39 黒の森の片隅で─表示確認村─
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パン屋 ヨハン を 1人が心の中で指差しました。
情報屋 ヒルダ を 6人が心の中で指差しました。
情報屋 ヒルダ は人々の意思により処断されたのです……。
次の日の朝、医者 ヴェルナー が無残な姿で発見されました。
今、ここにいるのは、パン屋 ヨハン、神父 メルセデス、村娘 マルガレーテ、村長 ヴィルヘルム、美少女 アナ の全部で 5 人かしら。
神父 メルセデス
うーん……返事ありませんねぇ。
[何かに襲われた悲鳴らしきものも聞こえず。
しばらく歩き続けると、木の根元に人影らしき姿が見えて来るだろうか]
村長 ヴィルヘルム
……うむ？
なんだ、黒い森に入った者がいる？
それも複数？
……やれやれ、
誰だかは知らないが、困った連中だ。
御伽噺を聞かされなかったのかね。
夜の森には化け物が出るだの、
黒い森に飲まれれば外には出られないだの――
なんでも、永遠の闇に落ちてしまうそうだね。
ああ、失礼、君に言っても、詮無いか。
いや、いいや、私が行って来るとしよう。
それでは、後は頼んだよ。
神父 メルセデス
ヒルダさん！？
……こんなところでどうしたのでしょう。
意識が無いようですが…？
[確認しようとヒルダに手を伸ばす。
感じられるのはいつもより低い、体温]
神父 メルセデス
[ヒルダの肌に触れ、口元に手を翳し。
その手がパッと胸元へと引き寄せられた]
……そんな……。
一体何故……？
[辛うじて声は震え無かったが、表情には訝しさが浮かぶ]
パン屋 ヨハン
……とにかく、このままには、しとけない……っすよね。
先生なら、原因、わかる……かな。
でも、ヒルダがこんな……ってコトは、まさか、ホラントも……？
神父 メルセデス
…そうですね、村まで運びましょう。
見たところ外傷が無いと言うのが気になりますが…。
獣や怪我が原因ではない、のでしょうね。
……可能性は否定出来ません。
これだけ探して、見つからないのですから。
パン屋 ヨハン
そ、っすね。
なんかに襲われた、って感じじゃないし……。
[ゆるりと首を振る様子に、がじ、と頭を掻いて]
……っとに、やんなっちまうなぁ……。
なんだって、こんなコトになるんだか……。
神父 メルセデス
それではよろしくお願いしますね。
[遠くへ向けた言葉と同じ言葉を残し、ヨハンに頭を下げてから村へと向かう]
[戻る途中、散らばった布や壊れたランタンが見えたかも知れないけれど。
僅か口端を持ち上げるだけで、そのまま村へと駆けた]
【墓】 情報屋 ヒルダ
………う、ううぅ。
あたまぐるぐるする…逆立ちしてるみたいな、っ！
ヨハン！？
神父様もさかさま…違う！
・・・
ヒルダがさかさまなんだっ。
パン屋 ヨハン
はい、はい、と。
[頭を下げる神父を見送り、歩き出す]
……女の子姫抱っこして運ぶ、ってのは、見た目はいいけど。
こういう状況って、ねえよなぁ……。
【墓】 情報屋 ヒルダ
おっとと、あ、あれ。
ヨハンが抱えてるの…、 うそ。
それなら、このヒルダは何？
［口から出た白いものは、人間を示すものだったか魂か。
それはヒルダにはわからない。］
パン屋 ヨハン
……あれ？
あれって、もしか……して？
[きょとり、と瞬き一つ]
ホラントの……お気に入り？
なんで、壊れて……それに、この布……。
【墓】 情報屋 ヒルダ
神父様、いっちゃった。
…ヨハン、何言ってんのさ。
ほんと見た目はともかく……ううん、
見た目も死体じゃ、かっこつかないよ。ばーか。
パン屋 ヨハン
は……はは。
ま、まさか、な。
[見慣れたものはあっても、姿はなくて。
それが、なんだか嫌な感じで]
……と、とにかく、まずは、ヒルダをだな、うん。
それから、もっかい、探しに、こよう。
【墓】 情報屋 ヒルダ
［ふよふよ、ふよふよ。ついていくけど気付かれない。］
見えてないんだろうな。
あと、聞こえてもない…んだよね。
そっか。
どーせなら生きてる時に、が良かったな。
神父 メルセデス
[途中、ヴィルへイムと行き合えばヒルダのことを伝えて。
これ以上留まらない方が良いとも伝える]
もしお手間で無ければ、後から来るヨハンさんを手伝って差し上げて下さい。
私はヴェルナー先生を呼んできます。
[頼むとヴィルへイムに対し頭を下げ。
再び村の方へと駆け出す。
向かう先は、ヴェルナーの診療所]
村長 ヴィルヘルム
……いやいや。
まったく、困った子らだ。
ヨハンくん、おぉい、
ヨハンくん、聞こえるかね！
