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―それから数週間後・酒場にて―
[いつもの賑わいを戻した酒場で、せわしなく働いていた。
今日の仕事のことや儲けについて、愚痴について、飛び交う会話や怒声はにぎやかに。
その中で聞こえてくる、まだ人々の間で記憶も新しい人狼騒ぎのこと]
「結局あのときのやつらってほとんど死んだだよな。」
『馬鹿、ベッティちゃんに聞こえたら大変だぞ?あの子も巻き込まれて、アーベルも死んだんだろ?』
「ああ、あいつも帰ってきてたみたいだな、ふらふらといなくなって帰ってきたとたん騒動で、怪しいもんだな。
そういえば生き残ったイレーネもどっか行ったんだろ、あいつもあやしいよな。」
『ああ、まぁ、そうだな。人間なんて善人そうな顔して何してるかわからないもんだしな。』
「人間じゃなくて人狼なんて化け物、普段は羊の皮かぶったりしてるんだろ、あのミハエルとかいうのも金で解決したんじゃないのか?」
楽しそうな話してるな?
[こちらが声をかけるまで近くに来ていることも気づかなかったらしく、匂いから相当飲んでいることも知れた]
「あ、ベッティちゃん、いやなんだ、いろいろ大変だなってよ。」
黙れよ……
[ぽつりと小さな声、向こうには聞こえなかったのかもしれない]
「でも結社の人の迅速な対応のおかげで悪い人狼も無事退治できたんだろ?犠牲者はでちまったけどな」
少し黙っとけよ、飲みすぎだろ?私の乙女パンチが火を噴くぞ?
[顔はいつものように笑いながら、でも目は笑っていなかった。
こちらの態度にもう一人の方は気づいてとめようとしていたが、しゃべる男は気づいていないらしく]
「でもほら、あれだアーベルみたいなろくでなしと違って、いい男はいっぱい世の中いるしな。
ベッティちゃんにもそのうちいい人とか…ひぎゃーー」
[振り上げて拳は的確に男の急所を、捉える柔らかな感触と、男の悲鳴が聞こえて。
そのまま素振りを2、3回、蹲る男を見下ろして]
親父、塩だっ!塩もってk…いってぇーーーー
[そのまま父親の拳骨を頭に食らって、自分もその場で蹲ることになった]
「娘が世話かけたな、今日はもうたっぷり飲んだだろ?
代金はいらないから帰っておけ」
[さっさと消えろとそんなオーラを感じたのか、まだ何か不満がありそうに股間を押さえる男を、もう一人が引きずるように店を出て行った。
それからまだ頭を抱えていた自分に]
「今日はもう休め、後は一人でもなんとかなる」
[有無を言わせない父親の気迫に、黙って自分は従い自室へと戻っていった。
ベッドに転がりながら瑠璃のダイスをぎゅっと握り]
私はなにも、間違ってねぇよ……。
[呟いて、一度それを放り、掴む。
それから、酒場では人狼騒動に関する話題が暗黙のうちに禁止となった**]
/*
ああ、立ち上がった描写入れ忘れてた。
こっちに気づいたとき立ってるんだわ。
椅子とたたき付けじゃ第二の人生送る羽目になるなぁw
―雑貨屋―
[気遣うように傍に来た娘に、身重の寡婦が微笑んだ。
緑が見つめる青は、翳りも嘆きも薄まってはいたが、
以前のように晴れる事はまだなかった。
荷物の事を問われると、にこと笑み先ずは何も告げずに。
代わりに人形をと問えば、示された欄に顔を近づけた。]
やっぱり可愛いわね、どれも。
[綺麗な人との約束は消えてしまったけれど、
せめて一つ、子の為に持っていこうと
数を減らした人形たちを、目を細めて見た。
以前夫と共にきた時の事を思い出し、
少しだけ陰が増したが、一度目を閉じる事でそれを隠した。]
女の子向けの物が欲しいの。
きっと、女の子が産まれると思うから。
……私の母が、私を産んでくれたみたいに。
[再び開いた目からは濃い翳りは消えて。
どちらをと問われれば、珍しく自身の母親の話を口にして腹を撫でた
夏の始まりよりまた少し大きくなった子は、
相変わらず身じろいでその挙動を母に伝えてくれる。]
ゲルダちゃんが選んでくれると嬉しいな。
[娘にそう頼むと、彼女はなにをえらんでくれたか。
小さな子供の人形を、鞄に詰め込むともう隙間は少しもなくなった。
料金を渡す際も、ちらと視線が荷物に行くのが見て穏やかな笑みを向けていた。]
ありがとう、大事にするわ。
これが最後の買い物になるから。
