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分かった。少し待っていて。
[ウサギさんの誘いを受けて承諾を返す。
宿主の性質が違うので隠密技能も素人レベルのものだったが、それでも大きな足音を立てたりはせずに合流した]
これでよし。
[少し手間取った後、リディアの部屋の施錠を解除する。
鮮やかな手際に賞賛の笑みを浮かべながら、ウサギさんが捕食してゆくのを眺めていた]
ああ、いただくよ。
[上着を脱ぎ、片手を素のままに晒して傷口へと差し込んだ。
グチュリとかき回すようにして何かを引きずり出す。白い糸のようなものが引き出された指には絡んでいた]
時間があれば身体の方も取り込むんだが。
厄介なシステムのお陰で隠すのも無駄になってしまうし。
整備士の仕事はなくなっていないから、いつ誰が尋ねてくるか分からない。
ウサギさんが満足できたなら、ここまでにしておこう。
[同じように痕を消し、上着も羽織り直して。
リディアの部屋を出ると微笑みながら別れていった**]
/*
ログ読み直したら反動無しで撃ってるな…。
足狙いなんて生易しいことは絶対にしないんだが。
ふむ、アクロバットでもするか。
[その答えは否。
けれども存在する影がある。
ヒトガタのモノには魂が宿ると、
謂れのある星はどこだったろうか。
それは奇しくもオリジナルの。
アカツキ博士の故郷だったかも知れず。]
[魂と呼べるのかは解らない。
自分が何者かも解らない。
けれどもそれは、存在していた。
そう、じわりと、水面下に、…以前から。]
ノブ
[呟く声。電子音は聞こえない。感情も量れない。
いつから見ていたのか、いつから居たのか。
彼は自分を撃ったようだった。撃ってくれたようだった。
その事に安堵するような感覚を持った。
彼も自分にがっかりしているのなら、彼の手でも壊されるのなら、それはそれこそ本望だ。
彼にこの姿の自分を撃たせる事。
その事についての配慮などはない。]
[オリジナルの息子。
彼は自分にとって、少しだけ特別な存在だった。
それは表には出なかったけれど。
いや、少しだけ。
出た時がある。
オーフェンと握手をしたあの後。
どうしようもなくノブの手を握りたくなったあの感覚。
彼には怪訝な顔をされてしまったけれど。
アンドロイドは、確かに満足という感情を覚えていた。
自分とオリジナルは違う存在である事は理解している。
けれども。]
…
[アンドロイドの意識は、*うつろう*]
―― 回想 ――
[軍人さんに、ついていく。
見慣れた顔、見慣れない顔、見慣れない階層。
人が出てくると、襲い掛かってきては彼に殺される]
[多分、途中で何かが切れた]
[噛み締めすぎた奥歯が痛い。
涙は睫にはりついて、表情からどんどん色が抜け落ちていった]
―― ……ーム、みたい
[状況からリアリティが抜け落ちて、彼の、息子を探す声がSEに聞こえる]
歌がないよ……
変なの。ない、の
[小さな子供が、彼の庇護下に入る。
そんな"イベントシーン"を見ながらぽつりとつぶやいた]
[カルロスの背中を見上げた。
息子に声かける彼を。
くく、と喉が鳴った]
―― ソレは、撃た……
[……ないんだ?
そう続けるはずだった言葉は、放送によって途切れた]
[脳みそと口が分離したみたい。
父と息子、という日常と。向かってくる人影をかたっぱしから撃っていった非日常と。同機しない]
[音声が流れてくる方を見上げる。
ふと気がつけば、どこかでエネルギーやビーム、銃弾が発射される音が聞こえないなとぼんやり思った]
新人 フランは、少年 オーフェン を投票先に選びました。
新人 フランは、研究者 スティーヴ を投票先に選びました。
[音が脳に上手く到達しないまま放送は終わった。
カルロスから他の生存者に紹介されても、上手く反応できない]
………………っ
[ただ、エリカの声が聞こえて。
ロボットみたいに蒼白で無表情な顔。ゆっくりとそちらに向けた]
………だい、じょー……ぶ?
はは、何。だいじょーぶって、何!