[森の入り口。奥へ向かって声を投げる。
灯りを翳す。ゆら、ゆら、ゆら。月の明かりを森が隠す]
【墓】 情報屋 ヒルダ
あ、灯り…違うや。
ホラントのランタンじゃない。
村長さんだ…。
どうしよ、行ってもいいのかな。
ヒルダはこの森にいなきゃいけない、そんな気がするのに。
村長 ヴィルヘルム
ああ。
無事だったかね、ヨハンくん。
いいや、
ヒルダは無事ではないのだったか。
メルセデスくんに聞いたよ。
いったい、どうしたというのかね？
パン屋 ヨハン
どうした、って言われても、俺にも何がなんだか。
神父様と一緒に、ヒルダとホラント探しにきたら、ヒルダが木の下に座り込んでて……。
その時には、もう、こうなっちまってて。
……なんか、ホラントも、なんかあったみたいっす。
姿は、どこにもないんだけど……森ん中に、あいつのお気に入りのランタン……壊れて、散らばって、て……。
神父 メルセデス
……森で、ヒルダさんが……。
[言おうとして、迷い]
…あ、覗いては──！
[扉の先を覗こうとするのなら、慌てながら阻止しようとマルガレーテへ手を伸ばす]
村長 ヴィルヘルム
ランタンが？
壊れて、
散らばって？
……。
大方、単に思わせぶりな噂をばら撒くだけじゃあ、
人の気を引けないと思ったのだろう。
ヒルダに関しては、そうだな、貧血でも起こしたんじゃないかね。
黒い森は謂れのある場所だ、
しかしだからと言って、些細なことに惑わされては、いけないよ。
村長 ヴィルヘルム
御伽噺は、御伽噺に過ぎないのだからね。
そうは思わないかい、ヨハンくん。
非常識と思えることは、大抵、人の妄想から出来ている。
【墓】 情報屋 ヒルダ
無事じゃないよ。
青いのと気付けと…野菜パンもかな。
おなかの中でぐるぐる、悪いものに変わっちゃった。
［ふよふよ、くるくる。二人の周りを巡る。
ヒルダが戯れても髪の一筋も揺らせやしない。］
…黒い森にいたせいかな。
今までヴェルナせんせのお薬で、こんなの聞いたことない。
ヒルダの情報網にかからないなんて、ないもん。
パン屋 ヨハン
そりゃ、御伽噺は御伽噺かもしなんいっすけど！
俺も、弟寝かしつけるのに、使ってましたし……。
でも、あいつ、あのランタンは大事にしてたし。
いくら気を引くためとはいえ、壊すとか……。
服の切れ端みたいなのも、散らばってて。
……やっぱ、なんか、おかしいっすよ。
村長 ヴィルヘルム
……ふむ。
まあ、何にせよ、だ。
今、これ以上、あの場に踏み込むのは、
それこそ森に喰われに行くようなものだ。
あの森も広い。そして、夜の闇は深い。
ひとまず、今は、ヒルダを連れて行くのが先だ。
君一人で支えて行けるかね？
私はこの通り、灯りが邪魔だ。
神父 メルセデス
…すみません、声を荒げてしまって。
ええ、見ない方が、良いです。
[そこにあったのは綺麗に半分欠けた、ヒトの形をしたもの。
これ以上人目に晒されぬよう、一度診療所の扉を閉める。
自分を落ち着かせるためか、マルガレーテを落ち着かせるためか。
彼女の頭を優しく撫でた]
パン屋 ヨハン
……そう、っすね。
夜に踏み込むのは、止めた方が、いいかも知れない……。
[少しだけ、森を振り返って。
それから、村長に向き直って]
ああ、支えるのは大丈夫っすよ。
力仕事は、慣れてますから。
神父 メルセデス
いいえ、私も直ぐに扉を閉めれば良かったことですので…。
謝らないで下さい。
…けれど、どうしましょうか…。
ヒルダさんもそうですが、ヴェルナー先生がこのようなことになるなんて…。
ヨハンさん達も、大丈夫でしょうか。
村長 ヴィルヘルム
[灯りを翳す。ゆら、ゆら、ゆら。診療所から漏れる光と混ざる]
……ああ、
そこにいるのは、メルセデスくんかね？
どうしたのかね、入り口で突っ立って――
【墓】 医者 ヴェルナー
[扉の外から話し声]
なんだ。
またマリオン辺りが悪戯しに来ているんじゃないだろうね。
危ないから来るなと何度言えば……おや？
パン屋 ヨハン
[腕に力を入れなおし、村長に続いて診療所へと歩いてゆき]
あれ、神父様……入り口に突っ立って、どしたんですか？
マルガレーテも。
ヴェルナー先生、いないんすか？
【墓】 情報屋 ヒルダ
せんせ、せんせ！
いてるのいてないのっ。
それにヒルダの身体どうしちゃったのかな。
薬のせいでぐるぐるしちゃったよ。
せーんせ、責任とってどーにかしてよっ！
［勢い余って扉を叩こうとして、すり抜けた。］
神父 メルセデス
[言い淀み。
意を決すると、少し長く息を吐く]
……何者かに、襲われた、ようで。
その、亡くなられて、いました……。