[微かに笑みながら継げる言葉に、娘の表情はどう変わったか。]
………今から村を出るの。
[湧いた疑問に答えるように、静かに告げた。]
/*
ミハエルに同意しつつ、
そもそも、やりたいことや設定あってやるんだしなと。
実際どうなるか別だろうけど、役職希望者は毎回そんな感じだと思うぞ。
―――…女の子向け、かあ。
じゃあ、可愛い動物のほうとか…
…女の子なら、大事にして呉れると好いな
[生まれてくる子を想いながら、
娘は籠の中から選ぼうと手を伸ばし一つ摘まみあげる。]
あ…
[偶然手に取った一つは赤い眸のうさぎの小さなぬいぐるみ。
子供の掌に収まるそれを見て、娘は少しの間の経て]
…ン、これとか如何かな
――――…やっぱりカルメンさんの作品、可愛いね
[うさぎの次に取りだされたのは、蒼い眸のシャム猫。
そして、黒い狼と―――…青い鳥、そして、小さな女の子。]
………どうかな、これだけあると、寂しくないよね
お祝序と云っては何だけど、まけておくよ
[母のことを漏らす彼女の声を聞きながら。
娘は曖昧に相槌を打つことしかできなかったけれど。
それでも村を出ると答えが返れば嗚呼と悟る声。]
――――…一人では、危険じゃないかな
せめて麓までは自衛団の誰かに―――
[其処まで言い掛けて、はたと貌を上げる
何処か訴えかける様な翠の眼差しはイレーネに向けられて。]
/*
言わずともがななのですが。
うさぎ=ゼルギウス シャム猫=イレーネ
オオカミ=ライヒアルト 青い鳥=アーベル
ね。ね。wwwww
女の子の人形はまあ、うん。そういうことよ…( ノノ)
―金の映す世界―
[ヴァイスルヴの聲>>1795に湖面を映す金が細くなる。
そうだ、と返しながら納得しているのか知れぬ仲間。
グラォシルヴの事を言わぬ時点で妙だとは思うのだけど]
『…………ばぁか』
[言わぬから聞きはしない。
其れが是までの在り方だった]
『ヴァイスとグラォと、
二人と共に在れて愉しかったぜ』
[二人の関係が少しだけ羨ましくも大事と思えるものだったから
リヒトは一度もその関係を崩す事を望んではいなかった]
―金の映す世界―
[ヴァイスルヴの死を知ってからも其れは変わらず
グラォシルヴとは相棒の儘ある事しか望まない。
望まずに居たのは二人が互いに想いあう様を見てきたし
リヒトにとってもそんな二人が大事であったから]
『本当にお前さんは分かってるのかねぇ。
あいつもお前さんがしあわせだったのか、って聞いてたけどよ。
……二人とも傍から見りゃ疑う余地なく想いあってンのにな』
[漆黒の獣は漆黒纏う修道士へと姿を変える。
眼の事を言う仲間を振り返り
涙を流しながら微笑む彼の白銀をぽむと撫でた]
『――…こっちは良いから、グラォの所行ってやれ』
[寂しがり屋な白銀と銀灰を思いながら紡ぎ、促した**]
[泣かれる事に旅人は途惑いを覚える。
彼女を泣かせた事を誰かに責められているような気がして
銀灰の彼女をあやしながらもそわりとした様子]
泣かせて悪かったな。
[誰にとも知れず紡がれる言葉。
直ぐに立ち去れずにいたのは女から懐かしい匂いがしたから。
彼女がリヒトの名を紡ぎ感情を零したから。
――己の聲が届き彼女の聲が返った]
『――…聞こえちまうか。なるほどな。
俺はリヒトの双子の兄でルークスと言う』
[聲が届いた事で彼女が泣いた理由も薄々分かる。
彼女との出会いは弟の導きかも知れぬと思えば
銀灰映す深緑の眸には少しだけ切なさが灯る]
『アイツは知らなかっただろうな。
俺も最近知って、……弟に逢いに来たが、遅かったらしい』
[遅かったと紡ぐ理由は彼女なら理解できよう。
名乗られる名は無論聞き覚えのないもの。
銀灰の奥に見えるはこれから行くはずだった村の特産品を思わせる]
『幼馴染で相棒――…』
[彼女は伴侶とは言わなかった。
だから腹の子は違うのだろうと推測できた]
『これから一人で何処に行くンだ?
――…あいつの話を聞かせて呉れるなら
其れまでの間、旅の連れになってやるよ』
[何もない所で転びかけ危なっかしさを見せるグラォシルヴの瑠璃。
其れを見詰めながら改めて手を差し伸べる。
双子の弟が惹かれたように兄もまた彼女に惹かれてゆくかもしれず**]
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