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元々、
僕は、……「機鋼」たる者じゃない。
無理をすれば、壊れもしようさ。
[右の手を突いて][緩慢に身を起こして][座り込み]
[地面から離すと][赤を流す天青石の瞳に触れる]
< 竜が……いいえ、アーベルが、ふあんそうなので、
猫はにゃあとなきました。
あおいめを、開くのも、本当はおっくうでしたけれど、そうしたかったのです。 >
起きてて、くれたら、嬉しい。
だいじょうぶ、だよ。
きっと、だいじょうぶ。
だから、これはやらんと言っておろうに
むしろ、すでにこの娘の身体は子を成す事など出来ぬよ
なに、精神の形成の前にアーベルの魂を容れれば消える魂などありはせぬよ。ただ、本来宿る魂が別の器に宿るだけさ
誰かに一時的にアーベル様を宿してから正規の手順を踏むとか・・・。
天聖か生命か、それとも精神?
そのあたりならどうにかできそうですけども。
[自分は関係ないので適当に色々言ってみる]
[無限鎖から、響く、声。それに浮かぶのは、苦笑]
《ああ……龍態を解放するには、皇竜の刻印を破る必要がある。
で、俺の刻印は、右目にあるからね。
解放するには、破らなきゃならない》
[力が落ち着けば、再生するから、と。
伝える響きは、安堵させようという意思を込めて、穏やかに]
不安かね。
――…大丈夫だよ、新たな子。
[青に映る不安の色に、小さく笑みを向ける。]
皆が、君が起きるのをちゃんと待っているから。
君が望む時に、起きれる様に。
だから今は、――…安心しておやすみ。
[そぅと、器なる体躯へ触れる。愛しむ様に。]
[指先が頬に触れて。震えが伝わる。見上げるあお]
……そなた、もう…おやめなさい…
[指が頬を伝い、唇に触れる]
…もう、言葉があると…わかっているであろう……?
[…これ以上、誰も傷つくを見とうない。
零れた声は小さく掠れて、届くか否かわからねど]
でも、
疲れたなら、寝ててもいいよ。
あとで、起こす、よ。
< まっさおな目で、竜の目をみました。
猫はそれが綺麗で、にゃあ。わらうみたいに、なきました。 >
…んー……。
やっぱ、コイツにこうやって宿れるなら、
…コレみたいなの作れば宿れる…ってのは、安易?
[うん、とっても安易。]
[起き上がる前に、触れていった手。]
[細めた右の眼は厭うてか][それとも、]
[今、閉じられた其処に宿るいろは知れない]
[今にも目を閉じそうな流水に、小さく笑みを零して]
…大丈夫だ、エーリッヒ。
直ぐに、この器から追い出す必要も有るまい。
…睡眠を取ってから、また話す時間も有るだろうよ。
後で、起こして遣れば好い。
[思い出すのは長い夢。白い殻の中でみた長い夢。]
準備が出来るまで、眠っておいで。
…待ってるから、な?
[とんとん、とあやすように、その鋼の身体を撫でる。]
[緩慢に起き上がる様子に、僅かに安堵の息を零して。
私は閉じられしあおを見つめ、静かに離れる。
何れなりと、決めるは彼自身にしか出来ぬであろうと]
[大地の獣の頷きに、口許に薄く弧を描く。
腕の中で眠る白の猫をあやす様に、ゆるりと揺らして]
…嗚呼、おやすみ。
また明日。新たな子。
[触れた手で、ゆるりと撫ぜて。
目蓋を下ろした機竜へ――小さく囁く様に、呟いた]
[青年とナターリエのやり取りを、セレスはしばし、不思議そうに見つめて]
「……ねぇ。君は、どうしたいの?」
[小さく、問う]
「それがわからないと、どうしていいか……わかんない」
< 機鋼の竜は――アーベルは、ねむったのかしら。
猫はなぜられて、小さくなきました。
おやすみなさい。
あとで、いっしょに、笑って、お昼寝して、あそんで、それから……
しあわせに、なりたいね。
って。 >
[ああ、生きていたか、とそう思い]
[近付くナターリエを見て、目を閉じる]
あとは、よろしく……おとーさんに、おかーさん……
[微かな呟きは、誰かに聞こえたろうか?]
――……、
[想いを口にするには躊躇いがあり]
自由になりたい、のは、嘘じゃない。
[それ以上を認めるには、]
[まだ至らないようで。]
後は、……わからない。
[白金の腕輪から返るコエに、私は蒼褪めさせて時の竜を見る。
駆けつけるだけの力はなく、緩慢に近づいていこうか]
《………刻印を…破……》
[私は片手で顔を覆い、小さく被りを振る。
一度焼きついた光景は、容易くは忘れられずに再び震えて]
おかーさん?
[傍に居た藤色には聞こえました。
おとーさんはどこか脳内変換されそのまま素直に。
片方を呟いたのは、もうずっと会っていないその人の姿が脳裏を走っていったからで]
あ、大丈夫、そ……
[言いながらぽてり、と力尽きて雷精の上に。
視界がぼやけ意識が*薄れた*]
「自由になりたい……」
[視線は、自然、枷へと向くか]
「それ、外せば。自由?」
[問いかける声は、無邪気で。でも、真摯な響きを帯びて]
「わかんないなら、わかんなくても、いいと、思う、よ?」
[ゆっくりと近づく様子と、投げられる声に。
ただ、苦笑]
《……そう、か。そうだっけ。
嫌なもの、見せた……すまない》
[遠目にも見える仕種に、伝えるのは、謝罪の意思。
傍らの白梟は呆れたように羽ばたいて]
《でも……あのまま、全てが失われるのは。
……世界が消えるのを見たくは……なくて、ね……》
[それは、彼が最も忌避するものだから。
理由にならぬといわれれば、それまでだけれど]
[純粋な声]
[瞬かれる][片側の青]
……嗚呼、
少なくとも、……身体は。
[それでも失ったものは戻りはしないが。]
[続いた言葉に、][逡巡の気配]
――……違う。
わからなくは、無い。
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