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◆ENDRP ―冬の空―
[研究所から出て、騒動がひと段落する頃
女は一度、少女から手を離して自宅を探す。]
…お化け屋敷ね…
[見つけた我が家は植物の蔦で覆われていた。
それもそのはずだ、両親も同じ病だった。
ほぼ50年近く放置された我が家と向き合い
最初に出た言葉なんて、案外冷たいもの。]
…ただいま。
[扉に手をかけると錆びついた音と嫌な匂いに
出迎えられて家の中に入ることとなった。]
あの日の、まま…
[室内は埃や蜘蛛の巣は多いけれど面影はあり
52年という年月は案外あっさり埋められた。]
[静かに部屋の奥へと進み、部屋を見て回る。
こつ、と一度足音を立てて止まる。]
誰もいない。
[声が、響く。]
――…っ
[解っている事だった。
たとえ自分だけ病が治ったとしてもこうなる事は。]
おとうさん、…
おかあさん…、…
[愛してくれていなくても
私を見ていてくれなくても
それでも彼らは私にとって
かけがえいのない家族なのだ。]
[はたりと零れ落ちるものを拭い顔をあげる。]
…、…なに
[誇りに埋もれた中に一通の手紙。
恐る恐る手を伸ばす。
色あせてしまったそこには
懐かしい父の文字が連なっていた。]
『ノーラ。
この手紙を読んでいるという事は
お前は無事に病が治ったのだね。
おかえり。
おめでとう。
そして、すまない。
先日、母さんが石になり私も足から
石化が進みもう胸まできている。
だからお前とまた会える事はもうない。』
[手紙を持つ手が震えていた。
ぽつぽつと顎から滴る熱いものは止まらなくて]
『それでも、この家はお前の家だから
私達の死後も残しておくよう頼んである。
お前にはもっと沢山教えるべき事が
あったのかもしれない。
お前が去ってから母さんと色々話をした。
ノーラ、お前には沢山寂しい思いをさせてきた。
どうか許して欲しい。
先逝く私達はお前に何を教えてあげたか
解らないけれど、ただ一つ 言える事は
今まで一度も口にする事はなかった事だが
私達は、ノーラの事を――』
[震える唇は、最期の言葉を模る。
そっとその文字を指でなぞりながら]
『 あいしている。 』
[ちゃんと愛されていた。
それに気づけなかったのは
気付こうとしなかったのは
―――私だった。]
…っ、…おとう さ…――。
[上手く喉の奥から言葉が出なくて
暗い室内、月光が照らすのみ。]
[また、空には星が煌いている。]
私、…生きるわ。
皆の分も、彼の分も…そして
お父さんとお母さんの分も…
[窓を開けて見上げる空。
吹く風はどこか寒く、吐く息も白に染めた。
あの日屋上で見た星空とは違う星が見える。]
あれは、…
[冬の星座が広がって、一際輝く一等星。]
―― シリウス。
[泣かないでと流した涙を乾かすように
どこからか優しい風が吹いて、*包んでくれた。*]
/*
私も家族のこと…消化しなきゃいけなかったのよ…
と書いていたらこんなことになった わ
議員のエンドも楽しみにしているのよ
/*
ちょっと、妄想が現実に……、誰か助けるです。
>>2248
圧迫したいとか仰ってる暇がありましたら助けてくれてもよろしくてよ?
[ブリジットの物真似のつもりらしい]
/*
>>2262 ナタリー
……これから?
[背に回る手。
縋りつくよにも思えて。
確り、腕を回して抱き締める]
……羨ましい……って。
[ふと、過ぎるのは。以前も言われた言葉。
自分の子供がみたい、と]
……俺だけ、では。
足りない……か?
