずかに意識を引き戻される。
ほんの少し瞼が震えたけども。
もう、その目は光すら捉えられない。]
…………。
[メーフィエの独白の意味など、男には理解出来る訳はない。
それでも――
もう声も出ないとわかっているのに。
ただ伝えたくて、幽かに唇を動かす。]
[落ちていく暗闇の中。
今度こそかと男は嗤う。]
[これが地獄への道ならば。
その先にはとびきりの獲物がいるはず。]
[*――――永遠の狩を始めよう。*]
──ナニがそれを最初に求めたか。
──何故、それが求められたか。
──それを知るものは、どこにもいない。
──繰り返されし真紅の饗宴は。
──紅い月のひかりの下。
──数多の命散らして、幕を下す。
──やがて、雨は降り止んで。
──『勝者』の前に、扉が開く。
──幾多の死を飲み込んだ屋敷は、生ある者を吐き出して。
──霞の中へと沈んでゆく。
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