[ちらりと、視線が診療所の扉へと向かう]
【墓】 情報屋 ヒルダ
うわっとっと！
せんせ、いたならいたって返事…
せんせも、なの？
あのさ。これってやっぱり…魂なのかな。
［半分になったものを見、それからヴェルナーを見た。］
【墓】 情報屋 ヒルダ
［頭をかく仕草を見て、そーっと手を伸ばす。］
魂が抜けるお薬があるなら、元に戻るお薬ないの？
…あってもすり抜けるんじゃ飲めないかな。
村長 ヴィルヘルム
……第一発見者は？
いいや、ひとまず、村の者に知らせよう。
こんな小さな村とは言え、自衛団と呼べるものはある。
いいかい、勝手に、動かしたりしてはいけない。
ヒルダの事は君達に任せた。
何なら、私の家を使っても構わない。
ドロテアに言えば場所の用意はすぐさま出来るはずだ。
村長 ヴィルヘルム
ああ、
まったく、なんだと言うんだ――
これでは、まるで。
[医師は覚めない眠りの中。
夢へと誘ったのは、獣の仕業。
*誰かが、御伽噺のようだと、囁いた*]
【墓】 医者 ヴェルナー
魂が抜ける？
あれはそんなものじゃなかったはずだが。
[振り返ってヒルダの手を見る]
まあ、じいさまなら作ってないとも限らないな。
体のほうに飲ませればいいんじゃないか。
……問題は、今の私にはどうしようもないってことだな。
神父 メルセデス
…私です。
先生を呼びに来たら、もう……。
中には、入っていません。
見つけた後に来たのもマルガレーテさんだけで、中には入れていませんから…。
ヒルダさんは、そうさせて頂きますね。
お手数おかけします。
神父 メルセデス
……ホラントさん、も？
[呟いたヨハンの言葉に視線を向ける。
言いようのない不安が胸に去来した]
…とにかく、ヒルダさんを村長のお宅へ。
[言ってヨハンを促し、村長の*家へ*]
【墓】 情報屋 ヒルダ
ううん。ヒルダは半分じゃない。
青いの零れて、気付け飲んで、そしたらぐるぐるした。
［振り返られて少し躊躇ったけど、額に向けて*指を弾く*］
このまま死んだら、怨んでやるっ。
…けど、せんせの方が痛そうだから、これだけにしとく。
【墓】 医者 ヴェルナー
うお……っと。
[反射で額を押さえるが*痛みはなかった*]
……気付けはよくなかったか。
それは悪いことをした。
だが怨むのはじいさまにしておいてくれ。
私が作ったんじゃないからな。
美少女 アナ
アナはねアナはね識っているの
『御伽噺』は御伽噺でしかない…………なんてことはないの
誰も知らない昔、ここではない何処かであった悲しいこと
それを忘れないように語り継ぐのが『御伽噺』だって
そう、おばあちゃんが言ってたの
美少女 アナ
でもね、おばあちゃんはこうも言っていたの
語られることが真実とは限らない
時に、人の悪意によって御伽噺も歪められるって
英雄も殺人狂へ、善意も偽善に、美談も醜聞へ
斯くも人は愚かしい生き物だって
だから、アナは自分で見た物を信じることにしているの
【墓】 情報屋 ヒルダ
［弾いたかどうか、感触の曖昧な指。
言葉を濁すヴェルナーの上を、ぽんと宙返りした。］
ヒルダは行くよ。
身体どうなるか気になるし。
じゃーね、せんせ。
元気で…っていうのもおかしいけど。
パン屋 ヨハン
……ホラントのランタンとか、服の切れ端っぽいのとか、森ん中に落ちてて。
んでも、あいつ、いなくて……。
[神父の声にぽつり、と呟いて]
ん、そーっすね。
いつまでも、俺が抱えてるのもなんだし。
神父 メルセデス
…ランタンと……服の切れ端、ですか…。
[眉根が寄る。
尤もそれも表面上だけなのだけれど]
お邪魔します、ドロテアさん。
申し訳ないのですが──。
[村長宅へとつくと、対応に出て来たドロテアに説明し。
承諾を得ると中へと通してもらう]
客間を貸して下さるそうです。
そこまでお願いしますね。
パン屋 ヨハン
……わりぃっすね、ドロテアさん。
[ぺこり、と頭を下げてから客間へと]
よっ、と……。
あーあ、っとに。
こんなに静かになっちまいやがって。
調子、狂うっつの……。
神父 メルセデス
…結局、ヒルダさんがどうしてこうなったのかが分かりませんね。
調べられそうな先生も……。
[通された客間で呟き、言葉が途切れる]
パン屋 ヨハン
……そうっすねぇ……。
ちょっと前まで、あんなに元気よかったのに、なんでいきなり、こんな事になっちまったんだか……。
先生がいてくれれば、なんとかなったかもしんない、けど……。
……はぁ……これから、どーなっちまうんだか。
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