[一気に腹のそこから何かがこみ上げてくる。
徐々に声が大きくなって、肩で息をした]
[凍っていた涙が溶け出して、またはらはらと滝をつくる]
………ゃっ ふ も、やだ……
終わりにしてよ。もうやめようよぉ……
[くたりと、廊下に背を預けた]
―― 回想 夜/集会室 ――
[それから。思考はぼんやりと霞がかってた]
[覚えているのは無音のままの、いくつかのシーン]
[人の集まる集会室。
転がる死体。ずるりとすべる足元。赤い鮮血]
[いっせいに掲げられる銃口。
自分を庇うみたいにもたげた腕。
いつのまにか握られていた武器]
[お守り、とそれを呼んでいた誰か]
[小さな子供が放った閃光]
[収まっていたはずなのに急に再開し、すぐにまた終わった戦闘]
[動かない自分の目の前で、叩かれた手。
――パン、という音が聞こえた]
……………っ
[ぱちっと反射的に瞬きをして、身を竦ませる]
やだ撃たないでお願い死にたくないの
やなの嫌お願いなんでもするから
[声は掠れてどこまで聞き取れたかどうか。
銃を握ったままの手はふりまわすけれど、もう身体に上手く力なんて入らず、ずるずるとなされるがままだった]
―― 回想終了 ――
[一斉射撃の時、少しでも自分への被弾を減らそうと目の前にあるテーブルを左手で跳ね上げる。
周りが持っている武器によっては無意味でもある行動だが、何もしないよりはマシだった。
テーブルを跳ね上げると同時に身体を床へと投げ出し、その間に自分の持つ電子銃の引鉄を引く。
威力は最大出力、それは最初から変えていない設定。
リボルバー銃の銃口から熱線が射出され───それは狙った子供の義足へと当たった。
床に身体を落とすと、転がるようにして体勢を立て直す]
───ちっ、外したか。
歳かね。
[他のテーブルとテーブルの間から子供>>2と目が合う。
急に叫び出す子供。
罪悪感なんてものは抱くはずが無かった]
[跳ね上げたテーブルを見ると実弾>>12>>13が一つ減り込んでいた。
もう一つ穴が開いているが、それはどこから飛んで来たのか判別出来ず。
けれど探っても意味がないと考え、そのまま放置することにした]
カルロス。
そのガキは俺達研究者しか持ち得ぬ、重要なカードを持っていた。
研究者が紛失することを恐れるものを、だ。
本人は拾ったと言っているが、実際にその場面を見たわけじゃねぇから事実かは分からん。
仮に事実としても、拾得場所が排気口の傍だと言っていたからな。
”何か”の傍に居た可能性は高いと見ている。
ガキが第三フロアに居たのを見つけたのは、お前が第四フロアで穴を見つけた後のことだ。
[軍人に声を掛けたのは、その子供が彼の縁者であると判断したため。
縁者であるからこそ、警戒すべきと言葉を紡いだが、彼の判断は聞かず別へと意識を移すことになる]
[周囲を見回すと、倒れているのがアンドロイドであるのに気付く。
電子銃を腰のベルトへと戻し、倒れたアンドロイドへと近付き。
傍らに膝をつくと、投げ出された手を取り手首に指を当てた]
ブレイン 全壊
拍動 微弱───否、停止。
[高出力のレーザーにより、脳として使用されていたマシンは粉砕。
喉は焼かれ、その他にも撃たれた痕が残り、僅かに残っていた拍動も直ぐに途切れた。
それと同時に放送>>#1がかかり、プログラムには自分達が”義務”を果たしたと判断される。
手首から指を離すとアンドロイドの手は再び床へと落ちた]
Good night.
Is a my masterpiece, failure work.
[一声だけ落とすと直ぐにその傍を離れる。
入れ違うようにして、通信士がアンドロイドに上着をかけていた>>15]
─ 夜/第二階層・集会室 ─
……確かに、ここであーだこーだと言ってても。
見つける『決め手』がないんじゃあ、意味ないわぁ。
[なされた提案>>16に、軽く肩を竦めて黒銀を元の場所に戻す。
PMCについての説明>>26は意識に止めておいた。
使えそうなものはなんでも使わないと生きられない──そんな頃の習慣がそうさせていた]
それじゃあ、ウチ、部屋に戻るわ。
にーさん、フランのこと、よろしゅうにねぇ?
[先に声をかけた時の反応>>19など、気にかかる部分もなくはないが。
さすがに、治療をしないまま、というのはそろそろまずい気がしていたから、足早に部屋へと向かった]
─ 夜/→第三階層 第一実験室 ─
[エレベーターで第三階層へと降り、自分の実験室へと足を踏み入れる。
端末を立ち上げバーチャルディスプレイを開き、自分宛に届いていたデータを表示した。
先程研究責任者の部屋に行った時に、PMCのデータをこちらへと転送しておいたのだ]
特殊な微弱電波……理論上、これを個々人から拾えれば特定が可能と言うことになるんだが…。
[微弱と言うだけあって、精度の高い機械でなければ拾うことは不可能だろう。
ヒトとて何かしらの波動を放出しているためである]
この電波がヒトが発するものよりも差があるものなら傍受も易いんだろうが…。
艦のセンサーを使って広域で感知することは可能。
周囲の人間との差分を使って感知しているのか?
Shit、専門外過ぎてさっぱり分からねぇぜ。
[あーでもないこーでもないと、バーチャルディスプレイの前で自分が考え得る案を捻り出し、シミュレーションをして研究を繰り返す。
結局その時は収穫も無いまま、実験室の前室にあるソファーで夜を明かすこととなった]
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