[小さな問いかけは、囁くよに]
/*
……で、このどっぺるはどうしろというのだろうか。
それはそれとして。
ハインがケネスっぽい、は。
幻夢稼動初期にも話題に上がったなあ。
[ちょっと懐かしんでみた]
◆ENDRP 空中庭園編
─ 都市の何処か ─
[彼等が冷凍睡眠に入って数年後、メデューサ病の特効薬を巡って起きた世界大戦。
戦時中の兵士開発と人体実験問題と共に隠蔽されていた古城の爆発。冷凍睡眠装置のエラーで死亡したはずの生存者の救出は、メデューサ戦争後最大のニュースとして大々的に報道された。
それは、病院に収容されての再検査と、死亡したはずの彼等が生きていた事で必要になる法的な手続きを終えて、慌ただしい生活を手に入れ──しばらく経過したある日の出来事だ。ヘルムートは、異母妹に当たるその人と会った。薔薇園が有名なビルの屋上、空中庭園を選んだのはヘルムート。
オクタヴィアと名乗ったその女性は、すでに他界していた義母に面差しが似ていた。]
◆ENDRP 空中庭園編
父が還暦を過ぎて、欲しがった子どもですか。
謝っていただく事は何もありません。
私が冷凍睡眠についた当時の、義母──貴女の母上と私の年齢は、
そう変わりませんでしたしね。
父はそう言った人でした。
政界には戦中戦後に処刑された方や、
自殺か事故か分からない死亡者も居られたようです。
父上は投獄される事も無く最後まで政界に身を置き、
天寿を全うされたようで。
三度の結婚に、最後は貴女の存在も含め、
それも一つの強さなのでしょう……。
[手入れされた薔薇が咲き誇る大都市の真ん中の空中庭園。珍しい色の花は其処には無い。相手が用件の本題を切り出すまで、白い野生種に近い薔薇とみどり色の茨に視線を泳がせて待つ。
何時までも躊躇する様子に、サファイアブルーの両眼をオクタヴィアに向け、じっと正面から見詰めた。]
◆ENDRP 空中庭園編
見捨てられてどうこう、
と言うのもありませんよ。
秘書を待たせてあるので、
私の方は、あまり時間がありません。
貴女も、父や義母の想い出話をなさる為に、
わざわざ航空機で此処までいらしたとは。
[相手が渡したいものが何か察してると言う風に。]
義母の後、花柳界の側から政界を覗いて居られた
貴女が、私に、渡したい物とは何でしょうか?
◆ENDRP 空中庭園編
[オクタヴィアと別れ、エレベーターに乗る。白い薔薇。渦巻く茨。高層ビルから見下ろす景色。霞みかけた夕暮れの空に煌めく星座。似て非なる景色が、あの古城での出来事を想起させる。
女性秘書と合流してから、ヘルムートはタイを緩め、深い息を吐いた。]
──待たせた、ブリジット。
自分で指定しておいて
やはり、この場所はキツかったな。
君は、大丈夫か?
ゼルギウスシステムが放置されるに至る
経緯に関わる重要な資料を、今、受け取った。
すべての真実を明るみにだして──と
言うのは、困難な事かもしれない。
戦後の外交問題もおそらくは絡んで来る。
私は、今は──。
冷凍睡眠以前のように、
急激に物事を進めようとは考えない。
◆ENDRP 空中庭園編
諸問題解決中のライヒアルトはまだ兎も角、
生き延びた君や、ナターリエ。
ノーラや、まだまだ若いベアトリーチェを、
危険な目に遭わせられないから、ね。
生きていれば、どうにでもなると……。
そう考える時、失ったもの、死者の事が浮かんでしまうが。
──君も無理はするな。ブリジット。
[受け取った資料をそのままブリジットに手渡し、小さく口端を持ち上げた。銀色のチューブのような硝子のエレベーターは、音も無く駐車場のある地下階へ滑り込んで行く。水平線が視界から消える直前、夜空に星が光って見えた。
皆との、再会の約束は何時──だっただろうか。
瞬きをして、スケジュールを尋ねたの*だった*。]
/*
>>2277 ライヒ
[ぎゅっと捕まえてくれて、優しい囁きをくれる人。]
もちろん、あなたが居てくれたら幸せ。ただ、あなたの遺伝子を残せないのが悔しいだけ。
/*
まあ、何だ。
競歩とかあれこれは、
ダーヴィッド愛してるでFAで。
[ダーヴィッドの肩にもたれながら、でこじゃなく後ろ髪を嬲る。]
赤毛の秘書はもう雇えません。
/*
うわい、やっぱヘルさんかこいいな!
[くろねこの素が出た]
しかし、諸問題。
うん、諸問題多々あるよな、俺。
意図せず、兵器開発に手、貸してたわけだし。
研究室が私物と花を処分したのは、その辺りもちょっと意識したんだよね。
関わりない、の意思表示みたいな。
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