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何?……もしかして、好きな人でもできたのー?
[一瞬浮かんだ色は目の奥に消え、
対する亘の目にも一瞬だけそれは浮かび消える。
……返事はない。]
えー、だれだれ?私の知ってるひとー?
「……そう」
うっわぁ、先輩くやしがりそうー
[マコトの慌てた声には構わず、ノートとテキストを拾い上げ]
………気にするな。こういう巡り合わせらしい。
[そのままマコトの方へ差し出す]
[ヒサタカがタオルを持ってきたという言葉にチラリとヒサタカに目を向けるがすぐにスッと目を逸らすと]
…………そう
[短くそれだけを言う。マコトの続いての呆れた声には俯いたまま]
……部活棟。雨が降ってきてから、歩いて帰ってきたから
[その言葉は先ほどよりも僅かに冷たい突き放す印象があったかもしれない]
名前教えてよー!
応援するよ!
[にこにこと笑い、言うものの、義兄からの答えは無い]
ねえ、わた……
おにいちゃん
[口唇は求められるままに名前を呼ぶのをやめて]
[友梨はと言えば、その声の主――兄を一度見遣り。
何時ものように露骨に嫌な顔をすることもなく、また逃げ出そうともせずに、窓の外に目を戻した。]
「……何時からいたの」
さっき来た。
「…そっか」
[沈黙が降りる。外では再び鳴き出した生き物たちの声。
洋亮が2歩、3歩歩いて隣についても、友梨はそのままでいた。]
[アスファルトの水溜りを踏む度、上がる飛沫。
ぱしゃり、ぱしゃり、弾く音。
学校と寮の、丁度、狭間の辺り。
花の咲いていない、桜の大樹が視界に入る。
その周りにコンクリートはなく、雨水を吸った泥濘が覆う。
大降りの枝から、ぱたぱたと、滴が落ちるのが見えた]
……は?
巡り合わせ……ですか?
[言われた意味がわからずにきょとり、としつつ。
差し出されたノートとテキストは、ありがとうございます、と言って受け取って]
部活棟なら、雨宿りできる所だってあったろうに……。
[ウミに向き直りつつ、ため息混じりに言う。
冷たい響きには、僅か、戸惑うものを感じつつ]
とにかく、そのままじゃ風邪引くから……早く部屋に戻って、着替えろよ?
体調崩したら、俺もケンも心配するんだから。
[それでも、かける言葉は、口調も内容もほぼいつも通りのもので]
誰がすきなのか教えてよー
[笑いながら言うと、亘も笑う。
どこか普段とは違う緊張に二人ともが気付いていたけれど、それを口にすることはなく]
「言うわけねーだろ」
えー、ケチー!
[玄関前、すっかり雨を吸い込んだスカートの裾を軽く絞り。スポーツバックからタオルを取り出し軽く水滴をぬぐいながら中へと入れば、同じようにずぶぬれの二人と天野が見え、軽く頭を下げた。]
[手早く熱いシャワーを浴びて、そのまま身体を洗う。
蒸気の上がる中、ホゥと息をついた。
冷えた部分は気をつけて温め、脱衣場に戻ると]
「大丈夫?」
[風呂上りらしい響子がいた。
先刻は急いでいて気が付かなかったが、その時からいたらしく]
あ、はい。大丈夫です。
ちゃんと温めてきましたから。
「ヨウコちゃんもたまにボーっとしてることあるよね。
そういうの見ると従兄妹なんだなって思うよ」
[からかうような口調で言われれば、困ったように下を向いた]
[マコトとウミの様子を、どこか微笑ましく見つめながら、頭を下げたサヤカに気付いて]
5人目……雨に濡れるのが流行なのか?
[すでにぼやきに近いかもしれない]
……よく、覚えてたな。
[先に口を開いたのは洋亮のほう。内容は昨日送られてきたメールのこと。]
「…まあね。どーせ、そっちは覚えてなかったでしょ」
失礼だな。……まあ、そうだけどさ。
「全く。何で私のほうが覚えてんだか」
[呆れ声の友梨の顔は微かに笑っていたように見えた。]
「…父さんのことなんか、殆ど覚えてないっていうのに」
[そんなじゃれあいにも、まわりからは見られるだろう雰囲気。
ちらりと窓の外を見やれば、細い雨がまるでカーテンのように見えた。
言葉がとまる。
テレビの音。]
校庭に佇む、桜の大樹。
雨に濡れ、静かに佇んでいたその周囲で大気が揺らめき、揺らぎ、そして──
ざわり、と言う音が響き。
緑色の葉が、激しく揺れた。
──と、思うと緑色は唐突に枝を離れ、吹き抜けた風により、天高くへと舞い上がる。
静寂。
それを、リン……という音が打ち破る。
「……さくら、さくら……」
音に続き、小さな声が響いた。
「いのちのまつり。
おもいのめぐり。
きみゃくはめぐる、ちからのままに。
きざめ、きざめ、いのちのしるし。
ゆくかいなかはだれもしらぬよ。
さくら、さくら。
はなはひらきてみまもるのみ。
さくら、さくら」
響く、歌。
それに呼応するように、大気が震え、そして──。
……ごう、と。
不意に風が強く吹き抜けて。
それが過ぎた後には──色彩鮮やかな花びらを散らす、満開の桜の大樹。
リン……と。
また、鈴の音が響き。
昨日、誰かが座っていた枝の上には。
桜色の小袖をまとった、黒髪の、幼い少女の姿があった──。
「いのちの、まつり。
こうさが、はじまる。
はじまるよ?」
どこか楽しげに、こう言うと。
少女の姿は、花びらの色彩の中へと、溶けて、消えた──。
……?わた……おにいちゃん?
何、?
[突然、謝られた意味がわからずに顔を向けると、ぐいと肩に手が掛かる。強い力だった。
男の力だった。]
[そこで立ち止まったのに、特に理由はなくて。
あるとすれば、昨日の怪談話を思い出したくらい。
だから直ぐに立ち去ろうと、足を1歩―――]
―――わっ…?!
[揺らぎ。
大樹がざわめき、晴れ渡った空へと、緑が舞う。
耳に届いた音色は、鈴だろうか。
辺りに響いた声は、歌だろうか。
訳もわからずに、巻き起こる風に、片腕で顔を庇う]
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